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2025/02/04(火) ☆本日のメインはクリームシチューです☆
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横乗りLOVEたちに寄り添う本物の専門店 “ ローズミスト “
今回は、地域と横乗りをこよなく愛し、花を愛する” ローズミスト “ のご紹介です。 え? 花も? と思われた方。 実は” ローズミスト “の母体は ” (有)フラワーショップえいわえん “ です。 50年前、花屋さんからスタートした双子の日栄兄弟の趣味が高じ、31年前に作ったスポーツ部門が ” ローズミスト “ でした。 いまでは息子さんたちも、インストラクター仲間もいるので “ Team ローズミスト “ とも言えます。 ↑販売からインストラクター、そしてwebも担当されている息子さんとツーショット。 ところで、「横乗り」とは横を向いて乗るボードのことです。 スノーボード、サーフボード、スケートボードなどがそれにあたります。 ↑冬でもサーフボードがあります。 日栄兄弟が最初に始めたのはサーフィンでした。 当時は全国的なサーフィンブーム。 本場、神奈川県の湘南海岸から遅れること5年、イタンキビーチにもその流行がやってきました。 ↑イタンキビーチ すでに始めていた友達の影響もあり、日栄兄弟はサーフィンブームに乗りました。 その後、ゴミで汚れていたビーチをきれいに保つためと、海で遊ぶための安全対策とマナーを利用者に理解・協力してもらうために “ イタンキサーフィンクラブ “ を設立し、ローカルルールを作りました。 現在は会員の高齢化などもあり活動はほとんど休止しているそうですが、当時はサーフィン大会なども催すなどして地域を盛り上げていたそうです。 さて。 そんなTeamローズミストが今一番力を入れているのは、横乗りスポーツの安全な楽しみ方と上達への普及活動です。 そう、遊びではなくスポーツとしての普及。 ↑カラフルで高品質のウェアが揃います。 ↑小物も色々 ですから、仕入れから販売そして販売後のケアー(メンテナンスと育成)まで、一貫して責任を持って取り組んでいらっしゃいます。 特に道具への拘り具合は半端なく徹底しています。 ほとんど全ての商品を試乗し、「これは確かだ!」と納得したもののみ仕入れます。 少しでも納得できないところとは一切取引をしません。 なので、自ずと量産品からは遠のくことになります。 メーカーとも問屋とも、もちろんお客様とも信頼関係を大切にされているからこその企業姿勢です。 例えばスノーボード。 オガサカなどの国内ブランドを中心に、海外はヨーロッパの商品を扱っています。 スノースポーツをされる方ならご存知かと思いますが、オガサカの板はスノーボードもスキーも量販店では取り扱えません。 つまり、ローズミストはメーカーに選ばれた存在なのです。 今、盛んにSDGsが叫ばれていますね。 その17のゴールのうちの12「つくる責任つかう責任」にまさに当てはまる、双方の行動だと思います。 プラスして、売る立場の責任をローズミストは果たしています。 商品のラインナップは、どの横乗りマテリアルもビギナーからエキスパートまで、また乗りたい場所によってお客さまに寄り添い的確なアドバイスをしてくださいます。 それに特筆したいのは、今大人気のブランド「コルア(ポーランド製)」を全道一揃えていること。 性能抜群で、ゲレンデでもパウダーでもOKのスノーボードなのに、お手頃価格ということもあり、なかなか手に入らず、探している人も多い商品なのです。 それを知っているファンは、全道から集まって来ると言います。 ファンならば絶対に店頭にチェックしに行くべき! ↑今、物凄い人気のスノーボード「コルア」の板 そして! サーフボードについては、ローズミストでお買い上げの方には「サーフィン無料レッスン」の嬉しい特典付きです。 実は筆者も利用させていただいております。 ↑波の読み方、選び方のレクチャー さらに! スノーボードをお買い上げの方には、「お買い上げ時無料ワックスサービス」もあります。 ↑ワックスの品揃えも豊富 しかも! ローズミストはJSBA公認のスノーボードスクールでもありますので、確かな技を持つ、プロのインストラクターのレッスンを受講できます。 確かな道具選びから、安全に横乗りを楽しむレッスンまで。 海や雪山利用のマナーも含めて指導をしてくださいます。 一貫した責任を持って、お客さまに寄り添う頼りになる兄貴たちなのです。 ↑右が社長の日栄 毅さん。左は店長の均さん。 そうそう! スケートボードのことも忘れてはいけない! ↑スケートボード。このほかにも色々あります。 元々、スノーボードの夏トレのために導入したスケートボードでしたが、ここ20年くらい若い世代を中心にスケボー熱が高まっていました。 ただ、どうしても「やんちゃな遊び」のイメージを超えていない。 それを危惧したTeamローズミストは、「やんちゃな遊び」から「マナーを守るスポーツ」への昇格を期待して、スケートボードパークの造成に向けて奔走しました。 そして出来たのが室蘭中央町にある「レインボーパーク」。 2021年の東京オリンピックでの選手の活躍により、さらにスケボー熱が高まった昨今の課題を伺ってみました。 「もっと広い場所で、あらゆる志向の競技者が練習できる施設を造れないかと室蘭市にも働きかける準備をしています。最大のオリンピック効果は親の理解と協力が発生したことです。 今後は、プロの指導者も必要ですよね。」 施設のお話は、さらに室蘭だんパラスキー場へも繋がっていきました。 http://www.muroran-resort.sakura.ne.jp/mysite1/index.html 皆様もご存知かと思いますが、ここのところ何年も室蘭だんパラスキー場の存続の危機が叫ばれています。 それに真っ向から立ち向かい、存続のための運動を始めたのもTeamローズミストでした。 何を隠そう、北海道ではまだ何人もスノーボードをする人がいなかった時代から、Team ローズミストはこの室蘭だんパラスキー場を拠点に、スノーボードの安全な普及に取り組み、近隣のローカルスキー場の発展に寄与してきたのです。 「室蘭の中心部から車で10分のアクセスでスキー場を利用できるというのは、とても素晴らしいことだということを広く近隣の皆様に知っていただきたいと思っています。 北海道から他所の都府県へ出て行くと、『北海道の人はスノースポーツが何でもできるんでしょ。』と言われることが多いです。 ところが、意外とそうではなかったりします。 雪が魅力の北の地に生まれた者としてスノースポーツを何も体験せずに巣立っていくのはとても残念なことです。 だから、スノーボードスクールを経営しているという立場だけでなく、広く地域の子供たちが利用できる『教育施設』としての位置づけで僕らは捉えて守ろうとしています。それに、「だんパラスキー場」には近郊にはないナイター設備もあり、夜22:00まで営業をしているのですよ! 仕事や学校の後でも気軽に行ける距離です。 もちろんルスツリゾートやニセコリゾートもありますが、夜に車を走らせて行くのはなかなか辛い。でも町から10分で着くのですから安心して楽しめる本当に貴重なスキー場なのです。 無くしてしまってはダメなんです! 存続を願って、3万人以上の署名も集めました。 室蘭だんパラスキー場は、地域の財産であり室蘭の大きな魅力でもあります。 一度潰してしまったスキー場は、2度と復活できません。 莫大な費用がかかるからです でも今なら工夫をすれば維持できます。 このスキー場が気に入って移住して来る人もいるのですから。絶対に残さないと!!」 このお話には激しく共感します。 実は筆者も室蘭だんパラスキー場の大ファンです♡ 親の立場から言えば、下から全てが見渡せるので安心して子供だけで滑らせられます。 我が子もここからスタートしました。 スキー指導者の立場から言えば、初めてのスキーの方には最適な斜面ですし、基礎練習にも最適です。 また、駐車場からすぐのところにリフト乗り場があるのも嬉しいですし、夜景や海が見えるロケーションも最高です。 こんな素敵なスキー場を無くすなんて考えられないことです。 純粋な地域愛溢れる日栄兄弟を中心としたTeamローズミストの皆様の想いが、どうか「いらない!」と言っている皆様に届きます様に…。 さて。 最後に今後のイベントスケジュールについて伺いました。 *2月13日(日) 13:00~15:00 室蘭だんパラスキー場にてJSBAスノーボードの無料レッスンがあります。 詳しくは、室蘭市広報をご覧ください。 ↑前回の無料講習会の様子。 *今年の夏にローズミストビーチクリーン作戦を予定しています。 *そして、Uターンで室蘭に戻って来られる息子さんがパーソナルトレーナーとして起業予定でもあります。 道内屈指の横乗り専門店「ローズミスト」。 『室蘭だんパラスキー場』存続も含め、本物のShop・本物のスクール・本物の地域愛に惚れた一人として、筆者自身も引き続き応援したいと思います。 皆様も是非お店を覗いてみてくださいね。 そして、冬&夏の横乗りにチャレンジしてください。 Teamローズミストは、親切丁寧フレンドリーな接客で、皆様をお迎えしてくださるはずです。 ―Rose mist(ローズミスト)情報― 北海道室蘭市東町2丁目6−6 Tel/Fax 0143-84-1991 代表取締役 日栄 毅 店長 日栄 均 HP https://rosemist1991.wix.com/snow-surf-skate FB https://www.facebook.com/rosemist1991 Instagram Rosemist_snow.surf.skate.shop Twitter @Rosemist_Shop オンラインストア https://rosemist.storeinfo.jp/ ※記事の内容は取材時の情報に基づいています(取材2022年)
Rietty
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町の思い出作りお助けマン登場〜!「V&Eリメイクサービス」
住宅街を歩いていた先月。 ふと見つけた個人のお宅に掲げられたこの幟。 「むむむ? なんだろう?」 と正直、訝しげに見ていました。 そしてその1ヶ月後、まさかこちらとご縁が繋がるとは、その時まったく思ってはいませんでした。 それはある1本のVHSビデオテープから始まりました。 このビデオテープをどうしてもDVDにダビングをしなければならず、しかも急いでいたのですが、インターネット上で調べる限り、どこも30~60日くらいかかる・・・。 どうしよう・・・ と悩んでいた時に思い出したのがこちらの幟でした。 一か八か聞いてみよう!と、思い切って電話をしてお会いしてみると、なんと「え? この人お会いしたことがある!」という方だったのです。 きっと皆様もお子様の運動会などでご存知のお顔のはず! 「V&Eリメイクサービス」の代表 朝倉一二三さんは、実は今年閉店をされてしまわれた老舗のカメラ屋さん「ヒラマツカメラ」さんで勤務されていました。 半ば半信半疑で問い合わせをしたことを大いに反省しました。 ヒラマツカメラさんにおいて、40年も勤め上げた方なのですから間違いありません。 もちろん直ぐにダビングをお願いしました。 するとなんということでしょう! ネット情報では30~60日かかると書かれていたダビングを、わずか1日で仕上げてくださいました。 もう驚きと喜びで一杯でした。 まさにお助けマン!! V&Eリメイクサービスさんは、ご自宅の一室において2021年9月に始められたばかり。 「会社を退職したら、こじんまりダビングやビデオ編集を続けていきたい。」 そう考えていたと朝倉さんは話してくださいました。 そしてこんなお話も。 「子供の頃から手先が器用で、細かい作業が好きでした。 とにかく作るのが好き。映像を観たり、撮るのが好きなんです。」 なるほど…。 今のお仕事は “ 好き ” の延長線上にあったのですね。 カメラや小物・プラモデルが美しくディスプレイされているのを拝見すれば、「きっと丁寧なお仕事をしてくださるはず」と安心します。 たしかに、お部屋を見回すと精巧に出来たプラモデルが飾られていました。 お仕事をされる上で、一番大切にしていることを伺ってみました。 「お客様との信頼関係のための守秘義務の徹底です。例えば、ビデオテープをDVDにダビングさせていただく時など、当然内容を拝見することになります。 お客様のプライバシーに関わることに触れる場合もあります。 それをお守りすることが、この仕事させていただくにあたって絶対的にお約束しなければいけないことだと思っています。」 色々な機材や部品類もきちんと整理されています。お人柄が表れますね。 モニターが並びます。 保育所の運動会のDVDが準備されていました。 そして、もう一つ。 「ビデオ編集の場合は、ご依頼者様との打ち合わせを大切にします。 ご本人にとっては大切な想い出だったりもしますので、ご依頼者様と製作者に想いのズレが起こらないようにするためです。」 40年のキャリアをお持ちでも、勘だけに頼らず、想いのすり合わせをすることを大切だと思っていらっしゃることを知り、より安心感が増しました。 今後のご予定としての構想はたくさんお持ちなのだとか。 「今はまだ公表段階ではないです。」 そうおっしゃっていましたが、相談には色々と応じていただけそうです。 まずは、「ビデオテープをDVDにしたい!」と思っていらっしゃる方には絶対的にオススメします。 職人気質の朝倉さんのお仕事に、きっと満足されることと思いますよ。 ―V&Eリメイクサービス情報― 代表 朝倉一二三 住所 〒052-0032 伊達市山下町270-27 電話 090-2073-4780(朝倉) 営業時間 10:00~18:00 定休日 火曜日 *外出されていることもありますので、まずはお電話を。 記事の内容は取材時の情報に基づいています(取材2021年10月)
Rietty
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確固たる想いを洞爺湖で実現させたい! 〜『湖の膳舎 なかむら』 和食職人 中村 悠佑氏〜
2023.4.25 OPEN以来、ずっと気になっていた方をようやく取材することができました。 今回の主人公は『湖の膳舎 なかむら』代表 中村 悠佑さん 千葉県出身、東京都育ち、1児のパパです。 “ My洞爺湖! “ そんな勘違いをしてしまいそうになる景色。 広い窓いっぱいに洞爺湖が見渡せる贅沢空間にその店舗は存在しています。 和食職人と言うと、中学校を出て直ぐ料理の修行をするようなイメージがありましたが、中村さんは和食職人としては珍しい大卒者です。 「本当は、高校を出たら直ぐに飲食業につきたいと思っていました。早くこの世界に入りたかったのです。けれども、親の説得を受けて大学へ行くことになりました」。 とにかく飲食業が好きだった中村さんは、高校一年生の時からファミリーレストランやイタリアンレストランで、大学に入学してからは居酒屋でアルバイトをする日々でした。 「大学では文学部に所属していました。 実はあるリース会社に就職も内定していました。 でも、居酒屋でアルバイトしていた時に感じた、お客様が料理とお酒を楽しんでいる雰囲気がとても好きだったという気持ちを捨てきれず、どうしても飲食業への道が諦められず、その会社を断ってしまいました」。 そんな中村さんが大学卒業後に選んだのは調理師専門学校への入学でした。 「最初はフレンチ志望でした。 かっこ良く見えたんでしょうね。 授業では、和・洋・中をそれぞれ学ぶのですが、授業の中で試食をした時に体にも舌にも自分は和食に向いていると実感しました」。 専門学校卒業後、中村さんは赤坂や新宿の料亭で働き始めました。 修行時代の始まりです。 「就職して初めて飲食業の本当の厳しさを知りました。 労働環境は劣悪でしたよ笑 勤務時間は07:00~25:00 休みの日も糠床をかき混ぜるために出勤していました。 それでもそれほど辛いとは感じなかった。 修行時代を6年ほど過ごし、独立を決めました」。 29歳の時に独立を決めた中村さんは、東京中野の駅前に店舗を構えました。 30席もある店だったそうです。 “ この人みたいになりたい! と憧れる人はいない “ ときっぱり言い切った中村さん。 どこかで聞いたことがある…と思ったら、大谷選手が言った言葉でした。 「え?彼もそんなことを言っていましたか」。と、ご存知なかったご様子。 「修行時代、味付けはさせてもらえませんでした。味付けは最高の位置にいる人の仕事ですからね。 だから、味覚のトレーニングと料理の独自の研究は常に怠りませんでした。 自分の味付けは自分の店を始めてから学びました」。 なるほど。 以前、ある方から、洗い物をする時に鍋についたものやお客様の皿を舐めて味を覚えたという話を聞いたことがありましたが、やはり料理人の世界は厳しいのですね。 「妻は自身で店を持つことを夢に持ち割烹料理店で修行しており、2人で店をスタートしました。東京のお店は住宅街のひっそりとした場所で始めましたが、そこの住宅街にお住まいのお客様はもちろん、近隣の会社様の接待の需要も有り様々なお客様にお越し頂いておりました。その店は、12年間営んでいましたが、北海道行きを決め2023年1月31日に閉じました」。 きっと惜しまれつつ閉じられたのだと思います。 それが証拠に、その時のお客様が東京から洞爺湖までお食事にいらっしゃると言います。 「中村が洞爺湖に店を出したらしいと聞きつけた中野の割烹料理屋時代のお客様がわざわざ来てくださいました。 本当にありがたいです」。 「ところで、何故、洞爺湖を選ばれたのですか?」 「妻の美佳が北斗市出身なのです。いま娘は3歳なのですが、子育ては自然豊かな北海道で育てたいと予々考えていました。そういう視点で北海道を旅した時に、洞爺湖がとても気に入りました。移住するならここが良いなと。でも、果たしてここで商売が成り立つのか? とても不安でした」。 そんな心配を余所に、オープン直後から多くの客様が足を運ぶ店となりました。 「雑誌の「Poroco」や「Ho」に掲載されたことは大きな宣伝になり、とても感謝しています。 札幌圏の方も来てくださるようになりました。ですのでお陰様で夏は順調でした。でも、冬が心配だった。ところが、今度はインバウンドのお客様もたくさん来てくださるようになりました。 シンガポール・タイ・台湾の方が多いです。 海外のお客様は積極的にGoogleにコメントを入れてくださいますので、それをご覧になったお客様がまた来てくださいます」。 予約専門のお店のため、来店者数に合わせて仕込みができるのも強みのようです(席が空いていれば飛び込みも受け付けてくださるそう)。 「どのお料理も素材の味が最大限に生かされていますが、取引先の生産者さんはどのように選ばれているのですか?」 「洞爺湖に引っ越してきたのは2023年の2月で、店のオープンは4月でしたので、野菜は根菜くらいしか手に入らない時期でした。お米は移住前から財田米を食べ比べ、宮内農園さんのお米を食べて「この美味しいお米なら洞爺でお店が出来る」と確信を持てました。宮内農園の佐々木ご夫妻には他の農家さんをご紹介頂いたり、自分達で道の駅で買って美味しかった農家さんにアポを取ってみたりとオープン前は奔走の毎日でした。出来るだけ地元の食材を利用し、地元の方にこんな美味しい食材が地元に有ったんだ!と再発見していただけるようなお店を作っていきたいです」。 特別なものを使うのではなく、地元の方がよく食べているものを使いたいという考え方は素敵だと思いました。 「地元食材を使いながらも、今まで無かった店、今まであまり食べる機会が無かった料理を、職人技で提供する店になりたいと考えています。 とは言え、いまは未だ試行錯誤の段階です。 地元の方に足を運んでいただくためには地域性も大切にしなければいけませんから」。 「ところで、お二人にお尋ねします。移住して良かったなあ〜と思う瞬間てどんな時ですか?」 「最高の食材がすぐ身近にあることが幸せです。 娘がのびのびと成長していると感じる時もまた移住して良かったと感じます」。と悠佑さん。 「洞爺湖を眺めながら大好きな温泉に入っている時です!笑」と美佳さん。 明るい美佳さんは早くも常連さんの人気者です。 「最後に目指しているスタイルがあればお聞かせいただけますか?」 「洞爺湖ならではの和食の店を確立したいです。この素晴らしい借景の中で、洞爺湖でしか食べられないものを提供したい。そのためにも、もっともっと洞爺湖のことを知りたいですし、洞爺湖の食材のことを研究したいです」。 そう力強く語った中村さんの元に、保育園から帰ってきた娘さんが「ありがとうございます!」と言いながらニコニコと現れました♡ ―湖の膳舎 なかむら 情報― 電話 080-9269-2578 住所 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉186-85 Instagram https://www.instagram.com/nakamura0321?igsh=MWR1bm9ieTBya28yNw==
Rietty
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木地師+α な多才人「工房夕花野」主宰 “ 石垣 拓也 “という人間に出会った。
大滝 三階滝近く、前夜雪が降り気温2度の寒い日。 広い建物にはストーブもなく、ほぼ我慢比べ状態の中取材をさせていただきました ^^; しかも2時間半。 今までの最長時間でした。 なぜならば、今回お会いした石垣拓也さんのお話がめちゃくちゃ面白い! それはもちろんお笑い的とかではなく、共感できるワクワク話が多かったのです。 もう、何をしに行ったのか忘れそうになるほどでした。 それはつまりはこんなお話し〜〜。 石垣さんは、今年の8月に置戸町から伊達市大滝区へ移住して来られた地域おこし協力隊員さんです。 そして、実は木地師でもあります。 そう、何を隠そうあの40年ほどの歴史がある「オケクラフト」の元職人さんでした。 しかも奥様も(奥様のお話はまた日を改めて。一緒に書いてしまうのは勿体ない程貴重な方なので〜)。 ここで少し「オケクラフト」についてご説明しますね。 https://okecraft.or.jp/about/ より引用 *〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜 『オケクラフトは、置戸町の「オケ」、昔から地域産業として生産されていた曲げ桶の「オケ」と、「クラフト」を合わせた地域クラフトブランドです。 1983年(昭和58年)に置戸町と著名な工業デザイナーであった秋岡芳夫さんとの出会いから始まりました。誕生以来、置戸町では町を挙げた活動として、作り手養成のための研修制度、オケクラフトの販売、作り手への材料提供などをおこない、オケクラフトの生産、普及に努めてきました。』 *〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜*〜〜〜 地域を挙げてブランド作りに取り組み、成功した「オケクラフト」。 その影には元「Uni (鉛筆)」のデザイナーだった秋岡氏の存在がありました。 大量生産に疑問を持ち始めた秋岡氏が目指したのは、地域の木を使い、一つ一つ丁寧に作るクラフト職人を育てることでした。 その秋岡氏のマインドに共感し、師事されていたお一人が石垣さんだったのです。 でもちょっと疑問が…。 それは、何故、材料入手も販路も安定していた「オケクラフト」を卒業し大滝に来られたのか? 「たしかにオケクラフトを出るリスクはありました。オケクラフトにいれば販路は安定しています。 工芸家一本で食べていくのはとても難しいですから生活するには安心です。でも卒業しました。正直、職人として独立してもそれ一本では食べていけません。手作りなので数は作れませんから、収入は限られてくるのです。特にこの二年のコロナ禍では、それまで開催していた大手デパートでの展示会へもお客様が集まらなくなりましたし、中止になったものもありました。つまりコロナ禍での工芸品は、贅沢品で別に無くても困らない二の次の物になってしまったのです。」 ↑コロナ前までは札幌三越・さっぽろ東急百貨店などで展示販売をされていました。 このお話しは、観光に関わる仕事をしている筆者にも痛いほどに分かり共感しました。 でも、石垣さんは安定を捨てました。 「納品先(オケクラフトの場合は町)が安定しているということは、同じものを大量に作らなければいけなくなります。ここまで育てていただいたことにはとても感謝をしています。でも、もっとチャレンジがしたかった。たとえ時間が掛かったとしても、たとえ少ししか作れなかったとしても自由な発想で手間暇惜しまず物づくりがしたかった。大量生産から少量生産に切り替えたかった。つまり、作る量を半分に減らせば質は上がる!という結論を出したのです。でも、収入は確実に減る。…ということは、他に収入が無ければ食べていけません。」 なるほど。 とても納得します。 さらに石垣さんのお話しは続きました。 「他の収入を考えた時、広い工房を持って “ ワークショップ ” や ” 体験学習 ”を行って収入源にしようと考えました。対象は子供と親子。作品の材料となる木が生える森へ出かけていき、森、そして木に親しんでほしい。作品の背景となる木についても知ってほしかったので、近代化された都市部に行くつもりはありませんでした。自然豊富な環境に恵まれた地域で、そこに住む方たちと連携しながら、みんなで自分たちの住む地域を盛り上げていける所を探していて辿り着いたのが大滝でした。というか、ここしかない!と思いました。自然環境も人も建物環境も全て自分たちには最適な場所だったのです。 ここは本当にポテンシャルが高いです。札幌や千歳からのアクセスもとても良いですし。 あとは、どんなコンテンツを作ってどう発信していくか?だと思っています。もちろん資金確保の問題もありますが…。」 ↑材料はその木が育った森が分かるものを生木で購入します。材となり薬に浸かったものや外国産のものは使いません。あくまでも安心安全な北海道産のものに拘っています。 ↑皮を剥ぎ、用途に合わせて切り出していきます。 ここまで伺って、筆者はワクワクが加速していってしまいました。 なんて素敵な方が伊達市に来てくださったのだろう!! しかも石垣さん、オケクラフトメンバーになる前は店舗マネジメントのお仕事を8年ほど経験されておられ、その構想のお話しがただの夢物語ではなく、きちんとマーケティング理論に基づくものだということが分かりました。 なんとも頼もしい限りです。 掘れば掘るほど壮大な構想が出て来るご様子でしたが、今回はここまでの取材にとどめることにしました。 続きは素敵な奥様(曲師)の取材の時に伺いたいと思いますので乞うご期待! ↑奥様もオケクラフトご出身の曲げ職人さん。早く取材させていただきたい! 最後に、近々のご予定を伺いました。 「現在準備中の工房が年明けには整いそうです。 将来のワークショプのために、近々、木育マスターの資格も取得しようと考えています。そして来年9月には料理研究家の菅田奈海さんとのコラボで「食育と木育」のイベントを行います。対象は近隣の子供達と親子。伊達市内の会場を予定しています。」 話しは尽きなかったのですがここでタイムオーバー。 でも、筆者が石垣さんとお話ししていてはっきりと分かったことがありました。 それは子供たち、そして選んだ地域への愛でした。 日本の宝としての子供たちに、自分の仕事として何ができるか? 同時に、家族とともに協力しあいながら生活を支えるためにはここで何がしたいのか? 選んだ土地で、地域全体、そして自分が楽しく幸せに暮らせるために何をすべきか? すでにその答えは出ていました。 それらを考えた上での大滝移住でありビジョンなのでした。 地域おこし協力隊で 木地師+αの多才人 石垣拓也さんが起こす風。 風向きを見届けつつ応援したいと思います。 伊達市、ますます楽しくなりそうです。 ↓「夕花野」Instagram https://instagram.com/yuhanano_hokkaido ↓夕花野オンラインショップ https://yuhanano.handcrafted.jp/ 夕花野 主宰 石垣 拓也 E.mail : gakkey326@gmail.com ※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2021年)
Rietty
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「またたび文庫」の羽地夕夏さん(羽ちゃん)〜人の心に風を送る人〜
嵐ではない。 そよ風でもない。 ヒュン!と人の心に風を送り。 ハッとさせてくれる人だと思いました。 ひさびさに「いいものみつけた!」という気持ちにさせてくれた人。 と、失礼な書き方をしましたが「なんて素敵な人なんだ!!」という意味です。 そして、実際には見つけたというよりも、出会いのきっかけは若い友人からの紹介でした。 ただその時には、羽ちゃんはその「光」を見せてはくれませんでした。 沖縄の人らしいのんびりした感じの印象。 表面的に溢れ出すオーラで、その存在の凄さを隠せない人はいますが、羽ちゃんはそういうタイプではないように見えました。 決して隠しているわけではなく、あくまでも自然体で、自分をそれ以上にも以下にも見せない人でした。 それがもう、話してみてビックリ! さらに彼女の書いたものを読んでみてビックリ! https://www.instagram.com/matatabibunko_hon/ ↑本の書評や所感などを書いています。 こちらを読むと、只者ではないことが分かります。 ということで、今回は白老を本拠地に移動本屋「またたび文庫」を展開している羽ちゃんこと羽地夕夏さんを取材させていただきました。 この日、またたび文庫は、白老の子育てふれあいセンター「すくすく3・9」の森のカフェイベントに参加されていました。 庭が森になっているそこには、小さい子を連れたお母さんや、地域の方々が来場者となって訪れていました。 その脇にあるニッセの小屋では、地元の店「カイザー」さんが珈琲を落としていました。 「すくすく森のカフェ」は、手作り感溢れるあったかい和みの空間でした。 そんな雰囲気の中で出店されていた、またたび文庫の羽地夕夏さんは、沖縄県読谷村出身の24歳。 大学で国際政治を学び、卒業後は東京の出版会社の営業を1年経験されました。 その後、2022年5月より白老町の地域おこし協力隊員として活動をされています。 「本は子供の頃から好きでした。学生時代は古本屋巡りが好きでした。何かを調べたい時は必ず本。ひとつのテーマについて深く知りたいときは、本を探して読みます。」 何故白老だったか 白老に来たきっかけは、先ほどお話しをした共通の若い友人でした。 それは羽ちゃんが大学4年生の時、初めてその友人に案内されて白老の森を歩き、すっかり白老の自然に魅せられました。 「それまでの人生では森歩きをしたことってなかったんです。」 同時期に読んでいたのはアイヌを題材にした小説「熱源」。 沖縄とは全く異なる北海道の自然への興味、アイヌ文化への関心も後押しをして、白老移住を決めたそうです。 そして実際に移住をした白老は期待通りだったと言います。 またたび文庫の誕生 「人口1万6千人の町 白老の文化拠点として、本屋をつくりたい。」 〜という想いで羽ちゃんは移住後、ほどなくして始めた 古本メインの移動本屋(新刊も1割ほどあり) 「またたび文庫」を立ち上げました。 マタタビといえば、あの齧った猫が恍惚状態になると言われる樹木の名前です。 「初めて北海道を訪れた時、森で初めてマタタビを口にし、とても美味しかったのです。これが猫もうっとりするというマタタビの木の実か!!」と。 きっと、その実は熟したオレンジ色をしていたのでしょう。 ほんのり甘いマタタビは、アイヌ文化史にもたびたび登場し、現代でも果実酒にして薬効を得るなど様々な利用法があります。 そしてまた。 羽ちゃんが好きなアーティスト奥田民生のCDにも「股旅」というタイトルのものがあるそうです。 こちらは旅のうたですが…。 旅先だった北海道に移住した羽ちゃんにとって、「またたび」という響きには特別な想いがあるのでした。 ところでこの日、鮭の木箱に入れて持ってきた本は100冊くらいでした。 「在庫はどのくらい持っているのですか? また、ここに持ってくる時の選書の基準は何でしたか?」 「在庫は2000冊くらいです。今は主にイベント出店という形で販売をしているので、出店するイベントの趣旨や、集まるであろうお客様の層を考えて、その志向を想像しつつ選書しています。今日は子育てイベントですので、お母さんが読める本・子ども向けの本をご用意しました。コンセプトは日と場所によって変わり、持ち歩く本も変わります。冊数もあえて少なくしています。」 この選書のセンスがまた抜群です。 ただの勘ではなく、自分のお客さまになりうる層をしっかりと分析しているようです。 それが証拠に、いらっしゃったお客様の年代・会話・購入された本などの記録をされています。 入れ替わり立ち替わりお客様がいらしたことと、雨が降り出したことでじっくり本を選ぶことができなかったのですが、どれもこれも気を惹くものばかりでした。 筆者の図書館司書の友達が、いたく褒めていたのが納得でした。 本へのおもい 「ところで何故、古本をメインにしているのですか?」 「一つには、誰かに大切にされていた本が次の人に回っていく循環に魅力を感じるからです。もう一つは、流行りものの宣伝にまみれた新刊書店より、ひっそりと本が積み上がっている古本屋での本との出会いの方が “ 自分の感覚で選んだ “という実感があり面白かった…という実体験からです。」 なるほど…。 ベースは大学生の頃の古本屋巡りだったのですね。 そしてこんな質問も〜。 「いちばん大切な本はなんですか?」 「いちばん長い期間、定期的に読み返している本は『星の王子さま』です。王子さまとキツネのお話しが大好きです。まわりの人やモノを大事にするとはどういう行為なのか、どんなふうに世界の見え方がかわるのか、美しい言葉で教えてくれます。」 筆者も遠い昔に読んだ本でしたが、このお話を伺い、また読みたくなりました。 羽ちゃんの言葉は、とても人を惹きつけ「読みたい!」気にさせてくれます。 ではもうひとつ。 少し難しい質問を投げかけさせていただきました。 「生き方を決定づけた本はありますか?」 「難しいですが…。平野啓一郎さんの『私とは何か 「個人」から「分人」へ』という本をあげさせていただきます。モラトリアム真っ盛りの大学生時代に読みました。自分のアイデンディティーは確固たるものではなく、他者との関係性の中でうまれる多様なものだという考え方に出会い、“ 自分とは何か?” という内向きの漠然とした悩みに対する執着がうすくなりました。」 う〜む。 深い…。 これもまた俄然読みたくなりました。 あらためて羽地夕夏という人 羽ちゃんはInstagramやnoteに本にまつわるいろいろを書いています。 その中から一部抜粋してみますね〜 『現時点のスタイル→本との一期一会の出会いの場をつくるというスタンスで、毎日本棚を入れ替える。POPをおくなどの装飾はとくにしない。自分の感性で本をえらぶという行為じたいを楽しんでもらいたい。。。と思いながら。』 こちらは移動文庫のスタイルのお話ですね。 おもしろい。 とにかく本と真摯に向き合っている。 そしてもう一話。 『〜前略〜「読書は人生に役立つのか?」というテーマに近づけたい。読書とは「自分で問いをたて、知識を得て、深めていく習慣」と定義してみる。特定のスキルや知識は陳腐化してしまう。だとしたら、せめて今の自分が本当に関わりたいものを、自分でえらべるようになること、ってすごく大事なのでは。。。読書が「自分のものさし」をアップデートしていく手段になるなら、「読書は人生に役立つ」と言えるんじゃ〜〜中略〜〜地理、社会、個人の思想を紐づけてみていくのは終わりがないから面白い。なんの役にたつかはわからないし、時間があるときのお楽しみになっちゃうけど。 今日もよい一日をおすごしください』 こちらは羽ちゃんの読書観。 と、こんな感じで羽ちゃんが発信するInstagramの書評や所感、あるいは考え方は、とてもグッとくる文章ばかり。 それでも物書きではなく、人や本との一期一会を大切にしたいと、売る側を選びました。 最後に地域おこし協力隊卒業後の構想を伺いました。 「拠点としての古本屋(店舗)を持ち、時々移動するというスタイルにしたいと考えています。 同時に、これから製本の勉強もする予定です。その後、絵本作りのワークショップを行ったり、出版のサポートもしたいと考えています。」 本を軸に活動の幅を広げていかれるようです。 今後の活動が楽しみです。 羽ちゃんの発する言葉ひとつひとつが筆者のこころに風を送ってくれた気がしました。 気がつけば秋。 読書を楽しみたいですね。 ―またたび文庫情報― クラウドファウンディングは2024年4月8日まで! 応援はこちらから。 白老でのおもな拠点は蔵、Haku hostel、観光協会(ポロトミンタラ)など。 出店予定は毎月更新されます。 営業時間は11:00~17:00 *出店予定は、Instagramにある月次予定表をご覧ください。 ・しらおい創造空間「蔵」 〒059-0906 白老郡白老町本町1丁目7-5 ・haku hostel+café 〒059-0905 白老郡白老町大町3丁目1-7 ・白老観光協会(ポロトミンタラ) 〒059-0902 白老郡白老町若草町1丁目1-21 Instagram https://www.instagram.com/matatabibunko_hon/ note https://note.com/matatabibunko/m/m10475c2e1abd?nt=magazine_mailer-2022-08-25 買取り情報
Rietty
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森を観て世界の『美』を伝えたい! 〜『観森』代表 宇宙人 野田和規の探究
「今回は記事にするのは難しいだろうな…。」 という一抹の不安。 予想は見事的中した。 なにしろ、「観森」代表の野田和規氏はつかみどころが無さすぎる。 あまりにも捕まえられられなくて、もしかしたら実体もないのではないかとすら思ってしまう。 まあそれは言い過ぎにしても、言いかえるとすると宇宙人なのだ。 かといって、ミステリアスという表現は当たらない。 基本明るいし、表面的には軽く見える。 これも言い過ぎか? いやだって、「Riettyさんを必ず甲子園に連れていきますから!」などと、訳の分からないことを突如言い出したりするのだ。 初めて出会った2年半前。蝶ネクタイで現れた彼は、人懐こい笑顔でずっと目をキラキラさせていた。 なんてチャーミングな23歳男子なんだ!と、この時思った。 う〜む。 この笑顔に惑わされるのだ…。 困った…と頭を抱えたくなるが、取材したからには記事にしなければいけない。 だから書こうと思う。 ということで、筆者を大いに困惑させている今回の主人公は『観森』代表の野田和規氏である。 昨年12月に『Expedition 地球のエッセンシャルワーカーズ』全100PあまりのVolume 00を「観森」のフリーペーパーとして世に出した。 企画・撮影 野田和規(ノダカズキ) 企画・編集・撮影 安田祐太郎(Andy) デザイン イガラシモエ 素人だというふたりの写真は、観る者を強く惹きつける。 Instagramに投稿される写真もそうだ。 被写体はいつも神秘性を滲ませている。 けれども何かを狙っているようには思えない。 モノや事象の表と裏、そのモノ単独だけではない美しい関係性を表現しようとしている。 そして野田氏は飄々と面白く言う。 「僕、しゃべり担当ですから。」 たしかによく語る人だ。 大学生時代、ラジオパーソナリティーをしたり、芸人を目指したりしたこともあるらしく、人に刺さる言葉選びが上手な人だ。 しかも魅力的な文章も書く。 そんな野田氏のシャッターを押す手は、被写体にも語らせてしまうのだろう。 必然的に彼のファンは多くなる。 Instagramのフォロワーさんも多くいる。 でも気をつけよう。 それに感心しすぎて油断してしまってはいけない。 野田氏は軽く楽しい口調で話しながらも、ふいを突くように真理を語りだしたりする人だからだ。 ここで野田和規氏の基本情報を〜 ・ 佐賀県出身の25歳。 ・ 愛媛大学農学部入学、「水」の研究を志すも1年足らずで中退。 ・ その後、土・気象・海など、自然全体・地球への果てしない興味を持つようになる。 ・ のちに『観森』のビジネスパートナーとなる安田祐太郎氏(Andy)と出会う。それぞれに役割分担がある。野田氏は向いていることしかしない。「探究・発信・人と会うこと」担当。Andy氏はウェブと野田氏のやらないこと全てを担当。野田氏はAndy氏をベストパートナーだと言う。 ・ 2020年に白老町へ移住、地域おこし協力隊の森林ガイド枠で起用される。 ・ 2022年は、野田氏&安田氏の強みを発揮する大きな飛躍の年となった。それが『観森』である。 思えば、筆者が野田氏と出会ったのは、2020年の5月だった。 共通の友人と有珠のツアーに参加してくれた(筆者はガイドもしている)。 フィールドでの彼は、常に素敵な発見をするためにワクワクしながら歩いている。 いつかのInstagramで書いていた文章が印象的だった。 「『今日も世界は美しかった』と言える1日を過ごす繰り返しのみが人生の豊かさを作っていく。」 そう、野田氏の素敵な発見とは、モノを通して見る世界の美しさなのだ。 観るもの、手にするもの一つ一つに目を輝かせ、心から喜んでいる姿に惹きつけられた。 一瞬で人を惹きつける野田氏を、共通の友人は「人たらし」と呼んでいた。 まさに言い当てた表現だと思う。 そもそも『観森』とは何か? 読んで字の如く森を観る行為なのだけれども、彼らの観ているものはあくまでも『美』。 世界の『美』である。 それは時に色彩美であり、時に造形美でもある。 では『美』とは何か? 野田氏の言葉を借りれば『洗練されていること』。 では『洗練されていること』とはどういうことか? それは『原理原則に基づく法則性があり、秩序が存在し神秘性があること。』だと野田氏は言う。 そして、それは自然であるか人工であるかは問わないと言う。 そう言われて思い当たることが多々あった。 筆者は野田氏と何度かフィールドワークをしたことがあるのだが、モノの観方が非常に独特だ。 まさに色彩と造形に囚われる。 そしてその時の目はうっとりとして、明らかに興奮状態になる。 ところがだ。 なぜか執着しない。 瞬間で絶頂に達し、すぐに興味は他へ移る。 単に飽きっぽい? いや違う…。 いっときは興奮を与えてくれた個体に集中するが、それだけに心はとどまらない。 その個体を通して環境全体を観て知ろうとしている。 どのように洗練されていったかを知ろうとする。 みえない部分に興味がシフトしてしまうのだ。 故に目の前の個体には執着しない。 ほらね。 こんな風に、ふいに真理を突いてくる。 つまりは、自然界はもちろんモノごと全てにその存在の理由があるということだ。 だから野田氏は原理原則にこだわる。 神秘性に魅了される。 そしてこんなことも言った。 ほらまた。 でも、たしかに! さて、話を戻さないと。 今回の取材は筆者自身のコントロールが難しい…。 『観森』で何をしようとしているのか? 植物から観ようとするのは何故か? なるほど。 至極納得。 そして同意。 では具体的にどんな活動を行なっているのか?あるいは目指しているのか? 1. メディア事業 ポットキャスト:現在週2で配信。観森に一番合っていると思っていると自己分析している。 2. 出版 Vol.1を出版する。クラウドファウンディングで資金を集める予定。 3. 展示 京都芸術大学にて3回/年 4. 物販 笹のバスソルトなど 5. 地球の美、神秘・原理原則を伝える ガイド1~2本/月・ワークショップ1回/月 なるほど。 野田氏の取り留めのない話を聞いている時、いつもなにやら核心をはぐらかされているように感じていたが、こうして言語化することで『観森』の世界観をだいぶ理解できてきた気がする。 それは、実は筆者自身が「観森」ファンでもあるから喜ばしいことでもある。 最後に〜 野田氏の口から何度も出た言葉『美しさ』『原理原則』。 それは、回数を数えればよかった!と思うほどだった。 彼は森だけではなく町にいてもきっとそれを追求して歩き、徹底的に観てそのバックボーンを知ろうとするのだろう。 そのための好奇心はとどまることなく、その瞬間感じた好奇心に素直に反応し探究をし始める。 今日もきっと野田氏はどこかで何かを発見し、感動し、探究して『美』の蓄積をしているのだろう。 Andyとノダカズキが営む『観森』の今後のアウトプットに乞うご期待! ―観森 情報― Mimori 観森 ポッドキャスト 野田和規Instagram 安田祐太郎(Andy)Instagram mimori Instagram
Rietty
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有珠善光寺 2台の門前市 仲良く営業中♪~伊達みやげ研究所&morning owl Japan~
2006年 土日のみの営業で善光寺さんの門前市は始まりました。 「善光寺さんはもちろんのこと、伊達市の皆様のお力添えがあったからこそ門前市を始められました。」 当時を振り返り、そう語り始めたのは “伊達みやげ研究所”代表の赤塚文俊さんです。 その頃は仲間達と一緒に、木製の屋台を店舗にして門前市を開催されていたそうです。 けれども、店主たちの高齢化とともに屋台の老朽化も進み、一人抜け二人抜け、3年前からとうとう赤塚さんお一人になってしまいました。 ↑仲間とともに開催していた頃の様子です。 門前市を始めた頃の赤塚さんたちは、「伊達の文化財を活用して町の経済活性化を計りたい!」という強い想いのもと、週末の境内を賑わしていました。 お一人になった今でも、「観光振興の一助を担いたい!」という気持ちから、訪れた観光客にお勧め周辺スポットや善光寺・善光寺自然公園の見所などを語り、伊達の魅力の情報発信をしていると話していらっしゃいました。 「伊達は本当に素晴らしい資源がたくさんあるのです。」 このお話には筆者も激しく同意。 途中、取材だということを忘れてしまい語り合ってしまいました ^^; 対面販売の良さを大切にする赤塚さんの姿勢は、当然お客様にも伝わります。 「あ。おじさん居るかなあって思って来たのよ!」 取材中、登別からいらしたご夫婦が「鰐口もなか」を2箱買っていかれました。 「リピーターの方もいらっしゃり嬉しいです。」 心から頷いてしまう…。 ↑「鰐口もなか」は、地元有珠の老舗製菓店「日当製菓」さんが作っていらっしゃいます。 最中はもちろんですが、私は善光寺さんのお茶も強くおすすめします。 熱くしても冷やしても本当に美味しいのです。 お話をする中で何度も何度も赤塚さんの口から出たのは、「善光寺さんには本当に感謝しています。」という言葉でした。 そんな赤塚さんに、今後に向けての想いをお尋ねしました。 「自然・歴史・文化など、地域資源の保全も意識しながら伊達市の活性化をしたい!という想いを持つ、門前市の仲間を増やしたいです。」 控えめだけれど熱い心が伝わる言葉でした。 そして、その想いを繋ごうとしている若い門前市仲間が現れました。 “ morning owl Japan “さんです。 Japanとある通り、実はカナダのオタワに本店があります。 オーナーの西村ななさんは、札幌出身喜茂別在住。 オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・アイルランドと、海外にトータル7年間住んでいらっしゃいました。 3年前に移動販売車でのカフェを始め、冬はニセコのヒラフ坂に常駐していらっしゃるのだそうです。 morning owl Japanを始めた時の想いを語ってくださいました。 それは、やはり豊富な海外経験から。 「向こうでは、キッチンカーが当たり前にあるのです。その文化を北海道にも根付かせたかったのです。」 そんな強い想いから、なんの躊躇いもなく一気にこの世界に飛び込んだのだそうです。 出店を断られることも多く、場所探しには苦労なさっているようですが、めげている様子は見せません。 「珈琲には特に力を入れています。こちらのエスプレッソマシーンは実は車より高いのですよ。」 ↑こちらのエスプレッソマシーンを載せているキッチンカーは他にはないとか。 珈琲豆は、札幌平岸のAce Coffee Roaster さんの浅煎り豆で、morning owl Japanオリジナルブレンドを作ってもらっているそうです。浅煎りなので豆の味がよくわかり、すっきりと美味しいです。 ↑ドリンクメニューがとっても豊富です。 要所要所に強いこだわりがあってほんと素敵♡ 常に筆者を真っ直ぐに見つめながらにこやかに話してくださる西村ななさん。 その目には、未来がはっきりと映っていると感じました。 「この店を通して、” 私もやってみたい “という方が意外と多いことを知りました。まだまだ認知度が低いキッチンカーですが、コロナ禍でも密にならないという利点もあります。共に北海道にキッチンカー文化を定着させられたら嬉しいです。」 ななさんは、最後にそう語ってくださいました。 ―善光寺門前市情報― 場所 有珠善光寺境内(伊達市有珠町124) 「伊達みやげ研究所」 冬季以外はほぼ毎日営業 代表 赤塚文俊 電話 090-9751-9065「morning owl Japan」 ひと月に週末のみ4回位営業 冬季は@ニセコ 代表 西村なな 詳細はQRコードを読み取りInstagramをご参照ください。 ※ 記事の内容は取材時の情報に基づいています。営業日等、変更になる場合があります(取材2021年)
Rietty
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【あの人に会いに】無理せずに巡っていく恩返し [ 岡本 里佳さん / 洞爺 ]
むしゃなびエリア(胆振地区・虻田郡)にて 会いに行ってみてほしい ”人” にフォーカスする企画 【あの人に会いに】vol.6 今回は、洞爺地区で『TOYA親子塾』を主宰されている 岡本 里佳 さんです。 洞爺地区でどのようにして親子塾が生まれたのか、 そして10年も続いているという、その秘訣をお聞きしました。 巡っていく恩返し 里佳さんの原点となるエピソードがあります。 それは、静岡に住んでいた頃のお話。 車無しで、子どもを3人連れての病院帰りでした。 4歳の手を引き、2歳を乗せたベビーカーを押し、 更には赤ちゃんをおんぶして、 歩道もなく歩きにくい狭い道を なんとか歩いていました。 遠い道のりを頑張って歩いていたその時、 急に雨が降ってきてしまいました。 傘を持っておらず、そのまま歩き続けていると…… 横にスッと車が止まり、 中の方がビニール傘を差しだしてくれました。 「お礼がしたいと連絡先を聞こうとしたら、 『お礼は良いから、次はあなたがその傘を誰かに渡して』と」 「人にあげるものって、 ちゃんとしたものじゃないと!って思っていたけど、 高価なものじゃなくても良いんだって気付けて。 この時のことがすごく残っていて、 できる限りのことをしようって」 ちょっとしたことが物凄くありがたい、 無理をせずできる範囲でも恩を送ることができる。 この出来事は里佳さんの原点となりました。 塾がない、なら作っちゃおう 九州から洞爺地区に移住してきた岡本家、なんとお子さんが6人の大家族!「でも、この地域に来たときは周りに大家族が多くて、6人兄弟だって他に2家族もあったの!」と里佳さんは笑います。 親子塾は、お母さん方の会話から生まれました。 「近所のお母さんから、子どもたちが家ではなかなか勉強できない、というお悩みを聞いていて」 他の友人から『塾というより塾の”自習室”が良いらしい!』と耳にしたところで、ここには塾も無い。塾を作ろうにも、この町には大学生もいない。 「でも、自習室で良いなら、場所だけ提供すれば良いんじゃない?親子塾をやってみよう!ってなったの。役場にこんな活動がしたいと相談に行くと、じゃあうちの子も……とすぐに子どもは集まって。」 親たちが当番制で見守りをして、子ども達に学習の場を提供する『親子塾』がスタートしました。さらに、見守り担当の親も一緒に学ぶスタイルが定着しました。 親子塾には月に2回程度、食事提供の回があります。(冬季を除く)その名も、『親むすび子ろりん(おむすびころりん)』。中学生は部活帰りでごはんを食べずに親子塾に直行になることもあるらしく、ここでご飯を食べられる回はありがたいそうです。 「やっぱり食は繋げてくれるよね、参加率が高い。笑」 食事の提供には、地域の農家さんから野菜をいただいたり、フードバンクを活用したりしています。 美味しい!とニコニコでごはんを食べる小学生たち。そこに部活帰りの中学生たちもワイワイと加わります。学校の外で友達とごはん食べられるって、嬉しいですよね。食後の片付けは子ども達自身で。学年が異なる子どもたちの交流は、兄弟が増えたようで楽しそうです。 無理しない、出来る限りのことを 一緒に活動するメンバーに『里佳さんはどんな人?』と聞いてみると、『しっかりしてるのに、フワフワしてる。だから緊張しすぎないし、楽しく活動できる』とのこと。 「無理はしないって決めていて。トップが無理しちゃうと、みんなも苦しくなっちゃうから」。みんなで楽しく活動すること。そのためにはトップが程良い”ゆるさ”がを保つこと。持続可能な活動にするための秘訣はここにありました。 <運営するお母さんたちに話を聞いてみました> Q.なんで『TOYA親子塾/親むすび子ろりん』に参加していますか? A.「たのしい」「子育ての情報交換になる、先輩がたくさんいて何でも聞ける」 「友達と居る時の子どもの様子を見られる」 「子育てを離れても、小中高の話が聞けて情報が入る」 どなたもとても楽しそうに参加されており、 保護者のみなさんにとっても憩いの場となっていることが伺えました。 ここだから、続けてこられた 親子塾は、なんと今年で10周年! 子ども達は卒業していき、保護者も入れ替わる中、この活動が10年も続くというのはとても凄いことだと感じます。 子どもが卒業しても変わらずにお手伝いに来てくれる方もいるそうです。 「はじめはこんなに賛同して、協力してくれる人が沢山いるなんて思っていなかった。洞爺地区だから、この地域だから続けてこられた、というのは凄く思う」 洞爺地区に訪れると、地域で子育てをしている様子を見かけることがよくあります。ひとりの大人が沢山の子どもを連れていたり、他人の子どもでも自分の子どものように叱っていたり。みんなお互い様で、子ども達を見守り合っているコミュニティ。この地域力が根底にあることが、親子塾が存続できる理由だと里佳さんは言います。 「みんなが同じ方向を向いているから、助けて!って言いやすい、頼みやすい」 10年間ずっと続いているから、いつでも帰って来られる安心感。日々活動を積み重ね、子どもにとっても親にとっても大切なコミュニティが出来上がっていました。 さて、今後の展望はあるのでしょうか。 「私たちが老後になっていって、いろいろと困ることがあると思う。次はその問題を解決していくようになるのかな?」。何かあっても助け合える、心強い関係性は既にできているように見えました。 『TOYA親子塾』・『親むすび子ろりん』は、洞爺地区の親子が参加できます。 (毎週水曜19時から、洞爺総合センターの和室にて。) 次は誰かのために、と活動し続けられる優しさ、包容力あふれる里佳さん。子育てに悩む方にはぜひお会いしてほしい、素敵な”地域の母”でした。
misaki
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