以前から女房に言われている。
「テレビの音がうるさい!」、「私の言ったことが聞こえなかったの?」。
元々、私は左耳が悪いのだが、高齢化によって右耳も悪くなって来たのかもしれない。
女房は「補聴器を買えば!」と言うのだが、補聴器にはなんだか抵抗感がある。

私自身は特に困っていないのが、その主な原因である。
問題は困っているのは「私ではなく、女房の方」なのである。


 「人間の耳の構造」



仕方ないので、先ずはいつものようにネットで調べてみた。
するとバカ安のものから、バカ高のものまで色々とあると分った。
更に調べると「集音器」と「補聴器」の違いも分かった。

補聴器とは薬機法(医薬品、医療機器の品質、有効性、安全性に関する法律)で、厳しく基準が決められている。一方の集音器は似たようなものだが、厚生労働省で認可されたものではないので、補聴器という商品名を付けられないのだそうだ。  


 補聴器業者から渡されたカタログ



補聴器は補聴器専門店、メガネ店、ネット、耳鼻科医師の紹介などで買える。
どこでも売っているが、医師の診断を受けた方が良い。

その理由は「専門家が補聴器が必要かどうか判断をする」、「所得税の確定申告の際に、医療控除を受けられる」、「市区町村によっては、補助金が出る」。私の住む中央区では「65歳以上」、「医師が補聴器を必要と認めた」、「所得制限あり」によって、補助金を3万5000円までは助成してくれる。 


 1週間の期限付きで、借りた耳掛け型補聴器



しかしどこの耳鼻科でもOKではない。
厚労省認定の補聴器適合検査施設及び、高度難聴指導管理施設のある医院に限っている。中央区に適合する医院は4軒で、私はその中で一番近い築地のクリニックに行ってみた。

狭いクリニックだが大流行りで、待つ人が溢れてドアの外の通路の椅子で待っている。
受付で名前を呼ばれても、ドアの外だから聞こえない。補聴器の相談に来たのに、それでは困る。


使わない時は、電池の蓋を開けておく。



やっと私の順番となり、狭い診察室の片隅にある無音聴力検査室に入る。
これは例えて言えば、公衆電話ボックスと同じくらいの狭さだ。
私はヘッドフォンを付ける。外にいる看護師が音を発生させるので、聞こえたらボタンを押す。

左右を行い、それで終わりである。また待合室に戻り、しばらく診察を待つ。
診察の結果、医師が補聴器の必要性を認めて、翌週に補聴器屋が来るので、その日に予約を入れた。


 友人が店で買ったポケット型補聴器(5万3940円)



翌週にクリニックへ行くと、医師が形だけの診察を行い、その後、補聴器屋に上の階に案内される。カタログを渡されて、それを見て驚いた。クリニックのHPに書かれている価格より相当に高いのである。

なんだかクリニックから補聴器屋へと、流れ作業のように送り込まれた感じは否めない。とりあえず貸し出し用の耳掛け型の補聴器を、1週間だけ借りて家に戻った。


ポケット型と耳掛け型補聴器



補聴器の基本的な仕組みは「マイクで音を集める」、「アンプで音を増幅する」、「スピーカーから音を出す」という簡単な構造である。それを小さな補聴器に、デジタル化するために半導体を使い入れ込む。バッテリーを含めてそれ等を詰め込むのだから、かなり精密な機械だということは分かる。

ネットで補聴器に関する論文を読んだら、聴覚生理と補聴器適合、個人差、風の影響、ハウリング、調整、補聴器による聴力障害、外耳道皮膚炎など、まだまだ問題点が多いようだ。論文の最後には「理想の補聴器とは程遠い状態である」と締めくくられていた。


「耳掛け型補聴器の内部」



(おまけの話)
補聴器の購入を考えているので、そこでマンションの友人や、同級生で補聴器のお世話になっている人に色々と聞いてみた。すると意外に多いのが、「失くしてしまった」である。中には「付けたまま、風呂に入ってしまった」、「洗濯機に入れてしまった」などもある。

友人のYさんは、60万円で買ったばかりの補聴器を失くしてしまった。
紛失保証があったので警察に届けて証明書をもらい、購入した店で新しい補聴器をもらった。ところが、それもタクシーの中に置き忘れたらしく、もう保証が無いので次は20万円位のものを買ったそうだ。


 「耳掛け型補聴器の各部品名」



なぜ補聴器はそんなに高いのだろう。
「小さい中に最新技術が詰め込まれている」とは言っても、パソコンの3倍くらい高いのも変だと思う。補聴器は工業製品だし、高齢者社会となった日本で補聴器の需要は多いはずだ。

なにより不思議なのは、日本を代表するようなパナソニック、ニコンなどの補聴器はネットではバカ安で売られている。私は業界人ではないので分からないが、これ等の会社は、耳鼻科の業界との縁が無いのかもしれない。なにか理由がありそうだ。


 「耳穴式補聴器の各部品名」



ところで『これに似た話が、どこかであったなー』と思った。
メガネだ!「昔はメガネは高かった」。その理由は「当時はメガネのフレームにレンズを切って合わせるのが、メガネ屋の仕事だった。これが難しく、成功率は50%以下だった。その為に販売価格は2倍以上を付けていた。ところが専用の機械が開発されて100%の成功率になったのに、眼鏡屋は美味しい仕事を続けて行った。

その時にチャンスとばかりに郊外のショッピングセンターに大型メガネ店を展開したチェーン店は、今までの半額以下でメガネを販売した。それで価格が下がると同時に、町のメガネ屋は姿を消した」のである。
私は似たようなことが、補聴器業界でも起きるような気がしている。 


*論文の結論『理想の補聴器とは程遠い」


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. 多摩の難聴(Y)
    多摩の難聴(Y)
    返信

    既に長年の補聴器経験者として、将に「理想の補聴器とは程遠い状態」を実感しています。
    価格と使用感とのギャップに苛立ちすら覚えます。目の手術を経験した者として、耳鼻科の医者の怠慢に怒りを覚える。難聴手術の可能性を追求して欲しい。
    高価格補聴器を選択せざるを得ない業界の体制を直さないと何時までも高齢難聴者がその被害者となる。

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