島根県には大きな有名な出雲大社がありますよね?主祀神は、大国主命で人との縁結びを司っている神様ですよね…?実はあまり知られていないのだけど、ウミヘビに対する信仰があります。日本近海に多く見られるウミヘビは、主に暖流に乗って回避して来るセグロウミヘビとされています。沖縄のイラブウミヘビなんか、ハブ毒の何十倍もの毒持っているらしいですね…。

一般にウミヘビは、攻撃的で牙に毒を持つ事から、凶暴で危険なイメージを持たれています。ただ動物学者によれば、人間がちょっかいを出さない限り、やたらに噛みつく事はないそうです。「毒」という言葉は、人間にとって、必ずしも危険、忌避するべき悪というものではなく、ある意味では、魅惑的で神秘的でもあります。もしかしたら、ウミヘビの神秘性や霊力にも、そうした事が関係しているのかも知れません…。
民族学者の南方熊楠は「十二支考」の「竜の起源と発達」の項で「竜譚の発達に最も力を添えたたのは、海蛇譚で…」と述べています。

その中で、伊勢の海岸に無数のウミヘビが打ち上げられた話や、海島竜女王の住処を多くのウミヘビが守っているとか、原始仏教経典にみえる「毒蛇気の故に海水を熱せしめ…毒蛇を用いるゆえに衆生皆死す」と言った事を紹介しています。

島根県の出雲大社、佐田神社、美保神社、日御碕神社等にもウミヘビの信仰が伝わっていて、出雲の漁師によれば「夜にウミヘビが海の上を渡って来る時は金色の火の玉に見える」とある本にはそう書いてました…。また、こお付近の沖や海岸で捕らえられるウミヘビは「竜蛇様」と呼ばれていました。竜宮の使いとして尊ばれ、捕えると神社に奉納するそうです。

オオクニヌシ命の分身(幸魂・奇魂)であるオオモノヌシ命は、神の宿る山で知られる三輪山の主、蛇神として有名ですしね…。

「古事記」の国作り神話の最後で、ウミヘビが海原を不思議な光輝で照らしながら、オオクニヌシ命の元に寄って来て「私の御魂を大和の三輪山の項に大事に祀れば、国作りの事業を完成さえる事が出来るでしょう」といいます。この出現の仕方は、まさに海上に浮かぶウミヘビを連想させます。しかも、オオクニヌシ命との深い関係を示しています。

出雲大社や佐太神社で行われる「神在祭」は、ウミヘビを神使とする祭りです。毎年11月中旬の頃、北西の季節風が吹いて海が時化る事が多く、これを地元では「お忌み荒れ」と呼ぶそうです。この時、海上に浮かんでいるウミヘビが、多く打ち寄せられるそうです。

歌舞音曲など一切の音を立てずに、静かに忌みこもる意味で「お忌祭」とも呼ばれる出雲大社の「神在祭」も、こうした時節柄とのつながりが伺えます。出雲大社の「神在祭」は、毎年、旧暦の神無月(現在の11月。全国の神が出雲に集まるとされ、出雲では神在月と呼ばれます)
に行われます。

祭りで八百万の神々を、稲佐の浜へ先導する役をつとめるのが、竜蛇神(使徒のウミヘビ)とされています。水難・火難除け、豊作、漁師、商売繁盛の神として信仰されています。


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