タリズマン・マスター

 アイヌ民族の死後というのは、ちょっと独特でして・・・
 北海道の全域にわたって、あの世への入り口という意味のアイヌ語で呼ばれる洞窟が数多くある・・・。

 例えば、胆振地方ではアフン・パルとかアフン・パロ。日高の沙流、旭川の近文等ではアフン・ル。パル、アフン・ル・パロ。北海道方部地方ではアフン・ル・チャル。日高静内地方ではアフンポール、同じ日高でオマンルパル、オマンルパロ。石狩川の上川地方でウェンルパロ。北見、網走でオポクナル等々…というふうに実に様々な名で呼ばれていますが、いずれも「入口」という共通の意味を持つ・・・。

 しかもこの穴を通って、生きながらあの世へ行って来た人たちの帰来談が語り継がれているのも興味深いです。

 洞窟伝説を通してアイヌ民族に特有の死生観、死後の他界観があったのは明確で、あの世には現世に対応する全てが存在しています。この世と同じ山川草木があって、集落(コタン)があり、そこには亡くなった肉親、友人、知人が生前と変わらぬ姿で住み、自然と人間の営みはこの世さながらに継続しています。そこは現世よりもはるかに豊かな楽土らしく・・・。

 異なるのは時間の概念で、この世が冬ならばあの世は夏というふうに四季は裏返しになっているとされ、夜と昼も反対になっていると伝えられている。この事はアイヌの古い葬儀の風習にも明らかに見られるらしく、あの世の昼間に到着するように死者を送ってやらないと霊(ラマツ)が迷って戻って来てはいけないと、夜に葬式を出した地方があったり、また夏に死んだものに寒輪を持たせたりもしたそうです。

 死後の世界に通じる道が、抽象的な概念とか想像の道ではなく、現実の世界の川岸や海辺の洞窟という具体的な入口を通して考えられている点に特徴があります。

 どの入口も狭くて暗くて入りにくいのですが、いったん中に入れば光明の世界が開ける。生きて他界を訪れたものは、そこでは妖怪、幽霊の類と見なされ、犬にだけしか見ない存在になるそうです。

 犬はまた、現世でも人間が見る事の出来ない霊を見分ける能力を持つ動物だと考えられています。生と死の両方の世界の人間を見る事が出来るものとして、犬はアイヌの他界行説話も中では重要な役割になっています。

 一説には、洞爺湖や支笏湖もこの入口らしく、心霊スポットとなっていますし、一番強烈なのは、本当にあった〇〇ビデオでも映像になっていますが、登別の海岸のアフン・ル・パロは、心霊スポットとしてもかなりヤバいです。行く事はお勧めしません!


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