■コロナ下の株主総会
数年前のことだが、ここに越して来てから知り合った女房の友人から耳寄りな情報があった。「三越デパートの株主になると、買い物がなんでも10%引きになる」。
その話を友人から聞いた女房は私にそのことを告げ、「三越デパートには良く行くから、株主になってくれない」と言った。
「ゆりかもめ」から見る「台場駅」
そこで株価などの情報を調べた。
その時の株価は1200円より少し高いくらいだったので、1200円の指値で注文を出した。丁度1200円で1000株の購入なので、「NISA」を利用出来る非課税の120万円以内になる。
この制度を利用して三越デパートの株主になると、買い物は10%引き、売却益と配当は非課税、そして株主総会に行くとお土産までくれるのであるから、「こんな美味い話は無い」とその時は思った。
お台場に立つ「自由の女神」と「レインボーブリッジ」
その後、株価は色々あったが、最近は新型コロナウィルスのせいでインバウンドと称する外国人観光客の来日が途絶え、売り上げ激減、株価は現時点では買値の半分くらいに落ちて行ってしまった。
そして今年の株主総会の時期がやって来て、案内状が届いた。
そこには次のようなことが書かれていたのである。
株主総会の会場の「グランド・ニッコー東京」
「新型コロナウィルスの感染予防の観点から、本株主総会につきましては、書面またはインターネットによる事前の議決権行使をいただき、株主様の健康状態にかかわらず、
当日のご来場をお控えいただくよう強くお願い申し上げます」。また「本年より株主総会のお土産のご用意はございません」とあった。
白のアジサイは今が見頃だった。
しかし私は株主総会の会場が我が家から近いお台場なので、「コロナ下の株主総会はどんなものか?」と思い興味本位で出掛けて行った。
「ゆりかも」を「台場駅」で降りると、目の前が株主総会会場のホテル「グランドニッコー東京」である。
入り口では仰々しく、大勢の男女の社員が出迎えてくれた。
体温を測定し、手に消毒液を吹きかける。そして冷えたペットボトル入りの水をくれる。
大輪の白のアジサイは見ごたえがあるが、華やかさに欠ける。
会場はかなり広いが、椅子が前後左右に1.2メートル間隔で置かれている。会社側の人も含め、出席者全員にマスク着用を求められる。
自分の座る椅子の背に貼られた番号を剥がして、首から掛けた参加者票の裏に貼る。
もしコロナ感染者が発生したら、どこに誰が座っていたかが分かるようにしているらしい。会場を見渡すと空席が目立つが、それでも100人くらいの株主が出席していた。
アジサイに囲まれた階段を降りる。
定刻の10時になり、株主総会が始まった。
ひな壇にはコロナ対策として、会長以下7人の取締役と監査役が並んでいる。決算報告が終り、質問の時間となり、議長より「1人1問だけ」と宣言された。
しかし議長も質問者もマスク着用で話すので、なにを言っているのか良く分らなかった。
11時20分に議案が賛成多数で決議されて総会は終了となったが、旧態依然とした株主総会で面白みに欠け、少しはIT企業の株主総会を勉強した方が良いのでは?と感じたのであった。
少し緑がかったアジサイもある。
(おまけの話)
株主総会はあっけなく終ったので、次に予定していたアジサイの撮影に向かった。
お台場から東京ビッグサイトへ向かう途中と、青海の海岸沿いに素晴らしいアジサイの花が咲いているのを私は知っている。
丁度、いまの時期が真っ盛りではないかと思い、ダイバーシティの裏を通り東京ビッグサイトへ向かった。
ブルーのアジサイは見頃が過ぎて、枯れているものもある。
前週から東京は気温がグングンと上がり続け、この日は33度になった。
本当は「アジサイは、雨が似合う」のだが、真夏のような太陽では趣に欠ける。歩いていると、久し振りに背中に流れる汗を感じた。
あれはベトナムで過ごした夏のことで、バイクを持っていない私はホテルから学校へ徒歩で往復し、エレベーターが無いので3階の教室まで何回も上って行った。そして3ヵ月で、10キロも痩せたのを思い出した。
白色より、ブルーのアジサイの方が華やかに感じる。
今年のアジサイは昨年より咲くのが早かったようだ。
ここは白のアジサイが多く、しかも大量に植えてある。
少し先にはブルーのアジサイがあったが、こちらは見頃を過ぎていた。
でも良かったことは、こんなに綺麗なアジサイなのに、殆ど人が来ていない。だから写真に人物が入らないアジサイを十分に撮影できた。
山アジサイは色々な種類があるようで、華やかである。