3月8日(水)、伊達市東地区コミュニティセンター「みらい館」で国際女性デー西胆振集会が開かれました。
みなさん、国際女性デーってご存知ですか?
恥ずかしながら筆者はよく知らなくて、少し調べてみました。
ざっくり言うと、1908年にアメリカで女性労働者がパンと参政権を求めデモを起こしたのが起源で、
女性の平等や平和について考え活動する日、のようです。
室蘭、登別など近隣の市でもそれぞれ集いが開催されましたが、
平等や平和と言われても・・・いまいちぴんと来ない、
というひとも多いのかもしれません。
この日、会場のみらい館では、南稀府町の書道家・岸さちこさんによる、墨書と琴演奏のパフォーマンスが行われました。_DSC8630

岸 さちこ さん プロフィール
伊建市有珠に生まれる。虻田·栗沢·伊達で保育士として勤務。
書道教授の母・佐藤紫香さんの影響で書を始め、書道家で元室蘭市長の長谷川遅牛氏(1913〜1993)に師事。
保育士を定年退職後、南稀府町にギャラリーカフェ「里庵(りあん)」をオープン。
平成28年度改組新第3回日本美術展覧会(日展)に挑戦6度目にして初入選を果たす。

_DSC8663琴演奏「春の海」の調べに乗せ、画仙紙に書く岸さん。
大きな筆はなんと、孔雀の羽でできているのだそうです。ゴージャス!
孔雀のほかにも、うさぎ、馬、などいろんな動物の毛でできた筆を持ってきて、見せてくださいました。
観客の女性たちが膝に新聞紙を当てているのは、墨が飛ばないようガードするため。
今回はあえて、あまり墨を飛ばさずに書いたそうですが、からだじゅう墨だらけになるような、躍動的な書き方をすることもあるのだとか。
琴と書

真っ白な画仙紙の上に一筆、一筆、書が姿を現します。
まるで獲物を狙う鷹のような岸さんの鋭い眼差しは、
普段の優しい雰囲気とは別人!!

_DSC8715

岸さんはこの日、国際女性デーに寄せて3つの言葉を選びました。

命 平和 未来 

_DSC8693琴の音に耳を傾け、岸さんが筆を進める様子を見ているうちに、心の中に言葉が響いてきました

「平和」の中で「命」を育み、「未来」につなげたい。

言葉にするととても平凡な願いです。
しかし平和は決して「あたりまえ」ではないんだよな・・・。
そんなことをしみじみと感じました。

さて、パフォーマンスの前に、「書と私」をテーマに岸さんがこれまでの書道人生について語られました。
岸さんを書の世界に導いたお母様と師匠との出会い、そして別れのお話。
会場の女性たちの中には、自分の人生と重ねるようにして聞いていた方も多いのではないかと思います。
30代半ばから本格的に始めた書道の修行時代には、洗面器にぬるま湯をくみ、墨がこびりついた師匠の足を和紙やたわしでこすり洗うのが仕事だったという岸さん。
筆者が特に印象的だったのは、師・長谷川遅牛氏が亡くなった朝のエピソードです。

_DSC8643平成5年に長谷川先生が亡くなられた朝、空から直径3センチくらいの大粒の雪が降ってきたんです。
それを見ていたら、先生が空の上で紙をちぎって、
「この落ちてきた紙に書いてごらん」
と、私を試しているんじゃないかと思いました。
いまでもあんなに大きな雪は見たことがありません。

先生が亡くなられてからはもう本当にいばらの道でした。
次の先生を見つけて、自分の方向性がみつかるまでは、本当に大変でした…

辛いときにも悲しいときにも、ひたむきに書と向き合ってきた岸さんの姿は少女のようです。
その瞳の輝きといったら!
筆者も同じ女性として、少女のままの自分を無くさずに、年を重ねてゆきたいものだなあ、と思いました。
岸さんの書とともに、平和や女性としての生き方について考えた国際女性デーとなりました。


2017年3.8国際女性デー西胆振集会
2017年3月8日(水)13:30~ 
伊達市東地区コミュニティセンター「みらい館」  
(北海道伊達市弄月町241-4) 
入場無料 
主催:2017年3.8国際女性デー西胆振集会実行委員会 


岸さちこさんのカフェ
ギャラリーカフェ里庵(りあん)
伊達市南稀府町266-63
TEL 0142-24-2885
OPEN 11:00
CLOSED 水曜ほか不定休

 


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