■初めての「MRI」 検査
1週間くらい前から、頭痛がしていた。
私は今まであまり頭痛に悩まされたことが無かったので、なにか不吉な予感がした。
そこで近所の脳神経外科に予約の電話をした。
その時に電話に出た女性の言葉に驚く同時に、自分の年齢を思い知ったのであった。
「ママン」のある66広場。
その女性は生年月日や症状を聞き、予約日の確認をした後に次のように言った。「どなたか付き添いの方はいらっしゃいますか?」。
私はすぐには意味が分からなかったが、少し間をおいて理解した。
そして「大丈夫です。まだボケていません」と言葉を返した。
この年になると、世間一般ではもう「ボケ老人」という認識なのだなー。
六本木ヒルズの毛利庭園への小径。
予約日になり、歩いて近所の脳神経外科に行った。
問診表に書き込んで係の女性に渡してしばらくして、名前を呼ばれた。
そしてMRI 室の隣のロッカー室に通された。
そこで「金属の物を全て、このロッカーに入れて下さい」と言われた。
ブルーの山アジサイ
説明用紙にはMRI室に持ち込めないものとして、時計、携帯電話、キャッシュカード、金具付きベルト、入歯など色々とあった。歯のインプラント、入れ墨、人口関節なども駄目なようだ。
私は10数年前に前立腺癌の手術で小線源療法を行ったので、前立腺にヨウ素125を埋め込んであると自己申告した。
ピンクの山アジサイ
私の申告は初めてらしく、色々と調べていたようだが、結果はOKとなった。ベッドに寝かされ耳栓をし、頭を固定されて大きな機械のドームのようなところに入って行く。
手にはなにか問題が起きた時に知らせる為に、スイッチを渡された。
しばらくして頭の近くでゴー、ガンガン、トントン、グァーなど色々な音が聞こえた。
白の山アジサイ
これは私にとっては現役時代を思い出させる、どこか懐かしい音の様に感じた。機械加工の時の音のようでもあり、エンジンのテストのようでもあり、大きな工場で多数の機械が発する音のようにも感じた。
約20分で検査は終った。
そしてまたしばらく待たされて、診察室に呼ばれた。
大きな液晶画面には、私の脳の断面図、血管図などが、何種類も映し出されていた。
ピラミッド・アジサイ
それを見ながら医師の説明では「脳にはどこも異常は無い。目から来ているかもしれないので、眼医者に行ってみてくれ」だった。
そこで私は聞いてみた。「脳は委縮していませんか?」。医師の答えは「年齢からすると、かなり状態が良い」ということだった。
まだ私の脳は、ボケてはいないようだ。
これだけの検査をしてもらい会計で支払ったのは、たったの2190円だった。日本の医療制度に感謝した日だった。
ピンクのアジサイ
(おまけの話)
この日は脳神経外科の予約が午後3時30分だったので、午前中から六本木に行った。朝のテレビの天気予報で、中継場所の六本木ヒルズの毛利庭園のアジサイの花が綺麗だったので、私はそれを見に行ったのである。
やはり武漢ウィルスの影響か、それともテレワークなのか、六本木ヒルズにはあまり人がいなかった。
毛利庭園で見付けた小さな柿の実。
毛利庭園のアジサイは山アジサイであった。
山アジサイにも色々な種類があるようで、花弁が白、ブルー、ピンクなどがある。
花屋で売っている豪華なものと違い、自然の中でひっそりと咲いている。一通りの写真を撮ってから、次の目的地であるラーメン屋の「幸楽苑」に行った。
キンポウゲの向こうにアリーナが見える。
店内は5分の入りで、安いラーメンでもなかなかお客が入らないようだ。今までは無かった新メニューの「ランチ」に「ラーメンと餃子」があったので、それを注文した。でも六本木で、これが550円では店は儲からないだろう。
ここのラーメンは東京ラーメンで、私の好きな味である。
キャッシャーで500円玉と50円玉を取り出し、申し訳ない気持ちで店を出たのである。
幸楽苑の「ラーメンと餃子セット」(550円)