心の伊達市民 第一号

東京モダン建築さんぽ(8・最終回)・・・新宿

【新宿伊勢丹】★
新宿は私がここへ越してく前は、「都心と言えば、新宿」だった。
地元ではあまり洒落たものが売っていないので、そんな時は新宿伊勢丹に行ったものだ。だから現役時代は伊勢丹には相当な金額を落としていると思う。

伊勢丹に行く時はいつも自家用車で、横にある専用駐車場に車を停めた。
久し振りに伊勢丹を取材することになり、なんだかわくわくして来た。

本には載っていないが、私が推薦するビルも併せて(★印)紹介する。


 「伊勢丹ビル」(新宿)



資料によると『神田の呉服店として創業した「伊勢丹」が、新宿へ進出したのは「ほてい屋」や「三越」などの百貨店が出揃った後であった。1933年に開店した「伊勢丹新宿店」は「ほてい屋」の隣接地に建設された。・・・』

「ほてい屋」の買収後に建物は一体化し、戦災による焼失も免れて、いまなお新宿3丁目の角に威容を誇っている。伊勢丹のデザインは恐らく1920年代前半からニューヨークで出現した高層ビルにアールデコやモダンゴシック風デザインが多く取り入れられているのを参考にしたと思われる。・・・』

『設計はゼネコンの技師・八木憲一である。伊勢丹は荻窪、吉祥寺といった東京西郊の新しい住宅地の消費者をターゲットとし、既存百貨店と差別化を図った』。


正面上部の装飾(伊勢丹)



いまでは欲しいものも無くなり、あまり買い物をしなくなった。
でも現役の時は「買い物と言えば、新宿伊勢丹」だった。
その頃はあまり考えていなかったのだが、「株主になれば良かった」と今頃になって思っている。商品も「伊勢丹は若者、三越は高齢者」のような役割があったように思う。

それが時代が変り、伊勢丹と三越が合併してしまった。
ここへ越して来て「三越伊勢丹HD」の株主になったが、その頃にはもう私は買い物もしなくなっていた。


 歴史を感じる装飾(伊勢丹)



【安与ビル】
新宿へ行くとこのビルの前を歩いていたが、全く気が付かなかった。
資料によると『鉄筋コンクリートの地上9階、地下2階の建築である。ビルの設計はフランク・ロイド・ライトの研究家で、新宿区役所や東口の映画館(新宿武蔵野館)も手掛けた「明石 信道」である。・・・』

『堅格子状ルーパーを付けた八角形平面を各階で角度を変えて積層させる、特異ながら品のある外観意匠である。内装は残月亭写し始め、同ビルの6~9階の「京懐石 柿傳」では、「谷口 吉郎」による数寄屋造りの茶室や客席がいまも使われている』とある。


 「安与ビル」(新宿駅東口)



見た目は9階建てのビルの各階が、今にも回転しそうに見える不思議な設計である。
1階の入口から中に入ってみた。そこには受付も無く、「柿傳」の資料が置いてあった。階段の横の壁に、額入りの書のようなものが飾ってあるのが見えた。

近寄って読んでみたら、『父 安田 与一に このビルをささぐ 善一』と書いてあった。親孝行な息子が父に贈ったビルのようだ。だから「安与ビル」なのだと分かった。
階段で地下に行くとギャラリーがあるようだが、この時は閉鎖中だった。


「安与ビル」の1階



【住友ビル】★
資料によると『淀橋浄水場跡地に開発された西新宿高層ビル街の草分け的存在で、完成当時日本一の高さを誇り、オフィスだけではなく、飲食物販・スポーツ・カルチャーなど複合商業ビルとして企画されたことが画期的だった。・・・』

『また、新宿住友ビルは日本の高層ビルでは初めて200mの高さを超えたビルであり、この新宿住友ビルを皮切りに、以降、新宿を始め、東京各地に200m級の高層ビルが建つようになった。・・・』

『建物の老朽化に伴い、2017年から大規模改修に入り、2020年6月から改修によって1階広場部分に屋根が付き、整備された施設店舗が順次開業した』とある。
この工事は例えて言うなら、従来のビルにスカートをはかせたような感じである。


 「新宿住友ビル」



このビルには思い出がある。ビルは1974年3月に竣工したが、それと同時に私が現役時代の取引先が入居した。しばらく後にその会社に行ったら、部長が私に言った。

部長『床屋に行かないか?』
私 『えー!床屋ですか? なぜですか?』
部長『3階にある床屋は技術者がみな若い女性で、しかもミニスカートなんだ』
・・・というわけで、なんだか良く分からないままに、部長と一緒にその床屋に行った。

その後、取引先は神田に移転し、床屋も閉鎖となり有楽町の本店と統合された。
そしていま私はその有楽町の床屋に通っているのである。でも技術者も高齢化して、ロングスカートである。


1階の飲食街(新宿住友ビル)

記事の問題について編集部に報告

コメント

  1. 伊勢丹(Y)

    伊勢丹(Y)

    返信

    伊勢丹には良い思い出がある。お見合いをした女性が勤めていた。今は亡き妻となった女性である。お見合いの場所も「伊勢丹会館」というレストランであった。仕事の合間をぬって度々迎えにいった。よくそんな時間が取れたれたものだと今でも不思議である。同じ名前(Y)なので兄と言って呼び出してもらったのも懐かしい。あれから58年。天国で待っていてくれるだろうか?

コメントを書く

伊達季節移住のススメ

心の伊達市民 第一号

北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

詳しくはこちら
ジャンル
娯楽・趣味
アクセス総数
1,512,754回

伊達季節移住のススメ

心の伊達市民 第一号

北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

詳しくはこちら
ジャンル
娯楽・趣味
アクセス総数
1,512,754回
Tag

ハッシュタグ

「むしゃなび」はこちらの皆様に支援して頂いています

  • 大高酵素
  • 住まいのウチイケ
Popular Post

人気の記事

Event

イベント

ただいま準備中です。

イベントの一覧はこちら

「観光・体験」カテゴリーのおすすめ記事

観光・体験に関する

特集記事

特集記事の一覧はこちら