昨年の今ごろに、新宿御苑でカブトムシが大量発生したというニュースを見た。
その時は気が付くのが遅くて、見に行った時はもういなかった。
そこで今年は手帳に付けておいて、7月16日に新宿御苑に電話した。

私 『今年はカブトムシは出ましたか?』
係員『観察をしていないので、分かりません』
そこで翌日に、新宿御苑にカブトムシを探しに行くことにした。


巨木「モミジバスズカケノキ」



新宿門から公園に入り右手の小道を進むと、すぐに白い巨木が目に入る。
この木は明治20~30年頃に植えられた、プラタナスの仲間の「モミジバスズカケノキ」である。この苗木から、全国に広がったそうだ。

その先に進むと、地面から異様なものが突き出ている場所に出る。
これは「ラクウショウ」という木の「気根」で、明治初期に海外から種子を持ち込んで育てられたそうだ。この気根は地上や水面に伸びて、呼吸をしているのである。


 「ラクウショウ」



この先から、いよいよ「カブトムシ」探しである。
昨年は「母と子の森」で多く見掛けたようなので、慎重に森の中の小道を歩く。
時々、向こうから外国人観光客がやって来る。
ところどころに鳥の巣箱を見掛けるが、鳥の鳴き声は聞こえない。

カブトムシがいそうな木には、樹液が垂れている場合が多い。
かなりゆっくり見て廻ったが、なにもいない。


 「鳥の巣箱」があった。



カブトムシを探しながら歩いたが、見付けられず森を出てしまった。
その先の広場を抜けると、桜の林があった。
私の少ない経験から、桜にカブトムシは付かないと知っている。

地面に生えた蔦が伸びて、木を登って行く。
その光景が、なんだか女性のスカートを広げたようで優雅に見えた。


 桜の木を登る蔦がスカートのようだ。



桜の林を抜けると、大きな木が続く。
ここには目当てのカブトムシがいそうな気がした。
もしカブトムシがいなくても、クワガタでもいいと考えている。
ところがいくら目を凝らしても、カブトムシもクワガタもいない。

昨年に大量発生してしまったので、今年はお休みなのかもしれない。
やっと枝で見付けたのは「毛虫」だった。


見付けたのは「毛虫」だった。



ここまで見付けられないのでは、もう今回は駄目だと思った。
私の運も使い切ってしまい、もう残っていないのだろう。
今までが割合に運の良い人生だったので、もう残る運は無いのだろう。
林を抜けてプラタナスの並木に向かった。ここで思い掛けない場面に出会ったが、その話は(おまけの話)で。

プラタナスの並木は、実は「モミジバスズカケノキ」である。
ここは秋の紅葉の時期が美しい。


プラタナスの並木道



家を出る前に知宿御苑のホームページで、カブトムシを検索したが情報は無かった。
その代わりに、「数十年に一度咲くと言われている竜舌蘭が咲いた」と出ていた。
しかし先日は日比谷公園でも咲いたし、横浜でも咲いた。最近はあまり珍しくなくなってしまったが、これも地球温暖化が関係しているかもしれない。

近くに寄って見たが、他の場所の竜舌蘭より背が高いように感じた。
初めて築地川公園で見た時のような感動は無かった。   


竜舌蘭が咲いた



(おまけの話)
プラタナス並木で少し休んでから、「今日はカブトムシはいない」と諦めて、大木戸門の出口に向かった。曇りだったが湿度が高く、カブトムシも見付けられず、相当に疲れていた。左側の大きな木を過ぎた時に、なにかいたような気がして戻った。

するとなんと「クワガタ」の雌が3匹も、木にたかっていたのである。
「まだ運は残っていた」と思い、写真を撮る。


 やっと見付けた「クワガタ」の雌3匹



念のために木の裏側も見た。
するとなんと! 小さ目だが、カブトムシが3匹もいた。l
そして2匹が戦っていて、1匹が地面に落とされた。
落とされたカブトムシは仰向けになってもがくが起き上がれない。

私は小枝を拾って助けてあげたら、その枝に止まったまま動かない。
感謝の気持ちを表しているのだろうか?


 同じ木の裏側にはカブトムシがいた。



私は大満足で帰ろうと思って、地面に小枝を下した、
すると更に驚く光景がそこにあった。
カブトムシが3匹、クワガタの雌が5匹もいて、更にアゲハ蝶がいる。
しばらく様子を見ていたら、クワガタがアゲハ蝶に襲い掛かったように見えた。
アゲハ蝶は葉を広げて威嚇しているように見える。

このバトルは延々と続いていたので、動画に撮った。
最後の最後になって、私の運の強さが証明された日だった。



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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

  1. Shinji
    Shinji
    返信

    小さな昆虫の世界も、争いが絶え間なく、、、と少し気が沈む。しかし、自然界の一部をヴィデオにとって見せてくれて、教育効果あり、です。ありがとうございます!

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