■余裕の銀座か?
外出自粛も長くなり感染者の人数が減り出すと、「もう大丈夫だろう」と考えたくなる人が増えて来る。
我が家の周りでも感じるし、築地場外市場などは特に感じる。
自粛期間中に開いているパチンコ屋に殺到する人が多いが、インタビューに答えた人が言っていた。「開いているから来る」と。
近所のイタリアン・レストランは派手に「TAKEOUT」をやっている。
それが良く分るのが銀座である。
銀座の店はデパートを初めとして、ほとんどの店が閉まっている。
だからいつ行っても、人通りは少ない。
閉まっていたら、人は来ないのである。
しかし我が家の周りは、とても自粛期間とは思えないほどの人が出ている。それはほとんどの店が開いているからである。
「あんぱん」の木村屋は、一番売れる土曜・日曜を閉店にしている。
平日はそれほどでもないが、土曜・日曜の人出はかなり多い。
テレワーキングをしている人が、家族を伴って出て来ている感じがする。
でもレストランの店内はガラガラで、どの店もテイクアウトに力を入れている。その中の1軒はメニューが豊富で、しかもディスプレイが上手なので、いつも人だかりがしている。
Apple Store の人のいない店内を初めて見た。
コロナ騒動以来だが、最近の新聞は折込広告が少ない。全く無い日も多くなった。新聞販売所が新聞社の「オシガミ」を我慢しているのは、その数量で広告の折込代を請求できるからだ。
折込広告が無くなれば「オシガミ」に我慢できなくなるだろう。
コロナウィルス騒動で新聞販売所が倒産したり、新聞離れが更に加速しそうだ。
銀座通りで、銀座1丁目から4丁目方面を見る。
土曜日の朝刊に刺激的な折込広告が入っていた。
それはスーツ販売の「AOKI」の広告で、「緊急大処分 SOS 買ってくださいませ。お願いもうしあげます」という文字が躍っていた。
女房が言った。
「買ってあげたら。もうその汚いズボンを止めなさいよ!」。
高速道路下の「AOKI銀座店」。
そこでウォーキングを兼ねて、その日の午後に「AOKI銀座店」に行った。広告の効果はどれほどか分からないが、店内には私を含めてお客は3組だった。
ズボンを買うつもりで店員に「ノーアイロンのズボンはどこですか?」と聞いた。案内された場所はスーツのコーナーで、どうやら背広のズボンと上着のバラ売りらしかった。
それは私の希望したものではなかったので、ソッと店を出た。
「dunhill 」も閉店。
もう1軒の女房の注文は「CENTRE」の角食パンだった。
AOKIからすぐ近くなので行ってみたら、こちらは長い行列が出来ていた。並ぶのも嫌なので、ここはパスした。
女房はこの店のパンが好きだが、私は水分が多過ぎて、あまり好みではない。最近はこの手のパンが、高級品として流行っているようだ。
「Cartier」もお休み。立派な門構えだ。
ショーウィンドーに商品は飾られていない。
(おまけの話)
普段なら、土曜・日曜の午後1時からは「歩行者天国」となり、車道が歩行者に解放される。しかし外出自粛期間なので、歩行者天国は取り止めとなっている。
殆どの店が閉まっている銀座通りは寂しい。
両側にある有名ブランド店も、みんな休業閉店である。
各店とも、同じような文面の臨時休業のお知らせ。
(MATSUYAデパート)
店の前には貼り紙がしてあり、各店は同じように「4月8日から当面の間、臨時休業します」と書いてある。ヨーロッパのブランド店は貼り紙をしていない店が多い。 なぜなんだろう?
「当面の間」という曖昧な言葉は英語でなんと言うのだろうか?
早速、ネットで調べたら、「For the time being 」だった。
露天の花屋は派手に営業中。(この店は銀座なのに花が安い)
そして人通りのほとんど無い銀座通りをウィンドー・ショッピングしながら戻ろうと思ったら、どの店も長期の休みを覚悟してウィンドーから商品を引っ込めてしまっていた。
ガラス越しに中を覗いても、店内の商品も片付けられていた。
まるで倒産した店のようだった。
ブランドショップの内情は分からないが、「余裕の銀座」なのか、「諦めの銀座」なのかは分からない。
真珠の「MIKIMOTO」も臨時休業。