■そんなばかな!? 絶対にありえない話。
チセヌプリで今シーズン最後の1本を滑ったはずなのに、再びスキーをしに山に出掛けてしまいました。 グランビアは処分したので、フィットが足です。
駐車場に着くと、校長は何故か端っこに停めてあったえび茶色の軽のワゴン車のドアを開けました。
奇妙な行動にキョトンとしている私をよそに、校長はその車から板やブーツを出しました。
いつの間にか、チセヌプリの駐車場に倉庫代わりの車を置いていたのです。
しかも共同使用。
何?一体どういうこと?
まあいいか・・・。
深くは聞かず、私も身支度を始めました。
すると、校長は今まで見たことのないウェアを纏い始めました。
一体何十年前の?と思うようなそのウェアは、色もデザインもずいぶん以前に流行ったもののようでした。
しかも、頭には何も被らず、昔、西部警察の”大門さん(渡さん)”が掛けていたようなサングラスをしているのです。
はっきり言ってセンス悪っ!
いつもとはあまりにも違ういで立ちに、私は呆気にとられました。
そして準備が出来ると、板にシールも着けず上まで板を履いたまま登って行くと言うのです。
「え~っ!ど~して~!?」と問う私でしたが、完全無視されました・・・。
それなのに、歩き出すとすぐに「俺は止めるから、あんた一人で登っておいで!」と、一人で降りてしまったのです。
「え~っ!!そんな!」
滑り下りて行く校長の背中を見送り、仕方なく一人登り始めたのですが、なんだか空しくなってきました。
悲しい気持ちで振り返ると、あろうことか校長はさっきの軽ワゴン車のなかで折詰のお弁当をむしゃむしゃ食べているではありませんか!!
「ちょっと!ひどくない!?」
さすがにメゲタ私は、登るのを止めて滑り下りました。
ワゴン車に乗り込み怒ると、「俺はここで見てるからあんたその辺の見えるところで滑りなよ。」と言うのです。
相手が校長モードの時は、師弟関係のために逆らえないのです。
「え・・・。分かりました・・・。」
すっかりやる気が失せた私でしたが、校長の指示なので仕方なくまた登り始めました。
すると、とんでもない事件が起きました。
どこからともなく現れた兵士が、私に向かって突進してきたのです。
チセヌプリと言えば、確か自衛隊の訓練所はあった・・・。
でも、あれは日本人ではない・・・。
手に武器らしきものを発見した私はパニックに陥りました。
そして、何が起きたのか分らない内に私の腰から下は火炎放射機で焼かれてしまったのです。
痛い、熱い、苦しい。
ところが視界の端に映った校長は、大事件に気付く様子もなく美味しそうにお弁当を食べている・・・。
そんな時、ちょうど通りかかったのはホテルの仲居さんでした。
私を担いでホテルの空き部屋に寝かせてくれたのです。
親切はとても有難かったのですが、出来れば救急車を呼んでほしかった・・・。
スキーウェアは足に貼り付き、目を覆うような惨たらしい姿になっていました。
どうやら仲居さんは、医者に電話をして往診を頼んでくれたようでした。
ほどなくして現れたお医者様でしたが、「おおー!だいぶ良くなっているね。」と言うのです。
まさか!
さっき焼かれたばかりなのに・・・。
恐る恐る脚を見てみると、確かにほとんど痕もなく良くなっている・・・。
はぁ~~~~~?????
一体全体どういうこと!?
絶対にありえない!!
はい、ここで目が覚めました。
全て夢のお話です。
この日、見たもの聞いたもの触れたものがぐちゃぐちゃのごちゃ混ぜになって、ありえない話を作り上げたようです。
熱いと感じていたのはアンカでした^_^;
なんなんだ…まったく…。
当然、起きたら頭も体もぐったりと疲れていました。