■最近、見掛けないもの
地下鉄に乗っている時に、変な考えが頭に浮かんだ。
それは車両の座席に座っている人の80%くらいが、スマホをいじっている光景を見たからだと思う。
スマホを持っていない私は、「なにか面白いことはないか?」といつも車内をキョロキョロと見渡している。
私も子供の頃は下駄を履いていた。
その「突然の考え」とは、「最近、見掛けないものはなんだろう?」である。勝どき駅から新宿駅までの23分の間に考えた。
それが下記のものである。
ただなんとなく頭に浮かんで来たものを、順不同で書いてみた。
「おんぶ」、「下駄」、「金歯」、「割り箸」、「味の素」、「グレープフルーツ」、「ガンコおやじ」、「そば屋の出前機」、「スクリーンセーバー」、「コンパクトカメラ」の10個である。
番外に「マスク」もある。
懐かしい「スクリーン・セーバー」。
最近の若い奥さんは子供を前で抱える方式なので、「おんぶ」をしている人はいない。下駄もなにかイベントでも無ければ、見られない。
昔は金儲けの上手いオヤジは、必ず金歯を入れていたものである。
私の子供の頃、実家に来ていた植木職人のジンさんが「ニタッ」と笑うと、上下の金歯が太陽の光を浴びて光っていたのを思い出した。
安食堂の箸立て。昔のものは、もう少し赤い部分が少なかったように思う。
割り箸も高級店に行かないと見られないようになった。大衆的な店は昔のように箸立てに箸を入れてあり、共同で何回も使う方式である。
ただ昔と違うのは、箸の色である。
PCのスクリーンセーバーもいつの間にか無くなっている。不思議に思い調べてみたら、「液晶画面になってから焼き付きが起きないので、電源が切れる方式になった」と書いてあった。そうか、知らなかったなー。
ベトナムの商店で売られている大量の「AJINOMOTO」。
私の子供の頃は、味の素は家庭の必需品だった。
小さな耳かきのようなスプーンですくって、色々なオカズに振りかけたものだ。それはいつの間にか、「天然素材」が主流となり、味の素を使う店は殆ど無くなった。
でもベトナムに行くと、スーパーの棚には色々なメーカーの化学調味料が大量に並べられている。
いつになれば、ベトナムも味の素から解放されるのだろうか?
私の朝食には欠かせないグレープフルーツ。
最近であるが、私の朝食の必需品であるグレープフルーツが無くなっている。理由が分からなかったら、ある時に雑誌に事情が書いてあった。
最近の人はグレープフルーツは食べるのが面倒臭いのだそうだ。
それであまり売れないので、輸入量が急激に減っているのが見掛けない事情だそうだ。
そば屋の「出前機」。(今頃になってこの名前を知った)
ガンコおやじも若者に媚びていなくなった。
そば屋の出前も「Uber Eats」 に取って代られてしまった。
コンパクトカメラはスマホにやられて、目も当てられない惨状である。
こうして1つずつ検証してみると、時代の変化で消えゆく運命だったのかもしれない。
私もその内に「橋本さんを最近、見掛けないね」と言われるのだろう。
もはやスマホの方が写真が綺麗に撮れる。
(番外)最近の銀座では外国人観光客が全く見られなくなった。だから中国語と韓国語が聞こえない銀座は静かになった。
(おまけの話)
自分で思っていることと、世間で通用することは違うことがよくある。
そんなことからネットで、「最近、見掛けないもの」という言葉で検索してみた。
すると私が「見掛けないもの」に上げた10種類のものは、トップテンに1つも入っていなかった。これは私にとっては意外だった。
最近では公衆電話を見付けるのが難しい。
因みにネットのトップテンを上げてみる。
1位・・・公衆電話 2位・・・テレホンカードの自販機、3位・・・デパートの屋上の遊園地、4位・・・黒いゴミ袋、
5位・・・駅改札での切符切り、6位・・・野良犬、7位・・・チンドン屋、8位・・・バキュームカー、9位・・・成人誌の自販機、10位・・・紐で引っ張る水洗トイレ。
昔のデパートの屋上の遊園地風景。
公衆電話は携帯電話に駆逐されてしまった。だからテレホンカードも使うところが無い。デパート屋上の遊園地の跡地には、銀座の三越デパートと松屋デパートには神社がある。GINZA6の屋上には緑化公園と神社がある。
改札も自動化されてICカード化されてしまった。
6位以下は元々あまり無かった。
こうしてみると、私の上げたベストテンの方が面白い。・・・と自分だけで思っている。
街角にあった成人誌自販機(中が銀紙で見えないようになっていた)