心の伊達市民 第一号

東京モダン建築さんぽ(1)・・・佃・銀座

晴海図書館に行ったら、棚の目に付く場所に「東京モダン建築さんぽ」という本が見えた。そこで本に掲載されている中からあまり遠くなく、また自分が「もう一度、見たい」と思うビルを訪ねてみた。中には本には載っているが寿命が来て取り壊されたビル、閉鎖されたビル、間もなく取り壊されるビルもあった。

本によると「モダン」はラテン語の「ちょうど今」が由来だそうだ。
そんなモダン建築を6~7回くらいのシリーズで、私の撮影した写真で紹介したい。
今回のシリーズでは建物の歴史などを主体に、ウィキペディアの情報を参考に紹介する。

本には載っていないが、私が推薦するビルも併せて(★印)紹介する。


  「東京モダン建築さんぽ」



【カーサ相生】(佃)
自宅の前の「清澄通り」を「門前仲町」方面に進むと、相生橋がある。
その手前の左側に「カーサ相生」があるが、いつもこの前を通っていたが気が付かなかった。すぐ近くには桜並木で有名な「石川島公園」があり、毎年、ここの桜を楽しみにしている。本の紹介では「日本のタワーマンションの元祖」と書いてある。


 「カーサ相生」



「カーサ相生」は1978年8月に竣工した。
外壁に描かれた模様にレトロな雰囲気を感じるマンションで、見た目はとても古いマンションには見えない。大規模修繕がきちんと行われているのだろうと思う。

分譲時の間取りは2K~3DK、広さは24㎡~48㎡台、建物はA棟からC棟までの3棟で構成され、1階に店舗の入ったA棟が清澄通りに面した南側に、B棟とC棟はその北側に配置されている。


 壁面の花模様は珍しい



敷地は隅田川の分流近くに位置し、南側が清澄通りに面している。
近くには多くのタワーマンションが建っていて、月島の商店街や「もんじゃ通り」も5分くらいで行ける。

マンションの裏手にはまだ昔ながらの長屋も残っていて、下町情緒を満喫できる。
建物の壁面に模様が描かれているのも、いまでは珍しい・


 手摺もアート風



【静岡新聞 & 静岡放送の東京支社】
数寄屋橋交差点から新橋方面に向かうと、8丁目に「静岡新聞 & SBSの東京支社」のビルがある。横を通り過ぎるだけだと、気が付かないかもしれない。
ビルの上の方を見ると、その奇抜さが分かるのである。円筒形の建物に枝のように部屋がぶら下がっている。

設計は日本の近代建築を代表する建築家の一人である「丹下健三」によるもので、メタボリズムという建築思想が色濃く反映されている。


 周囲から浮いている「静岡新聞 & 静岡放送」



丹下健三は弟子の磯崎新のプロジェクトから触発され、将来的に複数のコアを建設し、それを空中に橋渡しされた床で連結するという構想を持っていた。
このアイディアは彼が以前に電通の吉田秀雄から依頼を受け、築地地区において複数の立体的な再開発計画「築地計画」を立ち上げたことに端を発する。

しかし吉田の急逝で、電通本社ビル1棟の建設にとどまった。静岡新聞東京支社ビルは、この幻となった築地計画の一部が具現化したものと見ることが出来る。


奇抜なデザイン



「メタボリズム」とは1960年代に日本の建築家を中心に提唱された建築思想で、有機的な成長や変化を建築に取り入れようとする考えである。静岡新聞東京支社ビルはこの思想に基づき、将来的な拡張や変化に対応できるような構造になっている。

汐留に近い銀座8丁目には、かって黒川紀章が設計した中銀カプセルタワービルというメタボリズム建築が存在しいた。このビルはこのブログでも過去に何回か取り上げている。しかし中銀カプセルタワービルは2022年4月に解体されてしまった。

ブログ【ビルの歴史の終りに立ち会う】・・・https://mushanavi.com/author/jiyujin/blog2/entry-7099.html


「静岡新聞 SBS」東京支社ビル

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    本格的な建築ウオッチング、いいですね、これからも期待してます!

  2. 個性(Y)

    個性(Y)

    返信

    人にはそれぞれ「個性」がるが、建物にもいろいろな「個性」を持つものが多いですね。人間の「個性」は多方面から尊重されているが、建物にもこれほど多くの「個性」があることを知り今後のシリーズに楽しみが増えました。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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