ある霊能者の方に聞いた事があるんだけど、「東京で一番怖い怖い場所って何処ですか…?」と聞いた事がある…。

 その方は間髪入れずに「深夜の吉原…」と答えました…。

 実は私もその通りと思っています。


 古くは江戸の大火から、関東大震災、東京大空襲と吉原遊郭は幾度となく壊滅に瀕しています。当然、その度に出た死者を合わせたら膨大な数でしょうね…。中でも関東大震災の被害はめちゃくちゃ多かったようで、吉原は市街地にありながら、真四角に区切られた閉じた空間です。ただ、遊女たちの脱走を防ぐため、唯一の出入り口である「吉原大門」は常時閉められていました…。東京中を大きな炎が覆う中、吉原にいた遊女たちは逃げ場を失ってしまう…。何とかして火を逃れようと遊郭の端にある弁財天の池へと次々に飛び込んで、折り重なるようにして溺死していった…。
「吉原が一番怖い」というのは、遊郭という愛憎うずまく土地柄だけでなく、そんな悲劇が幾度も起こったからこその感覚なんでしょうかね…?

 吉原神社は、江戸時代に遊郭四隅にあった稲荷を合祀して出来たもので、落語に登場する稲荷もここに祀られていたり、2013年には「想い人に会える」と言い伝えられた逢初桜が100年ぶりに復活したりと、江戸・吉原の明るい歴史を伝える場所でもあります。そこを右に100メートルほど歩いたところが、弁天池の跡地…。その中心には、大震災にて亡くなった遊女たちを弔う「吉原観音」が、巨岩の上にスクッと立っている。眼下には10年ごとに奉納される供養塔が無数に並び、鎮魂への想いが続いているのが分かります…。

 しかし、弁天祠の壁には美大生たちが描いたカラフルな天女があったり、若者たちによるイベントが催されたりと、こちらは悲惨なだけの場所でもないです。何度壊滅しようと、その度に復活していった吉原遊郭の力強さも私は違う意味で大きなパワースポットか?と感じざるを得ません…。


ちょっと不思議なおはなし タリズマン・マスター

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