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「おおきな木」が作り出す笑顔の輪
シルバースタイン作「The Giving Tree」という絵本をご存知でしょうか? 私は母親的な「無償の愛」を描いていると感じたのですが、読む方によってこの絵本の解釈は様々です。 「The Giving Tree」 実は世界的ベストセラー。 気になる方は是非読んでみてくださいね。 大滝の山奥、無店舗販売(ネット注文と卸し)で「おおきな木」という手作り洋菓子屋(パンもあり)さんを営むならなつ美さんを訪ねました。 実はなつ美さんは、前回ご紹介した宇井尚さんのパートナーです。 1995年に横浜から来られたなつ美さんは、今で言う地域おこし協力隊のようなお仕事で、とあるNPOから大滝に派遣されたのでした。 1年契約だったのですが、すっかり大滝の自然が気に入り、移住を決めました。 大滝はとても雪深いところ。 でも、大好きな雪はなつ美さんにとっては障害にはならず、雪かきも苦ではなく、むしろ楽しんでいたそうです。 もちろん今でも。 「子供の頃は引っ込み思案で友達とうまく話ができない子でした。でもある時、得意で大好きだった手作りのお菓子を友達にあげたら、みんなが笑顔になってくれて、美味しいと言ってくれて、とても会話が広がって弾み楽しかったのです。」 その時から、なつ美さんにとっての手作りお菓子はコミュニケーションツールの一つになりました。 「私が作るお菓子をこんなに喜んでくれる人がいることが幸せでした。もっともっと美味しいお菓子を作って、もっともっとみんなに笑顔になってほしい! そう思いました。」 パンも焼いています♡ 甘くないパンも。 甘いパンも。 「おおきな木」と名前をつけたのは、「The Giving Tree」のお話に出てくるおおきな木のように、“見返りを求めず与える木になりたい“という想いからでした。 そう、「The Giving Tree」は、「おおきな木」と訳されて日本語版が出版されています。 なつ美さんのお菓子を食べると、優しさに包まれた様な感覚になるのはそういう訳だったのですね。 材料にはとても拘っていらっしゃいます。 安心して口に入れられるものであるために、材料として使うのは、まずは工房の菜園で採れたもの、なければ地域のもの、なければ北海道のもの、なければ日本の安心なもの、なければ海外のものという順番に決めているのだそうです。 そしてもう一点。 クッキーには卵・乳製品・ベーキングパウダーが入っていません(同じ工房で作るため、完全ではありませんとのこと)。ご自分が授乳中にこれらのものを食べて乳腺炎になった経験から、クッキーだけはそれらを排除したものを作っているのだそうです。 また、ケーキに使っている卵は平飼いの鶏が生んでくれたものを使うと決めているそうです。 このようなお話を伺うだけで安心が保証されているとわかります。 飼っている鶏についても語ってくださいました。 「鶏たちの餌は、基本道産小麦や米ヌカなどですが、調理の時に出る残飯も処理してくれます。それに中身をいただいた後の殻を与えると、殻のしっかりした卵を生んでくれます。夕方に小屋から放す鶏たちは、敷地を自由に走り回り、草や虫を好きなだけ食べています。」 生き物の体は、栄養でできている。 当然、卵も栄養でできている。 元気に動き回り、ストレスなく安全な餌を食べた鶏の卵が美味しいことは歴然としています。 そして、鶏糞は畑の肥料になります。 卵を産めなくなった鶏は、命そのものを大切にいただきます。 まさに循環システムです。 半農半パティシエを自認するなつ美さん。 季節を大切にするお菓子は、これから採れる自家栽培のハスカップ・ブルーベリー、にんじん・かぼちゃなどを使ったものが登場します。 最後に語ってくださったビジョンが素敵でした。 「食べた方がニッコリ笑顔になるように、これからもずっと、初めの気持ちのままで作り続けていきたいです。」 実は最初の気持ちのまま、同じスタイルで続けるってとてもとても大変で難しいこと。 優しい笑顔の裏側には、しっかりと覚悟を決めている芯の強いなつ美さんが居ました。 *店舗はないので、工房を訪ねても予約していない限り購入することはできません。事前に(お早めに)ご予約いただければ、工房でお渡しすることはできるそうです。 卸し先は、札幌どさんこプラザ・大滝の直売所453のみです。 おおきな木 伊達市大滝区豊里町49-1 電話・FAX:0136-33-6415 ネット注文:http://ookinaki-otaki.com/ https://www.facebook.com/cake.ookinaki 店頭での販売場所 大滝直売所 伊達市大滝区優徳町87番地1 土日祝日のみ 10時~16時北海道どさんこプラザ札幌店 JR札幌駅北口(西コンコース) 8時30分~20時 毎週木曜に販売開始~売り切れ次第終了 ※記事の内容は取材時の情報に基づいています。取扱い商品等は変わることがあります(取材:2021年)
Rietty
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米農家が作る本物米粉クレープを食べていただきたい!「Café creperiz」
「本物を使うことでクレープ業界にムーブメントを起こしたいんです!」 そう熱く語るのは、「Café creperiz」のオーナー 木村政義さんです。 政義さんは蘭越町ご出身の32歳。 130年続く米農家の5代目です。 ↑背が高くがっしりした政義さんはどことなく体育会系 「3年くらい前から一年に5~6回、イベントにクレープで出店していましたが、いつかは店を持ちたいと考えていました。そう、“ いつかは ” でした。」 転機は突然やってきた ある日、行きつけのハンバーガー屋さんを訪れた時のことです。 その頃は、蘭越の外資系の会社に勤めていた政義さんでしたが、ふいにそのお店の店長さんからこんな情報を得ました。 ↑絶品米粉カヌレ ↑切ったらこんな感じでもっちりしています。ビターな抹茶味もあります、 「隣の店が5日後に退居することになっているんだけどさあ。 借りたら?」 いとも簡単にそう言われた政義さん。 その頃はまさにコロナ禍真っ只中。 次々に店をやめる人が増えていた時期でしたので、借り手を募集してもなかなか見つからなかったのです。 ところが、政義さんは即決しました。 ↑ゆっくりできそうな一角 「そこからは早かったです。場所は特に倶知安にこだわっていたわけではありませんでした。駅近ですが、田舎ですし、コロナ禍ですので人通りはあまりありませんでした。でも、どちらかというと観光客の方よりも地元の方を顧客対象にしたかったので、立地は条件には入っていませんでした。地元優先にしたのは、英語が苦手だということもあるのですけど…。だから、メニュー作りや価格設定は、地元を意識して行いました。とにかく展開が早かったですし、内装も全て直したりして、オープン準備でバタバタだったので、オープニングメニュー9種類は3日前に決定しました。」 ↑お値段は材料から考えるとかなりお安いです なるほど…。 空き店舗の話が舞い込んできたことも。 その時期がコロナ禍真っ只中だったことも。 政義さんにとっては、全てタイミングが良かったということなのですね。 オープニングメニューが3日前に決まったとしても、3年間の下積みがあるので自信もあったということでしょう。 と、こんな経緯で2021年3月21日、「Café creperiz」は誕生しました。 米農家としての誇り 「ところで、店名の由来を教えていただけますか?」 「“ riz “とは “ 米 “ の意味です。フランス人の友達が付けてくれました。」 そうでしたか! そのものズバリではないですか! 米農家が営むクレープ屋さんにふさわしいお名前です。 ↑米粉のお菓子も並びます 「お米もそうですが、他の材料へのこだわりも教えていただけますか?」 「使用している米粉は、木村農園で丹精込めて作られた “ ゆめぴりか “を挽いたものです。この米粉の特徴は、保湿性があるのでモチモチ食感になります。実は、北海道で米粉100%のクレープを作っているお店はほとんどなく、検索したら1軒しか見つけられませんでした。全国的に見てもたぶんほとんどいないと思います。ほかの材料についても9割は無添加の食材です。とくに拘っているのが生クリーム!絶対に植物性冷凍ホイップクリームは使いたくなかったのです。でも、本物の生クリームを使っている店って、残念なことにほとんどないのです。」 そう! この生クリームのお話には、筆者も首を大きく振って頷いてしまいました。 実はこれがあるから、正直クレープは苦手でした。 でもこちらのクレープは、生地も美味しいですし、本物生クリームですし、カスタードクリームも米粉で作った本物クリームです♡ もう、美味しいに決まっています! もちもちの生地はとってもボリュームがあるのですが、クリームがすごーく美味しくてぺろっといけちゃいます! ↑ぺろっといけちゃう「いちごWクリーム」680円 ↑パリパリ米粉クレープ(クッキー風) 「未来に向かっての計画が何かありましたら教えていただけますか?」 「まず直近では食事系のメニューを増やしたいと考えています。そして、将来は全国に10店舗くらい展開したいと考えています。日本の食料自給率を米で上げたいと思っています。米離れが叫ばれるようになって久しいですが、なんとかそれにストップをかけたい。現在、第二次米粉ブームと言われています。でも、使い方の提案が少ないせいかまだまだ普及していません。店舗を増やしながら米の多様な食べ方を提案し、米消費を促したいです。まずは、1~2年後には札幌か小樽に出店します。」 このお話には正直驚きました。 昨年オープンしたばかりのお店が、ここまで壮大な計画をお持ちだとは! バイタリティー溢れる政義さんに心底脱帽いたしました。 同時に、筆者が至極感心したのは次のお話でした。 「1889年から続く米農家としての木村家は僕で5代目です。現在は4代目の父が頑張ってくれています。米粉を使ってクレープが作れるのは、代々米農家を続けてきてくれた先祖のおかげです。もちろん僕も後には農家を継ぎますが、米粉クレープという形の米の消費方法も繋げていきたいと思っているのです。だから、米を販売する仕組み作りとして多店舗展開をしたい。それは、お客さまとお互いに顔が見られる関係になる直売の形ですし、僕らしい米農家の継ぎ方なのです。」 時代に合わせ。 時代を先読みし。 きちんと家業を継ぐ決心をしている。 なんとも頼もしい限りです。 「いろいろお話を伺ってきましたが、政義さんにとって “ 米 “とは何ですか?」 「日本人の体に最も合うもの。力の源だと思っています。」 最後に、米への想いを力強く語っていただいたところで今回の取材を終えました。 さて実は。 政義さんの影になり日向になり、そっと寄り添いながら支えている大きな力がありました。 そのお話はいつかの機会に〜。 あ〜! 今すぐお米が食べたくなった!! ―Café creperiz情報―
Rietty
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“窯の前の最期” を夢見て〜パン職人 武田 浩一氏の歩んだ道〜
今回の主人公は、『boulangerie ibox 弄月店』の店長でパン職人の 武田 浩一さんです。 浩一さんは山口県出身の55歳。 見かけも感性もとても若々しいお方です。 2023年4月OPENされた『boulangerie ibox 弄月店』は国道37号線の道路沿いにあります。 『社会福祉法人タラプ』を母体にしたこちらのお店は、構想2~3年を経て誕生しました。 そこに店長兼パン職人として抜擢されたのが浩一さんでした。 浩一さんは『ibox』に入社して12年、そしてパン職人としては30年のキャリアをお持ちです。 イラストレーターを目指していた若かりし頃のおはなし 「実は、若い頃はイラストレーターを目指していました。」 と、取材は唐突なお話から始まりました。 「え?フリーのイラストレーターですか!? 若い頃からパン職人を目指していたのではなかったのですね!」 「はい。僕は幼稚園の頃から内気で、新聞の折り込み広告の裏が白い紙を見つけては、絵ばかり描いている子でした。山口県の高校を出てから、18歳で東京の美術系の専門学校に入りました。友達と切磋琢磨をし、新しいものは何か?今は何を求められているのか?を常に探求しながら、プロへの道を模索していました。コンテストにも頻繁に応募していました。入選したりもして、そこそこに評価をしていただきましたが、それだけでは食べてはいけないよな…と、中途半端な自分に限界を感じ始めていたのが24歳頃でした。」 「未練はありませんか?」 「昔の仲間が活躍しているのを見ると、“もう少し頑張ってやっていればよかったかな…”とパン職人に転向したことを少し悔やむ瞬間もあります。いまでも家では時々絵を描きますし、そうそう!ここの店の看板の絵も、幟の絵も、必要に迫られて描きました笑 当時の絵はほとんど処分してしまいました。断ち切るためにね。でもね、正直後悔しています笑」 「もったいない!とっておけばこのお店に飾れたのに!」 「笑 そうですね。あの頃は『アンディ・ウォーホル』『バスキア』『キースヘリング』など、ニューヨークで活躍していたストリートアーティストに影響されていました。 なんていうか、ポップアートの世界って80年代のサブカルチャー的な音楽とも繋がっている。そういうものに刺激を受けながら、「いま、一番新しいものはなんだ!」と、プロのアーティストを目指す友人たちと語ったり、試したりするのが楽しかったですね。」 パン職人として立つと決心したこと イラストレーターの道を諦めようと考えていた浩一さん。 ある日、パン職人の募集広告に目が止まりました。 「いきなりパンですか?」 「はい。パンと絵との間に共通点を感じました。絵は白い紙にゼロからモノを作り出す作業です。そしてパンも同じく何もない作業台に粉を乗せるところからモノを作り出す作業です。どちらも『ゼロから作る』というところが共通していました。」 「なるほど〜。だから抵抗なくこの世界に入れたわけですね。」 パン職人としては2年おきくらいに店を変え、その店の良いところを学んでこられました。 例えば、東京の自由が丘では、全国展開をしているパン屋で働いたそうです。 「様々な形態で店を出している会社でしたが、僕がいたところは粉から作る店だったのがラッキーでした。そこには10年いました。その後、大好きな湘南地域の鎌倉・葉山・藤沢・逗子などの有名店でパン作りの技と歴史を学びました。鎌倉ではチーフを任されていました。」 「湘南が大好きだった浩一さんが何故、北海道にやって来たのですか?」 「たまたま山口の実家に一時帰省していた時、自由が丘のパン屋でお世話になった人に声を掛けられたのです。『いい話があるよ』って。それがiboxのパン職人を募集しているという話でした。その人は伊達市出身の人でした。」 縁とは不思議なものです。 山口県出身の湘南好きな人が、最初にパン修行をしたところで出会った人に誘われて、今は北海道の伊達市にいるのですから。 『boulangerie ibox 弄月店』店長としての浩一さんがが目指す店とは iboxのパンは、今まで修行して来たパン屋のベスト版的なパンだと言い切った浩一さん。 「いろいろな嗜好の方に美味しいと感じていただけるようにバラエティーに富んだラインナップになっています。でも強いこだわりは『本物であること』。例えば、クロワッサンならばフランスの伝統的な技法とレシピで作っていますし、バケットもベースはメソポタミア時代から続くフランスの伝統を大切にした作り方ですし、フォカッチャならばイタリアの伝統的なレシピと技法で作っています。伝統と歴史を大切に、決して色褪せない本物を追求しつつも、やはり地域性も大切にしなければいけないと考えています。それぞれの伝統を重んじながら、どれだけ地域仕様にアレンジできるかが勝負どころです。そして、美味しいということを一番大切にしたい。」 思いがけず壮大なお話が飛び出し、すっかりのめり込んでしまった筆者でしたが、究極の答えにストンと納得してしまいました。 ものすごくシンプルで真理であると思いました。 「材料にこだわる」「地元食材を使っている」「健康にこだわる」「添加物は使わない」というお話は今まで色々なところで伺ってきました。 当然、この言葉の背後には「だから美味しい」と続くのだと思いますし、素晴らしい理念だと思っています。 ところが 『美味しいということを一番大切にしたい』 という答えを、ストレートに伝えてくれた飲食店さんは意外と少なかったことに気づきました。 よく考えれば当たり前の台詞に、目から鱗の気持ちになった筆者でした。 伝統と歴史を重んじる浩一さんの姿勢は 『長年受け継がれて来ているものは美味しいからだ』 という実感と自信の表れなのでしょう。 「boulangerie ibox 弄月店」はね、 街の中で人の集まる中心にiboxがあるといいなと思っています。 だから、月一で『ふくろう市』というタイトルで イベントも開催しています。 店の知名度をもう少し上げたいですし。 それとね、 パンも美味しいけれど珈琲もめちゃくちゃ拘っていますよ! 恵庭の「珈琲きゃろっと」という店の物なのですが、 豆はもちろんのこと、マシンのセッティングもすごいこだわりようです。」 確かに、マシンの珈琲でこれだけ美味しいものは正直経験したことがありません。 本当に美味しい! 「それと、弄月店ができる前、だて道の駅に出店したことも大きかったです。あそこは食材が実に豊富に揃っているので選ぶのが楽しい。基本は地産地消です。でも『美味しいこと』にはこだわるので、地元以外のものも取り入れます。」 浩一さんが迎えたい最期とは 「どんなお爺ちゃんになりたいですか?」 と質問してみました。 「お爺ちゃんになれば、たぶんここは退職をしているから、その時は自宅のパン屋で仕事をしながら死にたいな。ある日、パンを焼いていたらね、タイマーが鳴るんです。でも僕は動かない。そのことに気づいた弟子が覗き込むと僕は死んでいる。最後に焼いたパンを取り出し、弟子たちがみんなでそのパンを食べる。みんなでってところが大事。そんなストーリーが僕の中では出来上がっています。」 泣きそうになりました。 その姿が映像で浮かんだからです。 そして、イラストレーターの道に今でも未練を感じていると語っていた浩一さんはもうそこには居ませんでした。 最期はパン職人として死にたいと語りました。 良かった…。 心からそう思いました。 取材の間中、絵本を捲るような物語をお聴きし、歩んでこられたその道を振り返りながらも、しっかりと最期を見ているお姿とパンが重なりました。 浩一さんが捏ねた全てのパンを味わってみたくなった筆者です。 ―boulangerie ibox 弄月店 情報― 〒052-0013 住 所 伊達市弄月町59-35 定休日 月曜日(不定休あり) 電 話 0142-82-8310 E.mail takeda.kouichi@tarap.org
Rietty
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ミツバチの声を聴きたい!「anmi」が選んだ道
なんて素敵な笑顔の人なんだろう!! それは、今年の夏、初めて彼女に出会った時の印象でした。 ここまで顔いっぱいに心からの嬉しい!を表現する人はなかなかいないと思いました。 一体この人は何者なんだろう? どんな生き方をしている人なんだろう? 俄然興味が沸いたのを覚えています。 さて、今回のご紹介は豊浦町の地域おこし協力隊で養蜂家の久保亜由美さんです。 亜由美さんは、高校生までを札幌で過ごし、カナダの大学に留学しました。 専攻は開発学とスペイン語のダブルメジャー。 その後、カナダの大学の交換留学でメキシコへ1年、スペイン語の習得のため渡りました。 「サスティナブルデベロップメント」という言葉が今の様に頻繁に使われる前から、それを学び、大学卒業後もそれに携わっていた亜由美さんです。 でもある日、自分の生き方に疑問を持ち始めました。 「サスティナブルな社会を目指し、多様性を真に尊重する社会になるために、私はどう生きればよいのか?」 亜由美さんは、そんな深く困難な壁にぶつかり、自分の道を知るために手当たり次第アルバイトを始めました。 そして、東京の農業ベンチャー企業で働いていた2014年、ついに養蜂と出会います。 その後に働いたのが「銀座みつばち」さんでした。 初めてミツバチという生き物の生態を知り、亜由美さんは大きく心を揺さぶられました。 そして、社会性昆虫と言われるミツバチにのめり込んでいく自分を感じました。 悩み抜いた挙句に亜由美さんが出した答え。 それは。 「多様なものは多様なままの未来である続けるために、私は農業と教育に力を注いでいきたい!」 というものでした。 真面目で正直で信じたらとことん突き進むタイプの亜由美さんは、1年間、埼玉の養蜂家に師事し、さらに知見を深めようと1カ月間、ニュージーランドでのワークアウェイへと旅立ったのでした。 ↑ニュージーランドにて。養蜂の師匠と。 亜由美さんにとって、ミツバチの魅力って何ですか? と質問をしてみました。 「ミツバチは、集団生活をする上でそれぞれにはっきりとした役割を持っているのです。 女王蜂の存在は絶対ではあるのですが、実は集団の統制を執っているのは働きバチです。 何よりも感動したのが、“それぞれのハチたちが個のために生きているのではない”ということでした。種が持続可能であるために、各々の役目を全うしている(このあたりは捉え方が様々だと補足してくれました)。」 筆者は、このお話を伺って大いに腑に落ちました。 ミツバチたちは、まさにサスティナブルな社会を実現している! 亜由美さんは、学生時代から学んできた学問の答えをミツバチ社会に見出していたのでした。 ↑スズメバチが来たぞ! の合図のもと、警備隊がスクラムを組んでいる様子。 ↑なんて美しいハニカム! それぞれの場所が決まっています。 そしてこうも話してくれました。 「ミツバチは私のパートナーです。私の役割は、彼らが棲み良い環境を作り、病害虫から守ることです。棲み良い環境作りのためには、豊富な蜜源も必要ですし、冬の寒さからも守らなければいけません。働いてくれているのはミツバチたちなので、私は私の役割を全うしたいと思うのです。」 ↑亜由美さん手作りの巣箱。 ↑冬はこの洞窟に巣箱を入れてあげます。北海道は越冬が難しいと言われますが、亜由美さんは昨年の冬に試したことで手応えを感じていると言います。 ↑後ろには昆布岳。水色の巣箱は昨年初めて作ったもの。 お話を伺ううちに、筆者には亜由美さんがミツバチに見えてきました ^^; まさにミツバチ社会の一員になろうとしている亜由美さん。 ほんとうに一途です。 ↑夏の洞窟はこんな感じになります。 「私、ミツバチの声を聴きたいんです!!」 なんと!唐突な! 「ミツバチたちが私に何をして欲しいのかが知りたいのです。 ベテラン養蜂家さんの話によると、会話ができる方もいるらしいのです。」 ここまで熱いミツバチ論を聴くと、筆者自身もあながち思い込みでしょ?とは思えなくなりました。 というよりも、亜由美さんならきっとそうなれると思ってしまいます。 いま存在している養蜂家は、約9割が移動養蜂の形をとっています。 亜由美さんのように定地養蜂をされている方はごくわずかです。 「定地で行うには、蜜源確保が重要になります。ですから、里山作りにも取り組み始めました。ハーブ園も作りたいと思っています。 偵察部隊のミツバチが見つけて情報共有された蜜源を自由に採ってきてほしいので、蜜源環境を整えるのは私の役目です。現在、製品として販売している蜂蜜は、季節ごとに蜜源が変わり多種類の密で作られる“百花”なのです。」 ↑自然との共生を共に考えるための様々なワークショップも行ってきました。倒れた白樺の皮を使った作品にもチャレンジしました。 なるほど。 ミツバチのための環境作りとして里山作りにも力を入れているというのは、結果として人間の社会生活にも良い環境を与えていますね。 ミツバチへの関わりからあらゆることが良い方向へ循環していく。 亜由美さんが描く未来に次第に近づいていっているのがわかりました。 ↑こうやっていただいたことがあります。気絶ものの美味しさでした。 ↑初代の友人手作りの遠心分離機。現在、2代目を手配中だそうです。 養蜂家亜由美さんの屋号は ” anmi ” 製品名は “ 888 はちみっつ “ という名前で販売されています。 ↑蜜蝋です。 今後の構想についても伺ってみました。 「蜜蝋を有効活用したいと思っています。ビーラップや蝋燭も作りたいです。現在、ほとんどの養蜂家たちが処分してしまっている蜜蝋を回収したいとも考えています。ミツバチたちは、1gの蜜蝋を作るためにその8~10倍の蜂蜜を使うのです。捨てるなんてもったいないです。ミツバチたちが力一杯働いて作ったものですから、大事にして有効に使わせていただきたいのです。」 亜由美さんの愛溢れるビーワールドに筆者もすっかりはまり込んでしまいました。 ここまで愛されたパートナーのミツバチたちは幸せです。 だからこんなにも “ anmi の888はちみっつ ” は、体にも心にも沁み渡る美味しさなのだ!と納得してしまいました。 ↑商品は豊浦のセブンイレブンさん、しおさい温泉前 たけしま商店さん、洞爺のトイタさんで購入できます。 亜由美さんが選んだミツバチとの道。 そう遠くはない未来に、素敵な笑顔の亜由美さんとミツバチが語る姿が見えた気がしました。 『anmiの888 はちみっつ』 皆様にもぜひ出会ってほしいです。 ※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2021年)
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