■秩父路ひとり旅(2)
三十槌の氷柱の撮影が終り、本来の目的である長瀞の蝋梅に向かう。 秩父鉄道は2両編成のディーゼルエンジンで走るローカル線なので、私にとっては珍しい装置がある。列車が来てもドアの脇のボタンを押さないとドアは開かない。
降り時も同じくボタンを押す。動いている時に押してみたら開かなかった。
長瀞駅で降りてダラダラとした上り坂を15分くらい歩いて行く。右手に宝登山神社を見ながら更に先に進むとロープウエイがある。それに乗って5分で宝登山頂上駅である。
そこからすぐに蝋梅園が見える。
宝登山の蝋梅林
2000本の蝋梅が植えられているというが、蝋梅は地味な花なので、とてもそうは思えない。
桜や紅梅のような華やかさはない。
写真を撮るだけなら、小金井公園にある数本の蝋梅でも用は足りると思った。
満月蝋梅
和蝋梅
急いで写真を撮り、30分後のロープウエイで戻る。
帰りは長瀞駅から秩父鉄道で寄居駅に出てJR八高線で帰れば、乗り換えは寄居と八王子の2回で済むと思った。
ところがそうは行かなかった。
八高線は寄居駅では電化されていないので、高麗川駅で電車に乗り換えとなる。途中で拝島駅に着いたので、青梅線に乗り換える。
青梅線で立川駅に出て、来た電車に乗ったら特別快速だった。この電車は武蔵小金井駅には停らないので、国分寺駅で快速に乗り換える。
早く帰れると思い八高線を選んだのに、結局は乗り換えの待ち時間も長く、西武線経由と同じ5回の乗り換えとなってしまった。それに運賃は西武線経由より2倍近く高かった。
しかも所要時間も同じだった。
(今日の教訓) 『急がばまわれ』
(おまけの話)
6年半くらい前に引退した時には、その先の人生がどうなるのか全く想像が付かなかった。
その先のことを考えて引退したわけではない。
暫くは外国に住もうかなとか、キャンピングカーでアメリカ大陸をウロウロしようかなとか、ベトナムで日本語教師でもしようかとか色々迷っていた。
そんな時に、秩父に34札所巡りというものがあるのを知った。
本場の四国お遍路はキツイので、私は手軽に近場の秩父で済まそうと考えた。
全ての札所を5日間くらいで歩いて廻り、その道中で今までの人生を振り返り、これからの人生を考えようと思ったのである。
そして翌年の11月から12月にかけて1人で34札所巡りの旅に出た。
この札所巡りの旅でなにかが吹っ切れたような気がした。
そしてそれ以来、全く仕事のことや、仕事上のお付き合いのあった人達とも縁が切れ、本当の引退生活に入れたような気がする。
その後の偶然が私と伊達市の出会いとなり、いまこんなブログを書く関係になったのであるから、あの秩父34札所巡りは私に素晴らしい幸運をもたらしてくれたと思っている。
そんなことから、私はY君にも34札所巡りを勧めている。