■強風に押されて激突
9月21日の昼過ぎになって伊達市のXさんから電話があった。『いま仕事で東京に来ている。』と言っていた。 午後4時近くになって、Xさんからまた電話があった。
Xさん、『台風で飛行機が飛ばない。今日は帰れないのでホテルに泊まる』
私、 『それなら我が家に来ないか?』
台風15号で築地市場もぼんやり霞む
そしてXさんは台風15号の中を、タクシーでやって来た。
私がマンションの前で待っていると、タクシーが目の前を通り過ぎて駐車場の方へ入って行ったので、後を追った。
この道は台風の風にビル風が重なって、前へ進めない。
やっとの思いで行ってみたら、Xさんがいない。
入れ違いになったらしいので、元の場所に戻る。
この時に事件は起きた。
トリトン・スクエアも霞む
風速50メートルを超す強風に背中を押されて、早足になってしまう。それが次には意思に反して、走り出してしまった。
どうにも止まらない。
このまま行ってしまうと大通りに出て、車に轢かれてしまう。
少し先にマンションのコンクリートの柱が見えた。
そこに向って走らせられて、その柱にしがみ付いたはずが、激突した。胸と顔を打ったようだ。
水路の向う側のコインパーキングのライトも霞む
その時、Xさんがしゃがんでいるのが見えた。
彼も同じく強風に走らせられて、この柱にしがみ付いたようだ。
様子を聞いたら、胸と膝を強打したようだ。
私が顔に当てた白いハンカチは、真っ赤に血に染まっている。やっとのことで部屋に入り、手当をする。
食事をして、午後9時過ぎになかなか来ないタクシーを拾ってXさんはホテルまで戻って行った。
こんな台風の日に無理に誘ってしまい、Xさんごめんなさい。
台風一過
(おまけの話)
今までにも色々と失敗はあった。
その都度、後悔し反省している。
今回の件でも大いに後悔している。
「駐車場の方は危険だから、行かない方が良かった」
「風に背中を押されて止まらなくなったのなら、しゃがめば良かった」
「柔道の受け身のように、前に回転してしまえば良かった」
ラーちゃんは台風も関係なく・・・
「柱に抱き付かずに、両手でストップさせれば良かった」
「後ろ向きに歩いて行けば良かった」
色々とある。
でも、本当の後悔は、「もうお互いに年なんだから、こんな台風の中を誘わなきゃ良かった」のである。