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2025/02/17(月) - 暮らし
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(続)あいつとの32年間の空白を埋めるために(8)
マドリード空港に迎えに来てくれた ユーイチくんは、以前、弟がマドリードにいた頃に 大変お世話になったと言ってくれる 弟の友人だ。 調子のいいあいつのことだから、 さぞかし格好をつけて後輩の世話をしていたのだろうと思う。 ユーイチくんもスペインにハマって 15年以上いるようだ。 そんなユーイチくんに、 タクシーの中で弟の状況を聞いた。 かなり心配な状況とのことで、 彼は説明する間に、少し言葉をつまらせていた。 我々は早速病院に向かった。 タクシーの中で色々と考えた。 もしこのままダメだったらどうなるんだろう。 こちらでの様々な後処理はどうなるのか。 母に伝えていないがそれでいいのか・・・ タクシーで20分ほど走り、病院に着いた。 病室に着くと、弟はベッドに足を投げ出して座っていた。 「よう・・・」と軽く挨拶を交わした。 スペイン人の奥さんが連れ添っていた。 「わりいな、兄貴・・・せっかく来てくれたのに。」 「いやいや・・・。 それでどうなのよ。」 僕らは入院する経緯から 入院してからの話を聞いた。 弟の話では、医者によるともう打つ手がない ということだった。 このあとの痛みについては、 どんどんひどくなってくるらしく、 痛み止めのモルヒネを強くしていくしかないらしい。 そうなると、意識は朦朧とし、 そのうち意識はもどらなくなり、 そのまま息が止まっていくのだ。 我々が行った時は、弟は喉に穴を開けていたから 声は出しづらそうだったが、 意識ははっきりしており、普通に話ができた。 話すことについては、もう死んだ後のことについてである。 スペインでの葬儀はどうするのか、 親戚にはどう伝えるのか、 日本での葬儀はどうするのか、 鎌倉にあるファミリーの墓にはいるのか、 遺産はどう処分するか・・・ こんな話や、1年半前に先に逝った親父の話とか、 残るお袋の話とか、甥っ子たちの話とか。 死ぬ前に色々と生きている人に思いや希望を 託すことができる意味で、 癌で死んでいくことは残される人たちにとっても いい死に方なのかもしれないが、 それだけに余計に悲しむ時間も長いとも言える。 目の前に、もうまもなく死んでいく弟がいる。 今はこうして話をしているのに もうすぐに永遠に話ができなくなる不思議な感覚。 僕は悲しいというよりも不思議な感じでいっぱいになった。 また次の日の昼までにくることにして 僕らは病院をあとにした。 今日はユーイチくんが病室で付き添ってくれるらしい。 (つづく)
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