
心の伊達市民 第一号
しばらく両親の墓参りに行っていなかったのを、言い訳としてコロナ禍のことにしていた。そんな時に同級生のYさんが「衝突防止装置」の付いた車に買い替えたと聞いた。
高齢者が「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」という事故が頻発している。
そこで両親の墓参りを兼ねて、彼の買った「ROOMY」という車に乗せてもらおうと考えた。そして「墓参り」、「衝突防止装置の体験」、「八王子ナポリタン」の3つを一度に行いたいとの希望を告げた。
早速、Yさんから返信があり、『面白い提案だと思います。運転技術の継続の可否について、判定してもらう良い機会です。冷静な目で判定して下さい。運転免許期間は今年の12月26日までですが、更新を希望しています』とあった。
そこで4月28日の午前11時にJR中央線の「豊田駅」の前で待ち合わせた。
自宅から「豊田駅」までは大江戸線で新宿へ出て、そこから中央線に乗り換えて1時間10分も掛かる。途中で以前に私が住んでいた場所が見えるので、窓から外を眺めていた。
電車はアッという間に通り過ぎてしまうが、元の家には3軒の住宅が建っていた。
墓参りの線香とマッチは用意して来たので仏さま用の花を買うために、いつも買っている花屋に行った。するとシャッターが閉まっている。この先にはもう花屋は無い。
「参ったなー」と思ったがシャッターに張り紙が見えたので、車を降りて見に行った。
そこには「お墓参りのお客様 セブンイレブン上野町店さま(すぐそこ) 仏花を置かせて頂いておりますのでご利用ください」と書いてあった。やはりこの店は私のようにお墓参りで、この店で花を買う人が多いのだと知った。
すぐ先のセブンイレブンで花を買うために、車を駐車した。
この時に高齢者はアクセルとブレーキを踏み間違えて、店に突っ込むのである。
Yさんは大丈夫かな?と思ったが、スムーズに駐車した。
八王子に来る前にYさんからは、購入した車の良さをメールで知らせて来ていた。
『この車の特徴的なことは、兎に角頻繁に情報を発してくれます。発進時に「タイヤが右に向いてます」とか、「止まれ」、「進入禁止」、「40km/h」などの看板に反応してその度に知らせて来ます。シートベルトをしないとエンジンがかかりません・・・』
『等々ありますが、アクセルを踏み間違えて追突を防止する装置は試していません。まだ信用できないのです。急発進してそのまま追突したら目も当てられませんので・・・』。
仏花を買って、すれ違いの出来ない細い道を進み、寺に入る細い急坂を上り駐車した。
まあここまではYさんの運転は合格だった。
久し振りに父母の眠る禅宗の「西笑院」に行ったが、誰もお参りは来ていなかった。
墓は雑草だらけでとても手に負えないので、この日はそのままにした。
私はこの寺の息子の僧侶にあまり良い印象を持っていない。
父の葬儀は我が家で行ったが、暑い日で僧侶である息子は修行不足か、読経直後に熱射病で倒れてしまった。母の葬儀は葬儀場で行ったが、その時はその僧侶は来る途中で交通事故を起こしてしまい、遅れて代理の僧侶が来た。
私は行く前にYさんに『間違えてアクセルを踏み込んでも、本当に停止するかテストしてみよう』と提案しておいた。
そこでYさんは1ヶ月点検の時に、販売店で『アクセルとブレーキを踏み間違えた時に、本当に停止するかテストをしたい』と申し入れた。
ところが販売店は『購入された車は、「アクセルとブレーキを踏み間違えては停止しない。その車は3年前の中古車なので、その時はそのシステムは無く、モニターに表示が出るだけ』と言われたそうだ。
「止まらない」と聞いていれば、Yさんはその車は買わなかったはずだ。
そこで私からYさんに提案した。「国民消費者センターにこの問題を持ち込みなさい」と・・・。私は以前にこのマンションの大型給湯器の問題で、たった1人で大手ゼネコンと設計ミスを争ったことがある。
6ヶ月以上も争い解決せず、同じ階の弁護士のアドバイスで『消費者センターに問題を持ち込む』とゼネコンに伝えたら、次回の会合でゼネコンは『角部屋の200台を全て入れ替える』と態度を豹変させた経験がある。この費用は3億円くらいになったはずだ。
この車の問題の結果は、いずれブログで報告することになる。
(おまけの話)
ある日の朝刊の「東京版」に、「八王子ナポリタン」という記事が出ていた。
「八王子ナポリタン」の定義は「たっぷりの刻みタマネギ」、「八王子産の食材」、「八王子に由来している」の3つの条件だそうだ
ただしパスタは八王子では製造していないので、どこのメーカーでもいいらしい。しかしそもそもだが、「ナポリタン」という料理は本場のイタリアには無いそうで、日本の料理だそうだ。
Yさんが事前に調べておいたレストランに行った。
席に座り『八王子ナポリタンを2つ』と言ったら、ウエイトレスは「八王子ナポリタンはディナーの時だけです』と言った。そこで私とYさんは席を立ち、店を出た。
店を出てからスマホで、他の店を探した。
すると割合に近くに「八王子珈琲店」という店でもやっていることが分かった。
私は「喫茶店かー」と、ちょっと不安になったが、行ってみたら店はかなり大きかった。ボーイが来たのでメニューから『八王子ナポリタンを2つ』と注文した。
間もなく出て来た八王子ナポリタンは、どう見ても普通のナポリタンにしか見えない。
前の店で見た写真では、スパゲッティの上に刻んだタマネギがいっぱい乗っていた。
それを想像していたので、なんだかガッカリだった。食べてみたが、やはり普通のナポリタンだった。Yさんには『その内にリベンジして、写真を送ってくれ」』と頼んでおいた。
「八王子ナポリタン」を食べ終り家に帰ろうと思ったら、Yさんが『あなたの従弟のHさんの墓参りをしないか?』と提案した。私は大賛成で、墓参りに行くことにした。
Hさんは私のオヤジの兄の子供で、住まいは八王子だったが、中学・高校と同じ私立学校に通った同級生である。晩年は奥さんとも別居して、あまり幸せではなかったように思う。
お墓は八王子市の外れにあるメモリアルガーデンで、亡くなる前に自分で購入したようだ。享年76歳だった。私の場合は実家は禅宗だったのに、ここへ引っ越したことで女房・子供が墓参りのことを考えて、浄土真宗の築地本願寺にロッカー式の墓を買ってある。
私は「死んだら終り」という考えなので、墓はあっても無くても構わない。
よくよく考えてみれば、お墓は生きている人の為であると思うのである。
従弟の墓参りを終えて、「さあ帰ろう」と思ったら、Yさんが『私が毎日、水泳に行った帰りに夕食を食べている「イオン」のフードコートへ行かないか?』と誘われた。
彼は1日2食の人で、糖尿病の為に痩せる必要があるらしい。私は急がないので、付き合うことにした。
「イオン」に行って、都会人の私が驚くことばかりだった。なにしろこのイオンは巨大なのである。3階から5階まである駐車場の入口で、ゲートバーが開く前に普通はチケットを発券する。ところが車はそのまま駐車場に入ってしまう。彼は足が弱いので、次に身障者用のスペースに入るゲートを入る。
その時は事前に申請してあるらしく、リモコンで自分でバーを開く。
帰りは3階の駐車場の入口の機械に自分の車の番号を入れると、液晶画面に車の写真が出て来る。「OK」で2時間未満なら無料であった。都会人が田舎のスーパーの進んだシステムに驚いたのである。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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マニアではなく科学する人 世羅繁宇氏の“ Stage 2 “〜自家焙煎ジャズ喫茶『COSSETTE COFFEE』
過去最長の書き上げ時間を要してしまいました…。 そのくらい筆者を悩ませた人、世羅繁宇氏が今回の主人公です。 お話を伺う限り、全てにエビデンスに基づく計算があるということを察しました。 きちんと科学する人でした。 実は感覚派の筆者には一番不得手なタイプ。 言い換えれば、一番興味をそそられるタイプ。 だからこそ、理解に時間がかかったという訳です。 「起業する前は大企業のエンジニアでした」。 全てが腑に落ちたご経歴の持ち主でした。 『COSSETTE COFFEE』をオープンされたのは2022年6月のこと。 会社員時代から珈琲焙煎は趣味でなんとなく行っていたそうです。 その時使っていたのは銀杏を炒る道具。 その後、当然のごとくエンジニアスピリッツがより良い焙煎機への開発へと繋がっていきます。 「珈琲焙煎という趣味は、アウトドアの趣味とは違い金銭メリットが生まれます。 料理もそう。遊びの中でメリットがある。そんな気づきが起業に結びつきました」。 世羅さんの言葉に、単に趣味が高じたわけではないというニュアンスを感じました。 「誰かに師事したことはありません。バイブルは『田口護 珈琲大全』のみです。 焙煎、ネルドリップの淹れ方はこの本で学びを深めました」。 この本の冒頭にはこのように書かれていました。 (引用) [コーヒーの焙煎は名人上手の専売特許ではなく、職人的なカンの世界などでもない。 理詰めの数学であり論理学の世界なのである。 生豆の選定から抽出までの流れを一つのシステムとしてとらえ、 各プロセス上に存在する複数の条件によって、 さまざまな味が生み出されるメカニズムに着眼した「システム珈琲学」。 豆の種類から焙煎方法まで網羅した本格的珈琲実用書。 珈琲生産地の現状や栽培状況、味の特徴を決める焙煎、カッティング・抽出までを ていねいに解説する。焙煎技術書としてプロも活用可能]。 なるほど…。 この文章を読んだ瞬間に世羅さんに少し近づけた気がしました。 珈琲を科学する世羅さんにとって、焙煎機は最も重要な相棒。 なので、その制作にも理詰めの数学と論理的思考が働きます。 持ち前のエンジニアスピリッツも相まって、 とことんこだわるということなのでしょう。 「拘ったのは極力 “ 風 ”を入れず、温度管理を徹底させた香りの調整です」。 「え? 温度はイメージできますが、風もですか?」 「はい。現在、95%の焙煎は半熱風式で行われていると言われています。 大手さんになると熱風式となります。僕は難しいとされているほんの数%の隙間を狙った焙煎機を作りたかった。できるだけ豆本来が持つ香りをなくしたくない。 焙煎された珈琲って、3000~4000くらいの化学物質が生成されるのです。 それが、150℃位で香りの成分が気化します。できるだけその香りたちを封じ込める焙煎機を作りたい。それには風と温度の管理が最も重要です。 だから常に課題を見つけては一つ一つ改善する。ひとりPDCAをくるくる回す日々です」。 これは、機械技術者としての誇りを感じるお話でした。 弛まぬ研究から生まれた機械は、2007年に第1号機、2009年に第2号機、そして最新の第3号機が現在店舗内で稼働しています。 「現在「浅煎り」と呼ばれるものがブームですが、うちで煎り上がった豆は、一般的なカテゴライズには入らないと思います。 シティーロースト風シティーローストとでも言うのかな…。 正直、うちより香り高い珈琲は飲んだことがありません。『世界にひとつだけの珈琲』だと自負しています」。 この話しを聞いた時、筆者はこう尋ねました。 「それは、自分の舌への絶対的な自信ですか?」と。 当然。 「そういうことじゃない」。 と一蹴されました。 今思えば愚問でした。 あくまでも世羅さんの自信は科学的根拠に基づくものなのです。 「嗅覚で感じた香りは脳で増幅させられて味覚に刺激を与え、『味』を作ります」。 「なるほど…。 それをどう感じ、好みかそうではないかは味わう人次第ということになるわけですね」。 ネルドリップは筆者が一番好きな淹れ方です。 この素敵な膨らみ! 銅のポットから注がれるお湯で、 ネル袋のなかにふんわりと膨らむ豆を見るだけで興奮し、 既に口の中が美味しくなります。 マイセンの素敵なカップ&ソーサー いつまでも香りが鼻腔に残る美味しい「パナマゲイシャ」をいただきました。 常時8種類くらいを扱います。 ところで、店内を見回すとなんとなくレトロな雰囲気の調度品が目立ちます。 そこで尋ねてみました。 「レトロなものがお好きなのですか?」 「いいえ、これも計算です」。 「な…。なるほど…」。 「信頼している苫小牧の家具屋のオーナーがいらっしゃるんですが、話していると時代の変わりで生活様式も変化しているということを言っているんです。だから、その度に売るものを変化させて対応するんだそうです。その言葉を聞いて、インテリアにも気を配るようになりました。モードの時代は終わり、レトロデザインの時代が来ているんですよ。レトロなものは落ち着きますしね」。 「調度品にもデータに基づく根拠があるわけですね!」 日本のレトロとは違う、アメリカっぽい感じが若い層にも男性にも刺さりそうです。 筆者みたいなおひとり様好きな女性にも好まれそう。 「では、もしかしてオーディオも?」 「そうです。珈琲もそうですが、音についても僕はマニアじゃない。全て計算の上で選んでいます。現在置いているオーディオはアルテック605Aで、アビーロードスタジオで使用されていたものです。この環境に合うものを選びました。高音質をお楽しみいただけますよ」。 ハイクオリティーなモノへの追求は止まるところを知りません。 「もしかして焙煎機も4号機計画があったりしますか?」 少し間をおいて、世羅さんは力強く頷きました。 エンジニアスピリットを持つ珈琲焙煎士 世羅さんは、 空間コーディネーターとしても最善のトータルでお客様をお迎えする姿勢を持つ人でした。 店内にはジャズのレコードがずらりと900枚並びます。 圧巻。 最後に尋ねました。 「ジャズも計算ですか?」 「ジャズはもともと好きです。 ピアノならキースジャレット。オルガンならジミースミス」。 この答えをいただき、なぜかホッとした筆者でしたが、 正直、世羅さんをもっともっと掘り下げたい! そんな衝動を抑えながら、悶々と『COSSETTE COFFEE』を後にしました。 ん?? これももしかしてリピーターを生むための計算? ふとそんなことが頭をよぎりつつ、 今度はカレーを食べに行こう!と、決めていた筆者です。 ―COSSETTE COFFEE 情報― Web page https://cossette.theshop.jp Instagram https://www.instagram.com/cossette_coffee?igsh=MzRlODBiNWFlZA== 世羅繁宇氏FaceBook https://www.facebook.com/sera.shigetaka
Rietty
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