心の伊達市民 第一号
現役の時は忙しかったので、あまり本を読まなかった。
それが引退したら時間が余るほどあるようになり、本を読むのが好きになった。
いつも有楽町駅前の「三省堂」に買いに行っていたが、読み終った本が邪魔で、ある時から図書館で借りるようになった。
買っても借りても、中身は一緒だった。それは当り前のことだが、私は昔からなんでも「中古」が好きになれなかったのである。
でも今は倹約生活となり、借りるのはなんとも思わなくなった。
もうロシアとウクライナの戦争が日常になってしまったのか、TVニュースでもあまり取り上げなくなった。私は戦中派なので少しだけ戦争の記憶があるから、ウクライナのことが気になっている。
そこで本で読んだり、YOUTUBEで状況を確認している。この結末がどうなるのか?
私には全く分からないが、早く終って欲しいとだけは思っている。
外国に住む日本人が発信するその国からの情報は、日本のニュースと違うことが多々ある。それを本で読み、「そうだったのかー」と思うのだが、その時はもう遅い。
日本へ来る外国人が発信する日本情報も、同じように「変な情報」かもしれないなー。
表面的なものと中身が違うのは、私自身のことにも言えるかもしれない。
私が初めて中国を訪問したのは、今から50年くらい前だと思う。
当時の中国は貧しく、その頃には今のような中国になるとは想像も出来なかった。
中国は国土が広い上に、人口も多い。そうなれば色々な人がいるはずだ。
それを共産主義で一様に抑え込むことが、いつまで出来るだろうか?
最近のことだが、中国で「スパイ罪」で逮捕される日本人が増えている。
中国人でさえ、共産党を批判すると逮捕される。
2019年12月に「武漢で原因不明の肺炎が広がっている」とソーシャルメディアでいち早く警鐘を鳴らし警察から処分された医師が自らも新型コロナウィルスに感染して亡くなったことから、世界中に感染が広がった。
中国が正しい情報を出していたら、もう少しなんとかなったのではと思う。
自由に発言できる日本人でいることが、「ありがたい」と思う。
最近の日本では外国人の犯罪で一番多いのがベトナム人だそうだ。
私はベトナムに少し関係しているので、非常に心を痛めている。
北関東には実習生や留学生で日本に来た男女が、勤務先から逃げたりして溜り場になっている町があるそうだ。
不法滞在であるから、生活の為に情報交換が必要だし、仕事を紹介するボスも出て来る。そんな話が盛りだくさんの「北関東移民 アンダーグラウンド」を読んで、私の知らない世界を知った。
2022年10月時点で日本には、外国人技能実習生は343,254人もいるそうだ。
多くがベトナム人だが、現在の制度では「勤務先を変えることが出来ない」ことが逃亡に繋がっている。雇用主の中には、かなり程度の悪い経営者もいるようだ。
多くのベトナム人は日本に来る前に、100万円前後の借金をしている。私の関係している会社は日本語学校を併設していて、ある程度の日本語能力の男女を送り出している。だが、中には「日本語教育をしないで送り出す」、受け入れ側も「日本語不要」というところもあり、これが逃亡や犯罪を誘発している。
近い内に政府は「勤務先の変更可能」、「在住期間の長期化」、「家族同伴可」の制度に改めるようである。そうなれば、外国人労働者も逃亡しなくなるだろう。
(おまけの話)
【ジャンケン文明論】
韓国の学者「李 御寧」が書いた「ジャンケン文明論」という本を借りて来て読んだ。
ジャンケンのことだけで、255ページにもわたって書かれた変な本である。
本によると、ジャンケンというのは欧米ではあまりやらないようで、これは東アジアの文化のようだ。
欧米では白黒をつける時は、コインを投げて裏表で勝負するコイントスが普通である。
コイントスでは道具として、コインが必要である。投げる順番には先でも後でも、どちらが有利か関係無い。
日本ではジャンケンで決める。コイントスと決定的に違うのは「あいこ」があることである。だから大勢でジャンケンをしたら、「あいこ」ばかりで全く勝負にならない。
コイントスは「あいこ」が無いから、必ず勝負がつく。
ジャンケンでは後から出せば有利だが、それは卑怯だから禁止である。
コイントスは1人でも出来るが、ジャンケンは道具は必要ないが相手がいないと出来ない。
本の中では日本文化の特色として、ジャンケンの道具である「手」を挙げている。
手に関する単語として、「手紙」、「手本」、「手の内」、「苦手」、「手心」、「手加減」、「手を切る」、「手を焼く」、「手際が良い」、「手に負えない」、「話し手」、「聞き手」、手を使ってはいけないスポーツでも「選手」などキリがない。
またジャンケンとコイントスデでの勝敗が、酒席では大きく違う。
日本は仲間同士で酒を注ぐが、その時に盛り上がるとジャンケンで負けると酒を飲まされる。普通は勝つと権利があるが、酒席では逆である。
だから酒飲みは、負けると顔には出さないが喜ぶ。
このような話を文化的な背景を交えて、学問的に解説していてとても面白かった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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