私のマンションで作っている「デジカメクラブ」のメンバーのS子さんが、全日本モノクロ写真展で入選した。そこでメンバーみんなで、その写真を見に行くことにした。
写真展の会場はミッドタウン六本木の「富士フィルム・フォトサロン」である。

私はその日は床屋に行くことになっていたので、みんなとは別に行くことにした。
私は以前にここに来て、ギャラリートークに参加したばかりだからよく知っている。


ミッドタウン東京(六本木)



待ち合わせ時間には早かったので、館内をブラブラした。
地下一階にあるアート作品は、大理石で出来た大きなものだ。
作品名は「意心帰」で、作者は「安田 侃」である。作品のことを調べてみたら次のように書いてあった。

『数十億年という時を経て作られた大理石は、この地球の一部です。その白い石「意心帰」を地下に戻しました。石に彫られた穴に身を沈めると地球の一部になり、静かな太古の声なき声が石から聞こえてきます。地上より太陽の光が差し込む時、その石は初めて光を視るように白い石の粒子は美しく息づきます。「意心帰」と地上の「妙夢」が共鳴し、空間全体が優しいヒューマンな場になることを願っています』。
なんだか分かったような分からなかったような、難解な作品説明だった。


 作品名「意心帰」



まだ時間があるので奥に進み、芝生広場に向かった。
途中の右手に和菓子屋の「虎屋」があったが、そこのメニューにあった「氷宇治金時」が1650円は驚いた。
芝生広場にあるアートの作品名は「フラグメントNo.5」で、作者は「フロリアン・クラール」である。

作品の説明は「月のパビリオンをテーマに、11個の基本パーツを組み合わせて制作されています。周囲の風景とは異なる、非日常的な空間を体験してもらえる作品です。この作品が長い年月を経て、周囲の環境の一部になり、自然の洞窟か未知の希少生物の化石のようになることを願っています』。これなら私にも分かる。


 作品名「フラグメントNo.5」



時間になったので、会場へ行った。
ところが前夜に私をタクシーで行こうと誘ったXさんが来ていない。
私 『Xさんはどうしたの?』
Y  『彼は今日は自宅に介護士が来る日だったのを、忘れていたので来られない』

最近のXさんはとても忘れっぽい。
いずれ私も通る道かもしれないので、怒る気になれなかった。先日も私が彼の自宅へ行ってパソコンを教えたのだが、昨日の電話でも『パソコンはどう?』と聞いたら、『なんだっけ?』と言っていた。 


 日本モノクロ写真展の入選作品



S子さんの入選作の前に集まり、撮影場所や日時を聞いた。
この作品は雪の降っている夜に、お茶の水の端の下を背景に、地下鉄「丸ノ内線」の最終電車を撮っているそうだ。
やはり素晴らしい写真は「その時、そこに居る」のが、必須の条件のようだ。

彼女は入会時に初めて買った初心者向けの一眼レフカメラを持って来て、教えて欲しいと言っていた。それが今ではメンバーの中で、一番上手になっている。
彼女の写真は早朝と夜間が多いが、その時間に家にいないのだから家族がとても理解がありそうだ。


S子さんの入選作「最終電車」



写真展の後に、みんなでランチとなったが、この時間帯で5人が一緒に入れる店は少ない。すぐ近くにある店が入れるので、好みに関係なく店に入った。
店の名は「Pain」で、ランチは「クロワッサン・サンド」、「トマトスープ」、「野菜サラダ」、「コーヒー」だった。おやつみたいな食事だった。

食後に出て来たコーヒーは、真っ赤な丼に入って出て来た。取っ手が無いので飲み難い。家に帰って女房にその話をしたら、『Painはフランス語のパンで、コーヒーの出し方はフランス式よ』と教えられた。


 「Pain」のランチ(1480円)



食後はみんなと別れて、私は1人で国立新美術館に行くことにした。
富士フィルム・フォトサロンから、歩いて数分の距離である。
特に見たいものがあるのではなく、久しぶりなので「なにかあるのでは?」と思っただけである。

途中の右側は、お洒落な高そうな飲食店が続く。突然、派手なネオンサインが現れた。
道路際から少し引っ込んでいる。手前は何に使うんだろう?
もしかしたら「ネオン屋」かもしれないが、確認は出来なかった。


 派手なネオンが目立つ店



国立新美術館の入口に向かうと、左側に大きな風船の「金魚」のようなものが置いてあった。「なんだろう?」と思い近づくと、これはアート作品で作品名は「金魚の大冒険」と書いてあった。作者は「田名 網」で、ネットで作品への思いを調べてみた。

『金魚は幼少期の戦争の記憶と強く結びついたモチーフです。照明弾と焼夷弾、逃げ惑う群衆、火の海となった街。そして祖父の飼っていた金魚が、照明弾の光に映し出されキラキラと鱗を輝かせながら浮遊する。その艶めかしく美しい光景が、息詰まる恐怖感と結び付き、脳裏の底に焼き付けられた』。
この解説も作品と見比べると、私には分かり難いのである。


 作品名「金魚の大冒険」



国立新美術館に入るだけなら、無料である。
私はこの建物自体に興味があり好きだ。ガラスと鉄骨で出来た雰囲気は明るく、広がりがありどこかに似ている。よく考えてみたら、ここは東京国際フォーラムの建物に似ている。東京国際フォーラムは地下一階に下りると吹き抜けとなっていて、上を見上げるとガラスと鉄骨の組み合わせである。

もしかして同じ設計者かと思い調べてみたら国立新美術館は「黒川紀章」で、東京国際フォーラムは米国人の「ラファエル・ヴィニオリ」という人だった。東京国際フォーラムの建物の外には、ミッドタウン六本木にあった大理石のアートが置いてある。
作者は同じ「安田 侃」であるが、そちらの大理石は穴が無い。 


東京国際フォーラムに似ている1階の光景



国立新美術館は入場無料だが、展覧会は有料と無料がある。
この日は割合に大規模な展覧会で、2階と3階を使い「SHINSEISAKU」と「行動展」をやっていた。どちらも800円の入場料だったが、入口から見た感じではあまり私の興味を惹かなかったので入らなかった。

この建物の3階に上がると、吹き抜けの場所に円錐形の巨大な柱がある。
上部はレストランとなっている。下を見下ろすと、1階にはカフェがある。
とてもモダンで、アート的でさえある。この日は1日中、アートな私だった。


 国立新美術館の3階から下を見る


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

コメント

    Shinji
    Shinji

    作者、安田 侃の作品、意心帰ですが、これを屋外の大きな広い芝生の上に置いたら、きっともっと作者の意図がはっきりするでしょう。現在、人工的建築物内部に置かれているので、大自然の一部である大理石も息をするのが苦しそうです。

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