むしゃなび編集部

伊達出身の彫刻家、渡辺元佳さん作品展はじまる!

東京を拠点に作家活動をしている伊達出身の彫刻家・渡辺元佳さんの作品展がだて歴史の杜カルチャーセンターで6月24日(土)から開催しています。

渡辺さんは伊達緑丘高校出身の35歳。東京の大学で造形を学び、動物をモチーフにした彫刻作品を発表しています。「東京ミッドタウンアワード」など様々なアート展での受賞歴に加え、都内の駅や公園に作品が公共設置されるなど、とても高い評価を得ています。今回は「サーカス」をテーマに故郷・伊達で記念すべき初の展覧会!

ということでお話を伺うべく、編集部ch、オープン前日の会場にお邪魔してまいりました。_DSC1020カルチャーセンター内ハーパーホールに一歩入ると・・・_DSC1044

異 空 間!渡辺元佳展a

数日前からから会場設営が行われているとは聞いていたのですが、すっかりワンダーランドになっている・・・。並んでいる作品を観るというより、この空間全体がまるで巨大な作品です。_DSC1012

設営もいよいよ大詰めの様子。渡辺さんは作業を指揮をしつつ、工具を手に細かな調整をしていました。_DSC1010

彫刻家・渡辺元佳さんにインタビュー

ch 伊達での展覧会は初めてと伺いました。

渡辺さん 市内だと彫刻作品を多数展示できるような場所がなかなかなかったんです。今回はメセナ協会さんからお話をいただいて初開催となりました。とても広いこの空間を生かすことを考えて、新作も含め、2012年以降の作品を展示しています。

ch 彫刻って「モノ」というイメージがあったのですが、空間の芸術なんですね!

渡辺さん  そうですね。彫刻は3次元なので。僕らも3次元で生きていますけど、作品があって空間がどうなるのか、というのを意識して作っています。_DSC0976

ch  不思議な作品ばかりですが、どんな風に制作されているんですか?

渡辺さん 例えばこのお猿さんのシリーズ↑は、コンピューターで描いた平面の形に押し出しで切って、更に熱線で溶かして切りながら立体にしていくんです。切るための機械も自分で作りました。ギザギザなのは、木彫でいうノミ跡みたいなものです。リアルにしていくこともできますが、この素材でしかできない形状にしたいな、と思って。昨年、銀座4丁目に公共設置でパブリック・アートを作ったのですが(猿結参道 -えん むすぶ さんどう - Happy Monkey Avenue)、それも同じシリーズです。

ch  そのほかにも駅や児童公園などいろいろな公共スペースに作品が設置されているそうですね。(詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください→http://motoka-w.com/works)_DSC1047

渡辺さん  2007年に東急多摩川線の下丸子駅のホームにヒツジの彫刻を2体設置したのが最初です。そのころは今よりももっと具象で、作風の変遷が見えますね。パブリックアートはこれからもっとやっていきたいです。5メートルとか、10メートルとか、大きいものも作りたい。

ch  公共設置ということで、ご自身の作品のどんな点が評価されていると思いますか? 

渡辺さん 僕はずっと、彫刻とひととのコミュニケーションをすごく大事にしています。僕の知らないところで誰かと彫刻のコミュニケーションがあって、ストーリーが生まれるというか、会話が始まればいいなと思って作っています。そういうところが都市とマッチするのではないかと。いまの街ってなかなか機能的で、無駄が無いというか「遊び」がないので、ちょっとこういった動物の彫刻があるだけで街の印象も変わるし、愛着も変わってくると思うんですよね。_DSC1014

ch なるほど〜

渡辺さん 僕の作品は動物が多いのですが、「人でない」というところが大事なところで、感情移入がしやすいのではないかと思います。人と人の関係よりも、擬人化することで人でない分逆に近いというか。

ch  彫刻の道に進んだきっかけは?

渡辺さん  子どもの頃からものづくりが好きで、洋裁とかロボコンとか、いろいろやっていたんです。ある日テレビでロダンの特集を見て、こんな仕事があるのか、これで飯が食えたら最高だな、と。高校2年生の時です。

ch  それで本当になってしまったとは、すごいことですね!

渡辺さん  あれを見ていなかったらやっていなかったかもしれません(笑)

ch  伊達のどんなところが好きですか?

渡辺さん  大らかな気候と風土がすごくいいなと思いますね。それから広々しているところ。今回久しぶりの帰省なんですが、頻繁に帰って来たいなと思っています。_DSC0984

今後の活躍がますます楽しみな渡辺さん。まずは今回の展覧会でその作品世界にどっぷり浸ってみてください。見れば見るほど不思議で楽しいアート体験になると思いますよ!
個人的には近い将来、伊達の街角に渡辺さんの動物たちが出現するのでは、と期待しています。


渡辺元佳

彫刻サーカスがやってくる!渡辺元佳展

日時: 2017年6月24日(土)~7月2日(日) 10:00~20:00

会場: カルチャーセンター講堂(ハーパーホール)入場無料

期間中イベント(無料)

① 6月24日(土)18:00 オープニングレセプション(飲み物等をご用意、お気軽にご参加下さい)
② 6月25日(日)13:00 作家によるギャラリーツアー(作家自らが作品を説明してくれます)
③ 7月 1日(土)15:00 トークイベント 渡辺元佳、影山吉則(教育長)、飛世将利(木工作家)、三上健一郎(ラジオ局アナウンサー)

主催:NPO法人伊達メセナ協会(TEL 0142-22-1515)


渡辺 元佳さん 略歴

1981年北海道伊達市出身、2006年武蔵野美術大学造形学部彫刻科卒業。
主に動物をモチーフにした彫刻作品を発表。近年では、銀座4丁目宝童稲荷参道(2006)、パークシティ大崎(2015年)、谷口南児童公園(2009)をはじめとしたパブリックスペースへの作品設置や展覧会、ワークショップなども多数開催。
「Tokyo Midtown Award 2013」優秀賞(東京ミッドタウン/2013)、「GEISAI #10」スカウト賞(2006)、「第7回エネルギー賞展」最優秀賞(東京電力 TEPCO 銀座館/2007)受賞。

http://motoka-w.com


※記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2017年) 

取材協力:Date GT


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