■ベトナム(21)・・・ドンナイに行く (3)
(2013年8月2日) 異国で日本語を教えるというのは、非常に教え甲斐がある。
生徒にとっては日本へ行くことが出来れば、人生を変えることが出来る数少ないチャンスであるから、非常に熱心だからだ。
ザボン園で船からザボン畑を見ることになっていたが、見えなかった。
ドンナイでは先生も生徒達も私と話をしたがる。
でも、生徒の日本語の能力では大した話は出来ない。
「先生はいつベトナムに来ましたか?」、「ベトナム料理は何が好きですか?」、「家族は何人ですか?」、「ホーチミンの生活に慣れましたか?」、「どこに住んでいますか?」など、私が聞かれることは決まっている。
夜のお寺で両手に華。
彼らの日本語能力では単語の数が少ないので、質問も限られている。
それをホーチミンの教室でも聞かれ、ドンナイに来ても聞かれ、いい加減に飽きる。
でも、彼らの日本語の勉強の為に我慢して、笑顔で答える。
私も最近は人間が出来てきたようだ。
お寺でも宝くじを売る。なんか変だなー。
ドンナイでは教室の後に、3ヶ月間、日本語を勉強している生徒から3人ずつを選んでもらい、夕食とお茶に呼んだ。
彼らは私に質問をするが、習った言葉だけでの質問だから、すぐに終ってしまう。
先生の方から、私に質問して欲しいと頼まれる。
私は、「あなたは何歳ですか?」、「日本へ行って貯金が出来たら、何に使いますか?」、「日本語は何ヶ月勉強していますか?」など、こちらの質問も単語数の関係で限られる。
ドンナイ川の河畔のカフェで先生達と。
そこで私は、「折角、日本人が来たのだから、先生に通訳してもらい、もっと難しい話をしましょう」と提案した。
そして、「日本に来て溜めたお金を、自分の人生の為に使って欲しい」、「広い世界を見てから、お金の使い方を考えて欲しい」と話をする。
私は彼らの一生に一度のチャンスを、お金を稼ぐ目的だけに使って欲しくないと切に願っている。
ライトアップされたお寺で。
(おまけの話)
ドンナイからホーチミンに戻る時には、ハイヤーを頼んだ。
運転手は音楽が好きなようで、CDをかけている。
聞いたことがあるような曲だと思ったら日本の歌謡曲で、山本譲二が歌っている曲「みちのくひとり旅」をベトナムの歌手が歌っていた。
でも、運転手はそれが日本の歌とは知らずに聞いていたそうだ。
滝の下では市民が水泳を。金持ちの子弟のようだ。
ホーチミン市に入り、ホテルが近付いてところで運転手はUターンをした。そうしたら、警察官に見付かり停止を命じられた。
その場所はUターンが禁止の場所らしかった。
そして私は噂話を現実のものとして目撃した。
警察官は運転手を物陰に連れて行くと、なにか話している。
運転手は財布を出して、罰金を支払っているように見えた。
巨大な白衣観音像。ベトナム人は漢字が読めない。
車に戻った運転手に聞いたら、罰金ではなく賄賂だった。
彼は50万ドンを支払って釈放してもらったそうだが、罰金ならもっと高いと言う。通訳で同行した学校の先生が盛んに「可哀そう」を連発する。
運転手の収入からすると、50万ドンは2日分の働きのお金に相当する。
私も気の毒になり、50万ドンを運転手にあげた。
こんな賄賂が公然と行われていては、ベトナムは国際社会で評価されない。それが非常に残念である。
(50万ドンは日本円で2500円である。)
ザボン娘にポーズを取ってもらった。