■今年の毛ガニは高い
毎年この時期には、噴火湾の毛ガニ漁が解禁になっている。 私が伊達に来てすぐの時に、土木業のKさんから、『カニは茹で立てが一番美味しい』と教わった。
そして、毎年のこの時期にイコロ農園で「カニパーティ」を開くことが決まりとなった。
昨年までは私達は主催者側だったが、今年は私1人だけなので、幹事長は金物屋のHさんに代り、私は客人となった。
毛ガニの揃い踏み
午後6時半の開始に間に合うように行ったら、もう大勢の人が飲んでいる。殆どの人が顔馴染みである。
早速、幹事のHさんから会費を請求される。
ところがポケットを探ったら、財布が無い。
「失くした」と、思った。
隣にいた医師のIさんが、『私が出しておきます』と助け船を出してくれた。
イコロ農園に集う伊達の紳士達
壮瞥町の農家のオヤジのIさんが、伊達名物の「いとうのテンプラ」を焼く。隣では、Kさんが焼き鳥を焼く。
私はそれを食べる。
「客人の立場もいいものだ」と、つくづく思いながら、また食べる。
肝心の毛ガニであるが、今年は不漁と原発の影響で、かなり値段が高い。
1パイ1700円とは、東京で買うより高いのでは?
夕暮れと共にギター演奏に合わせて歌もあり
それでもシッカリと自分の分は食べて、9ヵ月ぶりに会う懐かしい友人達と話が弾む。
午後9時を過ぎて、東京から来た私は寒くてたまらず、そっと席を外して旅館に戻った。また、明日も忙しい日が待っている。
失くしたと思った財布は、出掛ける時にズボンを穿き替えた為に、旅館に置き忘れていただけだった。
伊達の夜は寒いので、火を燃やす
(おまけの話)
北海道で育った人から、よく聞く話がある。
『子供の頃は、いつもおやつが毛ガニだった』。
東京育ちの私からすれば、『ウソだろー』と思う。
ところが、伊達市の医師のIさんからも同じようなメールが届いた。
『子供の頃は、噴火湾内の毛蟹の密度は高かったので、一杯30円くらいで売られていました。
朝獲れて茹でられて直ぐの毛蟹を、おやつで食べてました。
これが1700円は高い(睨むな!)
蟹の加工場では、♀蟹の内子は殻の中に入ったまま捨ててありました。友人の家の加工場に行っては拾って食べていました。』
そして更に、『今では高価な食べ物となってしまい、コープ札幌で半額で売られている時に時々買って来ます。』と、あった。
この最後の文章で、その前の話が全て嘘っぽくなってしまう。
千歳空港で売られている値段なら、私も買わないが・・・。