心の伊達市民 第一号

コロッケを見て笑う

私の住む中央区は区民に、特に高齢者にとても優しい。
毎年、この時期になると敬老の日を記念して、70歳以上の区民を対象に観劇会を開催してくれる。
区内には歌舞伎座、新橋演舞場、明治座という大きな劇場があるので、それを順番に巡って無料招待をしてくれる。その上に75歳以上の区民には毎年、3000円分の買い物券までプレゼントしてくれる。



中央区から贈られた「敬老祝賀買物券」


三多摩地区に住むY君が、いつも言っている。
『中央区はいいなー。都心とは三多摩格差がある。それにJR中央線では立川駅で若い女性はみな降りてしまい、その先の車内には美人はいない!』と言うが、本当かなー?


ただ中央区は大企業の数はそれほど多くは無いが、優秀な中堅企業は多いと思う。
その上に湾岸地区にタワーマンションが増えていて、税金を払ってくれる人口も増え続けている。



明治座の10月公演「令和千本桜」


去年はコロナ騒動で中止だったが、今年の観劇は明治座の番である。
私は女房と2人で、10月12日(火)の公演に申し込んだ。
10月の演目は「令和千本桜~義経と弁慶」 、「コロッケものまねオンステージ2021」の2本立てである。


公演開始は12時からで、その前にお弁当か、レストランでの食事も付いている。至れり尽くせりである。
私はレストランを予約しておいたので5階のレストランに案内されたが、みんなと同じお弁当だった。



明治座全景


我々のチケットの席は1階席で正面に向って左側の、前から7番目の良い席だった。
料金表で確認したら、1階席と2階席は1人、1万2500円だった。私は招待じゃなければ、行かないだろう。
観劇の申し込みはコロナの最中だったので辞退する人が多いと読んだか、いつもと違い貸し切りではなく一般客と一緒だったが、それがまた面白い経験もできたのである。



明治座2階からロビーを見下す。


開演前に舞台の上に巨大なスクリーンが張られていて、そこにプロジェクション・マッピングで動画が放映されていた。時間5分前になるとスクリーンが上がり、いつもの見慣れた富士山が現れた。
例年だと中央区警察署から係員が来て、開演前に「オレオレ詐欺と交通事故」の話をする。
それが終ると区長が出て来てお祝いの言葉を述べるのだが、貸し切りではないので今回は無かった。



お弁当(食中毒を恐れて、幕内弁当なのに酢飯である。


第一部は「令和千本桜~義経と弁慶」で、コロッケと元宝塚の男役の「七海ひろき」という女優が出演して、弁慶はコロッケ、義経は七海ひろきの2人主役であった。
私は宝塚に興味が無いので七海ひろきという名前を初めて知ったが、背が高く、スタイルが良く、顔が小さい。コロッケと並ぶと、コロッケの顔が巨大に見えてしまう。



舞台にはスクリーンが張られて、プロジェクション・マッピング。


ストーリーは歌舞伎でお馴染みの「勧進帳」である。
それをミュージカル仕立てで演じるのであるが、なにか違和感がある。
隣を見たら、歌舞伎ファンの女房はつまらないのか寝ていた。


しかし前から3列は全員が「七海ひろき」の熱烈なファンらしく、1万2500円のチケットを買った若い女性ばかりで、盛んにペンライトを振っていた。
ただコロナの為に劇場からは「声を出さないで下さい」と言われているので、マスクをして立ち上がりもせず静かにペンライトを振っていた。



開演が迫ると、スクリーンは上がり本物の幕が現れる。


(おまけの話)
第二部は「コロッケものまねオンステージ2021」であった。
久し振りにコロッケのものまねを見たが、いつの間にか「ものまね」が進化し過ぎて、あまり面白くなく笑えない。


五木ひろしのものまねをロボットでやっていた頃が、一番笑えた時代かもしれない。
なにしろコロッケはデビュー40周年だというのだから、ものまねで40年も生き残るのも相当に大変だろうと察するのである。



私が10年以上も前に彫った「弁慶の勧進帳」


斜め前の席の6人組の中年女性達は、年齢から見て中央区の招待客ではないと思われる。
コロッケのものまねに大きな声で笑い転げている。
『何がそんなに面白いの?』と聞きたかった。きっとコロッケの熱烈なファンなのだろう。


第二部ではコロッケの合間に、七海ひろきが歌と踊りでも出演した。
バックダンサーが4人出ていたが、その踊りのキレが良い。
私が舞台で好きなのは、フィナーレで全員が出て来るところだ。映画ではエンドロースだが、この時ばかりは実物はいいと思う。



人形町の「甘酒横丁」


帰り道に人形町に出る為に、浜町公園を通った。そこには弁慶の勧進帳の銅像が立っている。
私は思い出した。仏像彫刻を熱心にやっていた頃に、この弁慶を見て私は同じものを彫ろうと考えた。
何枚も写真を撮り一生懸命に彫ったが、実物とは少し違った。


舞台を見た後のせいか、同級生で元演歌歌手のM君を思い出した。
コロナの前に、神楽坂から倉敷に越してしまった。M君は元気にしているだろうか?
このブログを読んでいたら、メールが欲しい。



夕食用に私は志乃田寿司の「助六」、女房は「関山」の箱寿司。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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