先月(2016年10月)第一部完成試写会が開催されたいぶり映画「モルエラニの霧の中」(監督:坪川拓史氏、製作:NPO法人 室蘭映画製作応援団)。
ご覧になりましたか?
今回の試写会では、全7編オムニバスのうち、春と秋を中心にした4話が上映されました。
崎守埠頭の一本桜やイタンキ浜、絵鞆小学校など、室蘭のきれいなところ、すてきなところが満載な映画になっていましたね!
公式サイト「モルエラニの霧の中」→ http://www.moruerani.com

moruerani1 「モルエラニの霧の中」第一部試写会チラシ

第一部のクライマックスに、冬虫夏草(とうちゅうかそう)が登場します。
エピソードのモデルとなっているのは、室蘭のきのこ研究家である、故・西原羊一さんです。
北海道きのこの会創設メンバーで、室蘭きのこの会創設者である西原さんの冬虫夏草は、なんと国立科学博物館にも収納されているということです!
劇中に登場する冬虫夏草の標本の多くが、西原さんが採集したものだということですが、一緒に試写会に行った友人が、
「あの冬虫夏草を見に行きたい」というのです。
えっ展示されているところがあったんだ?
そもそも虫なのだっけ、植物だっけ・・・。

★冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは・・・セミやダンゴムシなど、いろいろな虫に寄生するキノコの一種。薬効があり、漢方としても用いられています。

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ということで、やってきたのは「100年ローズ」で知られる旧三菱合資会社室蘭出張所。
西原さんは惜しくも昨年2015年に亡くなられましたが、その貴重なコレクションは「一般社団法人 むろらん100年建造物保存活用会」の手で大切に保管され、何点かは館内の歴史展示室で見ることができます。
浪漫ある佇まいの建物は、大正時代に建設された築100年!
「モルエラニ・・・」劇中では大杉蓮さん演ずる主人が営む写真館の舞台となっています。
HOQSEI CANDLE(ホクセイキャンドル)のショップでもおなじみですね。

旧三菱合資会社室蘭出張所
北海道室蘭市緑町2-1
一般社団法人 むろらん100年建造物保存活用会公式サイト
http://hoqsei.com

★平日の10:00から17:00まで館内の見学が可能です(土日祝日は閉館)。
 勉強になること間違いなし。雰囲気もとてもすてきです!

特別に、普段は公開していない標本や資料を見せていただくことができました。

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冬虫夏草は草木が生い茂る中に混じって生えており、その土地の生態系を知り尽くしている人でなければ見つることは難しく、掘り出すのにも時間と手間がかかるのだとか。
「それが、こんなにきれいな状態でこんなに沢山あるなんてすごいことなんだよ〜」
と力説しながら、西原さんのコレクションに見入る友人。
(友人はきのこの専門家ではありませんが、自然観察会で冬虫夏草に出会い、採集した経験もあるらしいです。)
築100年の空気感を味わいながら、一瞬、映画の世界に入ってしまったようでした。

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さて、大盛況だった室蘭試写会では、満員の来場者の大半が応援団、サポーター、出演者など映画づくりに関わっている方々で、すごい熱気でした。
そんな中、筆者は隣町に住む普通の観客として観せていただきましたが、「室蘭だから」ということに留まらない、大きくて魅力ある作品と感じました。
もちろん、映し出されているのは、どこからどこまでも室蘭で、ものすごく美しい街の情景です。
それでも、室蘭を全く知らない人が見ても、「あ、ここ、わたしの街」っていう感じがするのではないか。
市民でないので余計にそう思いました。

moruerani2 「モルエラニの霧の中」第一部試写会チラシ

それは描かれている人間模様も同じで。
機関車に触ったこともないのに、「あれは私かもしれない」と思ったり。
自分の記憶が映画のストーリーと同時進行で再生し初めたり。
なんというか、物語が観る人の心に直に触れてくる。
そういう感じがしました。

ここまでかたちになるのには、応援団やサポーターの皆さんが、どれほど苦労されたことか。
当日、地元の弦楽演奏家とコーラスグループにより生演奏されたエンドロール曲(坪川監督作曲)は本当に素晴らしかったです。
この日を迎えるまでの、数えきれないほど沢山の縁、そして室蘭を愛する思いが、幾層にも重なって聴こえてくるようでした。
のこすところ半分、作品自体が完成に向かっていこうとする、胎動?みたいな力強いエネルギーも一緒に。

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舞台挨拶する坪川監督

これから沢山の人がこの映画を通じて、室蘭、そしていぶり地域に親近感を抱くことでしょう!
友人のように「映画に登場したあれが観たい」という人も、もっともっと現れるのかもしれません。
筆者も、友人や家族と、映画に登場した岬で美しい夕日を眺めたり、旧三菱合資会社室蘭出張所をまた訪ねてみたいです。
美しさというのは、決して「かたち」ではないと思うのですが。
でも、「かたち」を遺していこうとすることもまた、大切なのかな。
そんなことを考えた、モルエラニ試写会と冬虫夏草の午後でした。

完成を観るのはもちろん楽しみですが、製作のプロセスに参加するのはもっと楽しそう。
興味のある方は、映画製作応援団のサポーターになってみてはいかがでしょう。
詳細は映画製作応援団にお問い合わせください。

NPO法人室蘭映画製作応援団
E-mail:info@moruerani.com
電 話:0143-50-6200 (9時~20時)

★特別に冬虫夏草を見せて下さり、館内を案内してくださった、むろらん100年建造物保存活用会さん、ありがとうございました!


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