■招き猫の発祥の地
(2015年5月04日) 正月やゴールデンウィークのような長い休日は、引退オヤジには苦痛の日々である。 「休日は勤労者の為にある」と私は決めているので、勤労しない私は勤労者に迷惑をかけないように、基本的には家から出ない。
小田急線に久し振りに乗った。
しかし我が家には勤労者の娘がいるので、たまには付き合いで家を出る。今回は希望を聞き入れて「招き猫の発祥の地」と言われている、世田谷の「豪徳寺」に行って来た。
大江戸線で新宿に出て、そこから小田急線に乗り換えて豪徳寺駅で降りた。
豪徳寺駅前商店街は、招き猫で町興し。
ここは都心からそう遠くもないのに、駅前は田舎の町のようだ。
寂しい商店街とも言えないような細い道を、線路に沿って進む。
招き猫で町興しをしているのか、猫のマークの旗が風に吹かれている。
豪徳寺の境内は新緑が美しい。
商店街を抜けて住宅街に入る。 新しい小さな一戸建ての家が続く。
連休の日なので、住民は庭に出て庭木の手入れをしている。
猫の額ほどの大事な庭を見ると、「小さな幸せ、大きなローン」という言葉が浮かんだ。
社務所では各種の招き猫を販売している。
10分ほどで豪徳寺に到着した。
やはりだったが、寺には大勢の観光客が来ていた。
この寺のことは私は良く知らなかったが、猫が殿様を救ったとかいう逸話が残っていて、それで招き猫を祀っているらしい。
奉納場所には外国人も写真を撮りに来ている。
寺の奥に招き猫が大量に奉納されている場所があるが、それを見るのが今回の目的だった。悩み事がある人は社務所で招き猫を買い求め、願いが叶うとそれを奉納する。
奉納された招き猫の数を見ると、いかに願いが叶った人が多いのか分かる。
境内の三重の塔に彫られた招き猫。
寺の中央にある三重の塔にも招き猫が彫られているのが見えた。
寺の各所に植えられた牡丹の花が最盛期を迎えている。
新緑も美しい。
この寺は招き猫のお陰で豊かなようだが、商店街はあまり恩恵を受けていないように感じた。でも、今日は来て良かった。
大小、様々な招き猫が奉納されている。
(おまけの話)
豪徳寺の帰りにランチの為に下北沢に出た。下北沢には思い出がある。
ずいぶんと昔の話だが、それは亡くなった母の思い出だ。
話は飛ぶが、下北沢には本多劇場という古い劇場があり、今も残っている。 ある時、親孝行をしたいと思い、山の手育ちの母になぜか大衆演劇を見せようと思った。
本多劇場は懐かしい姿で、今も営業していた。
まだ梅沢富美男がメジャーになる前で、女装で踊る日本舞踊もどきがその後、評判となり「下町の玉三郎」と呼ばれるようになった。
ショーは3部からなり、芝居に続き、梅沢富美男の踊りがあり、最後は歌謡ショーである。和装で踊るそのあまりの美しさに驚いた。素顔と化粧の落差が凄過ぎるのである。
舞台に上がり、1万円札のレイを首にかけるファン、大量のおひねりが舞台に乱れ飛ぶ。
弥勒菩薩?の周りにも招き猫。
品の良い舞台しか知らなかった母は、現金が飛び交うのを見て驚くと同時に喜んでくれた。私は色々な親孝行をしたが、これが母への生涯で一番の親孝行だったようだ。
三重の塔の前の牡丹の花が美しい。