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[2008.12.09]
■下町人情の商店街を行く
2~3日も家で静かにしていると、なんだか落ち着かなくなって来る。生来の落ち着きの無い私の特徴である。 
女房は買い物に行きたがるが、私はそれには付き合いたくない。 
そこで、両者の意見が合うのが観光ドライブと食糧品を買いに行くことを兼ねたお出かけである。 
 
そして、ある日のお昼過ぎからお馴染みの砂町銀座商店街に出掛けた。 
江東区にある砂町銀座商店街はその名を全国に轟かせている繁盛している商店街で、いつも混み合っている。 
地方の元気の無い商店街からの視察も絶えないと聞く。 
 
スーパーマーケットでの買い物に慣らされてしまった我々は、ここで商店の原点に出会える。 
この近くにはスーパーマーケットは無い。 
出ても負けるので、スーパーも負ける戦はしたくないので出ないのだろうと思う。 


狭い商店街の道路の両側に色々な店が軒を連ねている。 
 
おでん屋 
 
多くの店は、少しでも自分の商品を目立たせようとして、道路まではみ出している。この商店街はお惣菜が豊富である。 
煮物、焼き物、生もの、揚げ物、なんでもある。 
なにしろ安い。値札を見ると手当たり次第に買いたくなる。 
 
煮物屋 
 
煮物を売っている店で若旦那に聞いてみた。 
私   『この商店街はいつも繁盛しているねー』 
若旦那『そんなことはない。不景気だよ。人出の多いのは週末だけだ。今の若い者は相対で買い物をするのは好きじゃないらしい。コンビニやスーパーの方が好きらしいよ』 
そういえば、この商店街で買い物をしているのはジジババばかりだ。 
 
そして、煮物屋の若旦那が自嘲気味に言った言葉が忘れられない。『今の若いもんのオフクロの味はコンビニ弁当だもんなー』。 
そんなものばかり食べている若者は、いずれ大腸癌か心筋梗塞になって死ぬ。 
 
(おまけの話) 
砂町銀座から戻り、そこで買った美味しいお惣菜で夕飯を食べ、風呂に入ってのんびりしていたら携帯が鳴った。 
画面を見たら、見慣れぬ番号が表示されている。 
『84946666×××』とあった。 
出るべきかどうか迷ったが、ふと思い出した。 
最初の『84』という数字は国際電話のベトナムの国別認識番号である。そこで電話に出てみた。 
 
すると、懐かしいソンさんの声がした。 
私はソンさんが社長をしているベトナム系の日本の会社『アクティブリッジ』の特別顧問をしているのを思い出した。 
特別という名の通り、『特別に何もしないので、報酬も無い』というものである。 
どうやらホーチミンのレストランで食事中らしい。 
そして、珍しい人がいるからと言って、電話を替わった。 
 
聞いたことのある声だった。昔の仕事仲間のSさんであった。彼はベトナムでの事業を拡大する為に来ていると話していた。 
私は既に引退して5年半も経つので、仕事の話をされてもよく分からない。頭はついて行けないが、気持ちだけは昔に引き戻されてしまった。 
 
そんなことで、電話を切ってからまた引退モードに戻るには少し時間が掛かりそうだ。 
引退したら、携帯に登録していない電話には出ない方が良いのかもしれない。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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