■いまどきの偉い人
世の中は不況が続いている。テレビのニュースでも暗い話ばかりだ。 でも、私の現役の時代にも大不況は何回もあった。
そんな経験から言えば、あまり『不況、不況』と言わない方が良い。みんなが不況と言うことで、更に不況は進んでしまう。
そんな大不況の時代に、外食産業では格安店が大流行りである。
我が家の近くにあの牛丼の吉野家が開店した。
そこで私は『今まで一度も食べたことが無い』と言う女房の為に、お持ち帰り用牛丼を買いに行った。
店に食べに行くのは恥ずかしいと言うからである。
牛丼の吉野家
今の時期(12月末まで)は1杯380円の牛丼を3杯食べたら、次の1杯はタダだという。
これを偉いと言わず、なんと言う。
だいぶ前に、一度、倒産したが奇跡的に蘇ったところも偉い。
吉野家の第一号店は晴海の見本市会場の中だった。
私の会社が出展していた当時は、見本市の時には一号店で必ず食べた。
あの当時と同じ味がした。・・・・ような気がした。
カレーライスのチェーン店の全国展開をしているCOCO壱番も偉い。
ここの会長とは昨年の名古屋での講演会で講師としてご一緒したことがある。
ポークカレーが430円である。私はカレーが好きなので、これには感心する。
その会長はカレーだけで会社を上場し、創業者利益で名古屋にコンサート・ホールを作った。
人はお金が出来ると文化に目覚めるのだろうか?
中華そばのチェーン店の幸楽苑も偉い。
ここは敢えてラーメンとは言わず中華そばという。
それが、なんと304円である。
我が家の近くにその店はあるので、たまに食べるが味は悪くない。ここもかなり偉い。
まだまだ偉い人は多いと思うが、場所を借り、店を作り、人を雇い、食材を仕入れ、調理をして、浮気な消費者に500円玉でお釣りが来るという食事を提供し続けることの困難さを考えると、私には到底出来ない仕事だ。
そこで、私は無条件で『偉い』と感じてしまうのである。
農家の奥さんも偉いが、これは次の機会に譲る。
(おまけの話)
新宿のサザンテラスにアメリカ発のKRISPYというドーナツ屋がある。
私は東急ハンズに行く時にそこの脇を通るが、いつも行列が出来ている。看板を見ると『1時間待ち』が普通である。
なんでこんな、どうということのないドーナツに人が並ぶのか不思議でならない。
KRISPYのドーナツ
ある時、住友ビルの床屋の帰りに東急ハンズに立ち寄る為にそこを通ったら、ほんの少ししか行列が無い。
私が列に並ぶと店員が見本としてドーナツを1個だけくれた。それを食べながら順番を待つ。このドーナツは1個160円とかなり高い。
1ダース買うと2個のおまけが付いて来る。
味はどうということはないが、ドーナツが2個半弱で牛丼が1杯と考えると、ベラボーに高いと思う。ドーナツ屋は偉くないが、そこに並ぶ私は偉い。
ハワイの和尚の絵説法
次は神田のサラリーマンの行く『ワンコイン・ランチ』に行ってみようと思う。これは更に安くて凄いらしい。
この大不況の中でサラリーマンも店側も頑張っている。
偉い!