
明るく元気な町づくり 洞爺湖町
9月会議(定例会)
2022年4月洞爺湖町長に初当選。
大学卒業後、証券会社に勤務し米国留学、海外駐在経験。
帰国後、札幌市で学習塾を13年間経営。
30年ぶりに地元に戻り町議会議員とバス会社の二刀流で2022年1月まで4期途中まで活動。
1985年成城大学経済学部卒。
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『染まらないために染める』パンチラインな大和魂 〜異端児染師Aizome『I』
作務衣を纏った渋めの男性が現れると思いきや、目の前の染師は2パートに刈り上げたヘアスタイルの、抱いていたイメージとは程遠い方でした。 そのカッコいい雰囲気に釘付けになったところから取材は始まりました。 人生、何がきっかけで何が起こるかわからない。 金子夫妻と話をしているとつくづくそう思います。 「藍と出会って人生が変わった。」 今回お話しを伺ったのは、そうきっぱりと言い切る金子智志さんと愛さんです。 本当にこんなところに工房があるのだろうか…? 地図を頼りに探し当てた工房のある土地を見て驚きました。 湿地と田んぼに囲まれた広大な土地。 そこには、小屋を含め廃屋が何軒も建っていました。 「え!? こんな場所があったんだ!!」 それが筆者の第一声。 けれども同時に思ったこと。 それは〜。 「このお二人はなんて大きな夢を抱えているんだろう!」 ということ。 どんなに広い土地が欲しくても、この状況を見たら恐らくは誰もが諦めるだろうと思います。 なによりも廃屋の数が多いので壊すのが大変。 構築物も多い庭は広すぎて手入れも大変です。 ここを買うのは、たくさんお金を持っている人か、夢が大きく手入れが苦ではない人だと思いました。 現れたご夫婦と出会い、一目でこのお二人は後者だと直感しました。 ヒップホッパーが染師になると決めた日 金子愛さんは、伊達紋別駅近く「クリーニングのかねこ屋」の娘として生まれ、ピアノ教師を生業にされて今年で21年目。 その愛さんがパートナーとして選んだのは、ヒップホップに勤しみMCを生業にすることを志していた智志さんでした。 出会ったのは、その智志さんが夢をあきらめ、故郷の伊達市にUターンし、その後しばらくした頃のことでした。 「12年前、札幌から帰ってきてからは建築業に就いていました。」 そう話す智志さんの口から出てくる言葉は、とにかくイチイチ面白い! 韻を踏むような言葉がポンポンと出て来ます。 さすが、MCを目指していた方! 「僕、言葉が大好きだし大切にしているんです。ヒップホップをやっていたので、韻を踏む言葉の並びで、複雑な心の動きや物事の状況をバシッと表現するのが好き。そういうのパンチラインて言うんですよ。でもね、『言葉より藍!』と確信する出会いがあったんです。 藍に出会ったのは6年前でした。ニューヨークで寿司屋をやっている友達と会ったのですが、彼はアメリカに住みながら、日本人としての紺色にこだわりを持っていました。『和の心』を紺色=ジャパンブルーに求めていたのです。その時、僕の中に何か響くものを感じました。その日から、頭の中が紺色でいっぱいになりました。黎明館(藍の体験館)に通ったり、独学で学んだりしてすっかりと『藍』にハマってしまったんです。」 へ〜! パンチライン! 初めて耳にする言葉です。 最初は少々緊張していたお顔の智志さんでしたが、徐々に頬を緩め、次々とパンチラインをちりばめて語り始めました。 「とにかく藍染にハマって、3年間独学で染めていました。でもどうしても独学には限界がありました。そこで3年前、徳島の『BUAISOU』の研修生に応募しました。全国でわずか3名の狭き門に合格して研修生になることができ、12日間の研修をさせていただきました。そして、どうしても迷いがぬぐえず自信が持てなかった僕のやり方を『それでいい』とお墨付きをいただくことができたんです。嬉しかった。ようやくこのまま突き進んでいいんだ!と自信が持つことができました。」 『BUAISOU』について 世界各国からワークショップの依頼が殺到し、ハイブランドとコラボし、グローバルな活動をし続ける徳島の藍染工房です。 徳島県を拠点に、藍の栽培から染色、仕上げまですべてを一貫して行うBUAISOUは、古き良き伝統をそのまま受け継ぐのではなく、常に進化をし、先人たちをリスペクトしながらもそれを超えていく努力を続け、未来に繋ごうとしている。 わずか5人で運営する工房は、2015年4月されました。BUAISOUの名は、白洲次郎の邸宅「武相荘(ぶあいそう)」にちなんだものだそうです。 Bluem の誕生 ところで智志さん、『BUAISOU』研修においてお墨付きを得られたものの、しばらくは染師と建築の仕事の草鞋を二足履いていました。 けれども次第に口コミでオーダーが入る様になり、二足の草鞋を履いていては藍染の仕事が追いつかない状況になりました。 技術の確かさも証明されました。 それは「伊達美術協会」から表彰された『協会賞』という最高賞。 月と海、人間と自然を表した作品。 タイトルは『183672144288』 タイトルの意味はこうでした。 〜人と月と海の共通となる数字『18』。その18の倍数が人間の『生』を表し、目には映らない人と自然のつながりを人類が最も信頼し、裏切られてきた『数字』で表現しました〜 18:1分間に月が引き起こす波の回数=人間の1分間の呼吸の回数 36:人間の平均体温 72:人間の1分間の心拍数 144:人間の最高血圧 288:日数に変えると10月10日で妊娠期間と同じ 「人間が最も信頼し、裏切られてきた数字」この言葉だけで俄然実物を観てみたくなりました。 6月3日より2ヶ月間、「だて歴史文化ミュージアム」において展示会が開催されます。 「本格的に染師として生きていきたいと考えていたので、そのためにも自分の工房が欲しい!と思っていました。工房にする場所をずいぶん探したのですが、タイミングや予算も含め中々『ここだ!』という所に出会えなくて…。 がっくり‥としかけた一昨年の冬、出会ったのがこの場所でした。見に来たら一目惚れ。だいぶ荒れていましたが迷いはありませんでした。実はここ、子どもの友達のおばあちゃんの家だったところなのです。妻がそれを思い出してくれ、購入に結びつきました。」 昨年6月、ついに念願の城が手に入りました。 金子さんご夫婦にとっては夢に向かうThe 1’st stage『Bluem』です。 “ Blue “ × “ Bloom “ つまり青=藍 と開花。 藍で笑顔の花を咲かせたい! 藍で自分たちも開花したい! そんな想いが込められていました。 韻を踏む言葉が大好きな智志さんらしいネーミングです。 「『Bluem』は『藍』製品をカッコいいものとしてブランディングしていく場だと考えています。異文化交流はもちろん大事です。でも日本人として異文化を受け入れながらも、大和魂というか、『和の心』を『藍』を通して表現したい。だから『染まらないために染める』んです。ここを『まちのハブ』として育てて、いろんな人たちと繋がりながら行動して、自然を尊ぶ日本人のDNAを呼び覚ましたいんです。」 循環型ファッションを目指して ところで、今までの経済合理性は短期的にも長期的にも継続は難しい状況だと言われています。 そんな中、若い人を中心に高まってきたのが「気に入ったものを修理したり、染め直したりして長く使いたい」というニーズ。 衣料メーカー自体が「お客様に頻繁に買い替えさせる売り方ではなく、アフターケアを軸に『3つのR』をビジネスモデルの根幹にしていると言われています。 R:リユース(再利用) R:リデュース(使う資源を減らす) R:リサイクル(再資源化) の3つです。 「僕は自然のこと全然詳しくないです。SDGsとかもよくわからない。まあ持続可能な社会を目指そうということですよね。でも思うんですよ。藍もそうですが、人間は自然の恩恵なしには生きていけない。食べ物だってなんだって素材は全て自然が与えてくれています。でも、人間の勝手で飽きたり汚れたりすると簡単に捨てられてしまう。元は全て命なのに。そんな傷んでしまったり、汚れてしまったりしてしまったものを藍染によって甦らせることができるんです。幸い妻の実家がクリーニング屋なので、汚れやシミはしっかりと取り除いてから、新たな命を吹き込むことができる。おまけに堅牢性も増します。モノを大切に残すためのお手伝いができるのも幸せを感じることです。そうそう!あるピザ屋さんの窯から出た灰も藍染めに使えるんですよ。灰だって元は木。いただいた命に感謝して、最後までできるだけ捨てず使わせていただきたいと思っています。子どもたちの子ども、もっと未来の子どもたちのためにヒトが生きる源の自然を、僕らの役目として僕らの仕事で残して行きたいです。そう、『サスティナブルー』な仕事として。」 最後は韻を踏んで締めてくれました。 智志さんの中では当たり前の活動から生まれる循環。 ヒトもモノも自然もとても大切にされているお人柄が窺えるお話しでした。 人との出会いを一つ一つ丁寧に心に刻んでいるからこそ繋がっていく糸。 きっとお二人の出会いも…♡ 何度かその話を振りましたが、どうやらお二人だけのシークレットのようです ^^ お話しをしていて感じたのですが、ご夫婦のお人柄が多くの素敵なご縁の糸を手繰り寄せている気がしてなりません。 それを証明するかのようなイベントが、昨年の夏に開催された初イベント「草紙奏藍」でした。 先の見えないコロナ禍真っ只中、子どもも大人もみんなが疲弊してどんどん笑顔が少なくなっていく状況に、心を痛めていた金子さんご夫婦が立ち上がり開催されたのが、この『草紙奏藍』でした。 結果大盛況でしたが…。 思いついたのはいいけれど、正直他の作業もあり気持ちはいっぱいいっぱい。 広すぎる庭の草刈りはおろか、イベントに際しての環境整備もままならない。 途方に暮れそうになった時、助けてくれたのは、金子夫妻の活動を見守ってきた地域の方々や友人たちでした。 中には遠方から駆けつけてくださる方もいました。 畑違いの仕事から飛び込んだ『藍』の世界でしたが、元々のお二人の仕事や趣味の人脈のおかげで、予想を遥かに超えるお客様にお越しいただき、イベントは大盛況のうちに終わることができました。 もちろん、評判は上々。 きっと、今年の夏も期待されているのではないかと思います。 「今後もイベントは色々開催していきたいと考えています。全国シェア2位と呼ばれる篠原さんの藍の生産と“すくも”に加えて、染師としての技術や製品もグローバルに羽ばたかせて行きたいです。まずは「藍の町」伊達を歩く人たちの服や小物を藍色に染めたい!と思っています。」 2時間に渡った取材は、お話し上手な智志さんに乗せられ、素敵すぎる愛さんの笑顔に乗せられ、楽しくて楽しくてあっという間でした。 その楽しさはきっと、お二人に関わった方皆様が感じることだと思います。 I (藍)の形をバトンになぞり。 I (私)が染師として。 大和魂のI (愛)を届ける。 きっと、最後の『愛』は妻の愛さんと共に〜の意味が込められていることと思います。 AIZOME「I」 / Bluem 情報
Rietty
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ガイドの仕事は原点回帰。Sotoasobu江川理恵さんに聞く、人生の原点と観光のこれから
自然ガイドとして洞爺湖・有珠山エリアを飛び回る江川理恵さん(Sotoasobu代表)。 豊富な知識とガイド経験を持ち、お客様ひとりひとりに寄添うホスピタリティで、団体旅行から個人旅行まで、幅広く案内するガイドさんです。 火山マイスター、ジオガイドとして地域の自然に精通し、メディア出演も多数。「職業としてのガイド」がほとんど認知されていなかったこの地域で、地道にその立ち位置を築いてきました。 ガイドに加え、子どもたちへの自然体験指導も行うほか、冬はスキー&テレマークスキーのインストラクターとしてゲレンデに現れ、小誌むしゃなびでは、ご存じの通りライターRiettyとして色々なお店や人を訪ね、「駄菓子カフェれん」のオーナーでもある… 地域全体を仕事場に、オールラウンドに活動されています。 Sotoasobu代表 江川 理恵さん 肩書きだけ伺うと「どんなに逞しい方なのだろう」とマッチョな女性を思い浮かべますが、実際にお会いする江川さんは、軽やかで透明感があって、少女のような雰囲気のある方。 その一言一言から、自然への愛とお客様への繊細な心遣いが伝わってきます。一方で「上っ面なことが大嫌い」とさっぱり言い切る、男前な一面も。 静と動をあわせ持つナチュラル・ウーマン。そんな印象を受けました。 江川さんはガイドの仕事を、ご自身にとっての「原点回帰」と語ります。 江川さんの「原点」と、その先にあるこれからの観光について伺いました。 おてんば娘がたどり着いた、人生の原点。 有珠山頂展望デッキからのパノラマ 取材の時間を頂いたのは、まだ雪の残る3月末のこと。 有珠山ロープウェイに乗り、山頂を目指しました。 コロナ前のハイシーズンには、週の半分以上、ガイドに来ていたこともあるという、江川さんの主要な仕事場のひとつです。 ピカピカのゴンドラは2020年にリニューアルされたスイス製。ガラス面が大きくなったそうで、車窓からの景色が一段とワイドでクリアに!空中散歩をしているかのような大迫力でした(画像は有珠山ロープウェイHPからお借りしました) さて、コロナ禍で観光客が激減したここ数年、江川さんは道内客に向けたツアーを企画するなど、制限の中でも精力的に活動してきました。 オンラインセミナーや関係団体とのミーティングも忙しく、世の中の新しい動きに乗るための準備の日々。昨年より観光によるまちづくりを主眼とした伊達市のモニターツアー(だて観光協会主催)にも携わっています。 インドアの活動が増えたこの間、いつも江川さんの心の真ん中にあったのは「一番やりたい仕事」のこと。 それはもちろん、自然の中に出て、お客様をガイドすることです。 江川さん「机の上で考えるよりも外に行きたい…考えるより先に身体が動いてしまうタイプです。 何よりフィールドが大好きなのです! 自然の中にお客様をご案内しながら時間を共有することが私の一番大切な、大好きな仕事です」 コロナ前に行われた子供向けプログラムの様子 江川さんがガイドの仕事を始めたのは10年ほど前のこと。 もともとアウトドアやスポーツが得意だった江川さんは、アクティビティ担当としてホテルでインストラクターの仕事をしていました。 その仲間からガイドの仕事もしてほしいと言われたことがきっかけとなりました。 有珠善光寺にて しかし当時は、ガイドに対する認識が今よりもさらに低く、十分な研修制度も整っておらず、ノウハウを知る先輩ガイドも近くにはいませんでした。 ないない尽くしの中、「勉強しなければガイドは務まらない」と、自費で膨大な量の勉強をこなし、遠方の研修に出かけて10以上もの資格を取得。国内唯一の知事認定ガイド資格である「北海道アウトドアガイド」の優良認定も受けました。 驚くべき集中力とエネルギーですが、何が江川さんの情熱に火をつけたのでしょうか? 江川さん「ガイドの仕事との出会いは、私にとって「原点回帰」というべき出来事でした。 子供の頃、外で遊んで楽しかった思い出が、来るべくして戻ってきた、と思ったのです」 冬もアクティブな江川さん 江川さんは神奈川県の海山に囲まれた地域で育ちました。 どんな子どもだったかといえば… 一言で「おてんば娘」! 毎日真っ暗になるまで外で遊び、お母さんから締め出されるのは日常茶飯事。図鑑を片手に、どこまでも行ってしまうような活発な女の子だったそうです。 (図鑑を手にしているところがただのおてんばではない…ガイドの片鱗が見えますね) 野草の花が一斉に開く4月 中高生の頃は体育教師になることが夢だったそうですが、ご両親に進学の負担をかけたくないと、観光業へ進路変更しました。 江川さん「もともと一人旅が好きで、国内のいろんな場所をふらふら歩いていました。 旅先で知り合った人と一日行動をともにしたり、 お店のおばさんと仲良くなったり、 危うく婿さんを紹介されそうになったり(笑) 人との交流がすごく楽しかったのです。 そういう楽しさを提供できる仕事だ、と思って、両親に内緒でアルバイトをして学費を貯めて、観光の専門学校に進学しました。 ところが、観光の世界に飛び込んだら実はそうじゃなかった… 現実を知って愕然としました」 というのも当時(1980年代)は高度成長期真っ盛り。 旅行といえば団体旅行ほぼ一択、決まったコースを巡り、通り一遍な説明を聞く、というのが主流でした。 まるで「連れて行かれる旅行」のような観光のあり方に失望した江川さんは、 「私がやりたいのはこういうことじゃない」 と、学校をやめてしまったそうです。 その後、北海道移住、離婚、再婚と山あり谷あり、観光から遠ざかっていましたが、お子さん達の手が離れた頃に、かつて諦めた道が再び開かれたというわけです。 これからの観光は??「本物」を知る旅に出かけよう! 近年、「アドベンチャーツーリズム」という旅行スタイルが注目されています。 「アドベンチャーツーリズム(以後AT)」とは ・自然 ・アクティビティ ・文化体験 のうち2つ以上で構成される旅行のことで、欧米を中心に発展してきました(※)。 ※参考:(一社)日本アドベンチャーツーリズム協議会ウェブサイト https://atjapan.org/adventure-tourism その土地ならではの体験や、ローカルな人々との出会いに重点が置かれ、「異文化」との接触を通して「自己変革」が起こることを目的としています。 昨年、各国から旅行業者やAT関係者が集う、世界規模の商談会「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)2021」が北海道を会場に開催されました。コロナのため、オンラインでのバーチャル大会となりましたが、アジア初開催の快挙です。さらに2023年には北海道でのリアル開催が決定しており、コロナ後を見据えたATへの期待が高まっています。 2021年のサミットでは、道内をはじめ日本全国の体験ツアーが映像で紹介されましたが、江川さんは道南地区の有珠山・洞爺湖エリアのガイドとして出演しています。 https://youtu.be/bUXvAhdHknI 動画を拝見すると、従来の観光旅行との違いがよくわかります。ただ「楽しい」とか「おいしい」だけでない、地域に密着したリアルな体験が魅力的ですね。 江川さんは初めてATを知った時、自分の追求する観光のあり方と重なり、「まさにこれ!」と思ったそう。 プライベートツアーでの一コマ。バチラー夫妻記念教会堂 江川さん「お客様は物見遊山が目的ではなく、地元が知りたい、本物が知りたいのだと思います。 本物とは、その土地で暮らす人の思いであり、いわば「暮らし」そのものが「本物」ともいえるでしょう。 ATでは、食べ物・言語・文化といった異文化を通して自己変革が起こることがテーマとなります。 ですから自然や特産品そのものよりも、成り立ちや、それを生業にしている人の「思い」にフォーカスしています。 例えば農家さんの「美味しくしたい」という思いや、生産者さんのこだわり。 そういった「心」にまで触れられるような体験が、ATの醍醐味です」 お子さん連れツアーも江川さんとなら安心!アルトリ岬にて 日本が「観光立国」を掲げてきた背景には人口減少があり、外貨を取り込み消費を促すために、観光が重要な役割を担うとされています。 北海道も観光に力を注いできましたが、その結果、大勢の観光客が押し寄せ、地元の人たちが暮らしにくくなってしまう「観光公害」という問題も出てきました。 「来てほしいけれど荒らされるのは嫌!」 観光地の住民にとってとても大きな問題です。 ATにはそれを解消できる力がある、と江川さんは語ります。 江川さん「いくらお金を落としてもらっても、自然や地域が破壊されたらダメですよね。 従来の観光では、お客様と事業者の両者が満足することをよしとしています。 一方ATは「四方よし」と言われていて、 環境、地域の人、お客様、事業者 の四つ全てが満足することを理想としています。 つまり「くればくるほど豊かになる」というのがATの真髄なのです。 フィールドワークにはゴミ袋が必需品。「悲しい現実、でも皆で守りたい」と江川さん 実践の上で重要になるのは、地域の人の理解を得て、巻き込んでいくことです。 例えば農家さんや漁師さんが仕事に対する誇りを語るなど、そういった体験を通してお客様は満足しますし、地域の経済も潤います。さらにシビックプライド(住民が自分の暮らす地域に対する誇り)も上がるという、まさに「どこをとってもよくなるサイクル」というわけです。 地元でも知らない穴場がたくさん!伊達の牧場 ATが日本で本格的に盛り上がってくるまでには、まだ何年もかかるでしょう。 その頃私は、今のように現場に出ていないかもしれません。 ですから「自分が活躍するための現在」ではなく、私自身の役割はあくまでも「土台固め」だと思っています」 コロナ禍を経て、人々の価値観が変わろうとしつつあることを感じます。 十把一絡げ的な団体旅行よりも、個人のニーズと体験の質が重視されるATのような旅行を望む人は、今後ますます増えていくのではないでしょうか。 旅の面白さは、人との出会いにかかっている。 江川さんのように幅広い知識を持ち、人間性豊かなガイドがこの地にいるということは、地域全体にとって非常に頼もしいことだと思います。 2023年のサミットに向け、ますますアクティブに各地を飛び回りそうな江川さんですが、これから先のご活動は? 雪の残る有珠山頂にて 江川さん「もう私も孫のいる年ですし、未来の人間じゃないわけですよ。 でも未来の人間ではないけれど、 「なんかあのおばさん、楽しそうにやってるよね」 と後に続いて下さる方が出てきてくれたら嬉しいな、と思いながら活動しています。 「あの人が楽しそうにやっているから、私もやってみたい!」 という方がどんどん増えて、ガイドという仕事がひとつの職業として市民権を得るために、これからも動いていきたいです」 カフェタイム付きツアー名物、駄菓子カフェれん特製スイーツ!! 今回、いろんなお話を伺いました。 書ききれなかったですが、視覚障害の方々をガイドした時のエピソードも、とても印象に残っています。 (興味のある方は、ぜひブログをご覧になってみてください→ http://sotoasobu.blog.jp/archives/04166.html) 忘れられないのは、 「伝えると、伝わるは、違うんです」 とおっしゃった、その一言です。 真摯な眼差しから、江川さんがいかにお客様のことを考え、お一人お一人に合わせたガイドに心を砕いているか、ということが伝わってきました。 情熱とプロ魂に、参りました! 旅行で来られる方だけでなく、地元の方にもぜひ、江川さんのお話を聞き、一緒に大自然を味わっていただきたいです。 各種ツアーの詳細はホームページからご覧ください。 Sotoasobu(ソトアソブ) 代表:江川 理恵 事務所:北海道伊達市弄月町249-4 TEL:090-3892-3695 HP→ https://peraichi.com/landing_pages/view/caferoom/ 最新情報はSNSをご覧ください(^^) Facebook→ https://www.facebook.com/rie.egawa.94 Instagram→ https://www.instagram.com/sotoasobu/ 取得資格一覧: 北海道アウトドア優良認定ガイド 自然ガイド NEAL自然体験活動インストラクター 環境教育プログラム 各種エデュケーター 日本シェアリングネイチャー協会ネイチャーゲームリーダー 洞爺湖有珠火山マイスター 北海道知事登録旅行サービス手配業 登録番号 第173号 国内旅程管理主任者 全日本スキー連盟 スキー準指導員 日本テレマークスキー協会 公認指導員 CONE認定リスクマネジメント講師 ウェルダネス メディカルファーストエイド アソシエイツ インターナショナル認定 WAFAアドバンスレベル国際資格 (一社)日本WEBライティング協会 Webライティング能力検定2級 日本ホスピタリティ推進協会認定 アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネーター 洞爺湖有珠山ジオパーク オンラインツアー5/15 江川さんのガイドをオンラインで楽しんでみませんか。申し込み受付中です。 【地球から見る、日本の旅/第11回】 洞爺湖有珠山ジオパーク~はじまりは、崩れた有珠山から!?~ 2022年5月15日(日)20時~21時 参加料:1000円 (1か月間のアーカイブ見逃し配信あり) 詳細・予約はこちらから 有珠山頂にカフェがOPEN!! 今回訪れた有珠山ロープウェイの頂上に、4月よりカフェ「Mt.USUテラス」がオープンしました。 さらに広くなった展望デッキから見るパノラマが、本当に最高です!絶景を眺めながら美味しいドリンク&フードを楽しんでください。 オススメは、洞爺湖・伊達・壮瞥・豊浦の4市町でとれたフルーツ&野菜を使った「ジオの恵みスムージー」です! おしゃれなプライベート席もあり。ご家族やお友達とどうぞ。 営業情報はこちら→ http://usuzan.hokkaido.jp/ja/ 記事の内容は取材時の情報に基づいています。メニューなどは変更になることがあります(取材2022年)
むしゃなび編集部
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〜栄養と音楽で人生に彩りを〜
『ニュートリション&ミュージックルーム』 主宰 石岡祥子さんプロフィール ピアノ、ウクレレ、チャイルドコーチ 発達凸凹ちゃんレッスン オーソモレキュラー こども分子栄養学アドバイザー 中医学、自然、アロマ、ワイン好き HSS型HSP はじめて石岡祥子さんのプロフィールを拝見した時、正直「??」が飛び交いました。 自然、アロマ、ワイン好き…はともかく、音楽以外のお仕事が頭の中でつながらなかったからです。 この方は一体どんな方なのかしら…? そんな疑問を持ちながらも、顔いっぱいの笑顔にとても魅せられ、Instagramをフォローさせていただき、「いつか取材をさせていただきたい!」とチャンスを狙っていた筆者でした。 ということで、そのチャンス到来! 今回は『ニュートリション&ミュージックルーム』主宰 石岡祥子さんにお話を伺いました。 分子栄養学と音楽の関係のこと そこはグランドピアノが置かれた音楽教室でした。 いしおかミュージックルーム 「音楽業界でのお仕事は26年になります。ヤマハとローランドの講師資格を取得して、自宅教室を主宰しています。今でも室蘭教室はありますが、3年前に伊達市に移住してきたのです。」 早速、疑問を投げかけてみました。 「分子栄養学と音楽教室の関係が見えづらいのですが、具体的にどのような活動をされていらっしゃるのですか?」 すると祥子さんは、まるで音楽が流れるように話してくださいました。 「栄養学を学んだきっかけは、私自身の体調不良でした。不定愁訴もあり、常に体調がすぐれないことが悩みでした。そんな状況から抜け出したくて、7〜8年前から栄養学・漢方・中医学などを学び、食生活の改善や生活習慣の改善に取り組みました。その過程で出会ったのが分子栄養学でした。私自身初めて目にするものでしたが、ある方の講演を拝聴して強く感銘を受けたのです。 その後、トップ講師の方から分子栄養学を学ぶ機会を得て、分子栄養学アドバイザーの資格を取得したのが3年前のことでした。自分自身が分子栄養学に基づいて食生活の改善をした結果、みるみる体調が改善されていくのを実感しました。」 「なるほど…。活動の背景には祥子さんご自身の体験があったわけですね。でも、音楽との関連がいまひとつ見えて来ないのですが…。」 「26年間音楽教室をしていますと、3歳から習いにきてくださったお子様も成人します。とても長い期間のお付き合いになるわけです。ですから、幼児特有のイヤイヤ期やメソメソ期、思春期で不安定な時期なども時を一緒に過ごします。なかには発達がゆっくりめのお子様がいらしたり、とても繊細だったり、悩みを抱えていたり、そのような場面にも遭遇します。中には、それらが要因となって生きづらさを感じてしまうこともあるわけです。かつての私のように…。」 音楽教室といえども、20年以上も同じ時間を過ごされている中で、生徒さんの成長を音楽以外でも見守り、寄り添いながら、人間同士のお付き合いをされているということなのですね。 誰にも人生を謳歌してほしいという願いをこめて 「体だけでなく心の不調も、実は食生活改善によって大きく解消されます。体調がよくなるとパフォーマンスも上がることを知ったのは大きな収穫でした。本来、その人が発揮できるはずの力を支えているのは、毎日の食事と睡眠です。 分子栄養学的アプローチで、生活改善をすると日常のストレスも軽減されるということを、多くの方に知ってほしいと思っています。私がお伝えしていることは、私の心身で実証された実体験がベースです。そこに音楽をプラスすることで、人生をより楽しく謳歌してほしいと願って活動しています。」 「私の中では、音楽も食も人生をより豊かにするものだと思っています。決して音楽と食を融合しようとしているわけではありませんが、どちらも人生には不可欠なものだと思っています。誰でも皆、人生を楽しみたいですよね。ところが、お子様でも大人でも、様々な心身の悩みを抱えていたり、生きづらさを感じていたりする方は多いです。ですので、私は音楽と食の面から、人生を楽しむお手伝いをしたいのです。分子栄養学を学んで実践していただくことで、心身の不調の原因を推測できるようになり、ご自分の身体を整える方法を知ることができます。分子栄養学も音楽も、その方の人生に彩りを加えることができるものと信じています。」 ここまでお話を伺い、ストンと腑に落ちました。 ものすごく納得しました。 祥子さんのお話は、自らのお体で実証済みですし、科学的裏付けもあるのでとても説得力があります。 さまざまな講座を開講☆ どの企画も興味津々! これらは既に終了した企画ですが、次回開催に期待したいです。 ※画像はクリックで拡大表示できます そして・・・ なんと! 8月10日には「なつやすみこども分子栄養クッキング」教室が開催されます! 皆様に人生を楽しく謳歌してほしい! 生徒さん、お一人お一人に寄り添いながら、栄養と音楽の両方からサポートを続けている石岡祥子さんです。 ―『ニュートリション&ミュージックルーム』情報― 住所 伊達市南稀府町 電話 090-9080-5877 ◆「お子さまとママを幸せにする栄養のお話」 パーソナルセミナー 2時間以内 4,000円(テキスト付き) ◆「からだ」と「こころ」に必要な栄養のお話 パーソナルセミナー 2時間以内 4,000円(テキスト付き) ◆その他個別相談 1回1時間〜1時間半 3,000円 ホームページ http://ishiokapiano.music.coocan.jp/ LINE公式 lnktr.ee/ShokoIshioka Instagram https://instagram.com/musicroom_is?igshid=YmMyMTA2M2Y=
Rietty
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【あの人に会いに】自分で決めない [ 鈴木 昌樹子 さん / 豊浦 ]
むしゃなびエリア(胆振地区・虻田郡)にて 会いに行ってみてほしい ”人” にフォーカスする企画 【あの人に会いに】vol.8 今回は、豊浦町『Horsemade Landscape』の 鈴木 昌樹子(まきこ) さんです。 ニックネームで通称”たまきさん”と呼ばれているので 以下、 ”たまきさん” と表記させていただきます。 馬の鈴木さん 2021年に豊浦町に移住された鈴木夫妻。Horsemade Landscapeという屋号で、農耕馬と共に農業・林業を営んでいます。 鈴木さんは日本で二番目に多い苗字。この地域も例に漏れず、話の中で ”どの鈴木さん?” となるのはよくある話で、こちらの夫妻は ”馬の鈴木さん” と呼ばれています。犬や猫と違い、馬を飼っているということがとても珍しくなった現代。馬を飼っていると聞くと、ものすごく強い意志とエネルギーの持ち主だろうとイメージしてしまいませんか? たまきさんから出てきた言葉は、そんな私たちの勝手なイメージとは正反対のものでした。 「自分で決めない、ってことかな」 「全部自分で決めてないと思う。馬を飼ったことも、農業していることも」 「やりたくないこと・出来ないことは常にハッキリしていて。そういうのを避けてきたら、ここしかなかったというか」朗らかに笑いながら、これまでを振り返るたまきさん。 デスクワークはできない、環境に悪いことはしたくない……そうやって一つずつ嫌なことを避けてきたゆえの選択だったと言います。いわゆる『消去法』、しかし、実際は前向きで自然な流れだったようです。そんなたまきさんのストーリーを伺いました。 馬との出会いや暮らしについては、ここには収まらず……たまきさんの著書『馬と働く』を是非お読みください。(オンラインショップ、または洞爺湖町の本屋さんBACKWOODで販売中!)私たちが体験し得ない馬との距離感を見せてくれるエピソードの数々、するすると引き込まれてしまうたまきさんの文才を体感してみてください。 実は、東京のミュージシャン夫妻 まずはこちらをご覧ください。 鈴木家がゲストと共に奏でる、『野良と音楽』がとても素敵なのです。 『野良と音楽』 食べ物や道具、エネルギーなどなど、自給できるモノは出来る限り自分達の手で!という事で「娯楽の自給」も田舎暮らしにおける私たちのコンセプト。音楽の大好きな私たちは、農園と森 オシアンクルを訪れてくれた仲間と音楽するのが楽しみです。楽器やバンド経験なんて関係なし!野良仕事の後のビールと音楽は最高です。 今では農家イメージがバッチリついていますが、実は鈴木夫妻はお二人ともプロのミュージシャンです。 大阪生まれ、仙台育ちのたまきさん。子どもの頃からジュニアオーケストラでファゴットを吹き、ファゴット奏者となるために上京。東京で出会った旦那様もプロのパーカッショニストです。 ザ・ミュージシャンな完全に夜型の不摂生、都会の消費生活を送っていたと言います。 「雑誌『天然生活』をずっと憧れで読んでいて。棚に瓶詰の食品が並んでる写真がよくあるでしょ、あれ見て『私も瓶に何か入れたような暮らしをしたい……!』って泣きながら言ってた、って(旦那様に)今でもネタにして笑われてる」 今では『天然生活』をゆうに超えられるほどの瓶が並ぶ、鈴木家の台所。そんな時代があったなんて想像がつきません。 東京生活は派遣の仕事で生活を繋ぎながら、オーケストラの欠員を待つ日々。 「精神的にも経済的にもこれを続けていけないなって思ったときに、じゃあ元々好きだった料理を仕事にしようと思って」 「音楽は聴く人と聴かない人がいるけど、どんな人でもご飯は食べる!」 食の背景を知る Cafe Slowとの出会い 興味のあった日本食料理店で働き始めますが、お父様が癌で倒れてしまい、一時仙台に帰省することに。 「食事療法をしようと癌のことを調べて、そこで食のことに辿り着くんだよね。ある本で目にした、癌は国策病だという一文にショックを受けて。政治的なこととか、例えば自分で選択できない給食のこととか、いろんな因果関係を知って……」。自分たちが口にしてきた食物がどのように食卓まで届いているか、食の背景を知ることとなります。 その後たまきさんは東京に戻りますが、もう普通の食の世界には戻れないと感じ、自然食品店などで仕事を探していました。9.11のアメリカ同時多発テロ事件後の平和祈念イベントがきっかけとなり『Cafe Slow』を知り、そこで働けることになりました。Cafe Slowは、スロー=つながりでエコロジカルな暮らしを提案するオーガニックカフェです。 ~『Cafe Slow』 HPより抜粋~ ひとつのつながりの先には、さらにたくさんのつながりが広がっています。例えば、お米。一杯のお茶碗の向こう側には、それが育まれる田んぼや風土、歴史があり、長年にわたり田んぼを守り継いできた人の想いが込められています。 一方で、ファストフードのように画一的に大量生産される食べ物は、効率と便利さを追求することで成り立っています。今の社会の中では、効率と便利さと、つながりや想い、命を大切にすることはなかなか両立し得ない現状があります。 私たちは、「スロー」という言葉に、「つながりなおし」という想いを込めています。 「Cafe Slowで働き始めて、その世界、出会う人も本当に面白くて。ここから大きく軌道が変わっていった」 エコロジカルやオーガニックに関するイベントも多く、日々大量の情報を全身に浴び、思考や行動が急速に変わっていきました。 「買い物に行けなくなったりね。スーパーに行っても用が無い……くらい何も買えなくなったり(大量生産・大量消費の場で購入したいと思えるものがなくなった)」 地方移住、馬との出会いは偶然に 大きな影響を受けたCafe Slowでしたが、妊娠をきっかけに退職、出産を機に地方移住を考えるようになります。関西各地の移住先を探す旅を経て、行き着いた先は沖縄。さらに高知、そして北海道と移住を重ねました。 「高知は”田んぼ付き”のお家を見つけて、下見もせずに決めたの。毎回、もうここしかない、もう後がない、ってノリで行ってなんとかしようとするから……。そこで展開される学びに自分をどう沿わせていくか、みたいなことをずっとやってる気がする」 ”自分で決めない” 選択の数々、その先はいつも波乱万丈です。 鈴木家の初めての馬との出会いは、沖縄でした。 「1歳だった息子を「みちくさ牧場」という馬がメインの牧場のフリースクールに預けていて。そこが初めての”馬と一緒にいるっていいね”、という体験だった」 この体験から、”馬と暮らしたいな”、”馬がいたら機械を使わずに田んぼを耕せるな”、と考えるように。高知県四万十市に住んでいた頃、養老牧場で一頭の馬と出会います。 「オーナーから、この馬はまだ余生ではなくて、老人ホームにいるべき馬じゃないから、ぜひ連れて帰ってほしいと言われて」。その馬こそ、今も鈴木家と共に働き暮らす農耕馬、”花雪” でした。花雪の出生は、青森の天然記念物とされる尻屋崎の”寒立馬”。寒気と粗食に耐え、持久力に富む農用馬として重用されていた馬です。 そうして2017年の冬、鈴木家に馬がやって来ました。 「夜中にふと『もう戻れない』と不安になるときもあった」とたまきさんは言います。大きな動物と暮らすということは、大きな責任を背負うことになります。 しかし、現在ではさらに1頭増え、2頭の馬と共に暮らしているたまきさん。では、馬を飼って一番楽しかったことはなんでしょうか? 「子どもが馬に乗って走っているのを見る時!」 ”農家が一番幸せな職業”を目指して 全部自分で決めていなかったたまきさんですが、ひとつ、向かうところだけは決めていました。それは、『農家が一番幸せな職業になっている状態』。今もまだ道の途中だと言います。 高知県四万十市で9年暮らした後、北海道は豊浦町に移住を決めた鈴木家。現在は、『農園と森 オシアンクル』で、”Horsemade Landscape" :馬と協働して、命が循環する美しい風景をつくっています。 ”オシアンクル”は小説『静かな大地』(池澤夏樹著)に登場するアイヌの青年の名前です。この土地を、”所有している資源”ではなく、人として扱おうと名付けました。自然環境への負荷の少ない、持続可能な技術である馬耕や馬搬を用いることで、オシアンクルは傷つくことなく、のびのびと成長しています。 「何ここ~?!みたいな、びっくりするような農園をつくりたい。この土地に潜在しているポテンシャルをすべて活かせるような、全部の命が喜べるような農園」。田園の風景とのびのび暮らす動物たちは、既にその一角を担っています。 お知らせ①:”通りすがらない”直売所スタート! そんな平和な風景が見られる『オシアンクル』にて、7月から『farm stand』をスタートさせました。野菜の無人直売所です。 「農家は野菜を作るだけでは生きていけない。売れるように綺麗な写真を撮り、パッケージを考え、包装し……本当はその時間とエネルギーを畑、土に費やしたい。farm stand は、その”省力化”の試み。畑からとったままの状態で置いてあって、みんなが買いにきてくれる形。その省力化の分、オンラインとは値段が違います」 「高知に『良心市』というのがあって。置いてある野菜をとって、空き缶に決められた金額を入れていくという、良心で成り立つ場所」 そんな、とても無防備で爽やかな仕組みになぞらえて始まったfarm stand。基本的に無人販売なので、お気軽にお立ち寄りください。(社交的でフレンドリーな動物たちが店番しているかもしれません) ご用の際は畑やお家にお声がけくださいとのこと。葉付きの人参が欲しいとなれば畑からひいて来てくれる、本物の”ファームtoテーブル”がここにあります。 ”通りかからない、わざわざ行く直売” 、ぜひ足を運んでみてください。 現代人に足りていないものを感じられるかもしれません。 お知らせ②:新ビールの発売と記念イベント! ======================================== \新商品 馬耕米クラフトビール第二弾が登場/ 洞爺湖町の、酒と本と木のお店『BACKWOOD』と 『Horsemade Landscape』のコラボレーションによる オリジナルビールの第二弾、 【Japanese Pepper Lager】が9月から発売予定! 農家による、農家の為の、農家の季節と共に生まれたビール。第二段はピリッと山椒香るビール、ぜひお試しください! ======================================== \クラフトビール第二弾発売記念イベント/ 『畑のサモサとビールの会』 9/15(日)14:00~ | 参加費 2,500円 (Japanese pepper lager, ランチ、食後のお茶付き) 畑のでビールを飲みながらサモサを作って食べるイベント!新じゃがマチルダ、かぼちゃとドライマルベリーの2種のサモサ!畑のアウトドアキッチンで、乾杯しましょう! 【ご予約はインスタグラムDMにて↓】 ======================================== Horsemade Landscape 【農園と森 オシアンクル】 馬耕、馬搬。風景を作る人と馬の仕事 ▶ online shop 森のプライベートキャンプサイト、 本、馬耕で育てた米・野菜の販売など。
misaki
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有珠善光寺 2台の門前市 仲良く営業中♪~伊達みやげ研究所&morning owl Japan~
2006年 土日のみの営業で善光寺さんの門前市は始まりました。 「善光寺さんはもちろんのこと、伊達市の皆様のお力添えがあったからこそ門前市を始められました。」 当時を振り返り、そう語り始めたのは “伊達みやげ研究所”代表の赤塚文俊さんです。 その頃は仲間達と一緒に、木製の屋台を店舗にして門前市を開催されていたそうです。 けれども、店主たちの高齢化とともに屋台の老朽化も進み、一人抜け二人抜け、3年前からとうとう赤塚さんお一人になってしまいました。 ↑仲間とともに開催していた頃の様子です。 門前市を始めた頃の赤塚さんたちは、「伊達の文化財を活用して町の経済活性化を計りたい!」という強い想いのもと、週末の境内を賑わしていました。 お一人になった今でも、「観光振興の一助を担いたい!」という気持ちから、訪れた観光客にお勧め周辺スポットや善光寺・善光寺自然公園の見所などを語り、伊達の魅力の情報発信をしていると話していらっしゃいました。 「伊達は本当に素晴らしい資源がたくさんあるのです。」 このお話には筆者も激しく同意。 途中、取材だということを忘れてしまい語り合ってしまいました ^^; 対面販売の良さを大切にする赤塚さんの姿勢は、当然お客様にも伝わります。 「あ。おじさん居るかなあって思って来たのよ!」 取材中、登別からいらしたご夫婦が「鰐口もなか」を2箱買っていかれました。 「リピーターの方もいらっしゃり嬉しいです。」 心から頷いてしまう…。 ↑「鰐口もなか」は、地元有珠の老舗製菓店「日当製菓」さんが作っていらっしゃいます。 最中はもちろんですが、私は善光寺さんのお茶も強くおすすめします。 熱くしても冷やしても本当に美味しいのです。 お話をする中で何度も何度も赤塚さんの口から出たのは、「善光寺さんには本当に感謝しています。」という言葉でした。 そんな赤塚さんに、今後に向けての想いをお尋ねしました。 「自然・歴史・文化など、地域資源の保全も意識しながら伊達市の活性化をしたい!という想いを持つ、門前市の仲間を増やしたいです。」 控えめだけれど熱い心が伝わる言葉でした。 そして、その想いを繋ごうとしている若い門前市仲間が現れました。 “ morning owl Japan “さんです。 Japanとある通り、実はカナダのオタワに本店があります。 オーナーの西村ななさんは、札幌出身喜茂別在住。 オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・アイルランドと、海外にトータル7年間住んでいらっしゃいました。 3年前に移動販売車でのカフェを始め、冬はニセコのヒラフ坂に常駐していらっしゃるのだそうです。 morning owl Japanを始めた時の想いを語ってくださいました。 それは、やはり豊富な海外経験から。 「向こうでは、キッチンカーが当たり前にあるのです。その文化を北海道にも根付かせたかったのです。」 そんな強い想いから、なんの躊躇いもなく一気にこの世界に飛び込んだのだそうです。 出店を断られることも多く、場所探しには苦労なさっているようですが、めげている様子は見せません。 「珈琲には特に力を入れています。こちらのエスプレッソマシーンは実は車より高いのですよ。」 ↑こちらのエスプレッソマシーンを載せているキッチンカーは他にはないとか。 珈琲豆は、札幌平岸のAce Coffee Roaster さんの浅煎り豆で、morning owl Japanオリジナルブレンドを作ってもらっているそうです。浅煎りなので豆の味がよくわかり、すっきりと美味しいです。 ↑ドリンクメニューがとっても豊富です。 要所要所に強いこだわりがあってほんと素敵♡ 常に筆者を真っ直ぐに見つめながらにこやかに話してくださる西村ななさん。 その目には、未来がはっきりと映っていると感じました。 「この店を通して、” 私もやってみたい “という方が意外と多いことを知りました。まだまだ認知度が低いキッチンカーですが、コロナ禍でも密にならないという利点もあります。共に北海道にキッチンカー文化を定着させられたら嬉しいです。」 ななさんは、最後にそう語ってくださいました。 ―善光寺門前市情報― 場所 有珠善光寺境内(伊達市有珠町124) 「伊達みやげ研究所」 冬季以外はほぼ毎日営業 代表 赤塚文俊 電話 090-9751-9065「morning owl Japan」 ひと月に週末のみ4回位営業 冬季は@ニセコ 代表 西村なな 詳細はQRコードを読み取りInstagramをご参照ください。 ※ 記事の内容は取材時の情報に基づいています。営業日等、変更になる場合があります(取材2021年)
Rietty
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