心の伊達市民 第一号

宮ケ瀬ダムの観光放流

「たまには都心を出て、少し離れたところに行きたいなー」と思っていた。
「日帰りで行けるバス旅行で、なにかないかなー?」と探していたら、気に入ったものが見付かった。それは神奈川県の宮ケ瀬ダムの放流を見るバス旅行だった。

ダムはもともと好きだったので、早速、申し込んだ。紅葉の季節には早過ぎるが、それも仕方ない。この放流は「観光放流」で、4月から11月の間の決められた日に午前・午後の各一回行われている。


JR「横浜駅」



バス旅行の主催はどうやら零細旅行社らしく、事務手続きに手惑っていたか旅行前日になりやっと旅行の詳細をメールで送って来た。そして横浜駅近くの集合場所に、午前9時15分までに行くことになった。参加者が14名と少なく、乗るのはマイクロバスであった。やはりこんな企画はあまり人気がないようだ。

高齢夫婦5組、高齢女性2人組、それに私のような男性1人が私を含めて2人だった。
ダムに行く前に2ヵ所に寄ったが、それは(おまけの話)で・・・。
ダムの上からインクラインで、4分でダム下に下りた。



放流までにまだ30分以上もあるので、みんなそれぞれの場所で寛いでいる。
私は動画撮影が目的なので、場所を選び試し撮りをして準備をした。
ガイドの話では正面の橋の上が最適だが、かなり飛沫を被ると言っていた。

でも「気に入った動画が撮れれば、それも良し」と考えていた。
しかしそれが後で問題を起こすとは、その時は思いもしなかった。 


放水前の光景  



午後2時少し前になり、『間もなく放流を開始します』とアナウンスがあった。
ここから動画撮影を始めた。最初は上部の2つの穴から少しずつ、水が落ちて来た。
私の動画は1分以内と決めているので、放水が始まった時から撮影開始となった。
その時は「大したことないなー」と思いながら、撮影していた。

しかしダムの上部から水面までを撮影するには、どうしても縦型の画像になってしまう。
家に帰ってからFREE SOFTを探したら、90度回転させることが出来るソフトがあったが使い方がよく分からなかった。



その内に大量の水となったが、それでも私のいる橋の上に飛沫は飛んで来ないので安心していた。見学者も安心して、橋の上に居続けた。
お互いに放流を背景に、記念撮影などしている。でも放流によって起きる風と轟音が、我々に近づいて来るのを感じた。

しばらくしたら、大量の飛沫が飛んで来て、カメラのレンズに付いてしまった。 
一瞬の内に飛沫に体を覆われてしまった。もうその頃には橋の上に残っている人は少なかった。みんな飛沫の来ない横に逃げて行った。私は最後まで、その場で頑張った。 


 まだ飛沫は発生していない。



やがて6分が経過したのか、水流は勢いを失い終息に向かって行った。
でも意外だったのは、6分というのは思ったより長い時間だった。  
6分間のショータイムは終り、みんな帰りのインクラインに乗るためにそちらに向かった。

私は橋の上にいた時は気が付かなかったが、放流を横から見るために地元の小学生が50人くらいいた。違うダムの放流見学があれば、私はまた見に行っても良いと考えている。     


カメラのレンズに飛沫が飛ぶ



ダム放流の飛沫を浴びたせいか、帰ってから体がゾクゾクし出した。
どうやら風邪をひいたらしいと感じた。その日は早く休んだが、次の日も熱が下がらない。日曜になっても同じだった。
もう何年も風邪をひいたことがなかったので、自分でも戸惑った。

年齢からして「鬼の攪乱」とは言えないが、こうやって段々と衰えて行くのを実感した。結局は2日も寝てしまったのである。


放流の最大時



(おまけの話)
今回のバス旅行では放流を見るだけでは時間が短過ぎるので、商売上他に2か所行った。
最初に行ったのが、「あげパン」の「オギノパン」だっった。
ここの「あげパン」は神奈川県のフードバトルで2年連続で金賞を受賞したそうだ。

バスが店兼工場に着くと、社長が出迎えて揚げたての「あげパン」を手渡された。
熱々で美味しかったので、お土産に買った。工場は全自動のようで、ガラス張りで見えるようになってはいるが、肝心の揚げる工程と砂糖をかける工程は見せないようになっている。


 「あげパン」(120円)



次に行ったのが宮ケ瀬湖の湖畔のレストランだった。
ここでランチをするようで、出て来たのは「ダムカレー」だった。
ダムのある町は全国的にダムカレーを出しているだが、皿の真ん中にご飯でダムを作り、食べながらそれを崩すとダムのカレーが具の方に行くという、なんとも子供だましみたいなカレーである。

事前に予約がしてあったらしくすぐ出て来たのは良いが、早く作り過ぎていたらしくご飯と具が生ぬるかったのはいただけない。


 「ダムカレー」(1210円)  



今回のバス旅行の代金は6980円で参加者は14名だったので、総収入は9万7720円となる。そうなると元経営者としては、どうしても採算を考えてしまう。

ネット情報ではマイクロバスは1日5万円~、バスガイドは2万2000円、高速道料金は1100円×往復、ダムカレーは1210円、インクラインは400円×往復、ガソリン代は4000~5000円である。合計すると、10万6340円となる。

単純計算でもマイナスであり、割引があっても利益は無いのでは?と心配になって暇な時にガイドの女性に聞いたら、『私は社員で、バスは系列会社から来ています』と言っていたが、それでも無理では?


 バスツアーで乗車したマイクロバス

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コメント

    Shinji

    Shinji

    マイクロバスとはいえ、よく旅館の送迎に使うようなマイクロバスとは違って、ゆったりスペースがあり、乗り心地良さそうなバスです。どの業種にせよ、どうやって利益を生み出しているのか、心配させられるものがたくさんあります。
    高齢になると、私もちょっとしたことでも風邪をひきやすくなりました。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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