東京での仕事を辞め、伊達に来る前に
サンフランシスコ、ヘイワード、サクラメント、デスバレー、マンハッタン、スプリングバレーなど3ヶ月、家族4人で旅をした。
丁度その頃、妻の姉夫婦がヘイワードに住んでいて、彼らを頼りに行くことができた。

訪米の一番の目的はシュタイナー学校だった。
サクラメントのシュタイナーカレッジでは特別に授業に参加させてもらった。
印象深かったのは、演劇を取り入れたプログラムだった。
セリフのような詩を感情を込めて朗読する。
たったワンセンテンスだけなのに難しかった。
そして丁寧に語りかけながら教えてくれる先生の姿に感銘を覚えた。

カレッジから少し離れた小学校も見学し授業に参加した。
少人数学級ということもあるが、みんな静かで穏やかだった。
シュタイナー学校の特徴はたくさんあるが
何より子供たちが落ち着いているところがとてもいい。
声を出して遊ばないわけではない。
ちゃんと先生や大人の話しを聞く態度を知っている。

試験の点数や偏差値など表面的な基準で優劣をつける学歴社会に辟易していた自分にとって
楽しく学び、基礎学力に時間をかけるシュタイナー教育は理想の教育だった。
その思いは、埼玉県の自由の森学園にも通じるものがあったが、
誰でも通える公教育の中でこの教育のエッセンスだけでも、
反映させることができないものかと考えていた。

そして自分にできることは何か。
ワクワクしながらアメリカを離れ、伊達に向かった。

学校法人北海道シュタイナー学園・シュタイナースクールいずみの学校HP


この町に思うこと こくぼ重孝

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25年前、東京からこの北海道伊達市に移住した。都会であくせくして生きてきた自分にとって、この街は楽園のようだった。そんな楽園も暮らしていくといろんなことがあった。徒然なる街ではなく、変化があり退屈しない街に住んで感じたことを600字に絞って綴っていこうと思う。

コメント

  1. 昌男 國田
    昌男 國田
    返信

    魅力あふれる文章です。憲法も教育基本法も個を大切にし、人格の完成を目指して教育を行うのが目的ですが、学力テストの悉皆検査が行われるようになって、その結果ばかり追い求めているように見えます。自治体が努力して、学級人数や環境を改善しています。学習環境を度外視してテストを行い、平均点に届いたがどうかに一喜一憂するのはナンセンスです。児童生徒の尊重を考えるなら1学級20人以下が望ましいクラスサイズです。先生の働く環境も本気で改善しないと日本の教育は瓦解します。伊達市でも北海道でも子どもの個性に寄り添える学校教育が展開されることを望んで止みません。

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