タリズマン・マスター

呪術廻戦なるマンガというかアニメが流行ってますよね?結構面白かったりします…。主人公が特級呪物である”両面宿儺”の指を飲み込む事で物語は始まるのですが、この両面宿儺って何か?というと、5世紀頃、第16代仁徳天皇の時代、飛騨に”両面宿儺”という化け物が現れた…。

両面宿儺は身の丈1丈(約3メートル)、2つの顔と、4つの怪力の手、4つの俊足の足を持ち、2本の剣と4組の弓矢を操って、人々を殺していたそうです。

天皇は難波根子武振熊を派遣し、激しい抵抗にあいながらも両面宿儺を討伐…。その遺骸から首を切り落として、首を都に持ち帰った…。

以上は、養老4年(720)に編纂された「日本書紀」にある記述です。このままだと両面宿儺は、朝廷に逆らい、人民を苦しめた化け物という事になりますよね?ただ、地元・飛騨では両面宿儺は人々に愛される存在だったそうで…。

まず、今も飛騨地方に残る伝説では、両面宿儺は高山市の郊外の丹生川村の洞窟から現れた…。「日本書紀」に書かれた通りの異形の持ち主だったようですが、「我は救世観音の示現なり!」と言い、乗鞍岳の権現ヶ池に人々を集め、太陽の光を池の水面に映して崇めた…。そして人々に農耕や信仰を熱心に勧めたという…。

他にも、人々を困らせる竜を退治したとか、丹生川村の千光寺を開いたとか、両面宿儺の優れた功績を称える伝承に事欠かない…。

以上の事から推測できるのは、両面宿儺はこの地方の傑出したリーダーで、領袖を象徴しているのではないか?
ひょっとすると1人の人物ではなく、複数の人物の特徴をまとめた存在だったのかもね?2つの顔、4つの手足というのは、普通の人間には真似の出来ない超人的な能力を表したものという意味なのではないでしょうか?それが、中央の公式文書によると、まるでこの世のものとは思えない怪物的な存在にすり替わったのではないでしょうか…?

という事は、この両面宿儺は、古代日本の中央、つまり大和朝廷が全国支配をする上で障害になる人物だったのではないでしょうか?そのために、朝敵としてわざわざ派兵して、後世にその悪行を伝えたんですが、地元では英雄として伝承が残ったんではないでしょうか…?

更に言える事は、この伝承から読み取るに、この地方には古代より、中央から独立した支配体系が存在していた!という事ではないですかね?大和朝廷とは違う政権があって、それもかなり強大な力を持っていたんでしょう…。九州の熊襲、東北の蝦夷等と並ぶ強力なライバルとして、大和朝廷としては絶対に滅ぼさなくてはならない地方政権だったに違いありません!

その一つの証拠が「両面宿儺」という名前です。「儺」という字には「鬼」という意味があります。全国各地にある鬼退治の伝承、あるいは鬼の手形等の奇妙な遺跡、これらが大和朝廷が地方を占領・統治して行く過程で、その土地のリーダーや豪族と戦ったという証拠に他なりません!この両面宿儺の伝説も、まぁ、同様のものでしょうね…?


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