
心の伊達市民 第一号
落語で味わう江戸の食文化
最近の私は落語づいている。図書館で「落語で味わう江戸の食文化」という本を借りた。
そこに登場するのは演題と食べ物の関わりを書いた本だが、それに付いて私が食べた経験を書いてみた。
落語に登場するのは蕎麦、寿司、鰻、天婦羅、饅頭、飯、泥鰌、鯛、秋刀魚、河豚、鮑、鰯、猪鍋、うどん、おでん、餅菓子、酒などである。

紙面の関係で、この中から落語に登場する10種類の食べ物に付いて書いてみる。
蕎麦であるが、「時そば」、「そば清」、「そばの殿様」などがあるが、私は「時そば」と「そば清」を知っている。
蕎麦は毎日のように、昼飯に食べている。有名店にはほとんど行かないが、神田・淡路町の「やぶそば」と「まつや」が有名だ。「やぶそば」は量が少なく、値段が高い。それに友人と一緒に行ったら、個別の支払いを拒否されたので、それ以来、行っていない。割り勘にするようなお客は、相手にしていないのかもしれない。

寿司であるが、これが意外だが落語には「五人まわし」しか無いようだ。
私は生魚をあまり好まないので寿司はたまにしか食べないが、落語に登場するのは江戸前ではなく関西風の押し寿司である。落語に江戸前寿司が登場しないのは、江戸前寿司が出来たのがかなり後の時代という理由らしい。
今年のいつだったか、浅草の回転すし店に入った時の話である。
テーブルのタッチパネルから注文した寿司がレーンを通って私のところに来たのに、初めての経験なのでそれを取り上げなかったら店員が駆け付けて来て、『すみません。取って頂かないと、レーンが使えなのです』と言われた時は恥ずかしかった。

回転寿司「くら寿司」(浅草)
「鰻」であるが、「鰻の幇間」、「素人鰻」、「子別れ」などがある。
私は鰻は大好きで、最後の晩餐にも食べたいくらいである。
以前は野田岩に通っていたが、最近は築地場外市場の「はいばら」に行っている。
味は野田岩に負けていないで、値段は半値である。店内は野田岩のように豪華でもないし、和服の女性がサービスもしてくれない。それに野田岩と違い、10%のサービス料は不要である。
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うな重「はいばら」(築地場外市場)
「鯛」であるが、「さくら鯛」、「猫の災難」などがある。
昔は祝い事があると、我が家でも必ずどこからか「尾頭付きの鯛」が届いたものだ。
「秋刀魚」は「目黒の秋刀魚」が有名である。
今年も秋刀魚は不良で、やせ細っているのに値段は高い。
10年ほど前に私達が伊達市に滞在した時は、イコロ農園で「秋刀魚パーティ」をした。
その時に「釧路の秋刀魚は立つ」というのを実体験したが、本当だった。

ホテル「TOKYU STAY」の大きな鯛(築地場外市場)
「河豚」であるが、「河豚汁」があるが、庶民的な食べ物ではないのであまり落語には登場しない。
河豚も私は大好物で、年末には取り寄せても食べる。
30年も前のことだが、下関のフグの名店で、日清講和条約を締結した歴史に登場する料亭「春帆楼」に女房と行ったことがある。コース料理を注文し、支払いの時に驚いた。1人前3万5000円+サービス料だった。
「現在はいくらか?」と思って調べたら、資本が変り、なんと2万2000円で30年前より安くなっていた。

勝鬨橋の袂のふぐ屋「天竹」(毎月29日はフグの日)
「鮑」であるが、「鮑熨斗」があった。やはり高価な食べ物は演題も少ないようだ。
これもかなり昔のことだが、女房と伊勢神宮にお参りした後に鳥羽まで行った。
港の看板に鮑料理が見えた。その夜は、定期船連絡船に乗って離れ小島「菅島」の旅館に泊ることにした。
そして鳥羽港から電話で『夕食に鮑を食べたい』と伝えた。
旅館のオヤジは『仕入れの都合があるので、いくつくらい?』と聞くが、『食べてみなければ分からないので、いっぱい』と言っておいた。
夕食に「刺身、巨大な踊り焼き、煮つけ」が出て来て、食べ切れなかった。
翌日の朝食にもオヤジが仕入れた鮑を食べさせられて、あんなに沢山の鮑を食べたのは、人生で最初で最後だった。

「鮑の踊り焼き」も、最近は食べたことがない。
(おまけの話)
「天婦羅」であるが、「王子の狐」がある。
伊達市に滞在した時に、驚いたことがあった。
「テンプラ」と言うと東京では「天婦羅」だが、伊達市では「さつま揚げ」のことだった。
「ヤキトリ」と言うと東京では肉が「鳥」であるが、伊達市の隣の室蘭では「豚肉」だった。
では『東京風の焼き鳥はなんて言うの?』と聞いたら、『鳥のヤキトリ』だと言う。
日本は狭いようで、広いのである。

私の好きな「銀座・天一」
「餅菓子」であるが、「幾代餅」、「黄金餅」、「やかん」などがある。
私は甘い物に目が無いので、東京の甘い物、特に老舗の和菓子屋は殆ど知っている。
最中なら「空也」、鹿の子なら「鹿乃子」、どら焼きなら「うさぎや」、大福なら「岡埜栄泉」、羊羹なら「虎屋」がお勧めである。他にも多くの老舗もあるし、新興勢力も出て来ている。
餅菓子は同じ1個でも、ケーキよりズーと安いところも気に入っている。
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「どら焼き」(上野うさぎや)
落語に登場するもので一番多いのは、なんと言っても「酒」である。
私は酒を飲まないので、酒の話は書くことが出来ない。
今回、取り上げた演題で、聞いて知っている落語はわずかに3題だけだった。
私は寄席に行くことが殆ど無いので、メジャーじゃない落語は知らないのである。
これからは今回、登場した落語をタブレットのイヤフォンで、秋の夜長に寝ながら聞こうと思っている。

「玉子焼き」(築地・山長)
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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『鍛冶屋』に憧れ続ける『かじや』 (有)藤鉄工 代表取締役 加藤耕平氏
「子どもの頃から親父に仕事を手伝わされていました。でも、この仕事が嫌だったので継ごうとは思っていませんでした。」 加藤耕平さん58歳。 来年で創業50年になる(有)藤鉄工の二代目 代表取締役です。 お父様から事業を引き継いだのは2005年のこと。 高校卒業後、専門学校の建築科に進学した耕平さんは、卒業後、某建築会社に就職をし、大工からの修行を始めました。 けれども1年で退社。 家業を継ぐ決心をして伊達に戻ってきました。 お父様との子弟関係の始まりです。 ↑作業場には、様々な形の鉄製品や工具が並びます お父様が事業を興したのが1973年。 そのお父様の下で働き、50年目を迎える佐藤さん。 この日も黙々と仕事をされていました。 ↑御歳70歳の佐藤さん。ちょうど溶接の仕事をされているところでした。 50年間同じ会社で勤め上げる姿に胸が熱くなります。 「創業当時は、バルコニー・煙突のエント梯子・住宅関連の仕事の受注が多かったです。けれども時代の流れでアルミやステンレスが主流となり、仕事の依頼に変化がありました。ちょうどその頃、伊達市内の拡幅工事が始まり、店舗などの重量鉄骨鋼造物の仕事が多くなったのです。ところがそれも終わった15〜20年前になると受注がめっきり少なくなりました。製缶といって、建物以外の工事の依頼が来るようになりました。例えば週末処理場の汚水菅や製鉄所の設備工事の仕事です。さらに大打撃だったのは、東日本大震災をきっかけに原子力発電所の仕事が無くなったことでした。」 どんどん減っていく仕事…。 2012年に大きな転機が訪れます。 その年の年末にお母様が亡くなり、その翌年から仕事もすっかり無くなってしまいました。 「この時、家族とも相談し、佐藤さんにも相談し、廃業をする決心をしました。」と耕平さん。 意を決し、信頼を寄せている会社様のところへ行き、「廃業をするので佐藤さんと自分を使ってください。と頭を下げに行きました。」 結果として、廃業は思い留まることになりますが、そこから厳しい修行が始まりました。 加藤さん48歳、佐藤さん60歳の時です。 「相談先の社長の提案で、私は、その会社様の仕事を受注するために2年間修行に通うことになりました。修行をさせていただきながら仕事も作っていただき、佐藤さんには弊社工場で作業をしていただいていました。お陰様で新たな技術を習得することが出来、それまで受注をしたことがなかった漁業機具や船の仕事を請け負うことができるようになったのです。」 新たな技術習得のためとは言え、力仕事をするための片道50km以上の毎日の通勤は、さぞかし体にも堪えたことと思います。 「修行はなかなか大変なものでした。それまでは常に水平と垂直を確実に測りながら行う仕事だったからです。ですから、湾曲が多い船の仕事はとても戸惑いました。また、「鉄」一筋で来たため、ステンレスでできた漁業機具を扱う仕事にも戸惑いました。何もかも初めてのことばかりの修行でしたが、あの時お世話になったお陰で今があるので本当に感謝しています。」 それでも、時代の流れは安定をさせてくれません。 再び、ここ2〜3年の厳しい状況を経て、いままた少し仕事が戻ってきたそうです。 浮き沈みの激しさの辛さについては、筆者とは業種は違いますがとても理解できます。 「ところで、社名の由来を教えてください。どうして「加藤鉄工」ではなく「藤鉄工」なのですか?」 ↑作業場の2Fは事務所です 「親父が付けた社名なのですが、“加藤”と“佐藤” の共通文字 “藤” を採ったのだそうです。」 なるほど! お父様が佐藤さんを大切に想っていらっしゃった気持ちがよく分かります。 その先代の想いも引き継いだ耕平さん。 だからこそ、佐藤さんは50年も勤めておられるのですね。 さて。 空前のキャンプブームの昨今ですが。 実は、耕平さんは40年来の筋金入りキャンプ好きです。 しかも長年のコールマン製品コレクターでもあります。 そんなバックボーンを持つ耕平さんが、今ライフワークにしていること。 それは『kokoperi iron』というアウトドアガレージブランドの運営です。 ↓ショップはこちら。 https://kokoiron.thebase.in/ こちらの焚き火台ほかの鉄製品は、全て耕平さんの作品です。 鉄を使い、一つ一つに時間をかけ、丁寧に叩いて叩いて作られた本物が並びます。 鋳造ではありません。 「鍛冶屋」の仕事です。 もう本当に素敵です。 もちろん、オール鉄なので重量感もあります。 「重いですが、自分が使いたいものを作りました。」 ↑ココペリとはこの笛のようなものを吹いている妖精のこと ↑焚き火台「青海波」を筆者も経験させていただきました。模様越しの火がとても美しい。 ↑2022年4月 キャンプの様子。本物の道具に囲まれた耕平さんはとってもカッコいいです♡ ↑こちらのアウトドアフェスにも出店参加されます 「ところで、何故、そこまで鉄にこだわるのですか? 大好きなコールマンも鉄ではないのに…。」 「焼き入れをする鍛冶屋への憧れです。これら商品は確かに叩いて作っています。でも、絶滅危惧種的に刃物などを作っている人もいらっしゃる中で 漢字の “鍛冶屋” は名乗れないです。だから僕の場合は、“鍛冶屋” に憧れる ”かじや” です。」 「なるほど…そういうことでしたか。でもそういう謙虚なところが耕平さんの魅力だと思います。」 「それでも憧れを追っています。漢字の “鍛冶屋” に少しでも近づきたくて。自分なりに価値感を見出しながら、必要とされる存在になりたいと思っています。」 ↑服などを掛けたらとっても素敵なシングルハンガーもあります。丸いのはガラスの浮き玉。 ↑火を灯したら素敵なランタンです ↑こちらは新製品。叩いて叩いて造られた厚さ4.5mmの鍛造プレートは、キャンプはもちろんIHにも対応しています。ステーキやハンバーグを焼いたら美味しそう!ハンドルも別売であります。 『鍛冶屋』に憧れ続ける『かじや』。 どこまでも謙虚で熱い加藤耕平さん。 その仕事への想いと姿勢に心打たれた筆者です。 ー(有)藤鉄工 情報―http://www.date-f.net住 所 北海道伊達市舟岡町205-15電 話 0142-23-5769FAX 0142-23-6352E.mail fuji-i-w@cream.plala.or.jp↓Instagraminstagram.com/kokopelli_iron/?hl=ja
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心も体も幸せになるお菓子「こりんご」
今まで何度もお土産としていただき、ずっと行きたかったお店にようやく行けました。 初めてこちらのお菓子を口にした時のあの幸福感が忘れられません。 材料を厳選され、デパートなどで売られているどんな高級高価な焼き菓子よりも感動を覚えました。 ↑りんご色の看板が目印です。 その時は、袋に付けられた材料表示を見て一応納得しました。 でも、それだけならば高級高価なお菓子以上に美味しい理由の説明ができません。 その謎をずっと知りたいと思っていました。 ↑どれもこれも本当に幸せの味でした。 そのお店は駅前の「やきがし こりんご」さん。 響きが柔らかいひらがなの店名にしたいと考えていたときに、ご自宅のお庭にあった小さな実をつけるりんごの木を見て閃いたのだそうです。 2014年にオープンしたお店は、オーナーでありお菓子製作者の山木麗子さんがお一人で切り盛りしていらっしゃいます。 「営業日は木・金の二日間だけですが、月曜日~水曜日まで3日間焼いています。」 と話しておられた麗子さん。 それ、納得です。 並ぶのは小さなお菓子なので、ぱっと見た感じは少なく見えますが、なんと20種類以上ならんでいます。 筆者も経験者として作業工程が分かるだけに、朝から晩まで休む間もなく動き回る麗子さんの姿が目に浮かぶ様でした。 それなのにとてもお安い。 都心部や観光地ならば、きっと2倍~3倍のお値段だと思います。 でも、見た目も味もクオリティーはとても高いです。 麗子さんとお話をしていて、「何故、高級菓子店のものよりも美味しいのか?」という謎がようやく解けました。 それは「母の愛」でした。 ↑ヨーヨーをモチーフにした電笠も可愛い。 決して毒々しくない赤いりんご色の使い方に麗子さんのセンスを感じます。 「卵は平飼い、小麦は国産、ショートニング・マーガリンは使いません。一部使っているベーキングパウダーはアルミニウムフリー。 “こりんご”のお菓子は、お母さんが子どもに安心して食べさせてあげられる“おやつ”として存在したいと思っています。 体に良いものに徹底的に拘ろうとするととんでもなく高いものになってしまいます。子どもの“おやつ”ではなくなってしまう。だから、せめて体に悪いものは使わない というところには拘っています。」 ものすごく納得。 麗子さんのお菓子作りは、母が子を想う気持ちで作られていたのでした。 初めて食べた時あんなに幸せになった理由がようやくわかりました。 広島ご出身で大阪育ちの麗子さんはお話もとても面白い! 子育ての話。 お菓子作りの話。 経営の話。 ついつい取材を忘れて話し込んでしまった筆者です。 仕事のお昼休みに飛んでくるという常連さんたちは、きっとそんな麗子さんの魅力にも引き寄せられているのだと思います。 実はこの日、今シーズン最後のレモンパイを買って帰りました。 キャラメリゼされたパイが本当に本当においしかった~! 秋に販売されるという壮瞥りんごパイが今から楽しみです。 「お店のコンセプトは、見て可愛い。食べておいしい。」とおっしゃっていましたが、正にその通りのお店でした。 美しいオーナー麗子さんですが、写真はパスでした。 楽しいトークと、おいしいおやつ。 小さな小さなお店ですが、大きな大きな幸せを提供してくれます。 店舗情報 「やきがし こりんご」 住所 伊達市山下町362番地 電話 080-1885-4703 営業 木・金 11:00~16:00 ただし、7月第3週目は休業 夏休みもあるので、7~8月はFBで要確認↓↓ https://www.facebook.com/ringo.koringo ※ 記事の内容は取材時の情報に基づいています。営業日やメニューは変更になる場合があります(取材2021年6月)
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