■続けることの難しさを知る
伊達から4ヶ月ぶりに戻ったので、久し振りに両親のお墓参りに行った。 お寺に行ったら本堂に続く自宅を新築している。
どうやら、売り出していた裏山の墓地がだいぶ売れたらしい。
伊達に行く前に、ここへ来たら、『墓地分譲中』のノボリが立っていた。売れたお金で、かなり大き目の自宅が建つようだ。
墓参りを済ませてから、横田基地の脇にあるイタリアン・レストランの『ニコラス』へ行った。
ここは私が初めて父親に連れられて来たのが50年くらい前のことだ。それ以来、ここのピザが好きで、時々通っている。
数年前に経営者が変ったが、味に変わりは無かった。
ところが伊達から戻り、4ヶ月振りに行ってみてガッカリした。私の大好きなピザの生地が手作りから機械化されたようだ。
以前は手作りの為に生地の厚さにムラがあった。
それがまた、なんともいい感じで、食感を良くしていた。
今回は機械で生地を作るように変更になったらしく、厚さが均一である。
生地が規格化されて、温かみが無く、なんだか冷たい感じを受ける。ふんわり感も無くなった。
味はそんなに変わらないが、食感が違うと、違う物のように感じる。
ピザ職人が高齢化してしまい、もう手作りが出来なくなったのかもしれない。
同じことを50年も続けていた方が不思議なのかもしれない。50年も通った店だが、もう行かないかもしれない。
残念である。
(おまけの話)
『企業の寿命は30年』という説がある。
自分のことで振り返ってみると、私はそれは当たっていると思う。
優良企業は長く続く。それは社員が愛社精神を持っていて、退社する人がいないことにもよる。
それで、会社には貴重なノウハウが蓄積されて行く。
だが、30年も経つと、そのノウハウも古臭くなり、愛社精神の旺盛な社員も高齢化して来る。
そうなると、どうしても給料も高くなるし保守的になり、動きも悪くなる。
倒産する条件がどんどん増えて来るのである。
東京には老舗と呼ばれる飲食店や和菓子店などがかなりある。私の贔屓の店も多くある。
こういう店も気が付くと無くなっていることがある。
私の好きだった新橋の天ぷら屋『橋善』なども数年前に消えてしまった。
私も自身の経験から、同じ業態を長く続けることの難しさを感じている。
ある友人がよく言っていた。『オデキと会社は大きくなるとつぶれる』。