■有るが無い、無いが有る。
(2015年5月29日) 世の中というのは複雑なもので、「有るのに無い」ことにしていたり、「無いのに有る」ことにしていたりと、誰でも知っているのにそうするのが大人の態度となっていることが多くある。
その代表的なものはアメリカの人種差別である。
「本当かなー?」と思わせる広告を良く見かけるが・・・。
本当にインドにはボケ老人はいないのか?
最近でも黒人に対する白人警官の暴行や、殺人がニュースになっている。私がニューヨークにいた51年前はかなり酷かったが、それが今になっても解決していない。
その割にはアメリカ人は「人種差別は無いし、してはいけない」と声を大にして言う。これなど、「有るのに無い」ことにしている典型例だろう。
日本のお化けは可愛い。
歴史問題では中国の言う「南京大虐殺事件」などは無かったのに、有ったことにされている。当時の南京の人口が20万人だったのに、中国は「日本兵は30万人を虐殺した」と言っている。
いわゆる慰安婦問題でも、韓国は朝日新聞の記事に騙されて「慰安婦の強制連行があった」と言っている。
UFOはアメリカ・ニューメキシコ州にロズウェルによく現れる。
そんな醜い争いとは程遠い話だが、宇宙人とUFOの話である。
常識的な人は「宇宙人は居ない」と思っているのに、「居る」と言い張る専門家がテレビに出ている。でも、UFOは有ると私も思っている。
私はカナダのトロントからオタワに友人の車で向っていた時に、確かにこの目でUFOを見た。その時は私が車を運転していて、家族は後部座席で寝ていたので、証人がいないのが残念である。
幽霊とお化けは少し違う(幽霊は人間、お化けは人間以外の化け物)
では、お化けはどうか? 幽霊はどうか? 火の玉は?これらは「有りそうで無い」と思う。私の女房はスイスの古いホテルで「幽霊を見た」と言っているが、私は寝ていて見なかった。
新橋の芸者達の1年に一度の日本舞踊の発表会。
(こちらは正真正銘の女性だけ)
「有るのに使わない」というのもある。歌舞伎がそうだ。
世の中には女性が居るのに、歌舞伎では男が女形をやる。
これは江戸幕府が歌舞伎役者に女性を使うことを禁じたことから始まったらしい。でも、ジジイの役者が厚化粧で女形を演じているのを見るのは辛い。
お化けのような年寄りの女形は私は好きになれない。
一方、宝塚歌劇団でも同じで、全団員が女性なので男役を女性が演じる。私は若い頃に一度だけ見たことがあるが、何が面白いのか分からなかった。
今でも日比谷の宝塚劇場の前ではショーが終り、帰って行くスターをひと目見ようと大勢のファンが行儀良く列を作って待ち構えている。
世の中は複雑だなー。
宝塚の7月公演。熱烈なファンは多い。
(おまけの話)
話は変るが、人形浄瑠璃の話である。
人形を操る人形師は、黒装束で頭から黒の頭巾を被っている。
見物客はこれを黒子として感じているので、「居るのに、居ないことになっている」という不思議な空間である。
これが外国人には分からない。
人形浄瑠璃は「黒子は存在していない」ということになっている。
外国の人形劇である「マリオネット」は、なるべく糸を細くして見え難くするが、人形師は見えるようになっている。それは人形師が「そこに居るから」である。 ここが西洋と日本の違いである。
今回のテーマに一番似合うのは「お金」ではないかと思う。「お金の有る人は無い」と言い、「お金の無い人はある振り」をする。
人形浄瑠璃
見栄を張って、お金が無いのに有る振りをするから、色々と問題が起きて来る。お金があっても、それを見せびらかすような成金は事件に巻き込まれる。
死ぬまでお金と縁は切れないのだから、これが人生で一番厄介なことなのである。
マリオネットは人形師は居ることになっている。