■自粛馴れか、自粛疲れか?
外出自粛と言われても、天気の良い日は、どうしても家を出たくなる。
でも目的も無く家を出ると、家族の冷たい目が気になる。
私だけは自粛馴れか、自粛疲れになっている。
そこでウォーキングを兼ねて、家族の好きな店のテイクアウトを買いに行く。 今回は新橋にあるイタリアン・レストラン「ニコラス」のピザである。
予約しておいた本。「首都感染」★★★。「バカの国」★★
往きはバスで、帰りはピザが匂って乗客に迷惑を掛けると思い、徒歩にする。先ずは、東銀座の本屋で予約してあった本を受け取る。
その本は同級生のY君に勧められた「首都感染」と、ネットで見た百田尚樹の新書「バカの国」である。
外出自粛だというのに、本屋は混んでいた。
新橋駅前は少し人が増えて来た。
またバスに乗り、新橋に出る。
新橋駅前は自粛延長初日より、少しサラリーマンが増えたように感じる。彼らはきっとテレワーキングが出来ない職種か、そういう環境にない会社なのだろう。
このテレワーキングが普及すると、実力がハッキリと分かるようになる。文章力も必要だし、IT能力もバレてしまう。年功序列で偉くなったオヤジ達は、いまは戦々恐々としているかもしれない。
宝くじ売り場の前を行く手押し車の弁当売り。
きっと自分の店の立地条件が悪いので、売り歩きに出たのだろう。
この時間は昼時だったので、サラリーマン向けのレストランや食堂はオープンしている。外から中を覗くと、今さら店内を改造も出来ないので席と席が密接している。
自動ドアは開け放たれているので、密集、密接はあるが、密閉は無い。
働くお父さんは密集、密接でも、仕方なくランチを食べている。
駅前の安い食度はみなオープンしていた。
私がわざわざ店までテイクアウトを買いに行くのには、理由がある。
なにかで読んだが、いま流行りのUber Eats に出前を頼むと、店は35%の手数料を取られるらしい。これでは店は儲からない。
コロナ騒動で厳しい経営を強いられているお店を少しでも助けたいというのが私の気持ちなので、自分が楽することばかり考えないで、直接店に注文して引き取りに行く。
これも以前に経営者をしていた名残かもしれない。
テイクアウトした「ニコラス」のピザ。
いま流行りのイタリア風ではなく、ニューヨーク・スタイルのピザ。
目当てのニコラスは六本木にあったニコラスが本店で、昨年に閉店となった。1号店は米軍横田基地脇にあった米兵相手の「ニコラス」で、私が生まれて初めてピザというものを食べた店である。
ここには高校生の時から何回も通った思い出深い店であったが、ここも一時は閉店していた。残っているのは新橋の店だけだが、ニコラスのオーナーはJALになったり、色々と経営権の問題があったようだ。
大々的に「昼飲み」を打ち出しているが、お客はいまひとつ。
新橋の店は駅から歩いて1分ほどの位置にあり、「地下一階」で暗い。
階段を降りると、密集、密接はないが密閉がある。
私はピザの17番がお好みで、トッピングは「マッシュルーム、タマネギ、ピーマン」である。
予約してあったピザ2枚を引き取り、帰りは歩いて家まで戻った。
東京の気温は22度、湿度は28%で、とても気持ち良かった。
新橋の地下街は、店がみんな休みで寂しい。
(おまけの話)
歩いていると、普段は気が付かない色々なものが見える。
マスク姿の人もそうだが、店頭にマスクが溢れている。
もう品薄も終りだ。
それよりも気になるのが、飲食店である。
大手企業のレストランなどは、自粛を受け入れて5月31日まで休店するようだ。
浜離宮恩賜庭園は5月31日まで休園。
見上げたら、抜けるような真っ青の空だった。
しかし零細の個人経営の店は、そうはいかない。
売り上げが無ければ、家賃などの経費で倒産する。
彼らは生きるために必死にテイクアウトを行っているが、大して足しにはならないだろう。
なにも彼らに責任が無いのだから、見ていて悲しい。
そして、昔の私の現役時代のことを思い出した。
浜離宮の遊覧船の船着き場も、休園で使用停止。
私の現役時代も不況は何度も襲って来た。石油ショックにも、バブル崩壊にも出くわした。バブル崩壊の時は切羽詰まって、雇用調整助成金の申請をした。
あの時は取引先からの注文数量が少なくなった上に、値引きを要求された。踏んだり蹴ったりだった。
それでも社員は首にせず、事情を説明して少しだけ給与をカットさせてもらった。幸いに景気が回復した後に、その分は補填できたのがせめてもの私の償いだった。
コロナで苦労している零細企業の人達は、諦めずに頑張って欲しい。
「ニコラス」のピザ17番、「レギュラーサイズは1682円(税別)」
いま流行りのイタリア風ではなく、ニューヨーク・スタイルのピザ。