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どさん子料理人が描くおいしい「世界地図」。 多国籍料理Kiko図【喜茂別】

中山峠を越えて札幌方面に向かうとき、かならず通る、峠のふもとの喜茂別町。
のどかな景色を横目で眺めつつ、通り過ぎてしまうことが多いのですが、通る度に気になっていたお店がありました。


壁に並ぶ、たくさんのフライパン。
看板に描かれた、不思議な鳥。
外観から溢れ出す、エキゾチックでポップな雰囲気。
車庫カフェKiko図(キコズ)です。

海外を旅し、さまざまな国のシェフたちと仕事をしてきた料理人Kikoさんのおいしい多国籍料理をたっぷりと味わってきました!

魅惑の多国籍料理、いろいろ。


ドアを開けると、カラフルなピンクや黄色の壁に、エスニックな調度品の数々。
店内にはにぎやかな音楽が流れ、開放的かつホッと落ち着く居心地のよさ。異国の風がさあ〜っと吹き抜けるような、気持ちのいい空間です。


もともと車庫だった建物を改装して店舗にしたとのこと、驚きました。言われてみれば、トタンがのぞく天井などに車庫の名残りが。それがかえって、なんとも渋いいい味を醸し出しています。

カウンターの奥で、キビキビと立ち働いているのが店主のKikoさんこと松宮亜樹子さん。
スパイスが混じり合う豊かな香りが、お店中に広がっていました。


Kiko図は2019年7月にオープン。この夏、3周年を迎えました。

札幌出身の松宮さんは、30代から40代にかけて10年ほど、海外を旅しながら、ニセコと外国を行き来する暮らしをしてきました。
日本では札幌やニセコを中心に、海外はカナダやニュージーランドなどの国のホテルやレストランで、国際色豊かなシェフ達と仕事をし、料理の腕を磨いたそうです。
南米、アジア、中東、ヨーロッパなど、訪れた国は多数。旅の途上で出会った現地の味や、海外の友人たちに教わった料理の数々を独自にアレンジして提供しています。

「日本の方には海外の味を、外国の方にはほっとする味を」がkiko図のテーマです。


壁に並ぶフライパンは、ペルーで行った料理屋さんから着想を得たそう。そのお店にはものすごくたくさんのフライパンがかかっており、とてもかっこよかったのだとか。
時々「磨きたくなる」と言われるそうですが、「このサビがいいんです」と松宮さん。確かに、渋くていい感じのサビですネ!

さてさて、ランチメニューは不定期でいろいろと替わります。どんな一皿に出会えるかその時々のお楽しみです。
今回は人気メニューのひとつファラフェルと、濃厚なタイカレーヌードルをいただいてきました!


カラフルなファラフェルプレート。
中東の家庭料理ファラフェルをメインに、さまざまな国の味を楽しめる盛りだくさんでヘルシーな一皿です。この日はフムス、ギリシャのパイ・スパナコピタ、南米のトルティーヤ、穀物や野菜たっぷりのサラダなど、珍しいお料理がずらり。(※プレートの内容は、ファラフェル以外はその時によって変わります)
一部チーズを使用していますが、肉や魚はなしのベジタリアン仕様。
別々のルーツを持つ料理が、同じお皿の上で見事にマッチし、おいしいハーモニーを奏でています!


ファラフェルは、つぶしたひよこ豆にスパイスを混ぜて揚げたコロッケのような料理。イスラエルが発祥と言われますが、中東地域ではどこでもポピュラーに食べられているそうです。
日本ではあまり馴染みのないひよこ豆ですが、クセがなくサクッ&フワッとした食感で食べやすい。松宮さんによれば、冷めても硬くならないように、現地の一般的なレシピの工程や食材をオリジナルにアレンジして作っているそう。お子さんはもちろん、エスニック料理に慣れていない年配の方にも好評です。


それからこちらは、タイのレッドカレーをライスヌードルでいただくスパイシーな一皿。たっぷりのパクチーにエビやチキンなどの具材が入り、スパイスとナンプラーが濃厚に香る本格派。汗をかきかき食べたら、ここが北海道だということを忘れてしまいそうです。

ハブタウンに活気を。道産子料理人のチャレンジ


窓の外を見れば、国道230号線が目の前を走っています。中山峠の入口まで車で10分弱、という立地。
交通量は多いものの、飲食店など人の集まるスポットは少ないエリアだけに、なぜ喜茂別でお店を?というのが気になって伺いました。


Kiko図店主 松宮亜樹子さん

松宮さん:
もともとはニセコ・倶知安でお店を開こうと考えていました。海外の方が多く多国籍料理はニーズがありますし、知り合いもたくさんいるので。ただ、なにせ高くなりすぎていて、手が出なくて。
喜茂別は小さな町ですが、周辺にはニセコ、留寿都、洞爺湖、峠を越えれば札幌と、いろんな地域につながるハブタウンなんですよね。それなのに立ち寄るところが少ないことがもったいない。
そこで中継地点であるこの町がもっと盛り上がれば、周辺地域も含めて全体がさらに活気付くのではないかな、と思ったんです。

道産子としては、やはり何かちょっとでも自分ができることで、北海道を活気づけたい、という気持ちがあります。いろんな地域でたくさんの方が、過疎といわれる地域を、少しでも面白くするような活動に取り組んでいらっしゃいますが、喜茂別でそれができたらいいな、と思いました。
最初は家族や友人みんなに心配されましたけどね。

喜茂別を選んだ背景に、道産子スピリットともいうべき、松宮さんの北海道への熱い思いがあることを知りました。
お料理や空間はグローバルな世界観。でもその根っこにはローカルな視点もあって、地域を大切にしながら根付いている。海外の方にも、日本の方にも、国籍を問わず親しまれるKiko図の魅力は、そういったところにも所以があるのかもしれないな、と思いました。


お店のシンボルである鳥のイラストは、松宮さんがご自身で描いたもの。カラフルな色使いと独特のフォルムが印象的です。まるで生きているかのような存在感を放つこの鳥は、大切なご友人がモデルなのだそう。優しい眼差しでお店とお客さんを見守っています。


ドリンクメニューも多国籍。コーヒーだけでもベトナムコーヒー、イスラエルコーヒー、ココナッツミントコーヒーとあり、エスニック好きにはたまらないラインナップでした。上の写真は、ブラックコーヒーにカルダモンを効かせたイスラエルコーヒー。食後にピッタリな一杯です。


Kiko図の図は、地図の図。
Kikoさんがお店をキャンバスに描く地図、というわけです。
「これから展開していきたいことが、まだまだたくさんあります」と松宮さん。幅広く豊富な海外経験と、プロフェッショナルな料理の技術から生み出されたオリジナルの世界地図は、これからもどんどん広がり厚みを増していくことでしょう。
旅する気分で世界を味わう…そんなとてもとても素敵なひとときでした!

店舗での営業は例年、雪解け〜降雪前まで。
今シーズンの店舗での営業は、10月10日にて終了しました。
冬季はお店はクローズし、ルスツエリアにて営業予定です(詳細はKiko図のSNSをご確認ください)。

記事が遅くなり、お店のシーズン中に掲載が間に合わず、大変申し訳ありません。
冬の営業予定など、インスタグラム等で最新情報をチェックして、ぜひぜひ、お出かけください!

車庫カフェ Kiko図 店舗情報

住所 北海道虻田郡喜茂別町伏見332-3
HP https://akikokikokikoz.wixsite.com/kikoz-kimobetsu
オープン日、イベント出店情報はSNSをご覧ください。
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※記事の内容は取材時の情報に基づいています。メニューや料金は変更になることがあります。取材2022年

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