■奥京都の旅(1)・・・・いい日、旅立ち
(2018年02月05日) マンションの友人達と1ヶ月に1度のカラオケをやった。
その時に私が歌ったのは谷村新司の作詞で、今は伝説の歌手となった山口百恵が歌って大ヒットした「いい日 旅立ち」だった。
この歌はJR(当時は国鉄)の旅行誘致キャンペーンの為に作られた歌だった。
東京駅八重洲口のJR高速バス乗り場
その歌詞は・・・・。
「雪解け間近の 北の空に向かい 過ぎ去りし日々の 夢を叫ぶとき
帰らぬ人たち 熱い胸をよぎる せめて今日から1人きり 旅に出る
ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる
いい日 旅立ち 夕焼けを探しに 母の背中で聞いた歌を 道連れ
に」
谷村新司はいい歌を作るなー。
右側が私達が乗ったプレミアムシート・バス。
なぜ私がこの歌を歌ったかというと、その前日に同じくマンションに住むMさんから旅行に誘われたからだ。Mさんはいつも急に私を誘う。暇人と思われているのだろう。でも事実、暇人なのである。
旅行は3泊4日で、目的地は奥京都だと言った。
いつものように、詳しくは分からない。
3日後に「希望の旅館が取れないから、止めにしよう」と言って来た。
高速道路のパーキングエリアで夜中の3時45分にトイレ休憩。
アナウンスが「人数確認はしないで出発しますから、遅れないように」と放送した。
どうせそんなことになるだろうと思っていたので、あまりガッカリはしなかった。ところが計画していた1月29日の2日前に、「旅館にキャンセルが出たので行こう」と連絡があった。
そして最初の目的地は、京都府の日本海側にある伊根町の舟屋だと分かった。もう1ヵ所は京都の奥座敷の美山地区である。
JR京都駅には午前5時20分に到着した。
この両方の名前を知っている人は、かなりの旅の達人である。
私はどちらも初めてである。特に雪の中の旅は、写真撮影が趣味の私には楽しみだった。
・・・・というわけで、29日(月)の午後10時10分の東京駅発の深夜バスで京都に向かった。
新幹線を希望の私にMさんは「早朝から行動する為に、新幹線では列車が無い」と言う。連れて行ってもらうのだから、文句は言えない。
うどん製造工場で天婦羅うどんを食べた。
ビニールカーテンだけの場所なので、とても寒い。
私達が予約した夜行バスはプレミアム・シートで、1階席にたった3席しかない。シートはフルフラットになり、カーテンで仕切られて個室状態となる。料金は新幹線より3000円安いだけだから、Mさんの言った「1回は乗ってみたかった」というのもあながち嘘ではなかった。
でも道路を走るので、バスの車輪の振動が響いて私は良く眠れなかった。京都駅には午前5時20分に到着した。
使っている水だけは神聖な水のようだ。
こんなに早い時間に到着すると、どこの店の開いていない。
そして寒い。
Mさんは聖護院近くの「うどん屋」での朝食を考えていて、タクシーで「早起き亭うどん」に向かう。
着いたところはうどん工場で、駐車場の一角をビニールカーテンで仕切り、出来立てうどんを提供している。天婦羅うどんが500円のバカ安で、寒かったせいか、とても美味しかった。
海老の天婦羅とカマボコが入って500円は安い。
でも京都うどんは讃岐うどんと違って、麺が柔らかいのが難点だ。
(おまけの話)
京都から先の旅はレンタカーを予定している。
私は免許を返納しているので、Mさんが運転する。
うどんを食べても、まだレンタカー屋に行くには時間が早過ぎる。
そこで歩いて10分ほどの距離にある、平安神宮を見に行く。
Mさんは準備万端で、「平安神宮は午前6時30分に開門する」と調べてある。これが後に大変な問題となるが、その話は2日目以降に・・・・。
平安神宮の朝。誰もいない。昼間は中国人観光客で溢れるそうだ。
平安神宮は全くの静寂に包まれていた。誰もいない。
思いっ切り深呼吸をしたら、更に体が冷えて寒くなった。
そこへ地元民らしきおっさんがやって来て、我々に声を掛けて来た。
そこで我々も時間があるので、色々な話をした。
おっさんは「京都の寺は拝観料で儲かっているのに、また値上げをした」と怒っている。
竹箒で掃いた砂模様が美しかった。観光客が来れば、これも消えてしまう運命だ。
更に「金閣寺などは拝観料に税金を掛けられると知り、チケットの半券にお守り札と印刷して税金逃れを画策している」とえらく怒っていた。
我々も「私達は富岡八幡宮の近くから来た。 先日の殺人事件も、結局は金の問題だ」と説明した。
こんな神聖な場所で、朝から変な話になってしまった。
午前7時30分になったので、タクシーを呼び止めてレンタカーの店に向かった。
京都から宮津方面に向かう高速道路。