■魚沼産コシヒカリとイコロ農園ななつぼし
昨年の夏に思いがけずイコロ農園のジャガイモの生育が良く、かなり知り合いにも販売した。 収穫したのは、北あかり、レッドアンデス、男爵、洞爺などあった。そこで、今年もと張り切ったのだが、いざ収穫となったら、掘り出したジャガイモは病気なのか半分くらい溶けている状態だった。
これでは売れないということになり、掘り出す元気も無くなり、そのまま放置して東京に帰って来てしまった。
連作障害というやつらしい。
11月24日に銀座に用事があって出掛けたところ、松屋デパートの裏手のビルの前で『ファームエイド銀座2008』というイベントをやっていた。
そこには各地から自慢の農作物を持って集まった農家の人達がいた。
その中に新潟県からやってきた佐藤農園という米農家が出ていた。佐藤さんは中越大地震で家が全壊してしまい、仮設住宅に住みながらも米作りを続けたという米に執念を持っている男であった。
そこで私は『自分でも米を作っている』と大きく出て、佐藤さんと米談義をした。
親切な佐藤さんは内心は嫌だっただろうが、素人の私の話に合わせてくれた。そんなことで、試しに彼の作った魚沼産コシヒカリを3キロだけ買って帰った。
その日の夕食に食べてみたら、さすがにプロの作るコシヒカリは旨い。でも、身贔屓ではあるが、イコロ農園の『ななつぼし』も負けてはいない。
これから何年かしたら、地球温暖化の影響で米の産地は新潟から北海道に移っているかもしれない。
暫くして、佐藤農園のHPを覗いてみた。
そこには『としあきの農業日記』というブログがあり、なんと私より凄い。過酷な農作業の後に、毎日のように写真付きでブログを書いている。
そして、11月24日のブログには私が登場していたので驚いた。
いまや私は本場の新潟の米農家でも知られる存在になってしまった!?
(おまけの話)
米専業農家の佐藤さんにメールで聞いてみた。
『野菜は連作障害が出るのに、米の場合はなぜ出ないのですか?』
忙しい佐藤さんは、素人のそんなバカバカしい質問に付き合っている暇はないと考えたのか、なかなか返事をくれなかった。
そこで仕方なく伊達のレタス農家のSさんに問い合わせてみた。Sさんは米も作っていて、彼のオヤジさんはイコロ農園の田圃の先生でもある。
するとすぐに返信があり、以下のような答えが返って来た。
『さて、連作障害云々、の件ですが、 中々鋭い指摘です。これは畑と田圃の違いから来るものです。 根本的な違いは、水を張るかどうかと言うことです。 水田の場合、この水が、土の余分な肥料や塩分、そして病原菌を除去してくれるために、何千年連作しても障害が出ずに繰り返し作付けできます。
畑の場合は色々なものが、残って蓄積されるために、長い間に色々な障害が発症してきます。 麦類、とうもろこしなどのイネ科の穀物はどれもいずれは障害に見舞われます。
そういう意味からも米は理想的な最高の穀物なのです。
ここで言う米は水稲です。米でも陸稲は例外です。
温暖な地方では田畑輪環といって、田圃に米と他の作物を交互に作付ける手法を用いているところもあります。
「瑞穂の国」である日本をもう一度見つめ直し、食料自給率を上げる国民運動を巻き起こして欲しいものです。』・・・と、かなり格調高い回答が返ってきた。
いつも私が伊達で見ていた『飲んべえ』のSさんらしからぬ一面を見た。
(その後、佐藤さんからも返信を頂きました。)