Rietty
佐藤 徹氏は、40年以上のキャリアを重ねたラグジュアリーホテルでのお仕事をこの春辞され、「LUX Hokkaido Advisor」の起業という形で人生の第二ステージを歩み始めました。
まずは「LUX TOYA」のおはなし
皆様、前回の「ハーバルランチ」の記事の最後を覚えていらっしゃいますか?
このようなテーブルセッティングが現れ。
「ウグイスデリ」のシェフが現れ。
「LUX TOYA」のワードが登場しました。
実は、ここ「ハーバルランチ」をメイン会場に「LUX TOYA」ブランドでケータリングを仕掛けた方こそが、「LUX Hokkaido Advisor」代表 佐藤 徹氏でした。
そして、RanchでLunchの仕掛け人も☆
では今回の主役 佐藤 徹氏の略歴を
「サラリーマンの時よりも楽しいですよ!」と話す佐藤氏は群馬県高崎市のご出身です。
「大学生時代からパーティーなどのイベント企画をするのが大好きで、企画してはチケット販売なども行い、いわゆる学生ベンチャー企業のハシリのようなことをしていました。バックギャモン大会なども行ったことがあります。私自身も強かったので、唯一東大生にも勝てる技でした笑」
あるバックギャモン大会に参加した際、なんと日本4位になったそう。
そして、この出来事が佐藤氏の人生を決定づけることになりました。
「この時、賞品として、東京ヒルトンホテルメインダイニングでのペアのお食事券が当たったのです。生まれて初めてホテルのメインダイニングでの食事を経験し、学生でもリラックスさせ楽しませてくれた一流ホテルのサービスと素晴らしさに、強い感動と衝撃を受けました。その瞬間、ホテルの営業職に就きたい!!と心が決まりました。」
就職活動の時期になり、超有名ホテルの試験を受けました。
「結果、帝国ホテルもホテルオークラも落ち、東京ヒルトンホテルに無事合格しました。
そして採用内定後にお誘いをいただき、在学中からインターンシップで通うことになりました。」
さて、憧れていたホテルの仕事でしたが、インターンシップで配属されたのは「宴会ハウス」と呼ばれる料飲部の裏方作業でした。
宴会場のテーブルをセッティングし、片付けるサービスには携わらないとても地味な仕事です。
「41年間ホテルの仕事を辞めたいと思ったことは一度もなかったのですが、この時だけは最初の3日目で『もういやだ‥。』と先輩に弱音を吐きました。思い描いていた華やかさは微塵も無かった。今思えばつくづく未熟だったな…と思いますが、その時、先輩に諭されたことで『まずは3ヶ月頑張ろう!』と思いとどまり、その後は無我夢中で働きました。そして、自分から『レストランのサービスをやりたい!』と申し出て配置転換をしてもらいました。外資系のホテルは自分から願い出ないとセクションはずっとそのまま変わらないのです。結局サービスの仕事は3年、その後26歳の時、念願の営業職に異動することができました。最年少採用でした。」
冒頭の画像でもご紹介した通り、佐藤氏はトライアスロンレース愛好歴30年の方。
あの過酷さに耐えられるのですから、並大抵な精神力ではありません。
人並み外れた努力家であり、ど根性の持ち主ですので多くの業績をあげた事と想像します。
実は、現在も開催されている洞爺湖を舞台にしたトライアスロン大会を最初に誘致した立役者も佐藤氏でした。
「営業職でしたが、正直、喋るのはあまり得意ではありません。ただ、アイディアは誰よりも豊富に持っていると自負していましたし、『やるからにはトップセールスマンになりたい!』という想いだけは人一倍強かったので、営業成績はいつもトップでした。要は負けず嫌いなんですよね。」
ヒルトンホテルで15年間勤めた後は、常にヘッドハンティングを受けながら、パークハイアット東京やウィンザーホテルなどのラグジュアリーホテルで経験と実績を積み上げてきました。
「順風満帆にお見受けしますが、失敗談の一つ二つはありますか?」
「あります!あります!本が書けるくらいありますよ〜!笑」
「え!? ^^; では、本一冊分はお聴きできないので一つか二つお願いします笑」
「一番忘れられないのは、というか、お客様に物凄く怒られたことがあるんですが…。某有名企業の社長が亡くなったという情報を得た時、すぐに次期社長の就任パーティーの企画書を作り、お葬式の日にプレゼンしに行ったんです。他所に取られたくないから一刻も早くと思って。もちろん物凄く怒られました。今思えば当然なんですが笑 その時はもう夢中でした。でも、なぜか私の上司は怒りませんでした。
それから…、もう時効だからいいかな…。東京都庁で当時の知事主催で『都民栄誉賞』の式典があったときのことです。20,000円20人分の弁当のご注文をいただいたのですが、スロープで台車を使って運ぶ際に全部落としてしまったんです(部下)。昼食の時刻も迫っている。料理長は当然カンカンに怒る。でもなんとかしなければいけない。有名デパートにも頼みましたが、20,000円の弁当を今直ぐ作ることはできないと断られる。もう一度料理長に頭を下げて頼みに行きました。当然材料が少なかったので、10,000円の弁当をなんとか作ってもらって急場を凌ぎました。お客様には行程を入れ替えるなどしていただき、自分は場を繋ぐためにひたすらお飲み物をお注ぎしていました。冷や汗エピソードです。」
「それはどちらを伺っても顔が青くなるエピソードですね…。」
「私が営業の仕事をする中でポリシーにしていることがあります。それは決して諂わないこと。絶対に満足していただける仕事をすることで、お客様とは対等でありたいと思っています。ホテルの仕事をしていると、本当に数え切れないほどのクレームを受けます。時には理不尽とも思える件も。ですが、どんな揉め事でも全て穏便に治めてきました。もちろん胃が痛くなることもありましたが、クレーム対応は得意なんです。毅然として諂わず、誠意を持って傾聴するように心がけていました。」
佐藤氏のお話を伺っていると、「Win-Win」というワードがよく出てきます。
プロのサービスとその対価に自信があるからこその言葉です。
今までの経歴からの気づき
「40年以上ホテルのお仕事に携わっていらして、気づき学ばれたことは何でしょうか?」
「現在の活動に大きく関わっていると思う気づきは、『地元事業者との連携の大切さ』です。これはハイアットリージェンシー京都にいた頃の経験に基づくものです。京都では、寺社仏閣との連携で仕事をさせていただくことが多かったのですが、少子化の影響で修学旅行が減り、拝観者が減り、檀家さんも減り…。ですので、京都の神社や寺の経営は楽ではないのです。そこで、夜を貸切にしていただき特別な体験メニューを企画しました。参加してくださるのはほぼ外国人でした。お寺や神社はもちろんのこと、お客様にも喜んでいただけたのでとても嬉しかったです。パークハイアット東京にいた頃は、食とアートを繋げた企画として、美術館と連携をしてラグジュアリーブランドのケータリングを行っていました。ホテル滞在のお客様に向けて高付加価値なラグジュアリー商品の開発や、MICEのローヤルコーディネートも行いました。」
素晴らしすぎる!
お話を伺う筆者の目がキラキラハートになっていたのは言うまでもありません。
「ウィンザーホテルの東京本社から洞爺の現地に赴任した際、ウィンザーホテルは地元との連携があまり出来ていませんでした。ですので、私は洞爺湖温泉に家を借りて住み、洞爺湖周辺の全てのお店に通い、顔を知っていただく努力をしました。おかげで、様々な企画をご一緒いただくことができました。その頃からの人の繋がりと経験は全て財産です。」
この気づきと実践こそが、佐藤氏が話す「Win-Win」の考え方に沿う企画を生み、今に繋がりました。
さて、再びハーバルランチ会場へ〜
佐藤氏も大工仕事を手伝った外のデッキは屋根付き&シート付きなので雨の日もOKです。
自然に囲まれた贅沢空間でのBBQケータリングメニューは24名様まで可能だそうです。
しかも、1日に昼夜一組限定なので、時間を気にせずにゆっくりとお食事を楽しめます。
これらの画像に写るシェフ達は、有名高級ホテルで腕を振るった方ばかり。
この凄腕達による最高級のフレンチスタイルBBQをケータリングサービスする部門が「LUX TOYA」であり、そのメイン会場が「ハーバルランチ」というわけです。
つまり、ハーバルランチや各事業所のシェフの皆様と連携をされているということになります。
ここでも地元の事業者との「Win-Win」の考え方が生きています。
「LUX Hokkaido Advisor」ケータリング以外の事業のおはなし
さて、なんと佐藤氏ご自身も得意分野のサイクリングでガイドも始めることになりました!
「洞爺湖町の、特に元洞爺村周辺の、調和がとれた自然と文化の素晴らしさを自らお伝えしたくなりました。」
湖畔の彫刻を愛でたり、洞爺湖芸術館を観覧したり、ハーバルランチでハーブティーを楽しんだりできて、ガンガン漕ぐ行程ではなく、のんびり走るのがとても魅力的です☆
また、自らのガイドだけではなく、地元のガイド事業者との連携もしっかりと考えていらっしゃいました。
ホーストレッキング・カヌー・ネイチャートレッキングなど、今後の展開が楽しみです。
そしてもう一つ。
佐藤氏のこれまでの職歴の集大成とも言える事業はホテルのコンサルティングです。
「『営業・マーケティング・サービスのプロフェッショナルとして是非うちのホテルへ!』と、あるホテルの総支配人としてのお誘いもいただき、とても有り難かったのですが、丁重にお断りさせていただきました。どうしても『自営でやりたい!』という想いが強くなっていたからです。実はこれら全ての構想は2年前から大事に育てて温めてきたものでした。」
現在、あるホテルとゲストハウスのコンサルティングも既に始めていらっしゃいます。
なんと心強いコンサルタントなのでしょう!!
最後に「LUX Hokkaido Advisor」のポリシーとビジョンを語っていただきました。
「何よりも地元の事業主さんの役に立つことを第一に考えるということをポリシーにしています。将来は洞爺にラグジュアリーマーケットを増やしていきたいです。目指すは北海道のラグジュアリーアドバイザーです!!」
観光業界のアイアンマン佐藤氏。
人生の第二ステージを既に全速力で走り出しています。
―LUX Hokkaido Advisor・佐藤 徹氏 情報―
代表 佐藤 徹
住所 北海道伊達市末永町175-32-102
電話 080-3725-0262
Email :tsato@lux-hokkaido.com
・ LUX TOYAのメニュー(今後も進化する気配☆)
https://lux-hokkaido.com
・ サイクリングガイド(今後もアクティビティーメニューが増えそう☆)
https://toyako.biz/cycling/
編集部のライターとして月に2~3回ほど、皆様のお目にかかることになりましたRiettyです。
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