Rietty

『役』を捨て自分自身に戻る時間 “hinna produced by Toya Pirka Shop” で癒される時

今回はToya Pirka Shopのオーナーで基礎化粧品“ hinna ”の開発者 加藤亜貴絵さんにお話を伺いました。



待ち合わせ場所に現れた亜貴絵さんは、スラリと背が高く素肌の美しい方でした。
石狩市ご出身で、短大では経済学を学び、長らく銀行員をされていたそうです。そして、6年前に洞爺湖町に移住されてからも同じ銀行の支店で働いていらっしゃいました。

↑湖畔で遊ぶ亜貴絵さんの愛息子様

「地元に密着した洞爺湖町の支店では店内のチームワークも素晴らしく、営業の立場から地元の皆様とお話をさせていただく機会も多くあり、どんどん洞爺湖町の魅力に惹かれていきました。気づいたら洞爺湖町の大ファンになっていて、洞爺湖町の良さを町外はもとより町内の皆様にもっと知ってほしい!と思うようになっていました。」

そしてこんなお話も。

「自分自身、洞爺湖町に移り住んでから性格が変わったと感じています。それまでは常に何かに追われるようにキリキリとした生活でした。でも、洞爺湖町に移り住み、美しい自然や温かい人々に囲まれているうちに、周りの自然や人に心から感謝するようになりました。そして、“ 肩肘張らなくてもよい。自分の精一杯を生きればよい。”と、思うようになったのです。」



なるほど…。
“ hinna “のお名前の由来がわかりました。

hinnaとはアイヌ語で感謝を表すことばです。
「全てのものに感謝して生きていきたい」そんな亜貴絵さんの気持ちを表していたのですね。


さて、今回の主役 “ hinna “のことについて


「でも何故、その想いが化粧品に結びついていったのでしょう?」

そんな筆者の問いに、亜貴絵さんはこう答えてくださいました。

「私は元々アレルギー体質でもあり、ものすごい乾燥肌なのです。ですから、ありとあらゆる化粧品を試しました。その中で、これはいいかも!と思う基礎化粧品に出会ったとしても、何かしらの矛盾や難しさを感じて持続できない。加えて自分をすり減らす都会の生活にも疲れた頃に洞爺湖町に転勤して……。 そして先ほどの話に繋がっていきます。 ある日、ある農家の方に教えていただいた洞爺湖町名産の財田米と赤シソを知ったことは、私の中でとてもとても大きな出来事でした。洞爺湖町産の赤シソは、農家さんが毎年タネを採り、それを毎年撒き、手作業で何十年も繰り返し育てられているのです。命と産物を繋ぐ作業を全て手作業で行っていることに感動を覚えました。それに、抗アレルギー作用がある赤シソは、アトピー体質の私にはジャストフィットでした。この本当に素晴らしい洞爺湖町の産物をなんとか多くの人に知ってほしい! しかも私らしい方法で! そんな想いが化粧品とリンクしていったのです。」

一念発起した亜貴絵さんは、会社を辞め、わずか半年で『日本化粧品検定1級』を取得しました。

さらにお話しは化粧品成分に及び、語りは熱く繰り広げられました。

「まず、財田米はとにかく食べて美味しい! 実は私の父は石狩の米農家で育ちました。ですので、いつも美味しいお米をいただいていて、『うちのお米が一番美味しい!』と思っていたのです。ところが、財田米を食べたらそれが覆されました。初めて味わったお米での敗北感でした 笑。 心から美味しいと感じるものは肌にも良いと思っています。 お米には保湿や血行を促進する成分があると言われています。 そして赤シソ。赤シソには殊の他強い思い入れがあります。実は洞爺湖町は北海道で1.2を争う赤シソの産地なのです。それは残念ながらあまり知られていない事実です。こんなに良いものなのに何故!?と叫びたいくらい。赤シソには抗アレルギー・抗酸化作用があると言われる他、美白や保湿の効果もあると言われています。 この2大主役に加え、北海道産のサラブレッド由来のプラセンタも配合しています。こちらには優れたペプチドやアミノ酸が含まれているのです。 それと、hinnaは着色料や合成香料を使っていませんが、化学成分は含まれています。自然由来にこだわりすぎず、『人間が長年研究をし続けてきたお肌にとって必要な成分=化学の力』とのハイブリッドで作っているのです。 」

↑手のひらサイズより大きな葉の赤シソ畑

↑黄金色に稔った財田米

北海道産のサラブレッドにこだわった理由は、「餌の面でも衛生的にも丁寧に管理されていることと、北海道の原材料を使いたかったということです。」とのこと。

亜貴絵さんとお話ししていると、全てのことに裏付けがあり、きちんと分析されての言動だということが分かります。
ご自分のお仕事に対して『腹を括っている』という潔さが伝わり、ものすごく説得力がある。
本当にスカッと気持ちが良い方です。

↑パンフレットデザインもパッケージデザインも全てご自分で行なっていらっしゃいます。
本当にバイタリティー溢れる方です。

↑この優しい紫色は、お米の研ぎ汁の白と赤シソの紫を足した色だそうです。

「ところで、作っているのは亜貴絵さんご自身ではありませんよね? どのように開発レシピ通りに化粧品を作ってくれる製造会社を見つけたのですか?」

すると、その行動力に感動するお答えが返ってきました。

「あちこち電話を掛けまくって、直接営業をしにいきました! ですが、個人の話を聞いてくださるところはなかなか見つかりませんでした。変なオバさん扱い。ですが、実はこのコロナ禍はチャンスでもありました。化粧品業界もテレワークなどが多くなり、化粧をする人が減り、取引先自体が増えないという悩みを抱えていたのです。ですので、個人の話でも前向きに聞いてくださる会社様も現れました。それが現在、製造をお願いしております(株)粧薬研究所様です。こちらでは、私の話を本当に良く聴いてくださり、OEMに快く応じてくださいました。」

きっと、数字でものを説明できるという前職でのご経験も強みになっているのでしょう。



コロナ禍は、亜貴絵さん自身にも会社員であることのメリットとデメリットを深く考えさせてくれたと話してくださいました。

“ ピンチをチャンスに! コロナ禍をチャンスに!”
多くの人がそう口にしますが、誰にでも簡単にできることではありません。
でも亜貴絵さんは、コロナ禍をチャンスと捉えました。

止まりたくない。
前進あるのみ。
たとえ失敗したとしてもこうと決めたら突き進みたい!

そんな亜貴絵さんの強い想いにより、準備期間に多くの苦悩を抱えて過ごしながらも、構想から1年半というハイスピードで ” Toya Pirka Shop ” を立ち上げることができました。

立ち上げ前には80人のモニターの方に使っていただきました。
いただいた感想から成分配合の手直しを繰り返し、ついに2021年12月に” hinna “が世に送り出されました。

最後にこう話してくださいました。

「しばらくは『変なオバさん』扱いでしたが、最近メディアで取り上げていただけるようになり、活動を知っていただけるようになったのはとても嬉しく有り難いことです。
” Toya Pirka Shop “のコンセプトは10年後、20年後も使い続けたい持続的なものであることです。持続的であるためには価格はとても重要です。ですから、” Toya Pirka Shop ”の製品は価格設定が先です。 製造以外、今は一人で回しているので、製品コストは最低限に抑えることが可能です。 hinnaは1本3300円ですが、150ml入っていますので、だいたい2ヶ月半はお使いいただけます。内容成分的には絶対の自信を持っています。 女性にはたくさんの役割がありますが、1日の内のせめて数分だけでも自分自身に戻ってほしい、自分に優しくしてあげてほしい、そう願っています。スキンケアは自分自身の手で労わることができる作業です。自分で自分を癒すために毎日お使いいただけたら幸せです。 」

お話をいただく間、何度も周りの方への感謝の気持ちや、自然への感謝の気持ちを口にされた亜貴絵さん。

お話を伺い、この商品には” hinna “ 以外の名前は見当たらない。

そう思った筆者です。



↑洞爺湖町 230号線沿いにある「きつつきカナディアンクラブ」さん敷地内にある「森と休日」さんで委託販売中です。

↑こちらは洞爺湖温泉街の「越後屋」さんで委託販売中です。

「そうべつ道の駅 サムズ」さんでも2/11より委託販売が開始されました。




※記事の内容は取材時の情報にもと基づいています(取材2022年)

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