女性だけの消防団があると聞きました。 
伊達市在住の女性だけで構成される女性消防団です。 

どんな活動をしているのか、
どんなふうに始まったのか、興味を持ち、
女性分団長の横山靖子さんとお会いするために伊達消防署に向かいました。

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消防団は、消防署と同じく、 
消防組織法に基づき市町村に設置される消防機関で、団員は市町村の「非常勤特別職」として消火活動や、火事を未然に防ぐための地域活動を行っています。

火災等の災害に出動すると5000円、会議等の出席には4300円が各団員に費用弁償(支給)されます。
「火事や災害から人を護りたいという気持ちがなければ出来ない究極のボランティアだと思います。この活動は、生きがい、、、生き方、でしょうか」と、横山さん。 
「団員を募集しているんですよ。年齢制限はありません!」(募集内容、下記) 

男性の消防団員は、 
火事の現場で消火活動をします。 
そして女性消防団員は、 
火事になる前に、火が出ないようにすることが主な仕事だと言います。 

伊達消防署、消防司令の桜庭諭さんは、 
「火災の現場での消火活動は、職員だけでなく消防団がなければ成り立ちません。 
同じ立場で、一緒に消火に当たります」。





<個人宅を訪問>

一人暮らしの高齢者宅や、一般家庭約二千件を訪問して、 
火災が出ないようお話をして周っています。 
「ストーブの上に物を干していませんか?」 
「寝室に、住宅用火災警報器は設置していますか?」 
そして、緊急のさいの避難に困難がないか話を聞いたり、状況を確認します。 
 
「自分たちで作ったマスコットや折り紙を持って行ったこともあるんですよ。 
何年も経ってから同じお宅に行った時、そのマスコットが玄関に飾られていて、 
とっても嬉しかったですね」と横山さんは語ります。

<大会に参加>
 
今年6月3日、札幌で開催される全国女性消防団員活性化北海道大会には、全国の女性消防団員が集まり、活動事例や防火啓発劇などの発表、定例評議員会などが開かれます。 

また、全国消防操法訓練大会では、消防ホースを繰り出してマトに放水する競技が行われます。
横山さんが消防団に入るきっかけになったのも、この大会。 
市役所を退職し、バレーボールのチームで活躍していた横山さんに「女性消防隊として消防操法訓練大会に出場しないか」と誘いがあったのは約23年前。

「その頃は西胆振管内に女性消防団がなかったんです。消防署から大会に出てもらいたいと打診があり、団員を募集することになりました」 
1993年、伊達市に初めて女性分団が発足し、その後、初めての女性分団長になったのが横山さんなのです。

「現在は女性分団員になるための試験はありませんし訓練もありませんが、当時は年齢制限や、体力試験のようなものがありました。実は、私は、入団すればディズニーランドに行けるかも、という話を小耳に挟んで、それにつられて入ったんですよ・・・ディズニーランドに行ったことなかったので(笑)。ところが入ってからが大変で、操法大会に向けてきびしい特訓の日々でした」 
結局ディズニーランドには行けなかったそうですが、全国大会で第3位入賞を果たしました。

訓練や、大会への出場を通して、横山さんはこの活動を続ける決意をしたそうです。 
「大会が素晴らしくて感動しました。気が引き締まります」 
元来、責任感が強いと評判の横山分団長。この時から現在も「生きがい」として、火消し魂を燃やし続けています。
参考動画: 
全国女性消防操法大会(千葉県柏市女性消防隊)


<幼稚園などで予防活動>

幼稚園など、施設におもむき、避難訓練や、紙しばいで防火の大切さや、火災が起こった時の心構えをわかりやすく伝えています。紙しばいは女性消防団員の手作りで、4種類のお話があるそうです。

そのほか、武者祭りの山車のための給水所を設置するボランティア、 
物産市などのイベントでも防火PRをしています。


<応急手当の普及活動>

女性分団員の約半数が「応急手当普及員」の資格を持っています。 
これは、救急のさいに必要な、蘇生や応急処置のための講習指導を行うことのできる公的資格です。

伊達市や各地域では蘇生のための「AED(自動体外式除細動器)」をイベント主催者などに貸し出しています。講習会では、このAEDの使い方も教わることができます。一度も使ったことのない者にはかなりの勇気がなければ使えないかもしれません。

「いざというとき、講習を受けていれば、人命を救うことができるかもしれません。 
この講習は是非、皆さん受けて欲しいです。 
我が身や家族に何かあったとき、人工呼吸などの応急処置を知っているだけで助かる確率が上がります。自分が応急処置できる、と思えれば、小さなお子さんに対しても心強いですよね」

講習会はほぼ定期的に行なわれている(伊達市広報や伊達消防署HP等を参照)他、各施設などの要請で開催しています。下記消防署まで問い合わせを。

<女性分団の 
     可愛い消防車(防災活動車)>

日本消防協会の車両交付事業に申請して、 
道内で唯一、女性消防団専用にと車両交付を受けたのは昨年12月。 
有珠山噴火時の炊き出しや、 
これまでの活動が評価されてのことでした。 
 
赤い軽ワゴン車の防災活動車。 
消防団のマークを輝かせながら、 
町の防災活動に駆けまわっています。


消防団では団員を募集しています。 
 
1、分団員は市町村の「非常勤特別職員」となります。 
 
2、女性・男性も、当該消防団の地域内に住居があり、年令18歳以上。 
 
3、入団後には訓練礼式等を行い、各種災害(火災、水害など)はもちろん、訓練等の諸行事に参加します(費用弁償あり)。 
 
4、手続きは消防署に申込書を提出するだけ。 
試験はなく、資格も必要ありません。 
 
5、女性団員になるには、地域に貢献したい・災害から人を護りたい、という「気持ちがあれば」それだけでいい、それが肝心、とのこと。 
 
※各分団にはそれぞれ定員があります。どの地域の分団も団員不足となっていますが、定員になると募集は締め切りになります。各地区の状況はお問い合わせを。 
 
「現在、消防団は、定員よりも少ない数で活動をしています。 
分団員はみんな本業を持ちながら消防団の活動していますが、 
本職との折り合いがつかないという方が多いんです。 
最近の募集では、年齢制限(上限)がなくなりました。現在の女性団員の平均年齢は40歳後半くらいだと思います。 
消防団に入ると社会貢献ができるだけでなく、生きがいにもなります。それに、かっこいい制服一式が支給されますよ!」と、横山さん、歓迎の笑顔。 
 
いいですね、制服。横山さん、キマってます。夏服や冬服など、用途に合わせて沢山あるそうです。 



消防職員になるには様々な試験があります。また定員に空きがなければ募集は行われません。来年度の募集はありませんでした。そんな中でも消防士の仕事にたずさわりたいという方は、消防団で活動してみては?

消防団員になりたい方、また問い合わせも、下記、伊達消防署まで!

 

指令本部 連絡網が変わります。 

高機能指令センター 新システム 3月8日から始動 

西胆振消防組合では、的確で迅速な初動体制の確立のために統合型位置情報通知システムを導入します。

今まではそれぞれの地域で受信していた119番通報ですが、 
2016年3月8日から、西胆振管内の通報は全て、西胆振消防組合本部(伊達消防署)の「高機能指令センター」で受け付けることになり、通信指令業務が一箇所に集約されます。 

固定電話、携帯電話、IP電話のいずれの電話からの119 番通報でも地図モニターに瞬時に発信地の位置を表示することが可能となります。通報者が土地勘のない場合や言葉を発することが出来ない状況でも、通報場所を特定できます。 
位置情報の誤差を少なくするために、GPS 機能付きの携帯電話を持っている方は、GPS機能設定を有効にしておくことがおすすめ! 有珠山噴火の避難のさいにも活躍してくれそうです。(伊達消防署HPから抜粋、編集)詳細はこちら
 





西胆振消防組合 消防本部
伊達消防署


〒052-0012 伊達市松ヶ枝町13番地1(伊達市消防・防災センター)
TEL 0142-21-5000/FAX 0142-21-5511
ホームページ http://nfd119.sakura.ne.jp


※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2016年)  


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