心の伊達市民 第一号

写真で見る東京(37)・・不忍池


都バスで上富士から上野へ向かっていたら、不忍池の前を通ると分ったので次のバス停で降りた。公園の入口を入ったところに、黄色い花が咲いていた。
これは「キショウブ」だったが、日本には「いずれあやめか、かきつばた」という言葉がある。

似たものに「しょうぶ」、「あやめ」、「かきつばた」があるが、「あやめ」と「しょうぶ」はどちらも漢字で「菖蒲」と書く。「かきつばた」は「杜若」と書くそうだ。


 「キショウブ」の花



バスは根津方面から乗ったので、不忍池へはいつもと違い一番奥の場所から入った。
不忍池はメインの池と、ボート池が途中で仕切られている。
ボート池を枝越しに見たら、小雨の午後だったので誰もボートに乗っていなかった。
奥の方にスワンボートが並んで休んでいるのが見えた。


枝越しにスワンボートが見えた。



ボート池から、隣の蓮のあるメインの不忍池に行った。
水面に蓮の葉が浮いているのが見えた。中には少し立ち上がっている葉も見える。
その中にたった1匹だが、コサギが見えた。
ゆっくりと歩きながら、時々、餌を見付けたのが、口ばしを水に入れている。


 「コサギ」が1匹だけ見えた。



3月初めにここへ来た時は寒い日で、この日と同じような小雨が降っていた。
そんな悪天候の中を、胸までの防水作業衣姿の3人の男達が水に浸かり、枯れた蓮の茎の除去作業を行っていたのを見た。彼らのお陰で、この日の蓮の葉が見られたのだ。


 なにかが跳ねた



雨が止んだようだ。 
蓮の葉の上に残った水滴が、雲の間から漏れる太陽で光っている。
浮かんでいる葉が、まるで睡蓮のようだ。

これから段々と茎を伸ばし、水面から離れて行くのだろう。
今の時期しか、この光景は見られない。 


蓮の葉の上に水玉が。



池に突き出た木道の先端に行くと、2人の外国人が水面を覗き込んでいた。
私も近付いて覗いてみたら、大きな鯉が泳いでいた。
鯉は悠々と泳ぎ、遠くへは行かない。
私はそれを飽きずに、いつまでも水面を眺めていた。


 鯉が近付いて来た。



向かい側の弁天堂の方向から風が吹いて来た。
水面より少し上まで伸びた蓮の葉が、一斉に揺れて葉の裏側を見せる。
白い波が押し寄せて来ているように見える。
あと2ヵ月もすると、ここは一面の蓮の花で覆われるはずだ。


 風で揺れる蓮の葉



(おまけの話)
不忍池から地下鉄に乗るために、大通りに向かった。
前方突き当りに「ABAB」が見えた。ここは昔は「赤札堂」と言って、上野を代表する商業施設だった。「閉店大感謝祭」の文字が見えた。その下に「あと54日」と出ていた。ABABも終りの時代になったかと、時代の変化を感じた。


「閉店感謝祭」の文字が見えた。



交差点を渡っている時にABABの2階のショーウィンドーを見上げたら、マネキンが動いているように見えた。近付いてみたら、マネキンではなく男女が踊っていた。
右端に大きなQRコードが出ていたので、スマホで読取りチェックしてみた。

すると彼らは「DAZZLE」という名のグループで、結構有名らしかった。『ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合した世界で唯一のスタイル』とあった。
ABABの閉店との関係は不明だった。


マネキンではなくダンサーだった。



私はABABに入ったことは無い。赤札堂の頃に、最上階のレストラン街には行ったことがある。そこで閉店ならと思い、お別れに店内に入ってみた。
すると店内は女性用の品物ばかりで、男性用の商品は置いていなかった。

7階まで上がってみたら、100均のダイソーがあった。
なにか買おうと思ったが、思い当たらない。靴下があったので買ったら、1足100円だった。靴下は安くても3足1000円が相場なので、驚いて3足も買ってしまった。でも履き心地は悪くなかった。


  1足100円の靴下

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コメント

  1. 杜若(Y)

    杜若(Y)

    返信

    能楽の「杜若」の一説に、在原業平が『かきつばた』の五文字を句の上に置き、「からころも(唐衣)き(着)つつ馴れにしつま(妻)しあればはるばる(遥々)きぬるたび(旅)をしぞ思ふ」とある。
    杜若の咲く川辺に佇む女を謡った曲であり、私の好きな謡の一つでもあった。

  2. Shinji

    Shinji

    返信

     ”風で揺れる蓮の葉” の写真は、5月の風がさあーと吹いている爽快感とスピード感が感じられます。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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