むしゃなび編集部

アマを育て、糸にする。三上美祈さん


伊達市館山下町でアマ(亜麻)を育てているのは三上美祈さん。
「図画工作」が好きで「繊維」が好き。
麻のヒモを使って工作をしながら、
「地元で採れる繊維はないだろうか」と思いはじめ、
アマにたどり着きました。


アマは青い可憐な花を咲かせる植物で、
茎からは繊維が、種子からは油(亜麻仁油)が採れ、日本でも明治初期から栽培がはじまり、生活に利用されてきました。
その繊維を糸にして織ったものが「リネン」となります。

日本では北海道の気候がアマに適していて、北海道独自のものとも言えます。
「伊達でも40~50年前までは商業用として育てられていたんですよ」

特に戦時中は、軍服などの軍用品のための繊維として国からアマの生産が割り当てられ、大量のアマが栽培されていたそうです。
「80、90歳くらいの方は、アマの畑を見てなつかしいと喜んでくれます。でも「アマは勘弁して」と顔をそむける方もいます。
昔、作業に追われて苦労したんでしょうね。畑がない人も収穫や糸にする作業にかり出されたり、誰もがアマ作りに関わっていたそうです」

戦後は外国から化学繊維が入って来ることでアマ畑は減っていき、やがてまったく見かけなくなりました。そんな状況の中、三上さんは「40年ぶりに伊達でアマを復活させた人」となりました。

「リネンは皆、知ってるんですけど、不思議なことに、リネンがアマから作られているということを知っている人は案外少なくて、知っておどろく人も多いんです。なぜかリネンとアマは、イメージがつながっていないですよね」




三上さんの工房「Janmi」では、
糸作りの見学や体験、
糸を使った小物の制作体験ができます。
「小学生の自由研究にもいいですよ」とのこと。
材料や糸の販売も行っていますが、季節や、その年のアマの生育状況にもよりますので、
まずは問い合せを。

三上さんが作品をたずさえて毎年参加しているのは、石狩の当別で開催される「北海道亜麻まつりin当別」
「アマ畑の見学もありますよ。シャトルバスで行くんです。・・・アマの花は1日だけ咲いてすぐに散ってしまうんです。咲くのは早朝から昼過ぎまでなので、この亜麻まつりも朝が早くて(笑)。花にあわせて朝7時から午後1時半までの開催なんです」

この亜麻まつりでは、糸やリネンばかりではなく、亜麻仁油や、食用のタネや、そのほかの食料品などの展示や販売も行っているそうで、
三上さんにとっても年に一度の大きなイベントだということです。


Janmi 三上美祈
北海道伊達市館山下104-3/電話:090-2876-5907


※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2014年)


 

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