
ホテルマンの幸せ
昨日の出来事…
おはようございます♪
昨日ホテルのフロントに『磯辺さんいますか?』と見慣れない女性が尋ねて来ました。
あれ?
どなただろう…?
と思っていたら…
『下川の南さんから預かりモノがあるんです☆』とおっしゃるではありませんか?!
伊達市で開催されている剣道少年の大会の引率で下川からいらっしゃったと言うのです。
で、そのマダムから渡された荷物とは…

……。
なんだろう…?
手に取って持ってみると重いのです!
と、言いますのもこの夏に南氏から『クール宅急便』でキンキンに冷やされた状態でこんなモノが送られて来たのでした。

スイカです。
あきらかに昨年置いて行った全っっ然いらないぼろっぼろのサッカーボールだと思われるニセモノのスイカです…

まだあのニセモノスイカの『お礼』も出来ていないのに…
なんだろう?
と思って中を見てみると…

おおぉ~~~~~~~~~~っ!!!!!
本物の美味しい下川のトマトジュースだぁ♪

これは嬉しい☆
去年仲間たちと下川のコテージに泊まりに行った時に玄関に寝させたとは思えない温かいプレゼントだったのです!!!

とてもいいコレージを用意してくれたのに玄関に寝らされる南氏。
ちなみに「いびきがうるさそう…!』という理由で強制的に台所で寝てもらった大将…☆

大将と南氏は学生時代や板前修業時代からの相棒なのです。
新幹線駅の敷地内でなぜがピッチング練習をしている両氏…

警備員が来てしょっぴかれるのをどれだけ心待ちにしていたコトか…♪
来月南氏は伊達まで泊まりに来るのでまた明るくなるまで酒を吞み交わしたいと思います☆
その日が今から楽しみです!

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【あの人に会いに】地域にひらく [ 坂本瑠美さん / 洞爺 ]
むしゃなびエリア(胆振・虻田地区)にて 一度は会いに行ってみてほしい、 地域を盛り上げる ”人” にフォーカスする企画 【あの人に会いに】vol.2 今回は、2024年6月2日(日)に 洞爺八幡神社にて開催される 『とうや古本市』の主催者 坂本瑠美さんにフィーチャーします。 瑠美さんが暮らしているのは洞爺地区。一緒に町を歩いてみると、並外れた情報量に驚きます。 「ここは〇〇さんが管理してくれてる場所でね……」「ここの道は子ども達と歩くのにとっても良い場所で……」「あ、〇〇さんがいる!寄っていこう!こんにちは~」……と、こんな様子でエンドレスに繰り出される地域のお話。 この地区の住民はほぼ全員知り合い、町のあらゆることに詳しい、まさに地域の生き字引。そんな瑠美さんなので、もう何十年も洞爺地区の住民かと思いきや……なんと移住してまだ8年だと言います。 「何年も前から居る人みたいだって、洞爺に来て数週間の時にはもう言われてたね (笑)」 多くの人と繋がり、大量の情報を蓄積し、それをまた人へ繋げていく。瑠美さんにとってはとても自然なことなのかもしれません。 移住の決め手は、子どもが沢山いること 瑠美さんは帯広市出身。清水高校の総合学科に進学します。とても自由な校風で、好奇心の赴くままに楽しく過ごし、”キャンプ好き”となっていきました。卒業後は札幌の調理専門学校へ。そこで旦那様と出会い、結婚・出産。若くして母となりました。瑠美さんについて特筆すべきことのひとつは、”子どもと仲良しな母ちゃん”。 「長男がもう20歳!長女も中3、子育てが終わっちゃうのが寂しい!!!」 札幌や江別で長く暮らしていましたが、よくキャンプに訪れていた洞爺湖に惹かれ、移住を決めます。長男が中学校に進学するタイミング、長女が小学校2年生の時でした。 「札幌はモノも人も多くて沢山繋がれるけど、都会ならではの子育てのしにくさもあって。例えば、騒音問題だったり、公園でボール遊びしちゃダメだったり、子どもだけで遊びにいけるところがなかったり……」 洞爺地区で、自由に遊ぶ地元の子ども達を見かけていたことが、のちに移住の決め手となりました。 地域に根差し、広がり続ける人脈 食べるの大好き、食べさせるのも大好き!な瑠美さんは、調理師として働いていましたが、洞爺移住後は「生産者側を経験したかった」と農家へ。3年程働き、調理の道へ戻ろうと転職を考え始めた頃に新型コロナウイルスが流行します。飲食業は縮小、調理師としての就職先は狭まっていました。そんな中、変わらずに募集があったのが保育園の給食室でした。 「午前は給食の調理をして、午後は学童スタッフとしても勤務できることになって。学童で子ども達と遊ぶのが、とっても楽しかったんだ~!ずっと一緒に遊んでいられる!」 偶然たどり着いた二つ目の天職。現在は学童の職員となり、時には給食センターやとうや水の駅食堂TSUDOUにて調理師も続けています。母でありながら3足の草鞋!とても忙しそうですが、まだまだそれだけではありません。 NPO法人地域自然活動センター森・水・人ネットの理事、PTA活動、洞爺八幡神社の総代、等々……ここに書ききれないほど多くの団体に携わっています。あちこちから声をかけられるひっぱりだこ、人脈は広がり続けます。 地域の神社をもっとオープンに! 沢山の活動のうちの一つ、洞爺八幡神社で開催している『とうや古本市』はどのようにして始まったのでしょうか。 きっかけは、瑠美さんが町内会の役割の一つとして、たまたま総代*になったことから。長く神社を支えてきた会長や総代たちの想いを聞き、動き出します。 「総代を務めたい人も少なくて、町内会で回り番でっていう感じで……もっと地域の若い人に楽しんで場所を繋いでもらわないとっていう危機感があったんだよね。会長も、もっと自由に使ってと言ってくれていて」 氏子……氏神様がお守りする地域に住んでいる人々。氏神神社の運営・維持、行事などを行う。 総代……氏子の総代表。祭祀や保持活動に努める役割を持つ人々。 ”本好き”という共通点があった会長や総代たち、話はとんとん拍子で進みました。 「(当時)本屋が無いこの地域で、本を手にとれる場所が欲しいよね、とよく話していて。神社での開催だから(予算をかけず)”ばくりっこ”で。この地域だとどんな本が出てくるんだろう、という興味もあったしね」 とうや古本市は、不要な本を持参し欲しい本を持って帰る、”ばくりっこ”スタイル。ゆったりとした境内では『その本は〇〇さんのオススメだよ』、『これ面白いね』と会話が生まれ、来場者が本を通して繋がっていきます。 「小さい頃この境内で遊んでいたという人たちが、『神社で何かやってる!』とたまたま来てくれたことがあって、そういうのも嬉しいよね」 ただ場を繋ぐためのイベントではなく、持続可能な開催を目指して主催者が楽しむことを大切にしていることも、とうや古本市の特徴。『焚き火で焼き芋がしたい』、『地域の楽しいお店も呼ぼう』……そうして、地域住民にも毎年楽しみにされるイベントとなりました。 子ども達のたまり場をひらきたい 地域のために動き続ける、実行力抜群の瑠美さん。これからやっていきたいこと、目指すところはあるのでしょうか。 「誰もが気軽にふらっと集まれるような、子ども達のたまり場を作りたいなと思っていて」 学童で日々子ども達と触れ合い、真っすぐな好奇心に共鳴していくうちに、もっと探求できる場をひらいてあげたいと思うように。 「大人は知りたいことを自分で見つけられるし、すぐに調べることもできる。でも、子ども達が自分でリーチできるものって、自分の周りにある環境だけ。すぐ近くに沢山の面白いこと・面白い人がいるから、それを繋いであげられる場所がほしいなって」 そんな場所ができたなら、子どもだけでなく大人も楽しめるスポットになりそうです。老若男女がワイワイ集い、誰でもフラットな関係で、好奇心のままに学びを追求できる……素敵な”未来の場”のイメージが浮かびました。 来る6月2日(日) のとうや古本市は、そんな明るい未来の話が自然と生まれる場所でもあります。とにかく多忙な瑠美さんとゆったり話せる、貴重な機会かもしれません。新緑が眩しい、気持ちの良い境内を楽しみに、ぜひ足を運んでみてください。明るい瑠美さんにつられて、笑顔になってしまうこと間違いなしです。 <とうや古本市> 日時:2024年6月2日(日)10:00~15:00 場所:洞爺八幡神社(虻田郡洞爺湖町字洞爺町1番地) ★入場無料、飲食や雑貨など各種出店あり ★お家に眠る不要な本がありましたら、ぜひご持参ください! ★とうや古本市は、年2回、春・秋に開催しています。今回が5回目!
misaki
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在留外国人に寄り添う国際交流のプラットホーム “ ぱれっと “ by留学生フレンドシップ
立ち上がった留学生フレンドシップ さて、冒頭から失礼します。 皆様ご存じでしょうか? 現在、西胆振には1000人を超える在留外国人の方が住んでいると言われています。 そしてその方々は、日本の労働力となっていただいているにも関わらず、実はとても暮らしにくい状況下にいます。 例えば、受け入れ先が少なく働き先がなかなか見つけられない。 故郷に帰りたくても帰れない。 仕送りも出来ない。 でも、支援の手がなかなか差し伸べられないetc. そんな境遇にいます。 このような現状を知り、「支援したい!」と2015年4月に立ち上がった団体が『留学生フレンドシップ』でした。 『留学生フレンドシップは、室蘭工業大学留学生を中心とした各国留学生、在留外国人と市民との交流をはかり、親睦を通してお互いの文化・習慣を確認し合うことにより相互理解を増進して、彼らの知識と力を地域社会に還元し、かつ各国留学生、在留外国人と市民との間に発生するトラブルを可能な限り回避しながら各国留学生、在留外国人の生活支援、活動支援をすることを目指します。』留学生フレンドシップHPの「活動目的」から抜粋 この団体は、異国に訪れ、様々な不安を抱える方たちの「少しでも力になりたい」という想いを共有する仲間で成り立っています。 代表は日栄 均さん。 「できることは何でもしたい!」と熱く語ってくださいました。 ぱれっと とは? さて今回は、その『留学生フレンドシップ』が母体となって運営をしている “ ぱれっと “を取材させていただきました。 ↑2022年5月1日オープン! 経営者は三津谷達子さん。 留学生フレンドシップの事務局長で “ ぱれっと “ の経営者でもあります。 ぱれっと経営者の三津谷さん在留外国人のことで常に頭がいっぱい。何やら考え中のご様子の三津谷さん… 以前、タピオカ専門店だったところを事業継承された三津谷さん。 “ ぱれっと “を国際交流のプラットホームにしたいと考えていらっしゃいます。 「留学生はもちろん、在留外国人の置かれている状況はとても厳しいです。西胆振だけを見てもこんなにもたくさんの外国人の方が暮らしているにも関わらず、法的な整備は追いついていません。日本人ならば難なくできることも、言葉の壁もあり支援が必要であったりしますが、そのサポート団体も少ないです。技能実習のために日本に訪れ、労働力として貢献していても不安なく過ごせるような環境はまだまだ整っていません。また家族で日本に住んでいても、特にコロナ禍の逆風もある中では仕事が見つからず、苦労をされている方も多いです。このように、困った時に気軽に相談をしに来られる場として、同朋が集まれる心の拠り所として、“ ぱれっと “は存在しています。」 例えば自分が外国に留学した時のことを想像してみます。 生活習慣も言語も、もちろん法律もなにもかも違う環境の中で、困った時や不安になった時、いつでも迎え入れてくれるところがあったならどんなに心強く有難いことか…。 “ ぱれっと “ は、外国人のよろず相談所の拠点的機能も兼ね備えているので、スタッフは常に胆振管内を飛び回り、各種サポートをしたり、在留外国人の雇用に前向きな企業を探して歩いています。 そして留学生フレンドシップは、近々北海道国際交流協力総合センター(ハイアック)の協力団体となり、秋には団体名も新たに登録されるそうです。 伴って、“ ぱれっと “のプラットホームとしての機能も増してフル回転になっていきます。 ↑ハイアックの事業活動の詳細はこちらをクリック 「もうほとんど親のような気持ちです。せっかく来てくれた日本で安心して楽しく暮らしてほしいですからね。物好きでおせっかい好きなジジババの集まりなんです。」 ご本人はそうおっしゃいますが、在留外国人にとってはジジババどころか天使のような存在だと思います。 それに、側から見ても「してやってる」意識がまるでない。 外国人との交流を心から楽しんでいることがわかります。 だからこそ長く続くし皆様に頼られるのでしょうね。 他にも主な活動内容としては〜 帰国申請の手続きのサポート在留資格延長相談生活福祉資金(帰国前提の場合は受給資格なし)を受けるための日本国内の預金通帳発行手続きサポート就職やアルバイト相談、斡旋(外国人の人材派遣業登録済み)留学生が札幌などで試験を受けるための移動相談医薬部外品などの説明書きの翻訳サポート などなど、数えあげればきりがなく様々な相談が持ち込まれます。 どんな相談でも、我が子のことのように親身になって応じてくれる場があることが、どれだけ在留外国人の皆様の心の支えになっていることか。 まさに駆け込み寺です。 ↑優しい店長の渋田みどりさん そこで尋ねてみました。 「そのモチベーションの原動力は何ですか?」 すると単純明快な答えが返ってきました。 「笑顔で喜んでもらえることです。」 つくづく、この方たちだからこそのお答えだと思います。 実は筆者、随分以前からまったく別のことでお付き合いをさせていただいていたのですが、実に「らしいなあ」と感じます。 損得勘定がまるでない。 心で動いている。 それは、どんな場面でもそうでした。 ですから、「手伝いたい!」と集まるメンバーも類が友を呼んでいるようです。 けれども、決してその好意に甘えているわけではないところに感心してしまいます。 ↑スターマリンさんのご協力でクルーズも体験していただきました 「大切にしているのは、長く無理なく楽しくできることです。きっと、仲間たちのモチベーションはそれぞれ違うと思います。例えば手伝うことで国際交流ができることに楽しみを見出す者。手伝うことで語学学習ができることに価値観を見出す者。動機は様々でも、結果winwinの関係を築ければ誰もがハッピーになれますよね。」 気負いや正義感をむき出しにした活動でなく、自然体な活動が、在留外国人たちにも安心感を与えているのだということがよくわかりました。 日本語教室のこと そしてもう一つ。 在留外国人の言語の問題が少しでも解消できるようにと、日本語教室も開催しています。 先立って、この教室を留学生フレンドシップで行うために、コロナ禍でも対面式で開講できるようにと環境を整え、北海道国際交流・協力総合センター主催『日本語学習支援者養成講座』をスタッフ5名が受講、その資格も取得しました。 「みんなと仲良くなれるように、自分の名前や住所、好きな食べ物などが言えるように、まずは自己紹介とあいさつを言えるようにしましょうと呼びかけました。現在、毎週土曜日の午後15:00~16:00に無料で開催しています。途中ティータイムなども挟みながら、和気あいあいと行っています。」 と、三津谷さん。 しっかりと温かく外国人たちに寄り添うことで、どんなサポートが必要なのかを見極めて実践されていることに感動を覚えました。 雇用の場としての”ぱれっと” ところで、在留外国人が働く場としての“ ぱれっと “。 こちらでは、留学生・ボランティアなども含め5人が働いています。 ↑恥ずかしそうに笑うコートジボワールご出身のアシイ セレンさん ↑ベトナム料理のバインミーは水曜日・金曜日・土曜日のみのご提供 こちらは以前、タピオカのみのお取り扱いでしたが、最近「バインミー」というベトナム料理を曜日限定で始めました。 ベトナム人留学生のレシピですので本場の味。 パンもバインミー専用のものが使用されています。 ↑カップも可愛い♡ たっぷり入っていますので小腹が満足します。 ↑タピオカメニューはこんなに豊富。ユニークな組み合わせもあります。在留証明証、学生証で割引も! 在留外国人を総合的にサポートをする留学生フレンドシップが運営する“ ぱれっと “。 現在はタピオカとバインミーのみのご提供ですが、6月からはソフトクリームやベトナムコーヒーなどのメニューも登場します。そして将来的には、外国お土産なども揃えながら、食文化の発信の場としても展開をしていきたいと考えています。 今後は活動エリアを今までよりも広げつつ、西胆振に住む外国人の親代わりとなって、地域と在留外国人の交流の場として、今後ますます多方面に機能し、国際交流のプラットホームになっていくことと思います。 ―ぱれっと情報― 住 所 室蘭市中島町3丁目29-1 電 話 なし 営業日 火曜日〜日曜日 10:30~18:30 定休日 月曜日
Rietty
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終わりなき研究をしつづけるために〜谷藤貴昭さんの『チョコレート研究室』
店を継ぐ決意とチョコレート ごはん処「たにふじ」は室蘭の有名な老舗です。 主力商材は仕出し弁当。 もちろん、店内でお食事をすることも出来ます。 さて、北見のパティスリーで8年間パティシエとして活躍をされていた谷藤貴昭さんは、2021年9月にお父様が営む「たにふじ」を継ぐ決意をして帰郷されました。 今回は、ごはん処「たにふじ」の三代目 谷藤貴昭さんを取材させていただきました。 ただし、お話を伺ったのは和食の料理人としてではなく、bean to barを手掛けるパティシエとしてでした。 そう、貴昭さんは「たにふじ」を継ぐ決心だけではなく、チョコレート研究室を室蘭に立ち上げるために帰郷したのでした。 挑戦したかったチョコレートは、カカオ豆からチョコレートまでを一貫して手掛ける製法のbean to barチョコレート。 様々な産地から原料を仕入れ、カカオ豆という原点からオリジナルのチョコレートを製造されています。 オリジナルチョコレートとの出会い 高校卒業後調理師専門学校に進学した貴昭さんは、在学二年間のうち一年間は調理の勉強を、一年間は製菓の勉強をしました。 そして、卒業後は北見のパティスリーに就職、持ち前のコツコツ気質が徐々に頭角を現わし、1年に1度開催される国内最大規模の洋菓子コンクール「ジャパン・ケーキショー東京」では、銅賞の受賞するほどにパティシエとしての腕をあげていきました。 ところが、順調にスキルを磨いていた頃、コロナが蔓延し始めました。 「今年もコンテストで頑張ろう!と思っていた矢先のことでした。全精力を注ぎたいと考えていたのですがエントリーは叶いませんでした…。でもその時、そのエネルギーをお菓子に関わる何か未知のことに向けたい!!と、気持ちを切り替えることにしました。それがチョコレートでした。」 コロナだからと凹まず、エネルギー転換をする。 全てのことにおいて、その転換が出来た人が成功を手にしているような気がしています。 「当時お世話になっていたパティスリーのオーナーシェフが、フランスのチョコレートメーカー『カカオバリー』が行なっていた、オリジナルチョコレートを作れるサービスシステム(オ・ル・ノワール)の提供を受けていらっしゃいました。そして、店独自のチョコレートを作っておられたことに強く影響を受け、チョコレートに大きな興味を持つようになりました。」 それは、パティシエとして扱う素材の一つ、チョコレートが特別なものに見えた瞬間でした。 けれども貴昭さんは、オーナーの真似に止まりませんでした。 自分のオリジナルチョコレートを作りたい! 「カカオ豆からチョコレートを作るbean to barに挑戦しよう!」 そう考えた貴昭さんは、” 将来は親の店を継ぎたいこと “ “ どうしてもbean to barに挑戦したいこと “ をオーナーシェフに相談をしました。 すると、理解をしてくれたオーナーシェフは、店の厨房を貸してくれ、同時経営をしていたカフェの一角で販売することを認めてくれました。 こうして夢への第一歩を歩き出した貴昭さんは、オリジナルチョコレートのブランド名を「チョコレート研究室」としました。 「ところで、なぜ、『研究室』と名付けたのですか?」 「カカオ豆からチョコレートへと加工する『bean to bar チョコレート』に挑戦したいと思ったものの、当時はそのやり方を全く知りませんでした。そこで『bean to bar チョコレート』の数少ない実践者(全国でも少ない)に教えていただいたり、独学をするなどして工程を習得していきました。同時に『チョコレート検定』にもチャレンジをしてカカオ豆の知識はもちろん、チョコレートの歴史なども学びました。カカオ豆の香りや味わいは、産地によって全く違います。それが、焙煎具合や洗練時間、副材料によって複雑に混ざり合った結果、芳醇な香りを作り出すことができます。学んでも学んでも、本当に奥が深い世界で、日々研究をし続けなければなりません。だから研究室にしました。」 なるほど…。 地道な努力を続けようとする、貴昭さんの決意の現れなのですね。 「たにふじ」に工場を作る! さて、帰郷した貴昭さんでしたが、「たにふじ」には製菓スペースがありませんでした。 保健所の許可を得るためには、料理をする厨房とは別に工場を作らなければなりません。 そこで、ご両親の許可を得て、亡くなった御祖父様の寝室を工場にさせてもらうことにした昭貴さんは、2022年4月、クラウドファンディングで資金を集めることにしました。 そして見事に資金集めに成功。 元寝室が、念願の工場に生まれ変わりました。 「室蘭にオープンされて5ヶ月ですね。チョコレート研究室を通して皆様に伝えたいことがあれば聞かせていただけますか?」 「実は、現在日本に入ってきているカカオ豆の産地はそのほとんどがガーナ産なのですが、カカオ豆は産地によって香りやテクスチャーが全く異なるのです。その違いを含めてチョコレートや産地に興味を持っていただけたら嬉しいです。それと、カカオ豆農場で働く人々の労働環境などを考えて、可能な限り正当な取引をしようとすると実はとても高価であることに気づきます。そういうことも含めて、チョコレートについての認識を新たにしていただき、チョコレート研究室を通してチョコレートの価値を上げていきたいと考えています。」 取材させていただき、チョコレートの社会問題をも含めたその深い歴史と、魔力とも言える魅力に満ちたbean to barに惹き込まれました。 そして、bean to barに取り憑かれた貴昭さんが、コツコツとひたむきにチョコレートと向き合う姿に、原点を知る人の真の魂を見た気がしました。 本物との出会いに感謝しながら、ショコラとコーヒーのジュレを堪能させていただきました。 ―チョコレート研究室情報― ※ 公開初日に「貴昭さん」のお名前を間違えて公開してしまいました。誠に申し訳ございませんでした。
Rietty
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雑貨店『風花』に咲く 〜三橋真紀子さんの名刺「❤️のA」にこめられた想い
いただいた名刺がまるでトランプのような❤️のA 。きっと何か意味があるはず!そう思いながらも、終始ニコニコクルクルと笑う可愛らしい『風花』オーナーの三橋真紀子さんの楽しいペースにはまり、その意味をすっかり聞きそびれてしまいました。 今は、お洒落な雑貨屋さんですが 、“ 元々は60年続いた作業衣料のお店だった “ と伺い、その意外性にまず驚かされました。 「祖父が、室蘭市と伊達市で “働来館(ワーク館)”という店を営んでいました。その後、バラ好きな母がこの場所にガーデニングショップを開きました。その頃、私はある会社の事務職員をしていたのです。」 『風花』は広い店舗に豊富な商品の品揃えがあります。 「私は、若い頃から大の雑貨好きでした。たまに東京へ行くと、雑誌に載っているような可愛くて素敵なものがたくさんあり、見ていても触れていてもウキウキと楽しくて色々買ってきていました。それにね、雑貨をワクワクと活き活きとした表情で嬉しそうに選んでいる方のお顔がもう本当に大好き!いつかは自分が発信する側、売る側になりたいとその頃から思っていました。ただね、母が営むガーデニングショップは私のイメージしている店とはちょっと違っていました。時々、母から手伝い要請がかかるのですが、商品が重たいものばかりで、ラッピングも管理も大変だなあと感じていました。もちろん、選んでいるお客様は楽しそうなのですが…。」 ところがこれ、どうやらお母様の作戦だったのではないか?と真紀子さんは言います。 「私の雑貨好きを見込んで、ガーデニングショップを私に任せるつもりだったようです。会社勤めをしていた私は、その策略にまんまとひっかかったわけですが ^^; 私は私で、ずっとやりたいと思っていた自分の好きな雑貨屋にしちゃいました。」 と、いたずらっぽく笑う真紀子さんでした。 なるほど〜。 そんな歴史が! きっと、真紀子さんの夢を知っていたお母様が、場を作って背中を押してくれたのではないかと想像します。 その後、お母様は伊達市でバラに特化した園芸のお店を開き、現在は野菜を中心に果樹も育て、赤いルバーブジャムやアロニアジャム・ブルーベリージャム、黒ニンニクなどの製造も手掛けていらっしゃいます。 風花ファーム →https://www.kazahana-garden.jp/風花ガーデンの移り変り/ さてところで、真紀子さんの雑貨店『風花』は創業21年となりました。 「雑貨って生活の中では無くても困らないものですよね。世の中、シンプルかつ便利なものにシフトしてきている中で、まあ、実用的ではないしムダかな?と思うようなものでも、それがあることでなんとなく心が弾み、笑顔になるのならば決してムダなものではないと思うのです。って、実は自分自身がそうなのですが^^; 私と同じように感じるお客様もきっといらっしゃると思い、そういうお客様の気持ちに寄り添いたいと思っているのです。『可愛い!』とか『おもしろい!』とか『なんか笑っちゃう』とかいうもの。正直、仕入した後で『なんでこれ買っちゃったんだろう?』っていうこともあります。それはもう、その時のインスピレーションっていうか、遊び心を発揮しちゃうというか。『あ!これ!』みたいな直感で買ってしまうんですよね。たまにお客様から『またこんなものを仕入れて!』と言われたり(笑)、でもそう言いながら買ってくださったり。本当にうちのお客様は私のことを良く理解してくださっているので助けられています。それにね、仕入れをする時に、いつもお客様のお顔が浮かんじゃうんです。あ!これは〇〇さんが好きそうだから買っちゃえ!とかね。」 このお話だけ伺ってもお客様とのコミュニケーションがしっかりととれていることが分かります。 さらに真紀子さんのお話は続きました。 「なんだかね、常連様も多くいらっしゃるのですが、もう本当に素敵なお客様ばかりで。子どもが小さかった頃、お店が忙しかったりすると、お客様が子どもをみていてくださったこともありますし、時には私の食事のことまで心配してくださったり。皆様とっても優しくて。本当に周りの方々に助けられていることを感じています。ありがたいです。」 このお話を伺い、筆者は気づきました。 それは何より、真紀子さんご自身がお客様を大切にされているからこその関係だということを。 雑貨を見に来ているけれど、実は真紀子さんに会いに来ているのですよね。 さて実は、『風花』は雑貨だけでなく食品も扱っています。 伊達のお母様の店『風花ガーデン』でも食品製造を行なっていますが、真紀子さんも安心安全な食品には元々強い関心を持っていました。 類は友を呼ぶではないですが、真紀子さんの周りには真面目に真摯に食品に向き合っている方が多いようです。 例えばこの塩。 なんと、牧場主さんが手作りで作っています。 「大切な牛たちに納得できないものは舐めさせられない!」という思いからだそうです。 牧場で塩作りというのは初めて耳にしました。 詳しくはこちらを →https://www.n-slow.com/shopdetail/000000000364/ それからこちらの醤油。 白醤油は見たことありますが、透明な醤油って…。 詳しくはこちらを →https://www.fundodai.com これらも真紀子さんの感性にピンときたものたちです。 そしてこちらも。 何事にも誠心誠意まっしぐらで頑張る真紀子さんは、カンボジアで有機栽培農業をしている農家さんが手摘みで収穫し、管理された工場で丁寧に作られている希少種のクメール種胡椒で作られた「生胡椒の塩漬け」の販売を始めました。 しかも、より確かな保証が付いたものをお届けしたいと「有機JAS(オーガニック)」の認証までご自分で取得したのです。 この認証を取得するにはとても厳しい審査にクリアしなければなりませんし、取得した後の商品管理はもちろん、ラベル管理に至るまで厳しくチェックされています。 さらに、現在では北海道内でオーガニック認証を受けた事業者同士で集まり、『既存の農業生産に付加価値をつけ、国内外へのPRと、次世代に北海道農業の魅力と可能性を伝えていくこと』を理念とした「Green horaizon」という団体の一員にもなりました。 真紀子さんは、「生胡椒の塩漬け」を厳正に管理された部屋で袋詰めし、オーガニック認証ラベルを貼って販売をすることをご自分の使命にしています。 雑貨はもちろんですが、今最も真紀子さんが力を入れている商品です。 「とにかく、安心して美味しく食べていただきたいのです!」 そのまま食べても美味しいのですが、例えばこんなお料理に使ってみてほしいとのことでした。 「それにこの生胡椒の塩漬けで雇用も生みたいのです!ですから、もっと販路を拡大していきたい!」 コロコロと可愛らしく笑う真紀子さんから出てきた言葉は、本気が強く感じられる決意の言葉でした。 「コロナ禍が長引いたので、まだ行けてないのですが、今年はカンボジアの胡椒農場を訪れたいと思っています。想いを共感できる生産者さんを縁の下で支え、発信していく側として頑張りたいです。」 その言葉は、『風花』であつかう商品全般に対しての想いなのでしょう。 そうそう! 帰宅後、どうしても気になった「❤️のA」の意味を改めて伺うことができました。 「❤️は、実はプレゼントをする方の気持ちを表しています。販売する側としては、その “あなた”の気持ちを届けるお手伝いをさせていただきます!という想いです。そして、Aは “あなた”を表すAです。」 ものすごく納得☆ やはり素敵な想いがこもった名刺だったのですね。 店舗には、選んでくださる「A」あなたの「❤️」気持ちに寄り添った商品を揃え 常に向上心を持って決して止まらず まっすぐに突き進んでいく 『風花』オーナー三橋真紀子さんのそんな姿に大いに勇気をいただいた筆者でした。 ―「風花」情報― Instagram(風花) https://www.instagram.com/kazahana.zakka/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D Instagram(noproblem.3bridge : オーガニック生胡椒の塩漬け) https://instagram.com/noproblem.3bridge?igshid=Mzc1MmZhNjY= Base https://kazahana.base.shop/ GREENHORIZON https://www.greenhorizon-group.com/
Rietty
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