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Rietty
立ち上がった留学生フレンドシップ
さて、冒頭から失礼します。
皆様ご存じでしょうか?
現在、西胆振には1000人を超える在留外国人の方が住んでいると言われています。
そしてその方々は、日本の労働力となっていただいているにも関わらず、実はとても暮らしにくい状況下にいます。
例えば、受け入れ先が少なく働き先がなかなか見つけられない。
故郷に帰りたくても帰れない。
仕送りも出来ない。
でも、支援の手がなかなか差し伸べられないetc.
そんな境遇にいます。
このような現状を知り、「支援したい!」と2015年4月に立ち上がった団体が『留学生フレンドシップ』でした。
『留学生フレンドシップは、室蘭工業大学留学生を中心とした各国留学生、在留外国人と市民との交流をはかり、親睦を通してお互いの文化・習慣を確認し合うことにより相互理解を増進して、彼らの知識と力を地域社会に還元し、かつ各国留学生、在留外国人と市民との間に発生するトラブルを可能な限り回避しながら各国留学生、在留外国人の生活支援、活動支援をすることを目指します。』
留学生フレンドシップHPの「活動目的」から抜粋
この団体は、異国に訪れ、様々な不安を抱える方たちの「少しでも力になりたい」という想いを共有する仲間で成り立っています。
代表は日栄 均さん。
「できることは何でもしたい!」と熱く語ってくださいました。
ぱれっと とは?
さて今回は、その『留学生フレンドシップ』が母体となって運営をしている “ ぱれっと “を取材させていただきました。
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経営者は三津谷達子さん。
留学生フレンドシップの事務局長で “ ぱれっと “ の経営者でもあります。
ぱれっと経営者の三津谷さん 在留外国人のことで常に頭がいっぱい。何やら考え中のご様子の三津谷さん…
以前、タピオカ専門店だったところを事業継承された三津谷さん。
“ ぱれっと “を国際交流のプラットホームにしたいと考えていらっしゃいます。
「留学生はもちろん、在留外国人の置かれている状況はとても厳しいです。西胆振だけを見てもこんなにもたくさんの外国人の方が暮らしているにも関わらず、法的な整備は追いついていません。日本人ならば難なくできることも、言葉の壁もあり支援が必要であったりしますが、そのサポート団体も少ないです。技能実習のために日本に訪れ、労働力として貢献していても不安なく過ごせるような環境はまだまだ整っていません。また家族で日本に住んでいても、特にコロナ禍の逆風もある中では仕事が見つからず、苦労をされている方も多いです。このように、困った時に気軽に相談をしに来られる場として、同朋が集まれる心の拠り所として、“ ぱれっと “は存在しています。」
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例えば自分が外国に留学した時のことを想像してみます。
生活習慣も言語も、もちろん法律もなにもかも違う環境の中で、困った時や不安になった時、いつでも迎え入れてくれるところがあったならどんなに心強く有難いことか…。
“ ぱれっと “ は、外国人のよろず相談所の拠点的機能も兼ね備えているので、スタッフは常に胆振管内を飛び回り、各種サポートをしたり、在留外国人の雇用に前向きな企業を探して歩いています。
そして留学生フレンドシップは、近々北海道国際交流協力総合センター(ハイアック)の協力団体となり、秋には団体名も新たに登録されるそうです。
伴って、“ ぱれっと “のプラットホームとしての機能も増してフル回転になっていきます。
「もうほとんど親のような気持ちです。せっかく来てくれた日本で安心して楽しく暮らしてほしいですからね。物好きでおせっかい好きなジジババの集まりなんです。」
ご本人はそうおっしゃいますが、在留外国人にとってはジジババどころか天使のような存在だと思います。
それに、側から見ても「してやってる」意識がまるでない。
外国人との交流を心から楽しんでいることがわかります。
だからこそ長く続くし皆様に頼られるのでしょうね。
他にも主な活動内容としては〜
- 帰国申請の手続きのサポート
- 在留資格延長相談
- 生活福祉資金(帰国前提の場合は受給資格なし)を受けるための日本国内の預金通帳発行手続きサポート
- 就職やアルバイト相談、斡旋(外国人の人材派遣業登録済み)
- 留学生が札幌などで試験を受けるための移動相談
- 医薬部外品などの説明書きの翻訳サポート
などなど、数えあげればきりがなく様々な相談が持ち込まれます。
どんな相談でも、我が子のことのように親身になって応じてくれる場があることが、どれだけ在留外国人の皆様の心の支えになっていることか。
まさに駆け込み寺です。
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そこで尋ねてみました。
「そのモチベーションの原動力は何ですか?」
すると単純明快な答えが返ってきました。
「笑顔で喜んでもらえることです。」
つくづく、この方たちだからこそのお答えだと思います。
実は筆者、随分以前からまったく別のことでお付き合いをさせていただいていたのですが、実に「らしいなあ」と感じます。
損得勘定がまるでない。
心で動いている。
それは、どんな場面でもそうでした。
ですから、「手伝いたい!」と集まるメンバーも類が友を呼んでいるようです。
けれども、決してその好意に甘えているわけではないところに感心してしまいます。
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「大切にしているのは、長く無理なく楽しくできることです。きっと、仲間たちのモチベーションはそれぞれ違うと思います。例えば手伝うことで国際交流ができることに楽しみを見出す者。手伝うことで語学学習ができることに価値観を見出す者。動機は様々でも、結果winwinの関係を築ければ誰もがハッピーになれますよね。」
気負いや正義感をむき出しにした活動でなく、自然体な活動が、在留外国人たちにも安心感を与えているのだということがよくわかりました。
日本語教室のこと
そしてもう一つ。
在留外国人の言語の問題が少しでも解消できるようにと、日本語教室も開催しています。
先立って、この教室を留学生フレンドシップで行うために、コロナ禍でも対面式で開講できるようにと環境を整え、北海道国際交流・協力総合センター主催『日本語学習支援者養成講座』をスタッフ5名が受講、その資格も取得しました。
「みんなと仲良くなれるように、自分の名前や住所、好きな食べ物などが言えるように、まずは自己紹介とあいさつを言えるようにしましょうと呼びかけました。現在、毎週土曜日の午後15:00~16:00に無料で開催しています。途中ティータイムなども挟みながら、和気あいあいと行っています。」
と、三津谷さん。
しっかりと温かく外国人たちに寄り添うことで、どんなサポートが必要なのかを見極めて実践されていることに感動を覚えました。
雇用の場としての”ぱれっと”
ところで、在留外国人が働く場としての“ ぱれっと “。
こちらでは、留学生・ボランティアなども含め5人が働いています。
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こちらは以前、タピオカのみのお取り扱いでしたが、最近「バインミー」というベトナム料理を曜日限定で始めました。
ベトナム人留学生のレシピですので本場の味。
パンもバインミー専用のものが使用されています。
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在留外国人を総合的にサポートをする留学生フレンドシップが運営する“ ぱれっと “。
現在はタピオカとバインミーのみのご提供ですが、6月からはソフトクリームやベトナムコーヒーなどのメニューも登場します。そして将来的には、外国お土産なども揃えながら、食文化の発信の場としても展開をしていきたいと考えています。
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今後は活動エリアを今までよりも広げつつ、西胆振に住む外国人の親代わりとなって、地域と在留外国人の交流の場として、今後ますます多方面に機能し、国際交流のプラットホームになっていくことと思います。
―ぱれっと情報―
住 所 室蘭市中島町3丁目29-1
電 話 なし
営業日 火曜日〜日曜日 10:30~18:30
定休日 月曜日
編集部のライターとして月に2~3回ほど、皆様のお目にかかることになりましたRiettyです。
この場では、私が出会った「好き」や「楽しい」や「いいね!」を皆様におすそわけさせていただきたいと思っています。
いろんなモノ。
いろんなコト。
いろんなヒト。
楽しむための情報の一つとして。
どうぞ末長くお付き合いくださいね ♡
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イベント
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03/01(土)
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室蘭市中島町5番街ビル2階(PPS)
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