スペイン巡礼の旅
昨日「スペイン人は自国の悪口を言う」と書いたが、それは自分達の地域(州とか町)が最高に良いところで、全体としてのスペインは何をやってるかという意味だということを補足しておく。
ちょうど今、僕が滞在している沖縄での農業研修で沖縄人の運転手知念さんも、「沖縄人はナイチャー(日本本土)の悪口を腹に溜めている人が多いが、沖縄のことは凄く好きで自慢してる」とのこと。基地反対する多くの人たちはナイチャーか中国人達が騒いでるだけとも言っていた。
そんなことでスペイン人は地元を愛して自慢する独立心が強い人が多いということだろう。
その独立心が旺盛であるために、国としてのまとまりがないといえばそうなのかもしれないと思っていたが、ここではる奈さんからコメントがきた。
(はる奈さんからのコメント)
何だかんだ言いながら、スペイン人は自分の故郷、スペインが大好きですよね。
国民全体が自国を批判したり、またそれを笑いに変えたり、自慢したり、大きな声で思った事を言う、それは素晴らしいと思います。
確かに、日本よりもずっと自国のことをフランクに語り合えるというのはいいことだ。
さて、
編集長の弟さんの手記を続けたい。
(編集長弟さんの手記つづき)
彼女を追いかけてスペインに来て、いろいろあったが
結婚することに。それで彼女の故郷の町ブルゴスの
役場で入籍した。
ブルゴスという大きな大聖堂のある古い町。
その旧市街の石畳に掘ってあるホタテ貝のマークを初めてみた。
それは巡礼の通路である印であることもその時知った。
巡礼。
なんだかよく知らんが、
フランス南部やスペイン北部、西部、南部、ポルトガルから、
いくつもの通路があり、
最終目的地サンテイアゴ デ コンポステラという場所に行く
ツアーのようなものと聞いた。
ブルゴスというのは巡礼路フレンチロードでの要所である。
弟さんはブルゴスの彼女と結婚したわけだが、どうやら特に巡礼についても興味があるわけではなかったらしい。
その後、弟さん夫婦はサンティアゴ・デ・コンポステーラに移る。
なんかその辺も巡礼路との縁を感じてならないが。
(編集長の弟さん手記続き)
父親を失くして傷心中の愛しの彼女と一緒に
巡礼の最終地サンテイアゴ デ コンポステラに移り住んだ。
寿司屋の開設と営業管理の仕事が回ってきた。
巡礼もしないでいきなり最終地である。
ここの旧市街などまさに11世紀そのまま、という感じで
特に夜などとても迫力がある。
キリスト教など悪魔教だ、と思っている俺には
ちょっと怖いぐらいのところである。
そんな旧市街で毎朝買い出しに出かける。
サンテイアゴの市場はスペインの中でも最も気に入ってる市場である。
魚、肉、野菜、果物、チーズ、ワイン、全てが旨くて安い。
魚に関しては日本ほどではないが、
上はカンタブリック、左は大西洋から入り種類は豊富で見事なものだ。
しかしいくら流行って盛んな市場と言えど
所詮スペイン北西部の田舎の市場。
日本人がフラフラしていれば勿論目立つ。
巡礼者も多く居るし東洋人もちらほらいるが
買い物カゴ持って買い付けしている東洋人などまずいない。
と、思った矢先。
買い出しの途中になにやらつたないスペイン語で
値段を交渉している東洋人に出会った。
しかも買い物カゴ持ちである。
暫く黙って後ろに立ってやり取りを聞いていたら
気配に気づいたのか、
その東洋人(女だった)が後ろを振り向き
俺の顔を見て軽く会釈をした。
俺も会釈をしてその場をはなれた。
あの会釈の仕方や間の取り方、直ぐ思った。
この人は日本の人である、と。
後日任されている店のオーナーが仕事中に注文をしてきた。
「なにか凄い日本的な、メニューにのってないようなの作ってちょうだい。
私の音楽家の友人と彼の奥さん、彼女も音楽家で日本人よ。
ほら、紹介するわね。ダビとハルナ。」
買い物カゴの女だった。
なんとまあ。
サンティアゴの市場で、はる奈さんと出会うわけだ。
その彼女が松岡団長の巡礼路での四国遍路プロモーションを
ずっとサポートとし、
団長のツアーに参加した僕が、このブログを書くことになり、
その編集にかかわってくれた編集長の弟さんとつながった。
弟さんは、はる奈さんとは8年ぶりのご無沙汰であったらしい。
(次回は3月26日公開予定です)
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