伊達市在住の塩谷恭子さんは、 
写実的な、透明感のある水彩色鉛筆画を描いています。

また、塩谷さんは、 
心理学の理論から子供の発達にあわせて絵本や児童書を選ぶ 
「児童図書相談員」の資格をもち、 
室蘭の「大沢スクール児童館」に勤務する児童支援員でもあります。

「人と交わるのが苦手な子がいて、 
他の子と一緒には習えないので一人で絵を描いていたんですが、 
そのうち、他の子がいても平気になったんですよ。 
たまたま次の時間に予約していた子が早く来てしまって 
顔をあわせたことがきっかけだったんですけど、 
自分から一緒にやりたいと言うようになったんです。 
同じ空間で、一緒に絵を描くことが楽しくなったみたいです」

また、高齢者の方にも、作るよろこびを伝えています。 
「絵はぜんぜん描けないし、身体も動かないので・・・」と言っていた方が、 
パステルという画材と相性がいいことに気がつき、 
やがてパステル画のカボチャを完成させたときには本人も塩谷さんも 
驚きとよろこびでいっぱいだったそうです。 
腕も自由に動かず起き上がることにも苦労していたのに、 
絵を描くために自ら動きたいと思うようになり、 
絵が出来上がると「身体が動かなくても完成できた」という喜び。 
そして、何かを表現したい強い思いが自分の中にあることに気づいていったと言います。

さて、教室には、 
「絵がかけないけど、描いてみたいとずっと思っていた」 
という女性も通っています。

作画の方法は、写真をトレースして、色をつけていくというもの。 
教室に参加させていただきましたが、 
なるほどこれならどんな人でも写実的できれいな絵を描くことができそうです。

まず、色々な写真の中から描きたいものを決めます。

夢中でトレースしていると、その物の構造に気がついたり、考えたり。 
一見、写しているだけの静かな集中の時間は、 
実は発見と自問の時間なのだと塩谷さんは言います。 
 
「この花の花びらってこんな規則で並んでいたのか」 
「どうしてこんなふうに並んでいるんだろう?」 
「花びらはどうしてこんな形なんだろう・・・きっと・・・」 
と、静かに思いを馳せながら写している自分に気がついたりします。

写し取った下絵が出来たら、色を考えます。 
写真の通りの色に、とはいえ、その色の見え方、感じ方は人それぞれです。

そして色をつけていきます。

塩谷さんは子供のころから絵を描くことが好きで、中学生のときはアニメーターとしてジブリの絵を描くことに憧れたそう。 

高校生17歳のとき、美大に行きたいとも思いながら「夕日を見ながら悩んだ」が、その後の就職のことを考えたり、時間や課題があって競争するように制作することは自分にはできないと感じ、子供と関わる仕事がしたいというもう一方の道、保育士になることに決めました。 

当時の道立の保育士専門学校に合格した塩谷さん。 
「この学校や寮がユニークなところで、色々ありました。特に「私がやる、ひとはだ脱ぐ」という生き方を学べたことはこの学校や先輩たちがあったから」 

絵を描くことが好きな塩谷さんは、卒業制作で1冊の絵本を作り上げました。 

自分の作品については、「お母さんや子供がホッとするような絵を描きたい」のだと言います。

 

「子育ては大変なことが多いですよね。 
どんなに子供を愛していても疲れきって投げ出したくなるときもあります。 
そんなとき、壁にかけてあるその絵を見て気持ちがなごみ、 
また子供を抱き上げる気持ちがわき上がってくるような・・・ 
そんな、母と子の愛が描きたいんです」 
塩谷さんが好きな作家の一人は、いわさきちひろさんだと言います。 
 
この先、どの道へ行くべきか夕日を見て悩んでいた17歳のとき、 
実はこんなことも考えていたそうです。 
 
絵が描きたい。自分が描きたいのは、親と子の愛・・・。 
でも、それってどんなもの? 親子の愛って、どんなもの? 子供って? 
知らなければ描けない。 
子供のことが知りたい、もっと関わりたい。 
それはいつか自分が「親と子の愛」を描けるようになることにも 
つながっているに違いない。 
 
保育士の仕事をしながら、児童に関する様々な勉強を続けてきた塩谷さん。 
児童心理学を学ぶ中で、児童図書相談員として資格をとりましたが、そのときに、 
「それまで教わらなかった、 
人としての流れ(生~死までの心の成長過程)が解りました」。 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
 
教室では、色鉛筆画と、工作教室があり、 
幼児~小学生コースでは絵と工作を交互に楽しみます。 
工作教室(手作りコース)では毎回、色々なものを作ります。 
 

「色々な工作材料を用意してあるので、 
時間内なら来たいときに手ぶらで来てください。 
初めてのとき意外、予約はいりません」 
とのこと。また、 
 
「障がいや、色々な不安のある方も、心配しないで楽しんでほしいです。 
「お絵描き」や「やった!」というよろこびを通して 
一緒に体験して育っていければ、と思っています」。 
 
その人、その人にあった進め方で、ゆったりと作ることを教えてくれる塩谷さん。 
 
描くために集中する時間は、自分を探ったり知ったりすること、 
そして、夢中になることで心も身体も無意識にたくさん動かします。 
今までできないと思っていたことが 
いつの間にかできるようになっているかもしれません。 
 
塩谷恭子さんの教室への問い合せは下記まで。 
 

 


絵画教室 いろえんぴつart hotaru 塩谷 恭子  
伊達市末永町33 
電話090-9435-6014 
kyokoshioya@tune.ocn.ne.jp 
 
ホームページ 
http://ameblo.jp/iroenpitu-art/


<伊達教室> 場所:伊達市末永町33 
毎週水・金曜日 絵画レディースコース  9:00~11:00  
毎週木曜日   手作りレディースコース 9:00~11:00 
第2日曜日   幼児~小学生コース  13:00~15:00 
        レディースコース   15:30~17:30 
 
<豊浦教室> 場所:豊浦町地域交流センターとわにー 
毎月第1・第3日曜日 
 幼児~小学生コース 13:00~15:00 
 中学生~一般コース 15:00~17:00 
 
受講料はどのコースも 
1回;1,300円(画材等材料費込み) 
 
各コース、上記の日時で参加自由。 
初回の相談以外、 
予約はいりません。
 


※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2015年/記:M)  


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