
ホテルマンの幸せ
『緑の額縁』の場所に行く♪
おはようございます♪
先週行って来た函館散歩でしたがあと1箇所の写真が残っておりましたので紹介させていただきますね☆
ここまでの流れは…
・東京から北海道旅行に来ていたノリコさんと村瀬さんと市場で海鮮ものを食べる☆
・?六花亭に買い物に行く☆(ノリコさんしか買わなかったケド…)
・五稜郭ならぬ四稜郭へ行く☆
・こどものくにに行く☆(雨で遊園地は休園だったケド…)
・HTBの『ハナタレナックス』の撮影で取材を受ける☆
・ラッキーピエロでバーガーとコーヒーで満喫する
・ダムに行く☆
ここまででもなかなかの函館散歩満喫してます?よね♪
函館山とか金森倉庫とか五稜郭公園とかは何度も行っているので今回はそういう場所ではないマニアックなところの散歩をして来たのです♪
例えばこんな場所も見て来ました☆
『緑の額縁』です☆
ジャ~~~~~~~~ン☆

ねっ♪
この日は雨だったので景色も澄み渡ってませんが実にロマンなチック度の高い場所だと思います☆
ここにカップルとかで撮影するといいんでしょうケド…
雨の日に村瀬さんと2人だったのでなんともいえない写真に仕上がってしまいました…

何度来ても函館という街は心がワクワクする魅惑的な街だと思いました。
明日は青森に行くために函館にも寄りますが滞在は出来ないのでまたゆっくり函館の街を散歩しに来たいと思います…♪

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01/29(日) 旅するイタリアンレストランを目指して☆ 〜洞爺湖 Lagorto ファンキーコンビは今日もいく〜
左側は代表の木村香葉子さん。 伊達市ご出身。 東日本フェリーの船内で6~7年勤めたのち、派遣バイトを始め各地を転々としていました。 ある時はキロロで、またある時は礼文島で、そんな時、所属していた派遣会社を通して右側の利光優子さんと知り合いました。 そして真狩の佐伯農園さんで働いたことが、その後の二人を決定づけることになりました。 優子さんは愛知県のご出身。 29歳でホテル調理の仕事を始め、イタリアンやフレンチの修行を積みました。 育った場所も経歴も違う二人。 この二人を今に繋げたのは、佐伯農園さんが経営する『Pomme ポム』というファームレストランでした。 シェフを探していた佐伯さんに優子さんを紹介したのが香葉子さんだったのです。 そして優子さんは即断して北海道にやってきました。 裏の思いとして、あるメリットを感じたからでした ということで。 今回は洞爺湖温泉に2021年6月 カジュアルなイタリアンレストラン『Lagorto』をOPENされた香葉子さんと優子さんを尋ねました。 仕込み時間という短い時間をいただいた取材だったため、実は事前にお二人の人となりがなんとなく分かる写真のご提供をお願いしていました。 すると届いた写真がこちら〜。 むむむ〜! なんてファンキーな!! 今となってはどの人がお二人なのか分かりませんが、このイカした面々のうちのお二人がのちのLagortoコンビなのでした。 なるほど〜! これが裏のメリットか〜!! 筆者はライター・ガイドの他にもスキーインストラクターをしているのでイメージできるのですが、ちょうど彼女たちの世代の方々は、いわゆるリゾートバイトなどをしながら冬山に籠り、リフト券貸与の恩恵を受けながら、スキーやスノーボードをしまくる!という生活をする方が当時は多かったのです。 現在若い世代の方にはあまり見かけないワーク&ライフスタイルです。 これまで様々なジャンルの方を取材させていただきましたが、実はコロナ禍に新たな道を開拓された方が多いです。 そして成功されている。 それは決して火事場の馬鹿力ではなく、自分の生き方をしっかりと見つめ直し、コロナ禍をチャンスと見ることができた方々でした。 何を食べても美味しいとすぐに話題となった『Lagorot』では、顧客の7割が地元の方だそうです。 わずか2年余りで地域に根付くのは素晴らしいことです。 きっとそれだけ、おふたりの店への想いが強いということなのでしょうね。 ところで、店名『Lagorto』の意味を訊ねました。 なるほど、『洞爺湖を望む坂の途中にある菜園のようなレストラン』ということですね。 こちらはメニューのごく一部です。 Lagortoさんのメニューラインナップは、基本、お酒のつまみにもなるものが多いです。 それなのに、実は違いの分かるお子様にも人気なのだとか? パスタの具にご注目。 真狩佐伯農園さんとのつながりがあるからこその、ふんだんに使われた百合根! これ、都会で食べたらとんでもないお値段になります^^; なるほど。 『旅するイタリアン』というわけですね〜。 旅先では楽しく遊んだり、飲み歩いたりもしつつ、料理はガチで本物を提供する。 やっぱりファンキー! カッコいい!と思います。 めっちゃ喧嘩をするとは言いながらも、「二人でやりたいです!」とキッパリと話してくれました。 洞爺湖の『Lagorto』で食べるイタリアンはもちろん美味しいけれど、ふらりと出かけた旅先で、お二人に会えたら嬉しいなあ〜と思った筆者でした。 ―Lagorto情報― ・代表 木村香葉子 ・シェフ 利光優子 ・北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉54秋田ビル1F ・詳細はFBまたはInstagramよりご覧ください
Rietty
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10/13(金) きのこから森を観て、森から地球を観る 〜愛ある きのこアドバイザー 中嶋潔ワールドへようこそ!
きのこ観察会にて この日は、倶知安にある「GURUGULU」というオフグリットのゲストハウスで「きのこ観察会」が行われました。 参加者は小さなお子様から大人までの15~6人。 この日筆者は、「きのこ観察会」への参加と、今回の主人公 中嶋潔氏 の取材目的で出かけて行きました。 お天気最高の野外活動日和♪ 実は筆者、潔さんの観察会には“きのこ”以外でも参加しています。 今回で4回目。 中嶋潔ワールドは、毎回飽きることなく楽しい時間を過ごせます。 何故かって? それはきっと、森愛溢れる潔さんと森にいると、とても楽しくて、平和で、幸福感が何倍にもなるから。 森がいっぱいの日本に住んでいて良かった! 地球に生まれて良かった! そんな幸せの時間を与えてくれる人だからです。 子どもも大人も惹きつける潔さんの技はひとえにお人柄が成すものです。 子どもって、そういうところを察する力に長けていますので、すぐに人気者になってしまいます。 中には、きのこ博士くん候補生のように詳しい子もいました。 毎回観察会を楽しみにしているご家族もいらっしゃるようです。 そして観察会の締めは約11種類もの“きのこ”が入ったうどんを毎回振る舞ってくれます。 実は皆、これも大の楽しみ🎶 林床への興味 実は潔さんは、あの難関資格「森林インストラクター」でもあり、「きのこアドバイザー」でもある森の人。 2001年から6年間林業に携わり、現在はニセコのリゾート会社にお勤めです。 「北大のポプラ並木が倒れたり、支笏湖周辺の森の木が軒並みなぎ倒された大きな台風が来た2004年、悲しいことにリストラに遭ってしまいました。管理する木がほとんど倒れて無くなってしまったからです。でも林業の仕事が大好きだったのでその後は民間会社の林業部門で働きました。林業に携わっていた6年間で行っていたのは、育苗・植林・伐採・管理。おもにトドマツ・アカエゾマツ・カラマツ・ミズナラ・ケヤマハンノキなどを植えていました。働き始めた頃は何も知らなかった樹木の名前も、毎日触れて観察をしているうちに、2年で倶知安周辺の樹木は全て覚えてしまいました。この地域の樹木について、ある程度把握できてきた時に、次に興味が湧いたのが、いつも樹木のそばの地面にいる、きのこたちでした。」 「興味を持ち始めた頃から直ぐに“きのこ観察会”を催すようになりました。自分自身はまだまだよくわからなかったので、黙々と独学もしつつ、『誰か詳しい人!?』と呼びかけて興味がある人や詳しい人と一緒に観察をすることで少しずつ覚えていきました。最初の頃は図鑑を森に持って行き、調べながら歩いていました。でもそれをやるとなかなか進まず多くを観察できません。実は、“きのこ”ってまだ良く分かっていないことが多いです。日本には5千〜1万種類くらいはあると言われていますが、その内、名前が付いているのは2500種類くらいです。そしてそれらのうち、一般的な図鑑に掲載されているものが800種類ほどです。名前のない不明菌と呼ばれるものの方が非常に多いことになります。実際に森を歩いていてもわからないものがたくさんあるわけです。だから、図鑑を持ち歩くのはとても非効率になります。ある日、北海道大学名誉教授の五十嵐教授の観察会の仕方を見て衝撃を受けました。森の中では一切図鑑を開かなかったのです。だから、僕も現場で図鑑を開かずに、種を言い当てることができるようになる努力をしました。きのこ用のカメラを買い、色々な角度から写真に収めてあとで調べるという方法をとりました。10年くらい続けてやっと種の見分けに信憑性が出てきたかな〜。」 にわか仕込みで覚えようとしている筆者には耳が痛い話です^^; 「また、FaceBookでは『北海道のきのこ好き』というグループを作って、常に新鮮な情報交換をしています。オンライン上の趣味のグループって、とかくイザコザが起きやすいのですが、このグループは居心地の良いグループにしたかったので、しっかりルールを守り、ネット上のマナーをわかってくれる人のみを承認するようにしています。自分がなかなか見られない“きのこ”も皆さんがシェアしてくれるのでとても勉強になります。」 常に学ぶ姿勢を止めない潔さんです、 そしてじきに、潔さんに転機がやってきます。 「ニセコのある会社から、スキー場ゴンドラの夏季営業を始めるに際し、山頂で自然体験部門を立ち上げるのでその担当者にならないかという話しが舞い込みました。好きな分野でしたので直ぐにお引き受けし、2007年から2020年に廃止されるまで担当しました。コロナ禍がきっかけでその部門はなくなってしまい、今は別のセクションにいるのですがあれは楽しい仕事でした。」 今ももちろん“きのこ”への愛は変わらず持ち続け、観察会活動はライフワークとして続けているというわけです。 「ところで、“きのこ”は確かに可愛くて面白いですが、それほどまでにのめり込んだのは何故ですか?どこにそんな魅力を感じたのでしょうか?」 「石炭期を終わらせたのは“きのこ”だという話を知っていますか?」 「え? あ…はい。一応ネイチャーガイドの端くれですので…」 「“きのこ”への興味は食べられるor食べられないだけではありません。まず、一期一会で神出鬼没なところが面白いのです。“きのこ”への興味を覚えてから20年超えてもまだまだ情報は更新し続けています。実に奥が深い。地球上の“きのこ”の登場は、酸素と二酸化炭素濃度のバランスに関係しています。地球上にきのこが登場する前、植物たちは枯れても分解されることがないので、その遺骸は地面に溜まり続け、それが石炭となって地面の中に二酸化炭素の多くを封じ込めてしまいました。そのため地球の酸素濃度はどんどん上がり続けましたが、“きのこ”を含む菌類の登場により、死んだ樹木を菌類が分解するようになり、石炭はできなくなってしまいました。その後、大気は現状の酸素濃度で安定し、土壌も変化し生き物は進化し、現生の植物が誕生しました。“きのこ”の登場は、地球上の生物や植物にとってとても大きな出来事だったのです。“きのこ”をはじめとした菌類が地球上の生命活動の重要な鍵を握っているわけです。」 なるほど〜。 もうかなり前のめりな筆者。 目がキラキラしているのを自覚しました。 もっともっとその続きを聴きたい衝動を堪えて、取材モードに戻しました。 同時にここで、潔さんが一体どんな子ども時代、青年時代を過ごしたのかということに俄然興味が湧いてきました。 潔氏 小学生〜大学生の頃 「小学生の頃は物知り博士的キャラでした笑」 「それって今と変わらないですね笑」 「そうだね。たぶん僕は父親の影響をかなり受けていると思います。父は兵庫県赤穂市生まれで海育ちだったので、海が大好きな人でした。よく釣りやキャンプへ行ったなあ。今でいうグランピングのようなキャンプも体験させてくれました。父自作の2段ベッドがテントの中にあったんです。自然の中での過ごし方の基本を習ったのは父からでした。そして、ものすごい読書家で聡明でした。物事を科学的に考えることがとても好きな人で、それを試してみるのも好きでした。手先もとても器用だったので、周りが驚くようなものを色々作っていたなあ〜笑」 お父様のことを楽しそうに話す潔さん。 “ 困った人” “ 変な人 ” という言葉が何回も出てきましたが、その言葉の裏にある尊敬と愛が込められていることも筆者には伝わっていました。 「例えばね、自宅の一角にコンクリートの建物を作って、屋上に畑を作ったこともありました。ところが階段がない。梯子で上るわけです。そして父親だけはトイレを使わず糞尿を肥料として屋上の畑に撒くわけです。周りは住宅街。当然臭う。当時、父はEM菌関連の本を読み漁って研究をしました。決して環境問題に傾倒していたというわけではなく、素朴な感情で超循環の暮らしをしたいと考え、自給自足を目指していたのだと思います。大変だったのはお袋だろうなあ〜笑」 「あ。こんなこともありました。当時大阪府に住んでいたのですが、自宅の近くに天の川という名の川が流れていて、その河川付近に遊んでいる土地があると放っておけない。開墾しちゃうんですね。特に迷惑を被る人はいないとは思いますが、まあ、今なら問題になりそうですよね…^^; とにかく、学校では学べない自由な世界があることを父が教えてくれました。」 お父様のお話を伺っていたのですが、途中から潔さん自身のお話を聴いている錯覚を起こすほど、お父様の影響を強く受けていらっしゃるなあと感じて、心の中でクスッとしてしまいました。 「中学生の頃は自転車少年でした。自転車の旅が好きで、高校の卒業記念に友達と13泊14日四国の野営旅をしたこともありました。高校時代はワンゲル部・新聞部・クイズ同好会を掛け持ちしていました。自然の中にいることも、ものを読んだり書いたりすることも当時から好きでした。北海道新聞のコラムを12年間連載したこともあります。」 しまった…。 またやってしまった…。 最近どうもうっかりとモノを書く人を取材相手に選んでしまいます。 潔さんは常に笑いながら話してくれるのですが、緊張が走った瞬間でした ^^; 「大学時代はワンゲル部一筋でした。山は本当に好きで、仏教系の大学で哲学を学んでいたのですが、卒業後は北アルプスの山小屋で夏から秋まで五年間、小屋番をしていました。」 小学生から大学生時代のお話を聴き終わり、目の前にいる潔さんを作り上げてきた道筋が見えた気がしてものすごく腑に落ちました。 キノコから森を観つづけた潔さんが成し遂げたい想いとは 「最後に、成し遂げたい想いがあったら教えていただけますか?」 筆者が投げかけた質問に、それまで、ニコニコと顔いっぱいの笑顔で話していた潔さんの顔つきが急に変わりました。 「キノコは森を観る窓だと思っています。」 そう切り出した話の続きはこうでした。 「北海道の70%は森林と言われています。ずっと森を観てきた人間として、キノコを通して北海道だからこその森の守り方・育て方・稼ぎ方などを仕組み化していきたいと考えています。ご存じですか?北海道の人工林の約50%はトドマツ林です。 そしてなんと、トドマツ林にはおそらく世界で一番キノコの種類が多く生えているのです。 しかも、トドマツ林は保護林の中には存在しない。つまり、林床の利用は自由です。 北海道にしかできない「トドマツ林限定のきのこの資格制度」を作りたいと考えています。その資格制度を作ることで、北海道の人工林に最も多いトドマツ林に生えるキノコを熟知している人を増やせば、世界で最もキノコを理解している人を増やすことになります。キノコの理解者を増やすことで、森は森のまま木々を適正に管理して守り・育てることができます。木を切って売る林業ではなく、林床のキノコを売って稼ぐ林業を成り立たせる仕組み作りをしたい。トドマツの林床に生えるキノコの中には、マツタケよりも高値で取引されるものもあるんです。そして、その仕組みを推進する立場として『トドマツ林限定のきのこマイスター』が存在する。人工林ってね、人里に近いところにあるわけです。しかも人工林には必ず林道があるし、トドマツ林には笹がない。それらもその新しい仕組み作りにはメリットになります。つまり、人が入りやすくキノコが生えやすい環境である宝の森と言えるわけです。つまり、何をやりたいのかをもう一度と言うと、”森は森のまま維持する林業”の仕組み作りのために「トドマツ林限定のきのこの資格制度」を作りたい!と考えているんです。」 土の中や倒れた木の中で、人間の目には触れない世界の中に無数に張り巡らされている菌糸たちのネットワーク。 そして、空気中に飛び出した見えない胞子たち。 地表の循環の立て役者キノコたちを通して語る潔ワールドの森愛・地球愛・人間愛にすっかり魅了され、潔さんの成し遂げたい想いを応援したくなった筆者でした。 ―中嶋 潔氏 情報― FB : https://www.facebook.com/kiyoshi.nakashima.18 FB : 「北海道のきのこ好き」 ・倶知安「風土館」にて時々講演をしています。 ・「北海道のきのこ好き」に参加すると、各種ワークショップ情報を得られます。 10/29にも倶知安「GURUGURU」にてキノコ観察会があります。
Rietty
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09/18(土) チカプ~“こだわりを持たない”というこだわりのパン屋さんに出会った。
伊達市南稀府町 緑丘高校をすぎ、さらに山の方へ走ると「チカプ」はありました。 看板には“しあわせの青い鳥”が描かれています。 オープン時刻直後から次々と焼き立てパンを買いにいらっしゃるお客様。 その切れ目を待っていた筆者は、パン工房からの香りだけで幸せな気分に浸っていました。 それは、くどい匂いが一切しない、シンプルな香りでした。 ↑今の気温が高い時期だけ限定で10:30~開いています。でも全部揃うのは11:00~ 昨年5月、関東圏から移住してこられた佐藤さんご夫妻が、お店をOPENされたのは2021年6月のこと。 それまでは、旦那様は美容室を経営し、亜実さんはパン屋さんに勤めていました。 「本当は北広島市で美容室を営みながら、私はその片隅でパンを売ろうと思っていたのです。」 と亜実さん。 ところがこのコロナ禍。 住み慣れない街でのチャレンジをするにはあまりにもリスクの高い状況でした。 すっぱりと諦めた旦那様は、亜実さんの夢を全面的にバックアップすることに決めました。 そこで、親戚が伊達市に住んでいらしたご縁から、物件を探し、店舗付き住宅にリノベーションをしました。 オーナー佐藤亜実さんは「チカプ」の職人兼店主として。 旦那様は主夫 兼 畑係 兼 販売係として。 見事な連携でお店を切り盛りされていらっしゃるのでした。 亜実さんは製菓製パン専門学校ご出身。 パン作り一筋で16年のキャリアをお持ちです。 ↑一度に二組のみの入店とされています。感染予防対策もしっかりとされていました。 ↑庭のお花も店内に素敵に飾られています。 ↑実はこちらはフィッティングルーム。パン屋さんにフィッティングルーム??? ↑亜実さんのご実家(茨城県)のお母様がもんぺなどを作っていらっしゃいます。 こういうところにも佐藤ご夫妻の自由なセンスが光ります。 ↑立派なとうもろこし! 筆者はこのとうもろこしが入ったパンを購入しました。 ↑サンドウィッチの日には大活躍のパリパリきゅうり 朝3:45起床をしたところから、亜実さんのパン作りの1日が始まります。 夏ならば野鳥の鳴き声と共に、この時季ならば野鳥の鳴き声を待ちながら、亜実さんは仕事をしています。 ↑庭の杏や近所の農家さんのところで摘んできたハスカップなどを使って作ったジャムも販売されています。 ↑ひよこのお菓子のようなスコーン。とっても可愛くて「チカプ」そのもの! 「チカプ」とはアイヌ語で「鳥」のこと。 実は旦那様の美容室のお名前も、鳥にちなんだ「egg」と「bird」でした。 せっかく北海道に移住したのだから、アイヌ文化にちなんでこの名前をつけたと言います。 「自然が豊富な稀府で、野鳥の声しか聞こえない時間は、清々しい気分でパン作りをすることができるのです。」 そう話す亜実さんは本当に幸せそう。 幸せな人が作るパンは美味しいに決まっています。 筆者もたくさん購入してしまいました。 ↑3つも食べてしまいましたが、全く胸焼けしませんでした。 ↑店内は、とにかくセンスある温かみに溢れていて素敵です。 コンセプトを伺ってみました。 「コンセプトは…。 生地そのものの原料には拘りますが、 それ以外は“特別なこだわりを持たない”という『こだわり』と、私自身が楽しむということ。 例えば、その時に畑で採れたものを活かしたいし、材料が揃わなければ無理して作らず、あるもので美味しくなる工夫をして作りたいと思っています。 “こうしなきゃいけない”という縛りを作らず、自由な発想で楽しく作らなければ長続きしないと思っています。 そうすれば無駄も出ませんし。 だから、あまり定番の商品は多くありません。 いらっしゃる度に違うパンと出会える。 その方がお客様にも楽しんでいただけると思いますし、私も楽しく作れます。」 このお話には飲食店経営経験者の筆者も激しく同意しました。 自らが楽しみ、「これ絶対に美味しくなると思う!」という閃きを大事にして、お客様が喜ぶ顔を思い浮かべながら作る。 きっと、亜実さんもその感覚なのだと思いました。 そしてこんなお話もしてくださいました。 「伊達は自然や天候にもとても恵まれています。 それが証拠に自家製の天然酵母がとても元気に育つのです。 以前はうまく発酵してくれず何度も失敗をしたので、店をオープンさせるにあたってとても心配をしました。 でもそんな心配は要りませんでした。 本当に酵母が元気! 水や空気など、環境がすごく良いのだと思います。 もう本当に、この環境に作らせていただいている。 そんな気持ちです。 その元気な天然酵母で作った元気なパンを是非皆様に召し上がっていただきたいと思います。」 なんて素敵なお話し!! 「チカプ」のパンものがたりを伺うだけで「絶対おいしいに違いない!」と思ってしまいます。 自然に恵まれた環境で、自家菜園もあって、元気な天然酵母が作れて、楽しくパンが作れる。 亜実さんが夢に描いた通りのお店になりました。 「チカプ」は、稀府版「しあわせのパン屋」さんです。 ―パン情報― ♡ 月曜日はサンドウィッチの日です! ♡ 平日は14:00以降でも品数があります。ただし、ご予約はご遠慮ください。 ♡ 今後、冷凍パンのおまかせセットの発送にも力を入れていきます。 [パン生地主原材料] 道産小麦数種・天然酵母(レーズン)・国産米油・道産てんさい糖・シママース(塩) *パン生地には乳製品・卵は使用していません。 [定番商品] カンパーニュ・全粒粉バゲット・食パン・スコーン 他のバリエーションは日によって変わります。 ―チカプ店舗情報― ・営業日 木曜日~月曜日 11:00~16:00 ・定休日 火曜日・水曜日 ・住所 伊達市南稀府町303-49 ・電話 0142-24-1017 ・Blog https://chikap-bakery.hatenablog.com/
Rietty
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06/28(金) 【あの人に会いに】納得いくまで突き進む [あいなさん / 壮瞥]
『臥薪嘗胆』 ―目的を遂げるために苦心し、努力を重ねること。 「曲がったことが嫌い。 筋を通して生きるって言う事と、 根拠のない自信はどこかにある ってスタイルで生きてきたかも」 【あの人に会いに】vol.4 今回は、『美容室AINA.』こと あいなさんにフィーチャーします。 美容師で、東京のど真ん中へ あいなさんは壮瞥町出身。中学生の頃には既に美容師になることを決めていました。「子どもの頃から髪をアレンジするのが好きでした。美容師になるなら東京!と、もう東京しか見えていなかった」 高校卒業後、東京の美容専門学校に進学。卒業後に短期間メイクの学校に通った後、銀座の美容室に就職します。場所柄、メインとなる業務は夜職のママたちのヘアセット。しかし、あいなさんには目指していたところが別にありました。 「憧れていた有名な美容室が、原宿にありまして……」 何事も中途半端が嫌いで、せっかくやるなら一番いいところまで行きたい、という気持ちが強いあいなさん。東京まで出てきたなら、美容師になったなら、”ここまで行きたい” そう思うところがありました。 「その頃の流行がビビットカラー。髪の毛しましまにしたりとか、オレンジ・金・緑って3~4色いれたり、刈り上げたりとか。そんなデザインが好きだったし、その人たちと働きたいなって」 憧れていたものの、ほとんどが新卒採用のみの業界。しかしある時、その憧れの美容室で中途採用枠が出たのです。 「働いていた銀座のお店の先輩が、『あんたなら受かると思うよ』って背中を押してくれたの」 先輩の一言が支えとなり、採用試験を受けることを決意。面接のたびに毎回ヘアスタイルを変えるなど、努力とアピールを惜しみませんでした。 その結果、たった2名の枠で採用!めでたし……かと思いきや、”中途半端が嫌い”なあいなさん、この狭き門の合格を勝ち取ってもなお上を見ていました。配属が決まった店舗では納得できず、一番の有名店である原宿店で働きたい!と入社直後から直談判します。 「今思えば本当にただ生意気……普通はあり得ない、ダメなんですよ、そんなの。でも、ど~しても、ここでは気が済まない!と猛アピールして。憧れのスタイリストが在籍する原宿店に行きたい!と」 その熱意が伝わり、なんと入社後たった3ヶ月で原宿店へ異動が叶います。一流スタイリストはもちろん、アシスタントですらファッション誌に載る人が沢山いるようなお店です。 「下積みですね、がむしゃらに練習してた。仕事終わってから練習して、練習後にモデルハントして(街中で自分のスタイリング練習のためのモデルを探す)、レッスンノート書いて、デッサンして、って寝る暇なく」 結果として、アシスタントの中でも一握りの人しか就くことができない、トップスタイリストのアシスタントにまで辿り着きます。 「おかげさまで、全部見させてもらいました。ファッション誌の撮影現場とか、早朝から撮影の下準備させてもらったり……」 業界の第一線でアシスタントとしての全てを経験することができました。その後ジュニアスタイリストになり、このまま順調に美容師の道を進むかと思いますが……ここで驚きの方向転換に至ります。 諦めきれず、歌の舞台へ 「歌も諦められなくて」 実は、子どもの頃から歌が大好きだったあいなさん。歌の道を進む事を決意します。 「みんなと歌いに行くと楽しくて、やっぱり歌でステージに立ちたいなって」 ここでも、やるならいいところまで行きたい。歌をやると決めたなら、芸能事務所に入るところを目指します。 とはいえ東京で音楽をやっていたわけではなく、ゼロからのスタートでした。 「はじめは仲間探しから。音楽スタジオに行って掲示板のビラを見て……スマホも無い時代だから!!男性ボーカル希望って書いてあるバンドにまで電話して、まず一回練習入らせてくださいって。そうしたら女性だけど気に入ってくれたんだよね」 音楽の好みや雰囲気が合っていたロックバンドに加入し、そこで長く歌っていくこととなります。 お昼は美容師、夜は夜職の方々のヘアメイクに戻り、そして時折ライブハウスでライブをする生活を送りました。活動を続けるうちに事務所からオーディションの話も来ましたが、バンドに愛着があったあいなさんは、ボーカルのみのオーディションを受けられなかったと言います。「このバンドで音楽をやっていたい」と、活動を続けました。 地元・壮瞥で繋ぐ、ご縁の美容室 精力的に音楽活動を続けていきましたが、ハードな生活に不摂生。とうとう身体を壊してしまい、音楽の道は夢半ばで終わりを迎えます。 療養のため一度北海道に帰るも、再び東京に戻ったあいなさん。そしてご縁があり、30歳のときに出産。転機は子どもが2歳になるとき。シングルマザーとなり、壮瞥町に戻ることを決めました。 「東京に居たいと思っていたけど、ひとりで育てるには厳しくて……選択肢が無かった」 あいなさんのご実家は壮瞥町。祖父の代から商店を営んでいました。もちろん、町での知名度はバッチリです。 「育った環境上知っている人も多いから、肩身狭く感じていたというか……。周りの目があるから、娘としてもママとしても、ちゃんとしなきゃ、みたいな。自由にいられないなと」 窮屈さを感じていたあいなさんが、壮瞥町をまた好きになっていけたのは、人との出会いが大きかったと言います。 「本当に、ママ友と、この美容室のゆみさんとの出逢いだね。この方達がいなければ、壮瞥ではやっていけなかった」 美容室AINAとしてオープンした今の美容室は、元はゆみさんという別の美容師さんが営んでいたお店でした。あいなさんは壮瞥に帰って来てから、ゆみさんの美容室に通っていたそうです。 「ゆみさんは、子ども共々お世話になった人」 大切な人からのバトンを繋ぎ、生まれ故郷の壮瞥町でお店を開くこととなりました。 「洞爺湖が好きで、温泉街でお店を開きたいと思っていて……まさか壮瞥でお店をやるとは思ってもみなかった。でも、ゆみさんへの想いとご縁でここで始めて、本当にたくさんの人からずっと応援してもらっているなって」 お店のオープン時には沢山のお花が届き、多くの人に支えられていることを実感したそうです。お店のインスタグラムには感謝の言葉がずらりと綴られています。 これからは”健康” のことを伝えていきたい 2024年3月に無事にお店をオープンしたばかりですが、今後はどんな展望があるのでしょうか。 「自分自身、身体を壊したことから健康オタクで。東京の時だけでなく、北海道に帰って来てからも身体に出て。骨盤が痛くて眠れなかったりとか。自分の身体の不調は、息子にも悪影響。本当にボロボロで……40歳まで生きられないかも、そしたら息子はどうしようとか、ずっと不安に思っていた」 今のエネルギッシュなあいなさんからはとても想像ができませんが、疲れが取れない、アレルギー、痛みからの不眠、等々……様々な身体の問題に悩んできたそうです。ヨガ、体操、骨盤矯正、とにかく端から端まで色々なものを試し、最終的に辿り着いたのは『栄養学』。独学で勉強、更にオンラインで先生と学んでいるそう。今後はしんどそうな悩める女性を助けていきたいと考えているそうです。 「中途半端が嫌いと言いつつ、方向転換してきているから中途半端になっていたと思うこともあるし……自分に自信が持てなかったときもある。けど、その時その時でがむしゃらにやってきたから、全て無駄にはならずに今に繋がっていると思う」 美容師も、歌の道も、本気で全力で突き進んだからこそ辿り着いた”今”のあいなさん。 悩める女性の皆さんは特に、パワフルなあいなさんにぜひ一度会いに行ってみてください! 美容室は壮瞥町役場 山美湖 の目の前というわかりやすい立地!美容室のご予約は電話とインスタグラムのDMで受け付けています。 美容室AINA 営業時間:月~金 8:30~18:00 / 土 8:30~17:00 定休 :日曜日&第1・3月曜日 電話 :0142-66-2527 場所 :壮瞥町滝之町284 (壮瞥町役場 山美湖の前)
misaki
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09/27(火) 「手を動かす人たち」へのリスペクト。お酒と木と本の店 BACKWOOD【洞爺湖町】
8月下旬、洞爺湖町入江にお酒と本と木工作品を扱うお店がオープンしました。 「へき地、辺境、奥地」といった意味を持つ「BACKWOOD(バックウッド)」という名前のお店です。 その名の通り、入江地区の奥深く、人家もまばらな場所にひっそりと佇んでいます。 移住者の店主が、古い納屋をリフォームしてつくりあげた、素敵な空間をご紹介します! アパレル業界から田舎暮らしをもとめ洞爺湖町へ 国道から有珠山側に車を走らせること数分。 看板を頼りに細い路地を入っていくと、深い緑の中に三角屋根のお店が現れました。 有珠山の麓のすぐ近く、自然豊かでとても静かなエリアです。 黒いトタンの壁と看板の木材の色あいが緑に溶け込むようにやさしく目に映りました。 中を覗くと個性的な木のクラフトが並んでいます。 壁には本がいっぱい。 大きな冷蔵庫ではカラフルなラベルのビールがずらりと冷えていました。 元の家主が廃材を使い建てた築20年の納屋を改装したという店内。剥き出しの梁や壁はほとんど当時のままだそう。 レトロな雰囲気を残しつつ、今風でもあり。素朴で洒落ていて、どこかホッとするような温もりのある空間です。 店主の菅松 剛士さんは2021年2月に一家で東京から洞爺湖町に移住しました。 「会社勤めは向いていないと思いながらも、楽しく働いていた」という菅松さん。もとはバリバリのビジネスパーソンで、競争の激しいアパレル小売業界にて、ブランドの立ち上げ等に長く携わってこられたそうです。 お子さんの就学を機に、長年思い続けてきた「いつか田舎で暮らしたい」という夢を実現し洞爺湖町へ。 当初はもう少し中心街寄りの場所に住んでいたそうですが、ランニング中に偶然この土地を見つけて購入を決め、昨年末に移り住みました。 この古い納屋を見たときに「ここでお店を始めよう」と閃いたそうです。 菅松さん: もともと「いつか田舎に」というのはずっとあったんです。 20代の頃は沖縄と思っていましたが、年を重ねるにつれて住みたい場所がどんどん変わってきました。 妻の両親の実家が北海道なので、子供が産まれて連れてきた際に、日高のあたりを海沿いにドライブしていたんです。 その時に「うわあ、北海道に住みたい」と思ったのが、移住先に北海道を選ぶきっかけとなりました。 廃材を組み合わせたオーダーメイドの入り口ドア。今では貴重な磨りガラスや「総合案内」の文字が渋い味わいを醸し出しています。 北海道の人は「手を動かす人」 BACKWOODでは「北海道を軸に、クリエイターや素材にこだわったいいもの」をテーマに商品を取り揃えています。 「お店を始めるならまずは酒屋を」と以前から思っていたそうで、ワイン、日本酒など様々な北海道産の酒類の中から、専門店の少ないクラフトビールとスピリッツを扱っています。 クラフトビールは現在、4社をセレクト。おいしいクラフトビールが道内各地にある中で、厳選に厳選を重ねたこだわりのラインナップです。 左から 美深白樺ブルワリー: 日本最北のクラフトビール工場。希少な白樺樹液を副原料として使用。 忽布古丹(ホップコタン): 上富良野の地場産ホップで醸したクラフトビール。 NORTH ISLAND BEER(札幌): 「BEER IS ART」をコンセプトにカナダで修行したブルーマスターが醸造。 41 BEER CRAFT WORKS: 2021年にスタートした余市の醸造所。積丹岳の雪解け水(伏流水)を使用。 地場産ボタニカルの芳醇な味わいが広がる積丹ジン「火の帆(HONOHO)」。東京に住んでいた頃から愛飲していたという店主イチオシの一品です。 菅松さん: コロナの影響で、家の中で過ごす時間が増えましたが、それが意外といいな、ということを再認識した方が多いのではないかと思います。 僕もその一人で、大勢で飲んだり、みんなでわいわい過ごすのも楽しいですけど、一人で静かに過ごしたり、家族でのんびりしたり、気の合う友達と少人数で飲んだり喋ったりするのも、結構素敵な時間じゃないですか。 そういう時間をさらに盛り上げるものとして品揃えの軸を決めています。 例えばクラフトビールは、それほどたくさん飲まなくても、一人でゆっくり味わえば満足しますし、本も一人で楽しめますよね。 そしてそういう部屋に、木の道具や作品があったらさらに楽しい。 お酒と本と木の3つをもって、豊かな時間を過ごすお手伝いができればいいな、というのが発想のもとです。 木工は北海道在住のクリエイターの作品とBACKWOODのオリジナル商品を販売しています。 ARAMAKI(恵庭) 新巻鮭の木箱をリサイクルし制作を行うクリエイターチーム。独特の赤や黒の文字がインパクト大かつ手に取ると軽く、機能性も抜群です。代表の作家さんは優れた技術を持つ宮大工であり、設計が素晴らしいと菅松さん。 https://aramaki.world/ BACKWOODオリジナル商品 オリジナルデザインをプロの職人が制作。ただそこにあるだけで、空間がちょっと素敵になるような存在感ある品々。上画像は「自在STOOL」。椅子にしたり小物を置いたり、単独でもで重ねても使える5枚1組のスツール。 こちらは「FLAT PLATE」。縁なしで真っ平の珍しいデザインです。食材をのせるとすごく映えるそう。 鹿乃舎木工(伊達) まるで生き物のような、有機的で不思議な形のイス。有珠に工房を構え、古木や北海道産の木材を使用して制作するクリエイターの作品です。 https://shikanoya.theshop.jp/ このほか、豊浦の Horsemade Landscape の器類も取り扱っています。山から木を切り出して、馬に引かせて運び出す「馬搬」という昔ながらの技法に取り組み、素材の調達からこだわって制作されています。 https://horsemadelandscape.com/ 菅松さん: 北海道っていいものがたくさんあるし、作っている方もすごい方ばかり。 職業として作る人はもちろん、「こんなの自分で作るの」と思うようなものを暮らしの中で個人レベルで作っている人が沢山いますよね。 そういう方々に出会って、北海道の人は「手を動かす人たち」だなあ、と思います。 例えば近所のおじいちゃんを見ていても、なんでも自分でやるじゃないですか。 それに対して、都会の人ってなんでもやってもらう側で。 北海道には手を動かしている人が大勢いて、素材も食材も、素晴らしいものが豊富にあって、いいものがいっぱい生み出されている。 それを都会をはじめ、全国の方に向けて発信していければいいな、と思っています。 古本は、「飲む」、「食べる」、「自然」などお酒や木工と親和性の高いジャンルの本がカテゴリー別に並んでいます。開店してみたら予想以上に本が好評で「手元に置いておきたい本からなくなっていく」のだとか。 本の交換コーナーもあり。来店した方が持参したいろいろな本が置かれていました。地域の人の本が集まる楽しいコーナーです。 さて、お店の外に出ると、裏にはこんもりと緑が生い茂る庭が広がっていました。 りんごやなしなどさまざまな果樹が生えているそう。元の家主さんが植えたものだそうで、取材時には丸々とキウイが実っていました。 家や納屋を自分で建て、庭や畑も作っていた元家主さんは、まさに菅松さんが移住して出会った「手を動かす人」のおひとりでした。 その方の手から菅松さんの手へと受け継がれて、古い納屋がお店へと生まれ変わりました。 そうして誕生したBACKWOODの店内にいると、 「暮らしの中で手を動かして、生活に必要なものを作ってきた北海道の人々へのリスペクト」 というような、あたたかく真摯な心意気を感じました。 つくることの素晴らしさと、いいものが放つ輝きに満ちた小さなお店。 北海道の良い品を探しに出掛けてみませんか。 商品はWebサイトでも購入できます。 また、ビールは「角打ち(立ち飲み)」OK。お庭を眺めながら飲んだら、おいしいビールが何倍も味わい深く感じられそうですね。 BACKWOOD 店舗情報 住所 北海道虻田郡洞爺湖町入江265-55 営業時間 木曜〜土曜:13時〜18時、日曜:13時〜17時 HP・ショップ https://backwood.jp/ 記事の内容は取材時の情報に基づいています。取扱商品、メニュー等は変更になることがあります。取材2022年
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01/28(日) マニアではなく科学する人 世羅繁宇氏の“ Stage 2 “〜自家焙煎ジャズ喫茶『COSSETTE COFFEE』
過去最長の書き上げ時間を要してしまいました…。 そのくらい筆者を悩ませた人、世羅繁宇氏が今回の主人公です。 お話を伺う限り、全てにエビデンスに基づく計算があるということを察しました。 きちんと科学する人でした。 実は感覚派の筆者には一番不得手なタイプ。 言い換えれば、一番興味をそそられるタイプ。 だからこそ、理解に時間がかかったという訳です。 「起業する前は大企業のエンジニアでした」。 全てが腑に落ちたご経歴の持ち主でした。 『COSSETTE COFFEE』をオープンされたのは2022年6月のこと。 会社員時代から珈琲焙煎は趣味でなんとなく行っていたそうです。 その時使っていたのは銀杏を炒る道具。 その後、当然のごとくエンジニアスピリッツがより良い焙煎機への開発へと繋がっていきます。 「珈琲焙煎という趣味は、アウトドアの趣味とは違い金銭メリットが生まれます。 料理もそう。遊びの中でメリットがある。そんな気づきが起業に結びつきました」。 世羅さんの言葉に、単に趣味が高じたわけではないというニュアンスを感じました。 「誰かに師事したことはありません。バイブルは『田口護 珈琲大全』のみです。 焙煎、ネルドリップの淹れ方はこの本で学びを深めました」。 この本の冒頭にはこのように書かれていました。 (引用) [コーヒーの焙煎は名人上手の専売特許ではなく、職人的なカンの世界などでもない。 理詰めの数学であり論理学の世界なのである。 生豆の選定から抽出までの流れを一つのシステムとしてとらえ、 各プロセス上に存在する複数の条件によって、 さまざまな味が生み出されるメカニズムに着眼した「システム珈琲学」。 豆の種類から焙煎方法まで網羅した本格的珈琲実用書。 珈琲生産地の現状や栽培状況、味の特徴を決める焙煎、カッティング・抽出までを ていねいに解説する。焙煎技術書としてプロも活用可能]。 なるほど…。 この文章を読んだ瞬間に世羅さんに少し近づけた気がしました。 珈琲を科学する世羅さんにとって、焙煎機は最も重要な相棒。 なので、その制作にも理詰めの数学と論理的思考が働きます。 持ち前のエンジニアスピリッツも相まって、 とことんこだわるということなのでしょう。 「拘ったのは極力 “ 風 ”を入れず、温度管理を徹底させた香りの調整です」。 「え? 温度はイメージできますが、風もですか?」 「はい。現在、95%の焙煎は半熱風式で行われていると言われています。 大手さんになると熱風式となります。僕は難しいとされているほんの数%の隙間を狙った焙煎機を作りたかった。できるだけ豆本来が持つ香りをなくしたくない。 焙煎された珈琲って、3000~4000くらいの化学物質が生成されるのです。 それが、150℃位で香りの成分が気化します。できるだけその香りたちを封じ込める焙煎機を作りたい。それには風と温度の管理が最も重要です。 だから常に課題を見つけては一つ一つ改善する。ひとりPDCAをくるくる回す日々です」。 これは、機械技術者としての誇りを感じるお話でした。 弛まぬ研究から生まれた機械は、2007年に第1号機、2009年に第2号機、そして最新の第3号機が現在店舗内で稼働しています。 「現在「浅煎り」と呼ばれるものがブームですが、うちで煎り上がった豆は、一般的なカテゴライズには入らないと思います。 シティーロースト風シティーローストとでも言うのかな…。 正直、うちより香り高い珈琲は飲んだことがありません。『世界にひとつだけの珈琲』だと自負しています」。 この話しを聞いた時、筆者はこう尋ねました。 「それは、自分の舌への絶対的な自信ですか?」と。 当然。 「そういうことじゃない」。 と一蹴されました。 今思えば愚問でした。 あくまでも世羅さんの自信は科学的根拠に基づくものなのです。 「嗅覚で感じた香りは脳で増幅させられて味覚に刺激を与え、『味』を作ります」。 「なるほど…。 それをどう感じ、好みかそうではないかは味わう人次第ということになるわけですね」。 ネルドリップは筆者が一番好きな淹れ方です。 この素敵な膨らみ! 銅のポットから注がれるお湯で、 ネル袋のなかにふんわりと膨らむ豆を見るだけで興奮し、 既に口の中が美味しくなります。 マイセンの素敵なカップ&ソーサー いつまでも香りが鼻腔に残る美味しい「パナマゲイシャ」をいただきました。 常時8種類くらいを扱います。 ところで、店内を見回すとなんとなくレトロな雰囲気の調度品が目立ちます。 そこで尋ねてみました。 「レトロなものがお好きなのですか?」 「いいえ、これも計算です」。 「な…。なるほど…」。 「信頼している苫小牧の家具屋のオーナーがいらっしゃるんですが、話していると時代の変わりで生活様式も変化しているということを言っているんです。だから、その度に売るものを変化させて対応するんだそうです。その言葉を聞いて、インテリアにも気を配るようになりました。モードの時代は終わり、レトロデザインの時代が来ているんですよ。レトロなものは落ち着きますしね」。 「調度品にもデータに基づく根拠があるわけですね!」 日本のレトロとは違う、アメリカっぽい感じが若い層にも男性にも刺さりそうです。 筆者みたいなおひとり様好きな女性にも好まれそう。 「では、もしかしてオーディオも?」 「そうです。珈琲もそうですが、音についても僕はマニアじゃない。全て計算の上で選んでいます。現在置いているオーディオはアルテック605Aで、アビーロードスタジオで使用されていたものです。この環境に合うものを選びました。高音質をお楽しみいただけますよ」。 ハイクオリティーなモノへの追求は止まるところを知りません。 「もしかして焙煎機も4号機計画があったりしますか?」 少し間をおいて、世羅さんは力強く頷きました。 エンジニアスピリットを持つ珈琲焙煎士 世羅さんは、 空間コーディネーターとしても最善のトータルでお客様をお迎えする姿勢を持つ人でした。 店内にはジャズのレコードがずらりと900枚並びます。 圧巻。 最後に尋ねました。 「ジャズも計算ですか?」 「ジャズはもともと好きです。 ピアノならキースジャレット。オルガンならジミースミス」。 この答えをいただき、なぜかホッとした筆者でしたが、 正直、世羅さんをもっともっと掘り下げたい! そんな衝動を抑えながら、悶々と『COSSETTE COFFEE』を後にしました。 ん?? これももしかしてリピーターを生むための計算? ふとそんなことが頭をよぎりつつ、 今度はカレーを食べに行こう!と、決めていた筆者です。 ―COSSETTE COFFEE 情報― Web page https://cossette.theshop.jp Instagram https://www.instagram.com/cossette_coffee?igsh=MzRlODBiNWFlZA== 世羅繁宇氏FaceBook https://www.facebook.com/sera.shigetaka
Rietty
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